はじめに
アドバンス、激動。
この冬のアドバンス環境はとにかく変化が激しく、追いかけることさえ難しいメタゲームが形成されていました。
崩壊しかけていた【ガイアッシュ覇道】の1トップ環境は完全に終幕を迎え、様々なデッキが熾烈なデッドヒートを繰り広げています。
まさに混沌の最中にあるアドバンス環境の「今」について、今月も解説していきたいと思います!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
先月からのカードプールの変化
這い寄るアビスの影
GoA第2弾「轟炎の竜皇」発売から約1週間、アドバンス環境に大きな影響を与えたカードは今のところほとんどありませんが、デッキ単位ですこし怪しげな挙動を見せているデッキが存在します。
【黒単アビス】です。
第1弾「伝説の邪神」で初登場した際にも「実はオリジナルではなく、《零龍》があるアドバンスこそが主戦場なのでは?」とまことしやかに囁かれていた【黒単アビス】ですが、第1弾環境では純粋にカードパワーの不足で目立った活躍は残せませんでした。
オリジナルでもTier3に入るか入らないかの瀬戸際に位置するデッキでしたが、「轟炎の竜皇」で《邪龍 ジャブラッド》・《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》・《ブルーム=プルーフ》などが加入。
突破力と相手へ干渉力が大幅に強化された結果として勢力は劇的に拡大し、Tier2の中でも上位に位置するデッキとして現在進行形で活躍中です。
ではアドバンスではどうでしょうか?
《ブルーム=プルーフ》の通りがオリジナルほど良くないことと、《とこしえの超人》の数が多いことが大きな懸念点ですが、デッキ全体のパワーは《零龍》というカードの強さの分だけ底上げされています。
《邪龍 ジャブラッド》を介した攻めの突破力も、禁断解放カウンター・零龍卍誕カウンターという例外を除けばそのまま通用するものです。
また、オリジナル以上に呪文主体のデッキが少なくクリーチャーコンボの多いアドバンスでは、最新弾の目玉カードである《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》の効果が非常に高いのも注目のポイントです。
攻撃時能力によってGR召喚やドラグハートなど、本来はアビスが扱えない領域に踏み込める可能性があるのも非常に面白いですね。
現時点では件数こそ少ないものの上位入賞例も既にいくつか報告されており、今後の動向に注目したいデッキのひとつです。
Tier1
【オービーメイカー】Tier1


3ターン《十番龍 オービーメイカー Par100》着地の高い再現性と、脇を固めるメタクリーチャーの妨害力とで、押し付けの強さでは他の追随を許さない高速コンボデッキです。
1〜2ターン目はパーツをかき集めるターン。自然文明が誇る軽量サーチ呪文を連打してて手札を整えつつ、必要に応じてメタクリーチャーを挟み込んで相手の動きを阻害します。
3ターン目は溜め込んだ手札を一気に吐き出し、《十番龍 オービーメイカー Par100》の着地を狙うターン。
コスト1のメタクリーチャー、マナをアンタップするクリーチャー、《ソイソイミー》や《ダンディ・ナスオ》+《陰陽の舞》など、頭数に比したコストが1以下のクリーチャーでデッキの半分以上を埋めているため、3マナあればよほどのことがない限り《十番龍 オービーメイカー Par100》の召喚まで漕ぎ着けられます。
コスト1のメタクリーチャーも、速度重視のコンボに対して先置きで対策可能な《ベイB セガーレ》とアドバンス環境では広範なデッキに刺さる《とこしえの超人》をともに採用できるため質の面でも文句なし。
このデッキのわかりやすい隙として「最終的にシールドを殴って勝つしかない」点が挙げられますが、これらのメタクリーチャーは自分のターン中にも機能するためトリガーケア手段としても一級品です。
環境トップの一角として存在感を示したことでメタクリーチャーの越え方が徐々に周知されてきたり、《テック団の波壊Go!》などの露骨な対策カードが散見されたりと、決して不動のトップではない【オービーメイカー】。
とはいえ、このデッキが環境を定義しており、このデッキと戦えることがアドバンス環境の「スタートライン」になっていることは間違いないでしょう。
【モルトNEXT】Tier1


