こんにちは、月刊アドバンスの時間です。担当の神結です。よろしくお願いします。
今月は新殿堂施行があり、さらににじさんじコラボパックである「異次元の超獣使い」がリリースされました。
いずれもアドバンス環境に大きな影響を与えておりますので、今回はこの2つを中心に見ていきましょう!
2025年2月環境はこちら!
目次
今月のアドバンス環境~さらばマーシャル! デリートから解放された世界~
改めて、今月のアドバンスの大きなテーマと言えば、新殿堂の施行です。

今回の殿堂改訂はアドバンスの世界にも相応に影響が大きいものでした。
まず何より、【マーシャルデリート】【マーシャルループ】の両マーシャルが事実上消滅したことでしょう。
中でも最速3ターンかつ《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》によってメタクリ1枚くらいなら突破してくる【マーシャルデリート】は全プレイヤーにとって脅威であり、多くのデッキが《禁断 ~封印されしX~》の搭載を余儀なくされました。
極端な話、関東のCSでは【4cDREAM】とか【水自然ジャイアント】のような自前のギミックと相性がいいデッキはまだしも、水闇自然のデッキとか、天門までもが禁断を積んで戦っていたので、その影響の大きさが伺いしれると思います。
というわけで【マーシャルデリート】の消滅はアドバンスのデッキの自由度を上げてくれています。
禁断を搭載出来ないデッキが選択肢に上がるのはもちろん、【水自然ジャイアント】は禁断あり・なしどちらでも戦えますし、【火光水BAKUONSOOO】なんかも
また両マーシャルの消滅によって直接的な恩恵が受けたのが、【光水ヘブンズ・ゲート】でしょう。
元々マーシャル対面はいずれのタイプでも不利を被っており、特に《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》登場以降は入賞数なども右肩下がりの状況でした。
しかし、マーシャルが殿堂となると話は別。元々広い対応力と総合力で戦うデッキだけに、コンボによる即死が減った環境には適応しやすいでしょう。
加えてにじさんじコラボで《審秘の精霊ピュリファイ・ジョーカー》を獲得。

【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド / 文明 水 / パワー5000 / コスト6
■相手の、クリーチャーの能力または呪文によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりに出してもよい。
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーが出た時、プレイヤーを1人選んでもよい。そのプレイヤーは、自身の墓地にあるカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、自分はカードを2枚引く。
《ギャラクシー・チャージャー》で拾える水単色であり、更にハンデス耐性持ちということ《死神覇王 XENARCH》への勝率は確実に上がりました。有利不利については議論の分かれるところですが、「勝率が上がった」というのはまごう事なき事実でしょう。
というわけで【光水ヘブンズ・ゲート】は初週の環境で一定の結果を残しており、現在は秋GP当時の環境に近しいのかなぁ、と考えております。
その他《DARK MATERIAL COMPLEX》については、直近の【闇単零龍XENARCH】では抜けていることが多かったものの、採用候補となるカードだったことに違いはなく、また【水自然ジャイアント】などに対してのキラーカードではあったため、デッキとしての対応力を下げたのは間違いないでしょう。
《雷炎翔鎧バルピアレスク》を失った【ファイアー・バード】については、元々環境的には【闇単零龍XENARCH】の存在が大きく立ち位置が怪しかったのですが、デッキ力の低下は間違いありません。
ただアドバンスの場合は《カモン・ピッピー》の存在によって元々コスト5の層は厚く、また《カモン・ピッピー》と《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の相性もいいことから、開拓によってまた環境で存在感を放つ可能性もあるでしょう。
それ以外では相対的に立ち位置を上げた【ドリームメイト】や雑多な環境で広く戦いやすい【4cガイアッシュDREAM】なども活躍。
ちなみにドラグナー系統では、《夢双龍覇 モルトDREAM》ではなく《最終龍覇 グレンモルト》系統で《ボルメテウス・レインボー・ドラゴン》を採用する構築も見られました。

