【2021年11月環境】オリジナル最強デッキランキング【過去環境記事】

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【2021年11月環境】オリジナル最強デッキランキング【過去環境記事】

はじめに

 「デュエキングMAX」の発売から3週間が経ち、オリジナル環境への影響もある程度落ち着いてきた今日この頃。

 緊急事態宣言が再度発令されそうな様子もなく、たくさんのCSが開かれ、デュエマは大いに盛り上がっています。

 今回も、目まぐるしく変わるオリジナル環境の「今」について解説したいと思います!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

先月からのカードプールの変化

 「デュエキングMAX」のリリースは、オリジナル環境にいくつかの変化をもたらしました。

 アドバンスと同じく、最大のインパクトをもたらしたのは《流星のガイアッシュ・カイザー》。

【 クリーチャー 】
種族 ブルー・コマンド・ドラゴン / グリーン・コマンド・ドラゴン / ハンター / 文明 水/自然 / パワー8000 / コスト6

■相手のターンの終わりに、相手がそのターン中、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーを出すか呪文を唱えていて、バトルゾーンに自分の 《流星のガイアッシュ・カイザー》がなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、カードを2枚引く。
■自分のコスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
■相手のクリーチャーは出たターン、自分を攻撃できない。

 半端な打点を踏み倒して攻めてくるビートダウンに対して1枚でリソースを稼ぎ、返しの展開や殴り返しに大きく貢献します。

 リリース当初のアドバンス環境ではGRクリーチャーに反応する2ドローがメインでしたが、オリジナル環境では主に革命チェンジに反応して飛び出し、10コスト以下軽減を強く扱えるデッキで特に活躍しています。

 後ほど個別のデッキ紹介で詳しくご説明しますが、代表的なコスト軽減先は《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》と《零獄接続王 ロマノグリラ》。

 《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》はB・A・Dとの合計で4コストまで軽減でき、かなり早いターンからでも簡単にカウンターが狙えます。

 リソースを補填してくれるうえに2打点まで付いているため、これまでの【“覇道”】系のデッキにありがちだった「Exターンを取ったはいいものの後続が続かず、ゲームを決めきれない」現象が起こりづらいのが最大の強みでしょう。

 《零獄接続王 ロマノグリラ》はカード単位の相性の良さが高いわけではないものの、主な採用先である【5cロマノグリラ】のデッキ全体がカウンターに寄った構成をしているため、邪魔にならないのが大きな強みです。

 2ドローは《ヘブンズ・ゲート》との相性がよく、コントロールデッキの性質とよく噛み合っています。

 また、これまではあまり採用の余地がなかったゼニスについても採用が検討されるなど、他のカードにも影響を及ぼしています。

 その他には複数のデッキタイプに採用されるようなものは多くないものの、環境全体で見れば少なくない数の新カードが活躍中です。

 既存デッキにそのまま入るものであれば、【赤単我我我ブランド】の《“逆悪襲”ブランド》や、【墓地退化】の《氷牙 レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》がその代表例。

 《音卿の精霊龍ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル》は事前評価ほどの活躍は見せていませんが、現環境では意識されづらい呪文メタとして《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を採用するデッキに少数ながら採用されることがあります。

 また、《甲獣軍隊 ベアフガンガンオー》や《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》、《魔光大帝ネロ・グリフィスⅡ世》などは新しいデッキのメインエンジンとしてCSの入賞報告が上がるほどの活躍を見せています。

 大きなインパクトは《流星のガイアッシュ・カイザー》ぐらいでしたが、環境の「幅」が大きく広がったプール追加だったと言えるでしょう。


Tier1

【シータRX閃】Tier1


 変幻自在の構築で常に環境の最前線をひた走る、現環境の王者。

 とにかく構築の自由度が高く、テンプレートというテンプレートが存在しないのが最大の特徴。

 サンプルデッキでは単体でのリソース力と盤面制圧力の両面に優れ、【赤単我我我ブランド】受けとして優秀な《裏斬隠 カクシ・レシピ》と相性がいい《メテヲシャワァ<バジュラ.Star>》を採用した構築を取り上げています。

 アドバンスの【シータRX閃】ではあまり採用されなくなりましたが、アドバンスよりも雑多なデッキが多く、【ネバーループ】や【墓地退化】がある程度数を増やしているオリジナルでは、これらに対して呪文ロックが有効な《アルカディアス・モモキング》は依然として強力な選択肢です。