引き続き高い人気で存在感を発揮している【モルトNEXT】。
ドラゴン系デッキのみに許された《メンデルスゾーン》・《ボルシャック・栄光・ルピア》の爆発的ブースト2種に加え、この秋以降に加入した《爆龍覇 グレンリベット/「爆流秘術、暴龍の大地!」》や《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》といった優秀な初動陣を取り揃えて足回りは盤石。
これらのカードによるマナランプから高速で強力なドラグナーを叩きつけ、強力なドラグハートの力で次々とドラゴンを展開していく、今も昔も変わらない高火力なビートダウンデッキです。
構築は水文明を含むフィニッシャーとして《禁断竜王 Vol-Val-8》を採用した、いわゆる「シータ」型が現在のテンプレート。
ドラグハートメタを張られた際にも動きやすい《禁断竜王 Vol-Val-8》自体のフィニッシュ力の高さはもちろん、このカラーリングでは《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》が手札からプレイしやすくなるのも嬉しい点ですね。
呪文ロックや召喚ロックといった搦め手はほとんど使えませんが、やることが真っ直ぐなぶん動き出せば容易には止まらないのが【モルトNEXT】最大の武器。
受けと押し付けのバランスを取ったような中速気味のコンボ・ミッドレンジデッキに対しては爆発的な打点を押し付けて強気に立ち回れます。
ドラグナーの人気の高さと合わせて、今後も最前線での活躍が期待できるデッキです。
【ガイアッシュ覇道】Tier1


突出した強みがないかわりに、どのデッキに対しても五分前後の相性で戦っていける対応範囲の広さが魅力の【ガイアッシュ覇道】。
ドラゴン系デッキ定番の初動回りを元にマナを伸ばし、《インフェル星樹》や《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》+革命チェンジ群といった強烈なアドバンテージをもたらす5マナ域でリソースを管理しつつ、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》やロック能力持ちの革命チェンジクリーチャーで安全なフィニッシュを狙います。
生半可に動いてしまえば《流星のガイアッシュ・カイザー》がクリティカルに刺さるため、相手からすれば常にコスト踏み倒しのリスクを計算に入れながら動かなければならず、見切り発車で強引に突破口を探す動きが取りにくいです。
とにかく採用されているカード1枚1枚のパワーが高く、手札管理にも長けているため、極端な事故を起こして何もできずに負ける、といったことが起こりにくいのはこのデッキの特徴でしょう。
マナが伸びて取れるアクションが増えれば増えるほど取れる行動のバリューが上がっていき、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》が繰り返し出ることで山札の配列をほぼ完全に把握できることも相まって終盤戦の粘り強さは環境でも最上位です。
少し前までは明確な【ガイアッシュ覇道】の「一強」環境でしたが、カウンターパートとなる高速フィニッシュに長けたデッキの増加やクリーチャーコンボデッキの隆盛に伴い、弱点である押し付け速度の遅さが露呈。
引き続き有力なデッキではあるものの、あくまで環境デッキの一角、という範囲に落ち着いている印象です。
Tier2
【アポロヌス】Tier2


先月から少しずつ活躍の芽を見せていた【赤青アポロヌス】がここに来て大ブレイクを果たしました。
序盤は《アストラルの海幻》や《超次元の王家》のパンドラ・シフト、《ネ申・マニフェスト》で手札交換しながらパーツを揃え、4ターン目を目処に《カチコミ入道<バトライ.鬼>》召喚や《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を起点として《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》でのワンショットを決めにかかる、コンボ要素の強いビートダウンデッキ。
《ネ申・マニフェスト》のシンカパワーがかかった《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》はブロックされず選ばれない極めて厄介なアタッカー。
本来《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》対策として機能するトリガーブロッカーや《光牙忍ハヤブサマル》、《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》などの確定除去でさえ通用せず、まともに受け切るには革命ゼロトリガーでの禁断爆発をはじめとする無差別な除去かシールド追加、シールド・セイバーあたりを用いるほかありません。
専用の対策なしで受け切るのは難しく、一部のデッキを除いてはコンボを決めればほぼ確定で勝ち切れる突破力が最大の強み。特に単純に速度で押し切れる中速以下のデッキには無類の強さを発揮します。
逆に、手札調整カードが2〜3マナ域に集まっている都合上、3ターン目に《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を決められることはほとんどなありません。そこまでに相手のデッキへ干渉する手段もそれほど採用されておらず、総じて自分より速いデッキはやや苦手と言えます、
ただし、そんな相手に対しても《終末の時計 ザ・クロック》さえ踏ませてしえばカウンターからの一発逆転を狙えるのも、このデッキの強みだといえるかもしれません。
【5cコントロール】Tier2