【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 光/火 / パワー11000 / コスト7
■革命チェンジ:光または火の、コスト5以上のドラゴン(自分の光または火の、コスト5以上のドラゴンが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
■W・ブレイカー
■自分の、名前に《ボルメテウス》とあるクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■このクリーチャーが出た時、このクリーチャーは自分のシールドを1枚ブレイクしてもよい。
■自分のシールドゾーンにあるコスト7以下のドラゴンすべてに「S・トリガー」を与える。
また【水自然ジャイアント】は上記の通り禁断の有無を自分で選択できるようになり、かつ《学識妖精サイクリル》の登場で序盤の強度が上がりました。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント・スノーフェアリー / 文明 水/自然 / パワー3000 / コスト3
■マッハファイター
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をタップしてマナゾーンに置く。
■各ターンに一度、自分のスノーフェアリー・クリーチャーが攻撃する時、コスト4以下の呪文を1枚、自分の墓地から手札に戻してもよい。
一方で【光水ヘブンズ・ゲート】の復活によって、【火闇バイク】は《轟血鬼 ザ・ヴァンプ》こそ獲得したものの評価は低下気味。

【 クリーチャー 】
種族 ソニック・コマンド / ヴァンパイア / 文明 闇/火 / パワー6000 / コスト4
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分のシールドを1つ手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない。そうしたら、相手のアンタップしているクリーチャーを1体選び、破壊する。
BAKUONSOOO系は、こちらも【光水ヘブンズ・ゲート】と戦いやすい【火光水BAKUONSOOO】と、不利な【火水BAKUONSOOO】ではちょっと差が付いているかな、といったところです。
以下、Tier表のまとめと、各デッキに対する所感になります。
2025年3月環境デッキ
というわけで、新殿堂以降の環境について、その主要デッキを見ていきましょう。
今回設定したランクは以下の通りです。

Sランク:【闇単零龍XENARCH】、【火光水BAKUONSOOO】、【光水ヘブンズ・ゲート】
Aランク:【光自然ドリームメイト】、【4cガイアッシュDREAM】、【火水BAKUONSOOO】、【水自然ジャイアント】
Bランク:【火闇バイク】、(ファイアー・バード?)
Sランク
闇単零龍XENARCH


環境に変化はありましたが、新殿堂後もしっかり結果を残しています。
個人的な感想だと、《DARK MATERIAL COMPLEX》の殿堂がかなりの痛手ではあるのですが、《影邪盗霊》との相性が悪かったために、そもそも抜けている構築が活躍していました。
《DARK MATERIAL COMPLEX》という選択肢を失ったこと自体は痛手ではあるものの現行リストが弱体化した訳ではないので、引き続き環境を牽引していくことになりそうです。
火光水BAKUONSOOO


こちらは新殿堂による影響は少ないですが、【マーシャルデリート】と戦わずに済むようにために《禁断 ~封印されしX~》を抜くことが許されるようになりました。
またそれとは別に、最近採用されるケースが増えたのが《天翼 クリティブ-1》でしょう。

【 クリーチャー 】
種族 ジャスティス・ウィング / ディスタス / 文明 光 / パワー2500 / コスト2
■相手が、自身のマナゾーンのカードの枚数よりコストが大きいクリーチャーを出した時、相手はそのクリーチャーを山札の下に置く。
■ササゲール1(ディスペクターを召喚する時、コストを1少なくしてもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。そのディスペクターのコストは0以下にはならない)
こちらはその昔、《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》とセットで【火光ドギラゴンノヴァ】で採用されていたカードです。今回とセットで採用されている訳ですが、ことBAKUONSOOOに関してはただの《奇石 ミクセル》の同種カードでは留まりません。
なんとこのデッキの場合、《天翼 クリティブ-1》のササゲールが役に立つんですね。
このお陰でクリティブが絡むと4ターン目にクリーチャー2体からBAKUONSOOOが出せるようになっています。
ここに来てまだまだ相性がいいカードが発掘されているBAKUONSOOO。まだまだ結論構築とはならなそうですね。
光水ヘブンズ・ゲート


