【2021年10月環境】アドバンス最強デッキランキング【過去環境記事】

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【2021年10月環境】アドバンス最強デッキランキング【過去環境記事】

はじめに

 デュエキングMAX、発売。

 「禁断龍VS禁断竜」リリースの興奮も冷めやらぬまま、早くもリリースされた「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」。

 超がつくほど豪華な再録に、「英雄戦略パーフェクト20」をはじめとする今年の特殊弾とセットで遊べそうなテーマ色の強い新規カード。

 さらにはトーナメントに影響を及ぼすことを明確に意識して作られた強力なカードも収録された、盛りだくさんの特殊パックです。

 もちろんその他の要因でも、この1ヶ月の間に環境は大きく動いています。

 今月もそんなアドバンス環境の「今」についてバッチリお届けしていきたいと思います!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

先月からの環境の変化

 「禁断龍VS禁断竜」に「デュエキングMAX」となかなかに忙しかった9月末から10月末にかけてのデュエル・マスターズ。

 意外なことに、アドバンス環境において「禁断龍VS禁断竜」が与えた影響はそれほど大きくありませんでした。

 オリジナル環境では痛烈な存在感を示した《霊宝 ヒャクメ-4》も、アドバンス環境ではそこそこ止まり。

 最大の要因として、先月のTier2で紹介した【アナカラーダークネス】がますます勢い盛んになったことが挙げられます。

 ハンデスで手札からの展開を許さず、シールドを全くブレイクせずに勝利する【アナカラーダークネス】が環境の中心にあっては、手札からのカウンターを主軸とした【天門ディスペクター】型のデッキが活躍できるはずがありません。

 《ベイB セガーレ》や《月砂 フロッガ-1》は少なからず採用例が見られるものの、《とこしえの超人》といった競合相手の存在や、そもそも採用できるデッキがそれほど多くないことから、現時点ではそれほど目立った影響は見せていません。

 ただし、後述するように環境ではビートダウンデッキが増加しているため、それらのカウンターパートとして強力な《ベイB セガーレ》や《月砂 フロッガ-1》が選ばれる機会は今後増えていきそうです。

 また、環境の変遷に伴って頭角を表しつつあるのが《キャンベロ<レッゾ.Star>》です。

【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / ソニック・コマンド / レクスターズ / 文明 火 / パワー7000 / コスト5

■スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。
■侵略:火のコスト4以上のレクスターズ(自分の火のコスト4以上のレクスターズが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、次の相手のターン、相手はクリーチャーを1体しか出せない。
■このカードが離れた時、その下にあったクリーチャーをアンタップする。

 これまた【5cコントロール】という盾受けからのカウンターデッキが少なくなったということが大きな要因です。

 トリガーの展開からカウンターを狙わないデッキというのはつまり、ほとんどの場合で「自分のターンに複数体のクリーチャーを展開する」ことを前提にしています。

 そんな環境において、《キャンベロ<レッゾ.Star>》のメタ能力は効果抜群。

 唯一【リースRX閃】だけは《最終龍覇 ロージア》というカウンターパートを持っているものの、それ以外のデッキに関しては通らないデッキがほとんどと言っていいほどありません。

 《キャンベロ<レッゾ.Star>》は、今まさに大注目のカードです。


 「デュエキングMAX」も、大きな影響を与えたカードの枚数としてはそれほど多くありません……が、その数少ない1枚が超ド級のインパクトをもたらしています。

 《流星のガイアッシュ・カイザー》です。

【 クリーチャー 】
種族 ブルー・コマンド・ドラゴン / グリーン・コマンド・ドラゴン / ハンター / 文明 水/自然 / パワー8000 / コスト6

■相手のターンの終わりに、相手がそのターン中、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーを出すか呪文を唱えていて、バトルゾーンに自分の 《流星のガイアッシュ・カイザー》がなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、カードを2枚引く。
■自分のコスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
■相手のクリーチャーは出たターン、自分を攻撃できない。

 侵略ZEROにも似た相手ターン中の踏み倒しに反応して登場する能力を持ちながら、「相手のクリーチャーは出たターンにプレイヤーを攻撃できない」という《流星のフォーエバー・カイザー》をモチーフにしたであろうメタ能力付き。

 ついでのようにコスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4下げつつ、なぜか2ドローまでついてくるてんこ盛りっぷり。

 カタログスペックに目を向けてみても、コスト6の多色コマンド・ドラゴンという、ありとあらゆるサポートを受けられる優秀さ。

 マッハファイターやスピードアタッカーを持っていないのは手札からの召喚にやや不利ですが、相手のターン中に出る特性上、仕方ないと言えるでしょう。

 水と自然を含むありとあらゆるデッキで採用が検討できますが、環境内では【リースモモキングRX】、【シータRX閃】、【アナカラーダークネス】、【5cコントロール】あたりで採用例が見られます。