《天災 デドダム》や《フェアリー・ミラクル》といったアドバンテージ量の大きい初動をベースに、《ドラゴンズ・サイン》+《最終龍覇 グレンモルト》or《龍風混成 ザーディクリカ》による攻防一体のパッケージを主軸に動きを作っていくミッドレンジ〜コントロールです。
環境でも指折りの防御力と《ロスト・Re:ソウル》の押し付けを両立しているのが最大の特徴。《最終龍覇 グレンモルト》というアドバンスならではのハイパワーなカードも相手に仕掛ける圧力が高く、常に環境で一定の活躍を示しているデッキです。
先月も紹介した《テック団の波壊Go!》+《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッk》採用のパッケージが現状では主流。
どちらもドラグナーデッキ・【オービーメイカー】のどちらにも一定の有効性があり、最低限確定除去として機能するため腐りづらいのが嬉しい点です。
ループコンボの代表格である【キリコグラスパー】が台頭してきているため以前ほど立ち位置は良くないものの、幅広く戦えるデッキであることには代わりないでしょう。
【キリコグラスパー】Tier2


突如として第一線に舞い戻り、アドバンス環境に一石を投じた【キリコグラスパー】。
中速かつ呪文ロックの効かないコンボデッキということで《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》に対して強く、防御面も15〜17枚程度積まれた受け札によってなかなかに盤石。
マナを伸ばして闇文明の除去呪文で盤面をコントロールできるためメタクリーチャーに対しても十分な耐性があり、総じて現在のアドバンスのメタゲームにおいて対策されづらいコンボデッキと言えます。
キルターン自体は基本的に5ターンと少し遅いため、自分より速くて受け札の通りが悪いデッキをやや苦手としています。
直近で環境に台頭してきた【赤青アポロヌス】や【ジョルジュDOOM】はその代表例といえるでしょう。
【ジョルジュDOOM】Tier2


今月の「注目の新デッキ」枠。
2ターン目のルーターから動き出して、可能であれば自己蘇生クリーチャーをディスカード。
蘇生と同時に復活の儀で墓地を肥やしつつ、次のターンに2体のクリーチャーからムゲンクライムで《罪無 ジョイダム垓》を召喚すれば4体のクリーチャーが並ぶため、そのまま《ジョルジュ・バタイユ》ですべて破壊しながらさらに爆発的に墓地を肥やし、《破壊の儀》で墓地に落ちた《超神星DOOM・ドラゲリオン》を回収します。
余った1マナで《超神星DOOM・ドラゲリオン》を召喚し、攻撃時能力で《禁断竜王 Vol-Val-8》をはじめとするフィニッシャーにアクセス。
特に《禁断竜王 Vol-Val-8》は《ジョルジュ・バタイユ》召喚時の代替コストとしてクリーチャーを4体破壊しているため、ほとんどの場合で確実にExターンを取れる、非常に噛み合いのいいフィニッシャーです。
上記の最速パターンでは3ターンでのフィニッシュですが、4ターン目にルーター2体+《罪無 ジョイダム垓》での4体達成を目処にするのであれば安定性はグッと向上。コンボデッキとしては十分な速度です。
【青黒ゼーロ】との差別化点はいくつかありますが、まずはメタを多少乗り越えやすい点。
動きが全てクリーチャーで完結しているため呪文ロックを無視でき、《とこしえの超人》も《超神羅星DOOM・ドラゲリオン》さえ出してしまえば破壊しながら展開できるため1体ならそれほど影響がありません。
また、闇のカードを手札に3枚キープする必要がないためハンデスへの耐性が高く、また同じ理由で水のカードを採用しやすい点も重要です。
自分の動きを強化する《一なる部隊 イワシン》はもちろんですが、直近で採用れいが激増している《「敬虔なる警官」》は、本来大幅な不利対面である【オービーメイカー】を打開するカードとして非常に優秀です。
一般的な【オービーメイカー】のリストでは《十番龍 オービーメイカー Par100》を除けば《原始 サンナップ》と《陰陽の舞》以外にコスト3以上のクリーチャーは採用されていないため、これら5枚のうち3枚を引かれていない限り、返しのターンで《十番龍 オービーメイカー Par100》を出されることはありません。
相手が仕掛けてくるタイミングに合わせて展開できれば、相手が召喚できるクリーチャーを一気に制限できます。
ただし、最速パターンに間に合わせようとすると後手では墓地肥やしを挟むターンを確保できないのが厳しいことには留意しておきましょう。
単純に軽いコストでメタクリーチャーを排除したり、シビルカウントを解除したりする手段としても優秀ですので、最速に間に合わずとも役割がある点も嬉しいですね。
Tier3
【青黒ゼーロ】Tier3


