こんにちは、月刊アドバンスの時間です。
担当の神結です。今月もよろしくお願いします。ちょっと遅れてすみません。
4月は王道W篇第1弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」が発売されました。
金トレジャーに《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》に《光開の精霊サイフォゲート》が収録されることになり、知り合いのアドバンス天門フルレート勢たちは悲鳴を上げていました。
アドバンスは新弾でそこまで大きな影響はないと言いつつも、2024年度は《死神覇王 ブラックXENARCH》に《理想と平和の決断》、《逆転の影ガレック》といったカードたちが大きな活躍を見せました。
2025年度のアドバンスは、どういった環境になるでしょうか?
2025年3月環境はこちら!
目次
今月のアドバンス環境~《真気楼と誠偽感の決断》~
というわけで25年度は1発目から大きな変化がありました。
ご存じ、《真気楼と誠偽感の決断》です。

【 呪文 】
文明 光/水/闇 / コスト5
■相手のターンの終わりに、そのターン、クリーチャーが3体以上出ていれば、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
■次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
▶カードを2枚引き、自分の手札を1枚捨てる。
▶「S・トリガー」を持つカードを1枚、自分の墓地からコストを支払わずに実行する。 こうして呪文を唱えたなら、それを唱えた後、墓地のかわりに山札の下に置く。
▶クリーチャーを1体選び、シールド化する。
既にオリジナルでは環境を席巻しているこのカードなんですが、アドバンスでも【光水ヘブンズ・ゲート】に採用され、とんでもないことになっています。
元々トップレベルだったデッキが更に一段跳ね上がり、なんかこう、手の付けられない強さと言いますか、「あ、"成った"な」と思えるようなデッキになりました。なってしまいました。
個人的には、ダンタルサガを初めて触ったときの理不尽さに近しい気持ちを抱いています。
特にこれまで天門キラーと言えるデッキだったら【ドリームメイト】などは《真気楼と誠偽感の決断》対策のためにある程度構築を考え直す必要も出てきました。
同じく《真気楼と誠偽感の決断》での強化でいうと【光水ライオネル】などもパワーアップしており、今後も色々なデッキに投入されることでしょう。
またドラゴン系のデッキは《王闘竜皇 ボルシャック・ドラゴン》はもちろん、「新弾」の括りではないですが構築済デッキにて新規のドラゴン娘の追加がありました。
特に《ルード・ザーナ》は一定レベルで環境に影響を及ぼすと考えられます。

【 G-NEOクリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火/自然 / パワー6000+ / コスト6
■G-NEO進化 :火または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■パワード・ブレイカー
■このクリーチャーのパワーを、自分の墓地にある火のカード1枚につき+3000する。
■このクリーチャーが出た時または攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
■このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャー以下のパワーを持つ火のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出してもよい。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント・ポセイディア・ドラゴン / 文明 水 / パワー7000 / コスト6
■S・トリガー
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを2体まで選び、持ち主の手札に戻す。
■相手のターン中に、このクリーチャーが出た時、このターンに2つ以上自分のシールドがブレイクされていなければ、このクリーチャーを破壊する。
そんなわけで様々な新カードが出た4月でしたが、新カードとは別に新たに考案されたデッキが活躍を見せました。

【 進化クリーチャー(超無限進化) 】
種族 デーモン・コマンド / 文明 光/水/闇/火/自然 / パワー15000 / コスト8
■超無限進化:デーモン・コマンド・クリーチャー1体以上の上に置く。
■ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
■このクリーチャーが出た時、3枚以上のカードの上に進化していれば、相手は自身の手札をすべて捨てる。5枚以上のカードの上に進化していれば、次の自分のターンのはじめまで、相手のマナゾーンにあるすべてのカードのマナの数字を0にする。
■このクリーチャーが攻撃する時、文明を1つ選び、その文明を持つ相手のエレメントをすべて破壊する。
【5cバロム】と呼ばれるデッキですね。
元々アドバンスでは《悪魔世界ワルドバロム》が《時空の禁断 レッドゾーンX》との組み合わせで《悪魔世界ワルドバロム》の実質ランデス条件、所謂「完全魔誕」が出来ることは周知されていました。
しかしアドバンスには令和の足切り覇王こと《死神覇王 ブラックXENARCH》が健在であったことで、中々活躍のチャンスがありませんでした。足切り覇王、ファイアー・バードすら足切れるんだよな。
しかし《死神覇王 ブラックXENARCH》自体がなんとなーく減少傾向なのと、多彩なギミックを投入できたこと、《魔令嬢バロメアレディ》のお陰でとにかく盤面デッキに対して強いのとあり、直近のCSではかなり活躍を見せています。詳しい話は、デッキの項目で解説しましょう。
ちなみに《悪魔世界ワルドバロム》ですが、視覚的にはシク版が一番判別しやすくて楽でした。
このデッキ、マナの色が大事だから、視覚効果はバカにデキないですよ。
そんなわけで、5月末にはいよいよGPを控えています。
ぜひお気に入りのデッキを見付けて、練習してみてください。
2025年4月環境デッキ
というわけで、新殿堂以降の環境について、その主要デッキを見ていきましょう。
今回設定したランクは以下の通りです。

