書を買いに、町へ出よう
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
いやあ。来ますね、書。
それぞれの構築やカードについてはみんなあれこれ言っていますが、知り合いが「構築済みデッキはもともと競技やカジュアル、キャラクターなどさまざまな方面の『デッキの種』が内包されており、それぞれのプレイヤーがやりたいことに向けて『崩すためのデッキ』である」という説を立ち上げていてなるほどなあと感じました。
みなさんも言いたいことはいろいろあるとは思うんですが、構築済みデッキの中から自分の可食部を見つけてそれを大事にしていってくださいね。
この企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマは、こちら。
《サファイア・ペンダット》

【 クリーチャー 】
種族 スターノイド / エンジェル・コマンド / デーモン・コマンド / 文明 光/水/闇 / パワー7500 / コスト5
■ブロッカー
■スレイヤー
■W・ブレイカー
■相手がこのクリーチャーを選んだ時、相手は自身の手札を1枚捨てる。
■各ターン、クリーチャーがはじめて自分以外のプレイヤーを攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をシールド化してもよい。その後、攻撃クリーチャーの持ち主はカードを1枚引いてもよい。
■自分のシールドゾーンにある呪文すべてに「S・トリガー」を与える。
というわけで、今回のテーマは《サファイア・ペンダット》。
デュエマ界でもトップクラスに人間性に問題を抱えた人物にして、光水闇のカラーリングの強化の口火を切った一枚ですね。
今回はこのカードを活かして、【起源神】に頼らずに偽衒学者としての夢を見ていこうと思います。
さて。実はこのカード、(デュエパならいざ知らず)通常構築で上手く活かそうとするとけっこう難しいカードでして。
端的に言うと、二人対戦だと目玉能力ふたつが微妙に噛み合わないんですよね。
それぞれの効果を噛み砕くと、シールドと手札を追加する方の効果は「自分から相手プレイヤーへの攻撃を推奨する効果」、トリガー化効果は「相手から自分自身への攻撃を抑止する効果」なんですが……
これ、相手は殴り返しをすることでトリガー化効果を無視できるんですよね。そりゃ、攻撃で無防備なクリーチャーを晒しつつ「プレイヤーを殴るとトリガー化で逆転するよ!」って言ったらそうもなりますわな。
こうして殴り返しをされているうちは、トリガー化効果はないも同然です。
かといって逆に殴り返しされないようなデカいクリーチャーを用意すると、それはそれで攻撃時のリソース確保能力が活きません。デカブツで一発でゲームを決めて勝ち、だけなら別に《サファイア・ペンダット》じゃなくてもよくなっちゃうわけで。
この能力の矛盾、わかっていただけたでしょうか。
これまではたまたまシールドと手札をいっぱい求めていて暴発をいっぱい行う【起源神】と噛み合っていたから強く見えていただけで、このカード自体は使い方をきっちり考える必要がある難しいカードだったのです。
……となると、このカードを活かすならこんなカードが必要になるはず。
「相手プレイヤーを攻撃可能で」「殴り返しに強く」「ペンダットでトリガー化できる呪文面があるツインパクト獣」……果たして、こんなに都合のいいカードがあるのでしょうか?
2種8枚あります。
そう。2種の《 第六戦街 ラヴ・ガトラー 》は、2打点を持つアタッカーでありながら、《サファイア・ペンダット》がいれば殴り返されてもトリガーから出てきても全体除去を放てるのです。
しかも「コマンド」「ブロッカー」など、《サファイア・ペンダット》とサポートを共有する要素が多数あるのも嬉しいところ。ついでに呪文限定のアンタッチャブルまで持ってるので、破壊以外の除去でどかされるパターンもある程度防げます。
このシナジーを活かせば、きっとデッキが組めるはず!
というわけで、完成したデッキがこちらです。


《 神聖の精霊アルカ・ガール 》のコマンドシナジーを軸に、「相手に強制攻撃させつつ、ブロッカーでの返り討ちやトリガー化による逆転を狙うデッキ」みたいな感じになりました。そこまでやるなら【天門】でいいだろというのは禁句。
ブロッカー率が高まったので、トリガー化と相性がいい《 禁呪と聖句の決断 》も採用。《 第六戦街 ラヴ・ガトラー 》を相手ターンに送り込んだり、いざと言う時に除去やシールド追加を飛ばせるのも嬉しいところです。
《 サファイア・ペンダット 》さえ立っていれば凄まじい防御力が手に入るので、1-2打点で2-3ターンくらいかけて殴り切るリスクは見た目以上に低いはず。ニチャニチャしながらじわじわリソースを稼いでいきましょう。
カード単体で言うと、《 悪魔聖霊ザオバーク 》は除去付き3コストチャージャーでありながら《 サファイア・ペンダット 》に除去耐性を与えられるお得な逸品。素ではブロッカーがついてない等の弱点もありますが、デッキとの噛み合いは良好です。
もうちょっとちゃんとやるなら【天門】に寄せてみたり、勝ち手段に《 S級宇宙 アダムスキー 》を足してもいいはず。
《 アクアン 》で手札を補充したり、コスト5ブロッカー軸で《ハッチャキ》《 奇石 トランキー / アイ・オブ・ザ・タイガー 》を狙ってみたりとルートはいくらでもありますね。
ここしばらくのプッシュでこのカラーリングのデッキは相当組みやすくなってますので、ぜひいろいろ試してみてくださいませ。
さて。このデッキが真に「未踏」のデッキかを確認するためには、あと一工程必要です。それは。
デッキメーカーによる、先行研究チェックです。
キーパーツ数枚程度を含むデッキを検索することで、このアイデアが既出か初出があるかが見込める……ということですね。この検索結果が「1件」ならば、晴れて私は未踏の地に到達したことになります。
というわけで、《 サファイア・ペンダット 》《 第六戦街 ラヴ・ガトラー/インビンシブル・アビス 》《 第六戦街 ラヴ・ガトラー/漆黒の裏六戦街 》での検索結果は……!

『未踏』、達成……!
類似の先行研究には、【天門】の隠し味としてペンダット+インビンシブル・アビスを狙うデッキがいくらか存在しました。こちらだと、《 スターゲイズ・ゲート 》がトリガー化してお得なんですよね。
他にも《 アクア・スペルブルー/インビンシブル・オーラ 》など、よりツインパクトを重視してこのカードを活かしていくのも楽しいかもしれませんね。
Pedantic Children
というわけで、夢を見ていました。
私自身が以前から実際に使っていたカードながら、今回掘り下げるまで「このカードの能力に矛盾がある」ということに気付かなかったので、そういった点ではけっこう収穫があったと思っていたりします。
いやまあ、このカードの矛盾点を覆い隠すくらい【起源神】というデッキと噛み合ってただけと言われたらそれで終わりなんですが……。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。
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