 【モモキングRX】系の2つのデッキでは、「手札を増やせるカウンター打点兼《蒼き守護神 ドギラゴン閃》から出てくる優秀な弾」といった趣の使用感。

 これまでは少し採用しづらかった《時の法皇 ミラダンテⅫ》ですが、《流星のガイアッシュ・カイザー》との相性の良さは特筆すべきものがあります。

 【アナカラーダークネス】では《ZEROの侵略 ブラックアウト》よろしく相手のターンに登場して《SSS級天災 デッドダムド》《S級宇宙 アダムスキー》への侵略の布石となってくれます。

 主に《蒼き守護神 ドギラゴン閃》や《王来英雄 モモキングRX》絡みの展開に対しては強烈なカウンターパートです。

 また、増加しがちなミラーマッチにおいても、ハンデスオーラによるGR召喚に反応して2ドローを貰えるため、リソース面で優位に立てるでしょう。

 最後に【5cコントロール】ですが、このデッキの場合はビートダウンよりも【アナカラーダークネス】に対するメタカードとしての趣が強いでしょう。

 もちろんこのカードを採用するにあたって《SSS級天災 デッドダムド》《百族の長 プチョヘンザ》などのカードの評価は上がりそうですが、そもそも【5cコントロール】は防御的なデッキ。ビートダウンに対する備えは足りています。

 それ以上にハンデス目的のGR召喚に対して即座に2ドローを回収できる利点の方が大きいでしょう。

 呪文の踏み倒しにも反応してリソース回収できるためコンボ対面やミラーでも腐りづらく、実質SA2打点としても優秀。

《最終龍覇 グレンモルト》と並べば即死打点を形成するのもそれほど難しくはありません。

 ただし、水/自然というカラーリングの都合上、色バランスの面で難を抱えてしまうことは覚悟しておきましょう。


Tier1

【アナカラーダークネス】Tier1


 【5cコントロール】を追い落とした、ハンデスコンのフロントライン。

 大量のハンデスと《SSS級天災 デッドダムド》で相手のリソースを絞り尽くし、最終的に《S級宇宙 アダムスキー》によって安全に山札切れ勝ちを狙うコントロールデッキです。

 それほど自由枠の多いデッキではありませんが、ここ1ヶ月ほどで定番パーツの仲間入りを果たしたのが《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》

 先月の構築では《異端流し オニカマス》などのメタクリーチャーが入っていた枠をより直接的な受けに差し替えての採用例が増えています。

 相方として使われる呪文は多様ですが、主に《ドンドン火噴くナウ》か《超次元ジェイシーエイ・ホール》

 サンプルリストではより直近に活躍を見せている《超次元ジェイシーエイ・ホール》を採用しています。

 どちらもトリガーですが、《ドンドン火噴くナウ》はマナを延ばせる点と直接相手を破壊できる点が魅力。

一方で火文明がデッキに4枚しか入っていないことも多く、手札から唱える機会はそれほどありません。

 《超次元ジェイシーエイ・ホール》は手札調整を持つ受けトリガーである時点でまず及第点。さらに超次元呪文であるため、

  • 相手にジャストダイバーがいれば「ブロッカー」持ちでキャッチ
  • 《我我我ガイアール・ブランド》が走る前なら《激浪のリュウセイ・スプラッシュ》で攻撃自体をストップ
  • もう相手に打点がないなら《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》や《勝利のリュウセイ・カイザー》、《勝利のヴォルグ・カイザー》で自分の展開を有利に

 と、状況に合わせた対応ができるのが強みです。

 上面の《全員集合!アクア・三兄弟 》もメタ能力自体は《異端流し オニカマス》と全く同じであるため、このカードを採用することで受け札の枠を補填しつつメタクリーチャーの枚数もある程度維持できます。

 また、少ないながらも採用例が見られた新カード・《流星のガイアッシュ・カイザー》。

「侵略ZERO」にも似た能力で《ZEROの侵略 ブラックアウト》を彷彿とさせますが、そのパワーは王来篇水準にアップしています。

 最大の差異は、GR召喚にも反応してすっ飛んでくる点。

 特にミラーにおいて、相手がハンデス目的でプレイした《乱罪 ダイパ殺デー》のGR召喚に反応して2ドロー付きのコマンドがノーコストで襲来し、アドバンテージの概念を破壊します。

 各種【ドギラゴン閃】系のデッキに対しても召喚酔いしない《SSS級天災 デッドダムド》への侵略要員を確保できるほか、トリガーで相手の攻め手をいなした後に着地して《こたつむり》じみた攻撃ロックをかけるだけでもかなり厄介です。