 最近では、ベースの基盤をそのままに、《王来英雄 モモキングRX》と進化クリーチャーを全て抜き、《流星のガイアッシュ・カイザー》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を採用した【シータ“覇道”閃】が登場しています。


 《流星のガイアッシュ・カイザー》で4軽減・自身のB・A・Dで2軽減し、合わせて4マナで着地する《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のカウンター性能は抜群。

 3ターン目の《“龍装”チュリス》+《蒼き守護神 ドギラゴン閃》に対しても、先手なら確実に・後手であっても2ターン目のブーストが入っていれば間に合います。

 手札を1枚しか消費しないうえに《流星のガイアッシュ・カイザー》がリソースを回収してくれるため手札消費の荒さはほぼ気にならず、さらに確実に2打点が横にいてくれるため打点の確保がしやすいのも嬉しいところです。

 また、3ターン目に《“龍装”チュリス》チェンジ《蒼き守護神 ドギラゴン閃》から《流星のガイアッシュ・カイザー》がめくれて生き残れば、次のターンに《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のプレイまで綺麗に繋がります。

 2打点で殴って止める分には《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の革命2が発動しないこともあり、現環境に《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のEXターンを咎められるカードが少ないのも強み。

 ですが、【シータRX閃】や【4c天門ディスタス】系のデッキでたまに見る《大地門 ライフ・ゲート》や《極楽轟破 5.S.トラップ》を踏むと大きなアドバンテージを与えてしまう点には要注意です。


【5cロマノグリラ】Tier1


 前回紹介したように受け重視型と高速ハンデス型の2種類が存在する【5cコントロール】。

 全体的に前のめりなデッキの多い現在のオリジナル環境では、受けを重視した構築が活躍、【5cロマノグリラ】として存在感を示しています。

 新弾での強化ポイントはこれまた《流星のガイアッシュ・カイザー》。

 リソースを稼ぎながら相手のトップでの差し切りを押し止め、さらに大型ディスペクターの軽減までこなす、器用かつ万能な新戦力です。

 特にこのデッキにおいてはコスト10以上軽減を無駄なく活用できる点が大きく、大型ディスペクターの中でも《黒智縫合 レディオブ・ローゼルド》と《零獄接続王 ロマノグリラ》は、《流星のガイアッシュ・カイザー》の軽減対象ということで評価アップ中。

 ディスペクターではないため《霊宝 ヒャクメ-4》のササゲールと組み合わせることはできませんが、《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》も多く見られるようになったカードです。

 出ただけで盤面に干渉可能かつエターナル・Ωで何度でも登場するだけでなく、「召喚して出た時」というテキストを持っているため相手の《地封龍 ギャイア》下でも問題なく登場して召喚時能力で押し返し、コマンド・ドラゴンへのロックが再展開を許しません。

 総じて、これまでの【5cコントロール】のフィニッシャーに欲しかった要素を完璧に備えたカードとして、存在感を発揮しています。

 現在の環境ではやや数を減らしている【ジョー星ゼロルピア】などのコンボデッキには苦戦を強いられるものの、そのようなデッキが流行る環境になれば、先月紹介した高速ハンデス特化型が活躍するチャンスになりそうです。


【赤単我我我ブランド】Tier1


 期待の新星《“逆悪襲”ブランド》はマジでギャラクシー!

 今までは《“罰怒”ブランド》の入っていた枠をそのままこのカードに差し替えた構築が現在の主流。

 強みはいくつかありますが、最大の利点はリソースの切れかかった中盤戦以降にトップから投げつけて盤面処理とSA打点を両立できる点です。

 《“罰怒”ブランド》は最大限の力を発揮するために他の手札が必要になってしまいますが、《“逆悪襲”ブランドは1枚でも無問題。

 さらに、メタカードに対して一定の耐性があるのもデッキの弱点をカバーしています。

 文明を参照するテキストが一切ないため《希望のジョー星》を完全に無視して2打点で攻めることができ、これまで以上に有利に立ち回れるようになりました。

 《ベイB セガーレ》だけはかなり苦手なカードではあるものの、そのほかのメタカードに対してはプレイングである程度カバーできたり、最低限6000火力が仕事をしたりと、他のカードでは難しい役回りをこなしてくれます。