マーシャル消滅で、最も得をしたのがお馴染み"天門"でしょう。
このデッキは速度勝負には劣る代わりに強固な受けと6マナからの即勝ち、そして高い安定感を持っています。
元々アドバンスはオリジナルに比べて殴るデッキが強い傾向があり、最大の天敵が消えたいま、活躍するのは必然でしょう。
また前述の通り、《審秘の精霊ピュリファイ・ジョーカー》を獲得したことで、【闇単零龍XENARCH】とある程度戦えるようになりました。
しかし《ヘブンズ・ゲート》が天下を獲っていたGPの際とは違って、各デッキのリストもプレイ強度も洗練されつつあります。
実際、新殿堂施行の週は全国各地でこのデッキが優勝しましたが、翌週の優勝はガクっと落ちました。
天門側にも変化が求められているのかもしれません。
Aランク
光自然ドリームメイト


天門・XENARCH・火光水BAKUONSOOOという環境トップたちに対して有利主張できるのが、【ドリームメイト】になります。
天門には展開+《キャディ・ビートル》で封殺し、XENARCHには《とこしえの超人》が、そして火光水には《料理犬のヴィヤンドゥ》がそれぞれ回答となっており、彼らとはある程度優位に戦えるでしょう。
しかしこうしたカードを引けずに押し込まれるとパワーで覆せないので、強さと同時にしっかり脆さを抱えているデッキでもあります。
オリジナルとアドバンスで差異が少ないデッキなので、アドバンスの入門としてもオススメ。
4cガイアッシュDREAM


バランスの良さと安定感、そして地雷デッキ耐性など、ドラゴンデッキは高い完成度で纏まっています。
《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》、そして《地封龍 ギャイア》が刺さらないデッキは当然なく、これを越えて受け切れるデッキというのも少ないので、フィニッシュ時の封殺力はピカイチです。
一番の有利相性だったのは恐らく【マーシャルデリート】であり、これの消滅はまぁ立ち位置的には痛くはあるのですが、一番やりたくなかった【ファイアー・バード】も弱体化したことや、極端に不利な相手もいないことから、安定した戦いが可能でしょう。
火水BAKUONSOOO


速度とメタを越える能力で言えば、火水のルーター型BAKUONSOOOが一番です。
特に《強瀾怒闘 キューブリック》のお陰で《キャディ・ビートル》や《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》などに対処がしやすく、相手の“妨害”を踏むことに長けています。
またこうしたカードは手札に嵩張ると嫌なのですが、このデッキは《夜露死苦 キャロル》+ルーターのお陰で手札が増え続けるので、ずっと抱えられるんですよね。
最終的に、メタクリーチャー2体くらいなら問題なく《頂上混成 BAKUONSOOO8th》へと繋げます。
ただしその代わり《ヘブンズ・ゲート》や《光鎧龍ホーリーグレイス》といったトリガーにはどうしょうもないので、受けの強い環境だと苦しくなりますね。
水自然ジャイアント


こちらもドラゴンデッキ同様、幅広く強いタイプです。
違いと言えばドラゴンは《メンデルスゾーン》などのマナブーストでゲームを作り、ジャイアントは《とこしえの超人》や《キャディ・ビートル》といったメタクリーチャーを《同期の妖精》や《アシステスト・シネラリア》で守ることでゲームを作ります。
《禁断 ~封印されしX~》については「《五番龍 レイクポーチャー ParZero》で散らしたピン投のカードを拾っていきながらゲームをしたい(=封印落ちが嫌なので採用しない)」派閥と、「《インフェル星樹》のインチキでゲームをしたい(=採用したい)」派閥がそれぞれあるので、ここはマジで好みだと思います。
広く戦えることが魅力で、カードの採用幅も広く、特段苦しいカードもないのすが、唯一《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》だけはどうにもならないため、似た系譜ながらドラゴンデッキには不利です。
Bランク
火闇バイク


お馴染みのバイクですが、デッキは充分強いです。
ですが、「速度はあるけどトリガーはケアしにくい攻撃」「分厚い楯」という特性を生かすには殴り合いの環境をご所望しており、そうした環境ではないときは不利な戦いも強いられて厳しいのかなぁ、と個人的には考えています。
おわりに
というわけで、今月のアドバンス解説はいかがだったでしょうか?
全国大会前のおさらいとしても、これからGPのアドバンスに向けて練習教材として、ぴったりのものになっているとは思います。
殿堂やにじさんじコラボによって環境の変わったアドバンスの方も、ぜひ遊んでいただければ。
それでは、また。