担当の神結です。今月もよろしくお願いします。
こんにちは、月刊アドバンスの時間です。
6月最大の話題と言えば、やはり王道W第2弾「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」の発売でしょう。
特に新規デーモン・コマンドが多数登場したことによって、アドバンスの環境デッキにも変化の兆しが。是非、チェックしていきましょう。
2025年5月環境はこちら!
目次
今月のアドバンス環境~デーモン・コマンドの躍進~
というわけで、冒頭でも書きましたが「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」が発売されました。
既にオリジナル・2ブロックでは新規SRである《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》などが連日大活躍を見せていましたが、アドバンスでは同じく新規SRのカードが結果を残しました。
それが《魔誕導師ブラックルシファー》です。

【 G-NEOクリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 文明 闇/火/自然 / パワー11000 / コスト6
■G・ストライク
■G-NEO進化:闇、火、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時または自分のターンのはじめに、自分のマナゾーンと墓地からカードを最大1枚ずつ、このクリーチャーの下に置いてもよい。
■メガメテオバーン3: このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを3枚墓地に置いてもよい。そうしたら、次の自分のターンのはじめまで、相手のクリーチャーが出た時、そのクリーチャーを破壊する。
メガメテオバーン3が決まれば強力なことは百も承知なのですが、そのためには進化元の用意が必要だったりと、やや大振りな印象といった感じです。
しかし、アドバンスでは真逆。
最低保障として、《時空の禁断 レッドゾーンX》のお陰で進化元なくても即時起動が出来ますし、、進化元として《頂上龍素 サイクリタ》を用意すれば、《魔誕導師ブラックルシファー》1枚から2ターン連続で効果を使えたりと、相手・自分の状況に合わせて使い方を選べるという器用さを発揮。
それでいて、効果が決まれば基本的にはどんな時でも強いというすんごいカードになっています。
というわけで、この《魔誕導師ブラックルシファー》を採用した【5cバロム】(火闇自然の3色寄りではありますが)が連日優勝。
デーモン・コマンドではそれ以外にも《怒像アゲ》など優秀なカードを獲得しており、既に今夏のリヴァプールくらい充実度のある補強に成功。バロム系のデッキは今後もアドバンスを牽引していくことになるでしょう。
また他で大幅なアップデートを果たしたデッキで言えば、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》でお馴染みのバイク系統でしょうか。
こちらは《喜像エル》という新たな“下バイク”の獲得に成功。

【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / デモンズ・レガシー / フュージョナー / 文明 闇/火 / パワー3000 / コスト4
■ スピードアタッカー
■このクリーチャーが出た時、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻してもよい。
■超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える)
■このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚墓地に置いてもよい。そうしたら、相手のシールドを1つ選び、持ち主の墓地に置く。
超魂Xで楯を焼却出来るというということで、遂に殿堂カードの《熱き侵略 レッドゾーンZ》でしか出来なかったトリガー対策を手に入れることに成功しています。
それ以外で言えば《一音の妖精》や《エリー=エリザベス》、《無頼BEN-K1000》などの新カードの採用・活躍がありましたが、これは個別の項目で触れていきましょう。
昨年の《悪魔世界ワルドバロム》の登場以来、デーモン・コマンドの活躍はもう少し続きそうですね。
2025年6月環境デッキ
というわけで、新殿堂以降の環境について、その主要デッキを見ていきましょう。
今回設定したランクは以下の通りです。

Sランク:【火光闇ファイアー・バード】、【5cバロム】【光水ヘブンズ・ゲート】
Aランク:【闇単零龍XENARCH】、【火水BAKUONSOOO】
Bランク:【火光自然モルトDREAM】、【呼び声ボルシャック】【火(水)闇バイク】、【火光自然ドリームメイト】
Sランク
火光闇ファイアー・バード


新弾による影響は特になし。
《魔誕導師ブラックルシファー》が殴るような状況が実現すると当然重いけど、ファイアー・バードであればそんな状況を作られないことも可能なので、引き続き最強デッキの一角として活躍し続ける筈です。
5cバロム


上記で説明したように《魔誕導師ブラックルシファー》の影響で大幅にアッパーされました。
仮に空盤面でメガメテオバーン3が決まったとして、その返しに勝てる(盤面を返せる)デッキというと、《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を有する【光水ヘブンズ・ゲート】か、或いは《無敵剣 プロト・ギガハート》で破壊を一度退避できる《夢双龍覇 モルトDREAM》、後は《零龍》の卍誕でなんとかする【闇単零龍XENARCH】とか、かなり限られたデッキの限られた動きに限定される、というのが現在の印象です。