 もちろん単純に1コス6000火力でボードを取れるだけでも十分強力で、ミラーの先手で相手の打点を削ぎながら一気に殴りかかれば、相手の苦戦は必至です。

 新戦力である《“逆悪襲”ブランド》を含め、コストを支払わずにクリーチャーを出すカードがメインプランに1枚も絡まないため、相手の《流星のガイアッシュ・カイザー》に全く引っかかりません

 多くのコントロール・カウンター狙いのデッキが《流星のガイアッシュ・カイザー》をこぞって採用する今期では非常に大きな強みであり、単純な出力の高さに止まらず、立ち位置のよさでもアグロデッキの筆頭として存在感を発揮してくれそうです。


Tier2

【赤緑RX閃】Tier2


 前回「【シータRX閃】が対応する側から対応される側へと変化している」というようなことを述べましたが、その変化の極致とも言えるのが【赤緑RX閃】です。

 主に特定の対面を見るためのフリー枠として採用されていた水文明のカードを全て排除し、《メンデルスゾーン》・《ボルシャック・栄光・ルピア》の2ブースト8投体制に定番の《“龍装”チュリス》を初動に数え、3ターン目のビッグアクション率をより高めつつ、4ターン目の展開を安定させるアプローチを試みています。

 《王来英雄 モモキングRX》から出る進化クリーチャーも、

  • 《ボルシャック・栄光・ルピア》から3→6で繋がり、1枚で強烈な横展開を作れる《ボルシャック・モモキングNEX》
  • 《王来英雄 モモキングRX》のシンカパワーと合わせてボードを殲滅しながら何度も起き上がって3打点を叩き込む《ボルシャック・ドギラゴン》

 の2種が採用され、全体として能動的に打点を押し付ける方針が見てとれます。

 攻撃性能は非常に高いデッキですが、リソース力にはやや乏しく、トリガーケアの手段も多くないため、ロングゲームに弱いのはデッキの明確な弱点です。

 《流星のガイアッシュ・カイザー》+《零獄接続王 ロマノグリラ》や《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》による必殺級のカウンターに加え、このデッキではケアできないスパークトリガーである《S・ S・S》を擁する【5cロマノグリラ】はかなりの難敵。

 強力なデッキではありますが、現在の環境的にはやや向かい風かもしれません。


【赤黒邪王門】Tier2


 アドバンス環境と同じく、受け札の非常に通りづらい1点+4点+《龍装者 バルチュリス》や事前に1点入れてからの1点+3点+《龍装者 バルチュリス》をメインフィニッシュに据えた骨太ビートダウンデッキ。

 打撃力・リソース力・防御力とどれをとってもバランスよく高水準で、さらにトリガーケア手段もあるとあって優秀の一言です。

 コストを大幅に軽減してどうの、というようなこともなく、ただただコストパフォーマンスに優れる殴り手を連続で召喚していくため、《ベイB セガーレ》や《赤い稲妻 テスタロッサ》などのメタカードに足止めを食らうことはほぼありません。

 大流行中の《流星のガイアッシュ・カイザー》に早期から盤面を支配されることがそれほど多くないのもありがたいポイントです。

 逆に言えば、何も考えずに《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で展開+SA付与をしたり、雑に《龍装者 バルチュリス》を切ったりすると痛い目を見るリスクがあるので、使う際にはよく注意したいですね。

 唯一《月砂 フロッガ-1》はかなり通りのいいメタカードに数えられるものの、こちらも《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》で対処すればそれほど問題はなく、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の2回攻撃付与などで盤面から打点を出せば無視することもできます。

 大枠の構築はほとんど変わっていませんが、「デュエキングMAX」からは有力な選択肢として《影速 ザ・トリッパー》を獲得。

 どんな対面でも腐りづらい擬似ランデスと、序盤のプレッシャーとしてもトップからの詰めとしても使えるSAを、1枠で補えるクリーチャーとして存在感を示しています。

 盾受けにはどうしても脆く、環境トップに【5cロマノグリラ】という絶対的な天敵こそ存在するものの、それ以外の部分では全体として環境上の立ち位置は良好だと言えそうです。