 さらに言えば、カラーリングも構築の特色にベストマッチ。

 《ウマキン☆プロジェクト》《奇天烈 シャッフ》、《轟く革命 レッドギラゾーン》などのカードが採用されていた【アナカラーデッドダムド】にとって、不足しがちな闇文明を補える点で《ZEROの侵略 ブラックアウト》は貴重なカードでした。

 しかし、現在の【アナカラーダークネス】は《絶望と反魂と滅殺の決断》4枚に大罪オーラ6〜8枚で10〜12枚が闇単色の確定枠。

 ここに《天災 デドダム》《SSS級天災 デッドダムド》《魔天降臨》が加わることを考えれば、闇文明は十分に足りています。

 そこをいくと、《流星のガイアッシュ・カイザー》は不足しがちな水/自然を綺麗に埋めつつデッキとの噛み合わせも申し分ないメタカードとして優秀なパーツだと言えます。

 【赤単我我我ブランド】に対しては残念ながら有効にプレイしづらいものの、多くの対面で腐りづらいのも魅力的。

採用枚数には頭を悩まされますが、今後も定番のパーツになるのではないかと予想しています。


【リースRX閃】Tier1


 密かに先週までとデッキ名を変えていることにお気付きの方はいらっしゃいますでしょうか。

 最近の【リースモモキングRX】の主流は「《“龍装”チュリス》4投」です。

 今までの構築では2ターン目に《メンデルスゾーン》を引けていなければ、3ターン目のビッグアクションがありませんでした。

 というのも、これまでの環境において【リースモモキングRX】最大の仮想敵は【5cコントロール】。

 この強固な受けデッキがTier1にいた時は、下手に高速でビートダウンを仕掛けるよりもマナを伸ばしてドラグハートを絡めた多角的な攻めが重要だったために採用されていなかったと考えられます。

 しかし、現在の環境では後述の【アナカラーダークネス】が大活躍中。

このデッキを苦手とする【5cコントロール】は鳴りを潜め、代わりに今まで《ドラゴンズ・サイン》+《最終龍覇 グレンモルト》に手も足も出なかったビートダウンデッキが増加しつつあります。

 《最終龍覇 ロージア》で受けてからの素早いカウンター・早期ターンでの能動的な攻めの両面で活躍できる《“龍装”チュリス》はまさに環境読みの光るカードチョイスだと言えるでしょう。


【ジョー星ゼロルピア】Tier1


 相変わらずTier1に座す、当代最強のコンボデッキです。

 すっかり《とこしえの超人》(or《ベイB セガーレ》)+《∞龍 ゲンムエンペラー》の構築が定番になった感があります。

 サンプルリストではアドバンス特有のカードということで《とこしえの超人》を採用していますが、【赤単我我我ブランド】や【赤白ドギラゴン閃】が多いメタだと読む場合は、アドバンスであっても《ベイB セガーレ》を採用する価値は十分にあるでしょう。

 新パックによる強化はほとんどなく、苦手とする高速ビートダウンももりもり大活躍中。

ついでに環境全体を見渡して《超英雄タイム》の採用枚数がかなり増加しているため、かなり強めの向かい風にさらされています。

 とはいえ、最速3ターン目の《希望のジョー星》が刺されば厳しいデッキは多く、このデッキに勝ち筋の目処が立たなければトーナメントシーンでの使用は躊躇われるほどに影響力のあるデッキであることに変わりはないでしょう。


Tier2

【シータRX閃】Tier2


 ネット大会を中心に大暴れしている、今もっともアツいデッキ。

 最大の特徴は《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》と《キャンベロ<レッゾ.Star>》の採用です。

メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》の最大の強みは莫大なリソース力。

 《王来英雄 モモキングRX》から繋げば1ディスカード2ドロー+3ドローの合計5ドロー、3枚消費していることを加味しても差し引き2枚分手札が増えています。

 この爆ドローで《キャンベロ<レッゾ.Star>》を容易に引き込みつつ、潤沢な手札から発動するアタックトリガーは序盤の盤面であれば簡単に壊滅させる破壊力です。

 対戦相手からすれば、「相手はリソースたっぷり、こっちは盤面をすっかり潰された状態でさらに《キャンベロ<レッゾ.Star>》のロック能力が襲いかかってくる」わけですから、泣きっ面に蜂どころの騒ぎではありません。

 《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》を採用した構築が躍進した秘訣もまた、【アナカラーダークネス】の台頭にあります。