S+ランク:【光水ヘブンズ・ゲート】
Sランク:【闇単零龍XENARCH】【リースモルトDREAM】
Aランク:【5cバロム】【ドリームメイト】【火光水BAKUONSOOO】【火水BAKUONSOOO】
Bランク:【水自然ジャイアント】【ファイアーバード】【火闇バイク】他
S+ランク
光水ヘブンズ・ゲート


《真気楼と誠偽感の決断》の登場によって景色が大きく変わりました。そもそも相手の展開に大きな制限を掛けます。
これまで面倒だったメタクリーチャーたちを処理しながらの展開はもちろんですが、最終的には《真気楼と誠偽感の決断》を使ってループします。
特に《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》を使わなくともループ自体するので、構築の自由度が格段に向上しています。
また最近では《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》採用型もメジャーに。

【 ツインパクトカード 】
種族 パンドラボックス / 文明 光/闇 / パワー2000 / コスト4
■このクリーチャーが出た時、自分のシールドを1つブレイクする。
────────────呪文────────────
カード名:星龍の暴発
文明:光
コスト:7マナ
■S・トリガー
■次の自分のターンのはじめまで、自分の手札に加えるシールドカードすべてに「S・トリガー」を与える。このターンが自分のターンなら、クリーチャー側を出す。
こちらは《音感の精霊龍 エメラルーダ》と違って《ギャラクシー・チャージャー》で回収できないものの《真気楼と誠偽感の決断》で暴発と唱えられるお陰で、《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》で作った楯を全てトリガーして爆発できる……などということも。
そのあとどうなるかは……まぁお察しの通りです。6枚トリガーしたら、そりゃ勝つよ。
マーシャルデリートの残骸から引っ張ってきましょう。
Sランク
闇単零龍XENARCH


初出は昨年6月ながら、未だ最強格のデッキです。
【光水ヘブンズ・ゲート】に《審秘の精霊ピュリファイ・ジョーカー》に、《真気楼と誠偽感の決断》と次々と新カードが追加されたことで、酷いやられ方をするゲームは相当増えました。
ただトータルで言えば依然五分以上あることには変わりはなく、デッキとしての強さに疑いはないです。
やや苦手にしていた【水自然ジャイアント】が【光水ヘブンズ・ゲート】にほぼ駆逐されたのも追い風ですね。
ただ一時期に比べると【闇単零龍XENARCH】の使用者数は減少傾向にあるため、それが環境に様々な影響を及ぼすことになります。
リースモルトDREAM


《夢双龍覇 モルトDREAM》のデッキはかなり強力です。
一番の魅力は「殆どの相手に対して一定の勝率を出せる」点にあるでしょうか。要するに不利が少ないというわけです。
CSなどでは上記のリストにあるような光の入ったリースカラーのデッキが流行していますが、先に紹介した《ルード・ザーナ》入りのシータDREAMなども人気です。
Aランク
5cバロム


最近新たに結果を残しているのが、この【5cバロム】と呼ばれるデッキです。考案者は、仙台で活動している【5c蒼龍】の大家であるりれんざさん。
初動に《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》+《フェアリー・ミラクル》+《カオス・チャージャー》というそれぞれ特色の違い3種のカードを採用。
そしてゲーム中、上記で紹介した《魔令嬢バロメアレディ》1枚から《悪魔世界ワルドバロム》の完全魔誕を達成させることで、全ハンデス+実質的1ターン全ランデスに決め、ゲームの主導権を奪います。
そこから先は後は「バロム」界の最優フィニッシャーである《悪魔神バロム・クエイク》や、ちょっと混ざり物が入っている《聖魔連結王 ドルファディロム》を並べてフィニッシュします。
受けはバロムが元々持っている《悪夢神バロム・ナイトメア》の存在が大きいのは勿論、《終焉の禁断 ドルマゲドンX》と組み合わせることで《D2V3 終断のレッドトロン / フォビドゥン・ハンド》も併せて採用することが出来ます。
元々G・ストライクを多数積むことになるデッキですので、受けはかなり固い方です。
そして忘れてはいけないのが、このデッキの隠し切り札とも言えるギミック、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》です。