【ジョー星ゼロルピア】Tier2


 強力なコンボデッキであることに間違いはないものの、最近は【ジョー星ゼロルピア】に有利をつけることを標榜した高速ビートダウンの増加にやや押され気味です。

 構造上《希望のジョー星》の通らないビートダウンデッキに対しては《ベイB セガーレ》の3〜4枠で抗うほかなく、それさえも無視されるようであればもはや頑張って最速でコンボを揃えるか、《∞龍 ゲンムエンペラー》を出すほかに打つ手はありません。

 これといった追加カードもなく、時代の変化に乗り切れていないデッキの一つです。

 ただし、環境全体がビートダウンに寄った結果、受けデッキやコンボデッキが徐々に伸びつつあるのが注目ポイント。

 遅いデッキに対しては非常に強く出られるコンボデッキであるため、なんだかんだとこのデッキが活躍できる環境に戻っていくのではないかと考えられます。


Tier3

【4c天門ディスタス】Tier3


 同じ《霊宝 ヒャクメ-4》デッキとしては、【5cロマノグリラ】にやや水を開けられた感のある【4c天門ディスタス】。

 リソースを減らさず、トリガーからもマナを伸ばせる《ドンドン火噴くナウ》がないためバトルゾーンのササゲールへの依存度がやや高く、《ディスタス・ゲート》のために構築全体をディスタスに寄せざるをえない柔軟性の低さがその要因ではないかと考えられます。

 《霊宝 ヒャクメ-4》を起点としたカウンター展開の再現性は高いものの、多様なデッキの多い現在のオリジナル環境では対応力の高い【5cロマノグリラ】の後塵を拝する立ち位置となっています。

 最近採用例が増えている《極楽轟破 5.S.トラップ》は、除去と展開を同時に行える優秀な1枚。

 《大地門 ライフ・ゲート》が比較対象に上がりますが、このデッキにおいて踏み倒したい対象はだいたい自然文明を持っているため踏み倒し対象の制限は気になりません。

 また、踏み倒し範囲が「より小さい」である《大地門 ライフ・ゲート》と異なり、「以下」のクリーチャーを踏み倒せる《極楽轟破 5.S.トラップ》は《我我我ガイアール・ブランド》や《蒼き守護神 ドギラゴン閃》を対象にして《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を直接出せる利点があります。

 現在の環境では数が少ないですが《奇天烈 シャッフ》の宣言を散らせることもあり、基本的には《極楽轟破 5.S.トラップ》の採用が良いでしょう。


【墓地退化】Tier3


 環境に多い踏み倒しメタ・大量展開メタを全てすり抜けるコンボデッキとして、入賞数を増やしている【墓地退化】。

 「デュエキングMAX」からの新戦力としては、追加の2コスルーターである《氷牙 レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》を獲得しています。

 墓地コンボデッキではあるものの、墓地の枚数が重要なデッキではないため、捨てるカードが1枚でも問題ありません。それよりも手札が減らず小回りの効くルーターであることの方が嬉しく、この追加カードは決して小さくない強化点です。

 また、トリガーで相手のターン中に手札を捨てられるカードが増えたため、《斬隠蒼頭龍 バイケン》を受け札として運用しやすくなりました。

 同じくトリガーの定番パッケージである《終末の時計 クロック》+《戯具 ヴァイモデル》の存在もあり、ビートダウンへの耐性も高め。

 コンボの成立速度も最速4ターン、《ザババン・ジョーカーズ》まで採用している構築なら最速3ターンとコンボデッキとしてはかなり早く、《死神術士 デスマーチ》+《龍脈術 水霊の計》のセットであれば事前にカードを先置きする必要もないため、除去がないようにお祈りする必要もありません。

 【赤単我我我】のような超高速ビートダウンに対しては《ザババン・ジョーカーズ》を入れれば最速3killを狙えるようにため、このあたりは環境次第で調整するポイント。

 墓地リセットと呪文メタには辛酸を舐めさせられるものの、現環境にこれらのメタカードはほとんどいなくなっているため、《アルカディアス・モモキング》を除けば気になる場面は少ないでしょう。