CS環境では大幅に数を減らしたものの、ネット大会で人気が再熱している【青黒ゼーロ】。
こちらも2ターン目のルーターから自己蘇生クリーチャーを登場させ、もう1体闇のクリーチャーを確保してから《闇王ゼーロ》で全て破壊しながら大型フィニッシャーへと繋ぎます。
《闇王ゼーロ》で《破壊の儀》・《墓地の儀》・《復活の儀》を達成し、《知識の破壊者 デストルツィオーネ》で相手の手札をすべて捨てさせて《手札の儀》を達成。
いつでも《零龍》が卍誕できる状態を整えつつ、卍誕させて攻めるかカウンター用の切り札に取っておくかを自由に選択できる状態で詰めにかかれます。
【青黒ジョルジュDOOM】というライバルが登場しましたが、純粋なコンボデッキとしての出力は3ターン達成率が高いこちらの方が上です。
ただし、メタカードの対策カードまで入れる余裕がほとんどないため、【オービーメイカー】のようなメタクリーチャーを多用してくるデッキ・登場時能力を完全に無効化してくるデッキはかなりの苦手。
環境内で【オービーメイカー】が数を減らしたタイミングでは明確に強みが活きるので、今後の移り変わり次第ではTier1に進出するだけのポテンシャルを秘めています。
【4c万軍投】Tier3


アドバンス環境独自のシステムであるGR召喚を全力で活用する特殊なコントロールデッキです。
《“魔神轟怒”万軍投》に代表される大量GR召喚カードとマナドライブGR獣の生み出すアドバンテージ量は膨大。
これらのカードで後続を補充しながら《カット 丙-二式》のピーピングハンデスで妨害を重ね、手札外リソースからの解決は《とこしえの超人》で蓋をして戦況をコントロールするのがこのデッキの到達地点として定められています。
最終的には、相手が疲弊しているうちに大量展開したGRクリーチャーが相手のシールドに殺到してゲームを決着させます。
GR戦術は対策手段が比較的多く、特にメジャーな《とこしえの超人》がクリーンヒットする点で、ある程度の脆さは否めません。
が、脇を固める優秀な除去カードによってある程度は乗り越えながら動けるのがこのデッキの魅力のひとつです。しっかりとマナを伸ばすカードが採用されているため、除去→即GRの流れも取りやすいのが嬉しいですね。
強い押し付けはないものの、アドバンテージ量の多さと対応範囲の広さが魅力のデッキです。
詳しい解説はガチまとめ内にて◆ドラ焼き選手が記事を書いていらっしゃいますので、そちらも合わせてどうぞ!
【青魔導具】Tier3


ここ数週、水面下でコンスタントな戦績を収めているアドバンスの【青魔導具】。
45枚構築が登場して話題にもなりましたが、今回のサンプルリストではオーソドックスな40枚構成を紹介しています。
アドバンスでは《ガル・ラガンザーク》の刺さりがオリジナルほど良くはないため、やや枠を削った構築が多い印象です。
合わせて、最速《ガル・ラガンザーク》を意識した《堕呪 ゾメンザン》、能動的にはカードを1枚引くだけの《堕呪 ギャプドゥ》は減量傾向。
空いた枠には主役に据わった《「無月」の頂 $スザーク$》を活かすためにか、墓地肥やしとしての効率がいい《堕呪 ウキドゥ》が4枚フル採用されるのが一般的です。
ひとたび《「無月」の頂 $スザーク$》が登場すれば瞬く間に手札が潤っていきますが、こうして引いたカードを直接打点に変換できる《MEGATOON・ドッカンデイヤー》が使えるため、アドバンスでは《「無月」の頂 $スザーク$》ルートの着地点が非常にわかりやすいです。
総じて、オリジナル以上に「《「無月」の頂 $スザーク$》でリソース戦を制するコントロールデッキ」としての側面が強調されているのがアドバンス環境の【青魔導具】だと考えられます。
【黒単アビス】Tier3