【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / デモンズ・レガシー / フュージョナー / 文明 火 / パワー5000 / コスト7
■S・トリガー
■このクリーチャーが出た時、コストの合計が9以下になるように、相手のクリーチャーを2体まで選び、破壊する。
■超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える)
■自分がゲームに負ける時、これが進化クリーチャーなら、かわりにこのクリーチャーの下にあるカードをすべて墓地に置いてもよい。
防御面についても、単色で封印を剥がせる生物受けトリガーである《怒像アゲ》の存在はかなり大きく、今後も選択肢となることも考えると、買っておいて損はないかと。
今後は《究極の虚 ジャシン=ヴリドガルド》や《魔誕の邪蹄ベル・ヘル・デ・ガウル》といった、もっと前に寄せた構築なども考えてもいいかも。
新弾でもっともアッパーされたデッキであることは間違いないので、ぜひ気になる方は手に取ってみて下さい。
光水ヘブンズ・ゲート


こちらも新弾によるリストへの直接的な影響はなし。
ただし環境的には《魔誕導師ブラックルシファー》の台頭やバイクの増加などを考えると相対的に言えば強くなったと言っていいかもしれません。
ちなみにご近所さんであるところの《巨大設計図》を使う方のヘブンズ・ゲートはいいますと、《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》だったり《王導聖霊 アルファディオス》の登場だったりで、何やらキナ臭さがありますので、こちらも要チェックかもしれません。
Aランク
闇単零龍XENARCH


【闇単零龍XENARCH】の方はといいますと、新弾で中々の強化を得ました。
その新カードというのが《エリー=エリザベス》ですね。

【 G-NEOクリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 文明 闇 / パワー1000 / コスト2
■G-NEO進化:水、闇、または火のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(カードが下にあれば、■NEO進化クリーチャーとして扱い、離れる時、かわりに下のカードすべてが離れる)
■スレイヤー(このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、相手クリーチャーを破壊する)
■相手の、クリーチャーでないカードを実行するコストを1多くする。
【闇単零龍XENARCH】の2コスト枠兼相手の足止めをするカードとして、《戯具 ドゥモグラ》を採用するケースがありました。
しかし《「助けて!モルト!!」》を落としにいったら呪文が《爆龍覇 グレンリベット / 「爆流秘術、暴龍の大地!」》しかなく無事死亡するケースがあったり、強いターン・デッキが限定的だったりと、個人的には試したけど抜いたカードだったんですよね。
ところが《エリー=エリザベス》はこの裏目がないのはもちろんですが、《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》などが1ターン止まるのもかなり嬉しいですね。
《死神覇王 ブラックXENARCH》の性質上「何を手札から落とすか」というよりも「《死神覇王 ブラックXENARCH》のハンデスを通すために1ターンが欲しい」というデッキですので、デッキのギミックにも合っているカードかな、と思っています。
最終的にはG-NEOクリーチャーの特徴を生かして、《無限皇帝の顕現》からのスピードアタッカー打点としての活躍が見込めるのも嬉しい要素だと言えるでしょう。
実際《エリー=エリザベス》のリストでの優勝報告もあり、まだまだ【闇単零龍XENARCH】の強さは健在と言えそうです。
火水BAKUONSOOO


【火水BAKUONSOOO】は新たなルーターである《虚ト成リシ古ノ蛇神ノ咆哮》(ヴリドガルド=リグヴェナロク)を獲得した他、《氷柱と炎弧の決断》から出せるフィニッシャーとして《一音の妖精》が登場。

【 呪文 】
文明 火 / コスト2
■S・トリガー(このカードをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ実行してもよい)
■自分の手札を1枚捨てる。その後、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶カードを2枚引く。
▶相手のパワー9000以下のクリーチャーを1体選び、破壊する。
このデッキの《虚ト成リシ古ノ蛇神ノ咆哮》は《夜露死苦 キャロル》と組み合わせることでディスカードの損がなく、【火光水ゴスペル】とは違って《勇愛の天秤》に変わるメインルーターとして捉えていいかもしれません。
またこれまで【ヘブンズ・ゲート】に対してお祈りゲーム(お祈り出来ない)だったのですが、《一音の妖精》の搭載によってトリガーを貫通するパターンを手に入れました。

【 NEOクリーチャー 】
種族 ジャイアント・スノーフェアリー / 文明 光 / パワー2500 / コスト2
■G・ストライク
■NEO進化:光、水、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(カードが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
■相手は各ターン1回しか呪文を唱えられない。
■これが進化クリーチャーなら、相手は各ターン1体しかクリーチャーを出せない。
基本的には《氷柱と炎弧の決断》から投下することにはありますが、重なった《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を埋めたパターンは手出しできるため、思ったよりは出ます。
理想としては、5ターン目に《強瀾怒闘 キューブリック》を出してからの白を捻って《一音の妖精》進化、そして《“必駆”蛮触礼亞》+《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を出すという感じですね。
そもそも《一音の妖精》が【ヘブンズ・ゲート】に対して強いトリガーであり、《光開の精霊サイフォゲート》は実質無効どころか出してしまったら負けに近付くという罠。
そんな訳で基本は《ヘブンズ・ゲート》直踏みか《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》によるバウンスとなるのですが、バウンスされたパターンだと後出しのGR召喚で《無限合体 ダンダルダBB》が捲れると、《氷柱と炎弧の決断》で出し直すという動きがあり、これは完全に呪文ロックに入れます。
まぁ白マナ用意出来なくとも、増えきった手札から《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を投げて、《無限合体 ダンダルダBB》が捲れたら投下していく……というのを基本線とすればOKだと思います。
というわけで【ヘブンズ・ゲート】にかなり強いカードを手に入れたことで、今後の【火水BAKUONSOOO】の活躍に期待したいところです。
Bランクについて
モルトDREAM