 現在の環境に適したコンボデッキであり、筆者は今後も活躍していくのではないかと予想しています。


【ラッカ鬼羅.Star】Tier3


 明確な環境上の強みには乏しいものの、理論上はほとんどの相手に対応できる幅広いメタ能力で相手の動きを封じ、勝利をもぎ取るメタビートデッキです。

 他に採用しているデッキが少なくガードの下がっている《奇天烈 シャッフ》や《ジャミング・チャフ》などの呪文メタ・《奇石 ミクセル》や《赤い稲妻 テスタロッサ》などの踏み倒しメタを無理なく盛り込んでいけるため、環境を読んだチューンに対して意識の外からロックを仕掛けられるのが強みだと言えるでしょう。

 メタビートの特性上仕方のないことではありますが、いくら相手のデッキのプランがわかっていても、それを咎めるカードを引けなければ好きに動かれてしまう点がやはり苦しいです。

 《大爆龍 ダイナボルト》+《キャンベロ<レッゾ.Star>》の追加である程度は緩和されたものの、能動的な押し付けがやや弱いうえに最速でも4ターン目からとビートダウンとしては遅い方。

 この速度では無理やり速度勝負に持ち込むのも難しく、妨害も引きへの依存度が高く不安定。

メタビートの宿命として、デッキパワーがやや低いことは認めざるをえないでしょう。


【ネバーループ】Tier3


 呪文メタ、特に《奇天烈 シャッフ》の5宣言に散々苦しめられてきた【ネバーループ】。

 【シータRX閃】から《奇天烈 シャッフ》が抜け、さらには《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》にかまけて《アルカディアス・モモキング》まで抜けるのであれば、このデッキが活躍する土壌としては十分でしょう。

 5ターン目さえ迎えれば安定してコンボに突入できるほどの大量のドローソース・サーチカードに、速度・打点ともにインフレしたビートダウンデッキさえも受け切らんとする大量のS・トリガー。

 耐えた先に《ナウ・オア・ネバー》+《龍素記号Sr スペルサイクリカ》《ドレミ団の光魂Go!》+《龍聖霊 ウルフェウス》の4枚コンボによる無限ドローでを揃えればほぼゲームセットです。

 《目的不明の作戦》《イグゾースト・Ⅱ・フォー》で山札を作り直しながら《神の試練》で無限Exターンを取り、《ハリケーン・クロウラー》でマナを起こしつつ《「本日のラッキーナンバー!」》を際限なく乱射。

 全ての受け手段をケアして殴り勝ちを狙います。

 追加カード自体は全くと言っていいほどないものの、ビートダウンとコントロールが増加し、先述した呪文メタや「もう1手早いコンボデッキ」である【ジョー星ゼロルピア】が以前よりも減っている現在の環境には、非常によく噛み合ったコンボデッキです。


【4c刃鬼】Tier3


 度重なる強化の果てに、ついに《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》が帰ってきました!

 この躍進の立役者は、なんと言っても《流星のガイアッシュ・カイザー》でしょう。

 相手のアクションに対してカウンター気味に登場し、《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》のコストを一気に7まで軽減。

 事前にある程度マナを伸ばしておく必要はありますが、そこを《メンデルスゾーン》+《ボルシャック・栄光・ルピア》の鉄板マナブーストコンボが補ってくれます。

 受け札が極端に強いわけではないですが、《メヂカラ・コバルト・カイザー》や《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》からのチェンジ《百族の長 プチョヘンザ》など、「間に合えば遅延できる」手段はかなり多め。

 決定力を補うフィニッシュ手段としても、《超神龍 バイラス・カースド》と《無双の超越者 ファイナル・ストーム XX NEX》の「デュエキングMAX」加入組が大活躍。

 《超神龍 バイラス・カースド》は言わずもがなのトリガーロックでほとんどの受けを封殺。攻撃寄せも非常に強く、パワー17000の壁はほとんどのビートダウンにおいて簡単には突破できません。

 《流星のガイアッシュ・カイザー》で軽減して出すカードとしても強く、マッハファイターで盤面を制圧しながら除去を強要するカードを6マナで展開可能。

 《無双の超越者 ファイナル・ストーム XX NEX》はExターン獲得というシンプルにして最も強力なトリガーケアが強み。

 《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》の能力では進化クリーチャーも出せるため、先に好きなだけドラゴンを展開してからコスト20以上になるように選んで載せればめくりに関わらず確実にExターンを獲得できます。