カード名:勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th
カードの種類:サイキック・スーパー・クリーチャー
文明:光/水/闇/火/自然
種族:デーモン・コマンド・ドラゴン
パワー:15000
コスト:15マナ
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、クリーチャーを合計3体まで、自分の手札、マナゾーン、または墓地から出す。
■自分の他のクリーチャーに「ブロッカー」、「ジャストダイバー」、「スレイヤー」、「スピードアタッカー」、「マッハファイター」を与える。
これ、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》とか経由するわけではなく、普通に召喚します。
特に《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》を貼っていると、計9マナで召喚可能ですので、即時完成もかなり現実的です。
ただそこまでしなくとも、《悪魔世界ワルドバロム》の完全魔誕が通った後のターンに《頂上龍素 サイクリタ》をポン置きされると対処できることは少なく、次のターンに《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》の完成を見守ることになります。
現在のアドバンス環境に大きな影響を与えているデッキであり、まだ知らないという方は要チェックでしょう。
ドリームメイト


皆さん大好きドリームメイトですが、アドバンスではやや苦戦気味です。
全国大会での活躍が目立ちましたが、元々かなりギリギリ限界のデッキ枠で運用しているデッキだったのは間違いないです。
そのため、環境の変化でやや苦戦を強いられているかな、というのが垣間見えています。
やはり《真気楼と誠偽感の決断》の影響は大きく、従来の構築ですと対応が難しいです。《お騒がせチューザ》は必須と言えるでしょう。

【 クリーチャー 】
種族 ドリームメイト / 文明 火 / パワー2000 / コスト4
このクリーチャーは、可能であれば毎ターン攻撃する。
このクリーチャーがタップされている時、誰も呪文を唱えることはできない。
しかしその場合、デッキから抜けるのは必然的に《とこしえの超人》や《キャディ・ビートル》のいずれかということになり、結局一定の対面に対しては割り切らざるを得ないです。
全てのメタクリーチャーの能力を内蔵した「スゴイ仕事デキるワン」みたいなカードが出れば話は変わりますが……。
ちなみに【ドリームメイト】と双璧を成す緑の盤面ボコボコデッキである【水自然ジャイアント】ですが、こちらは本当に【光水ヘブンズ・ゲート】に歯が立たないため、環境からは大きく後退しています。
火光水BAKUONSOOO


盤面のやり取りをするデッキが【ドリームメイト】や【水自然ジャイアント】の影響でかなり立ち位置を悪くしていましたが、いわゆるラッカカラーのBAKUONSOOOもその1つでした。
ただしその【ドリームメイト】の立ち位置も微妙になってきたことや、BAKUONSOOO絡みでは【光水ヘブンズ・ゲート】に一定レベルで勝てるデッキではあるので、環境的にはやや復活気味……かと思われました。
ところがこちらのBAKUONSOOOは、今度は【5cバロム】と戦わなくてはいけなくなり、やはり苦戦気味の印象です。
火水BAKUONSOOO


火水のBAKUONSOOO は【光水ヘブンズ・ゲート】に勝てないことから、現環境で活躍するのは厳しいのは間違いないでしょう。
しかし逆に【光水ヘブンズ・ゲート】以外には高い勝率を保てるため、CSで結果を残しているのはちょくちょく見掛けます。
ひとまず、《真気楼と誠偽感の決断》対策の《禁時王秘伝エンドオブランド》は必須でしょう。
また《豪運の絆》によってデッキを回す手段と除去を同時に獲得しており、デッキの強さとしては一段レベルが上がったと言っていいかと思います。

【 呪文 】
文明 水/火 / コスト2
■S・トリガー
次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶自分の手札を2枚まで、好きな順序で山札の下に置く。その後、その枚数より1枚多くカードを引く。
▶相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
アドバンス専用デッキながら扱いやすく、GPではそれなりに数もいることでしょうね。
おわりに
というわけで、今月のアドバンス解説はいかがだったでしょうか?
ちょっと5月に既に突入してしまいましたが、【5cバロム】を始めアドバンス環境には変化がちょくちょく見られています。
今月末にGPも控えておりますので、参加する人は参考に、そうでない人はそれぞれのデッキが活躍するシーンも見られる機会ですから、ぜひご覧いただければと思います。
それではまた来月、お会いしましょう!