オリジナル環境で爆発的に流行中の【黒単アビス】ですが、《零龍》のパワーを借りられるアドバンスでは、単純にオリジナル以上の出力を発揮します。
基本的な動きはオリジナルのものと全く同じ。2ターン目の《Re:奪取 ブラッドレイン》や《邪侵入》で3ターン目のテンポを引き上げつつ4ターン目前後で《アビスベル=ジャシン帝》にアクセス。
墓地から次々とアビスを蘇らせ、《邪龍 ジャブラッド》や《深淵の三咆哮 バウワウジャ》といった除去耐性を持つアタッカーで押し切っての勝利を狙います。
新興種族アビスには当然ながらアドバンス限定の能力を持つようなカードはありませんが、そんな中でも一風変わった面白さを持つカードが、「轟炎の竜皇」で登場した《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》。
このクリーチャーの攻撃時能力で《龍月 ドラグ・スザーク》や《最終龍覇 グレンモルト》といったGR召喚・ドラグハート関連の登場時能力をコピーすることがあるため、それを想定したGRゾーンや超次元ゾーンが必要になってきます。
GRゾーンへの採用が散見された《マシンガン・トーク》が好例で、《手札の儀》を達成したターン終了時に出てきてもせいぜい殴り返されたくないクリーチャーやブロッカーを起こすだけですが、《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》の攻撃時に登場すれば《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》をアンタップして再度攻撃し、相手クリーチャーの能力をコピーできます。
アドバンス環境では《とこしえの超人》という天敵がうろちょろしているため即座に環境トップクラス! とはいかないものの、今後の活躍に期待が高まるデッキタイプです。

環境のまとめと今後の展望
今まで
【ガイアッシュ覇道】が絶対的なトップに立っていた環境から大きく様相を変え、現在のアドバンス環境は週を追うごとに様々なデッキが入れ替わり立ち替わり台頭する複雑な環境へと変化しました。
便宜上デッキをTierごとにランク付けていますが、今月に関してはTierごとに明確な流行度の差は見受けられません。これまででも珍しいほどにTier1〜Tier3までが競り合っている印象です。
そんな中では、安定性と押しつけのパワーに優れている【オービーメイカー】は頭半分ほど抜け出している印象で、まずは「このデッキとまともに戦えるかどうか?」というのがアドバンス環境のボーダーラインとなっています。
【ジョルジュDOOM】や【4c万軍投】、【黒単アビス】などの新興デッキ・存在はしたものの母数が少なかったデッキも徐々に活躍を見せており、12月はアドバンス環境の流動性が感じられる月となりました。
これから
有力デッキの間で目まぐるしく立ち位置が入れ替わっているアドバンス環境ですが、直近の週では【ガイアッシュ覇道】と【オービーメイカー】が入賞数で上位に復活しており、見かけ上はこれで環境が一巡しました。
とはいえ以前と全く一緒かと言われるとそんなことはなく、これまでになかったデッキタイプが登場したり構築が変わっていたりと一筋縄では行きませんが……。
入賞数も上位デッキ同士でかなり競っており、環境の傾向を明言するのが難しいのが現在のアドバンス環境です。
このような環境では、ひとまずは押しつけの強いデッキが一般論として強力です。【オービーメイカー】しかり、【モルトNEXT】しかり、自分の強力な動きを持っているデッキを使うのがまずは一つの選択肢でしょう。
加えて未知数なのが、新たに登場したデッキの地力です。
新デッキの中でも最もパワーを感じるのが【ジョルジュDOOM】。
押しつけの強さを持ちながら一定以上のメタ耐性と速度を兼ね備えているため、環境上位デッキとも渡り合っていけるポテンシャルを感じています。
他にも【黒単アビス】や【青魔導具】のようなデッキがオリジナルからアドバンスに進出・復帰したりと、長く続いた一強環境が解けた結果として、様々な化学反応が巻き起こっています。
これらの新興勢力のように、これまでの環境デッキが意識していた範囲の外からアプローチするデッキにも注目していきたいですね。
おわりに
というわけで、12月下旬のアドバンス環境について解説いたしました。
使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?
この記事が皆さんのアドバンス環境に対する理解への一助となれば幸いです。
それでは次回、1月上旬のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!
オリジナル環境はこちら!
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