特に変化なし。
《魔誕導師ブラックルシファー》に対して《無敵剣 プロト・ギガハート》でリーサル自体は組めますが、《爆熱王DX バトガイ銀河》から呼び出す打点がEXライフ持ちでないと細いので、《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》なりの採用が検討されるかもしれません。
いっそのこと火水自然の軸に寄せるのもありかも? と考えています。
呼び声ボルシャック


こちらも変化はなし。
ただ新弾の有望なドラゴンはいるので、そちらの紹介を。

【 NEOクリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / テクノ・サムライ / 文明 自然 / パワー6000 / コスト5
■NEO進化:光、火、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(カードが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から2枚をタップしてマナゾーンに置く。
■メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚墓地に置いてもよい。そうしたら、自分のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストが小さいクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出す。
《BARUGA-雷座87》は5マナのアーマードでマナ加速+マナからの繰り出しというカードで、デッキに1枚差しておけば、呼び声と合わせてマナを伸ばすプランとして活用することがあるかもしれません。
個人的には《夢双龍覇 モルトDREAM》とかよりは、【ガイアッシュ覇道】とかそういうデッキの方がそっちの方が合っているように思います。

【 クリーチャー 】
種族 メカ・デル・ディネロ / スーパーカー・ドラゴン / フュージョナー / 文明 光/自然 / パワー5500 / コスト6
■S・トリガー
■このクリーチャーが出た時、相手のエレメントを2つまで選ぶ。そのうち1つをマナゾーンに置き、もう1つをシールド化する。
■超魂X(これがクリーチャーの下にあれば、そのクリーチャーにも以下の能力を与える)
■このクリーチャーの各ブレイクの前に、自分の山札の上から1枚を見る。それをマナゾーンに置くか、シールド化してもよい。
またドラゴンのトリガーとして《アルジェン・ゴルギーニ》が追加されたので、今後ドラゴンデッキを組む際は頭に入れておくのがいいかもしれません。
火水闇バイク


期待の新?星として、バイクの紹介もしておきましょう。
先ほども紹介しました通り、《喜像エル》はかなり大きな追加だと思っています。
受けが強くなったりメタクリーチャーが除去しやすくなったり、ちょくちょくバイク自体の強化はありましたが(《偽りの希望 鬼丸「終斗」》や《逆転の影ガレック》、《轟血鬼 ザ・ヴァンプ》など)、出来るギミックが増えたのはかなり嬉しいです。
ただし《喜像エル》+《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》だけだと、勝手にどっかいってしまうので、上のバイクはかなり枚数必要なのは考慮しておいた方がいいかもしれません。従来のテンプレより増やすのはありかも?
直近のCSでは水入りのバイクが結果を残しておりましたが、火闇の2色でもデッキとしては問題なく動くでしょう。
光自然ドリームメイト


こちらは《無頼BEN-K1000》がめぼしい追加でしょう。

【 NEOクリーチャー 】
種族 ドリームメイト / テクノ・サムライ / 文明 光/火/自然 / パワー3000 / コスト3
■NEO進化:光、火、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(カードが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見る。そのうちの1枚をシールド化し、残りを1枚ずつマナゾーンとこのクリーチャーの下に置く。
《森夢のイザナイ メイ様》と合わせれば3ターンスタートでもおかしなリソースが稼ぐことが可能で、そのまま次のターンに勝ってしまう、なんてことも。
問題は、これまでも厳しかった多色枚数と枠の問題。
アドバンスの環境では何かしらのメタクリーチャーは欲しく、それでいてドリームメイト自体の出力は落としたくないので、カードのの取捨選択は今後必要になってくるかもしれません。
暫定で、一応全部採用しているパターンをご紹介しています。ファイアー・バードが少なければ《料理犬のヴィヤンドゥ》は削っていいと思うので、それは環境に合わせてになるかと思います。
以上になります。
ちなみに筆者としては【水自然ジャイアント】にかなり期待しているのですが、あまり他の人はそういう風に受け取っていないみたいなので、結果を残して来月ご紹介できるように頑張りたいと思っています。
おわりに
というわけで、今月のアドバンス解説はいかがだったでしょうか?
今回は新弾のカードをアドバンスで活用する方法をご紹介するという内容になりました。
まだ発売から1週間でもありますので、また今後も新しい活用方法が考案されてくるでしょう。
アドバンスは環境の変化がゆったりとしているので、何かお気に入りのデッキを見付けたら、しばらく遊べるのもメリットと言えます。ぜひ新弾のカードを使ったお気に入りのデッキができたなら、遊んでみてください。
それではまた来月、お会いしましょう!