 自己軽減能力もデッキのほとんどがドラゴンで構成されたこのデッキなら十分実用的で、マナにドラゴンが7枚もあればコスト6。それほど無理せずに召喚できます。

 現状は《流星のガイアッシュ・カイザー》への依存度がかなり高いためさらに活躍するためにはもう1段階のブレイクスルーが必要そうですが、少なくとも十分に戦えるデッキになったことは古くからのデュエマファンとして喜ばしい限りです。


環境のまとめと今後の展望

 前提として、少し前までのオリジナル環境は【ジョー星ゼロルピア】や旧来のバランス型【シータRX閃】の2強、これらに対して各種高速ビートダウンデッキが速度の押し付けを狙いに行き、徐々に勢力を伸ばす形を取っていました。

 「デュエキングMAX」の発売後は《流星のガイアッシュ・カイザー》が革命チェンジをはじめとする踏み倒しギミックに対する強力なカウンター要員としてコントロールデッキを中心に広く採用されはじめました。

 中でも、コンボデッキはやや苦手なもののカードパワーの高さで雑多なデッキに対して強く、さらにビートダウンに対しても受けの堅牢さで優位に立てる【5cロマノグリラ】が環境に台頭。

 バランス型の立ち位置が中途半端になりつつあった【シータRX閃】も、カウンター性能に優れた《流星のガイアッシュ・カイザー》と環境上の通りがいい《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を採用し、枠を圧迫しがちな《王来英雄 モモキングRX》パッケージを抜いた【シータ“覇道”閃】へとトレンドが移行。

 そんな中で、【5cロマノグリラ】に対して有利で、なおかつ無理なく受け札を積めるためビートダウンにもチャンスを狙いやすい【ネバーループ】や【墓地退化】が徐々に入賞数を増やしてきている、というのがここまでの環境の変遷だと考えられます。

 ここまででお察しかとは思いますが、現在の環境を定義しているのは《流星のガイアッシュ・カイザー》

 このカードによる安易なカウンターを許してしまうビートダウンは立ち位置がやや厳しく、逆にこのカードの影響を受けない【赤単我我我ブランド】や【赤黒邪王門】は依然として目覚ましい活躍を見せています。

 また、使用者の多い環境上で目立ったデッキはこれぐらいで収まるものの、「デュエキングMAX」から登場したデッキとして【緑単t赤ベアフガンガンオー】や【アポロヌス・ドラゲリオン】、【ナイトループ】などもCS入賞報告があり、多様なデッキが活躍する環境であることが伺えます。

 これらの雑多なデッキ群に対しても勝てる強い勝ち筋や満遍なく戦えるデッキパワーを有することが、環境で勝てるデッキの第一条件となるでしょう。


 今後の環境の推移として考えられるのは、やはり【5cロマノグリラ】に対して優位を取れるコンボデッキの更なる台頭でしょう。

 筆者が個人的に特に注目しているのは【墓地退化】です。

 環境内に苦手とする呪文メタや墓地メタが少ない都合上弱点自体は少なくないもののあまり目立たず、《終末の時計 ザ・クロック》を踏ませれば高速ビートダウンにさえも勝ちを狙えるカウンター性能の高さも持ち合わせています。

 《竜魔神王バルカディア・NEX》と攻撃時能力で着地する追加の大型ドラゴンのセットはフィニッシャーとして一級品。同時に除去を放って盤面を取れることもあり、よほどのことがない限りはそのままゲームを決めてしまえます。

 コンボデッキ特有の安定性に関する悩みは拭えないものの、トリガー付きルーターの追加である程度は緩和できることもあり、十分に活躍する素養はあるでしょう。

 また、これらのデッキが復権することでまた日の目を浴びそうなのが【ジョー星ゼロルピア】。

 【赤単我我我ブランド】に《“逆悪襲”ブランド》という選択肢が追加されたほか、勢いが弱まったとはいえまだまだ風当たりが強いのはやや厳しいところではありますが、コントロールデッキがさらに活躍してビートダウンデッキが数を減らすことになれば、このデッキの出番もありえるのではないでしょうか。

おわりに

 というわけで、11月上旬のオリジナル環境について解説いたしました。

 使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?

 この記事が皆さんのアドバンス環境に対する理解への一助となれば幸いです。

 それでは次回、11月下旬のアドバンス環境解説記事でまたお会いしましょう!

アドバンス環境はこちら


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