 【5cコントロール】のハンデスはほぼ《ロスト・ソウル》であり、《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》の着地より先に撃たれても後に撃たれても、その後の展開はほぼ根絶されてしまいます。

 よって相手のリソースに干渉できず、呪文ロックなどの妨害能力も持たない《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》の評価はそれほど芳しくありませんでした。

 が、【アナカラーダークネス】のハンデスは1枚ずつ落としていく比較的おだやかなもの。

 よほど連続でハンデスを撃ち込まれない限り序盤で致命的に展開が鈍ることにはなりづらく、さらに一度ドローを決めてしまえば【アナカラーダークネス】には膨大なリソースを刈り尽くす手段がありません。

 このままではアグロデッキに対してやや不利ですが、そこを捲るために採用されているのが《裏斬隠 カクシ・レシピ》です。

 後手からでも3ターン目のビッグアクションに間に合うニンジャ・ストライク2に、除去ではなく直接の攻撃ストップでATも「離れた時」の能力も使わせない優秀さ。

 あまりにもピンポイントに刺さる性能から、《我我我ガイアール・ブランド》を止めるために作られたとしか思えないカードです。

 近しい特徴を持つカードに《光牙忍 ライデン》がいますが、こちらは光単色であるため、このデッキとの相性では水単色の《裏斬隠 カクシ・レシピ》に軍配が上がります。

 細かいポイントとして、《裏斬隠 カクシ・レシピ》の登場時能力は「次の自分のターンのはじめ」まで継続するため、《奇天烈シャッフ》のように自分のターン中に召喚してバトルゾーンのクリーチャーを止める使い方もできます。

 この使い方の場合、もちろん次のターン以降もバトルゾーンに残るため、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》のバウンス能力が余ってしまう場合は手札に戻して受け札として再利用できることもお忘れなく。

 一度ボトムに行ってしまったシノビも《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》連打で山札の上まで戻せ、《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》で大量のリソースを抱え込める点でニンジャ・ストライクは相性抜群。

 まさに「足りなかった最後のピース」と言えるでしょう。

 初動の構成は大きく分けて2タイプあり、一つは《フェアリーの火の子祭り》+《Disノメノン》のいわゆる【シータRX閃】で使われていた基盤。

 もう一つは《フェアリーの火の子祭り》+《ボルシャック・栄光・ルピア》を採用した、ドラゴン寄せの基盤です。

 前者は自由枠にドラゴン以外のカードを多く採用でき、かつ序盤のクリーチャー展開に対してマッハファイターで大きなテンポロスを強いられるのが強みです。

 ジャストダイバー持ちのSAであるため詰め性能も高いですが、オリジナルよりもメタクリーチャーが少なく、《月砂 フロッガ-1》などの向かい風もある現在のアドバンス環境ではやや場面を選びます。

 また、ブーストとハンドキープを同時に行えないため、リソース面では後者の構成に劣ります。

 後者は純粋にブースト量の暴力でパワーゲームに持ち込みやすく、《ボルシャック・栄光・ルピア》に直接《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》を載せるルートが視野に入るのが強みです。

 ただし、盤面制圧には一切寄与しないため、特に後手ではビートダウンに対して苦しい展開が起こりうるカードではあります。

 今回のサンプルデッキでは、よりカードパワーの高いドラゴン寄せの構築にしつつ、無理のない範囲で自由枠を受けに寄せた構築をご紹介しています。


【赤単我我我ブランド】Tier2


 アドバンス定番のカードだった《GIRIGIRI・チクタック》が減少し、盾回収カードである《カンゴク入道》・《斬斬人形コダマンマ GS》の多投が現在のトレンドです。

 また、リソースカードの増量に合わせて相性のいい《龍装者 バルチュリス》の採用例が目立つようになりました。

 戦術自体はそれほど変わりありませんが、リソースカードの増加はハンデスデッキである《アナカラーダークネス》の台頭を受けてのものだと考えられます。

 また、アグロデッキ・ビートダウンデッキが増加傾向にあるため、メタクリーチャーの枚数は《月砂 フロッガ-1》4枚+《赤い稲妻 テスタロッサ》4枚の8枚体制を維持したいところ。

 「デュエキングMAX」では《“逆悪襲”ブランド》という新戦力を獲得しました。

 《“罰怒”ブランド》と違って即座に致死打点を形成するルートはほぼないものの、《希望のジョー星》を無視してSA2打点を追加できる点は見逃せません。

 同じく1コストで相手の盤面を処理でき、ついでにリソースも稼げるカードとして《BAKUOOON<5000GT.Star>》が対抗馬に存在しますが、非常に残念なことに、ここまでに挙げた2コスの優秀カード4種は、全てビートジョッキーでもレクスターズでもありません。

 少なくとも現時点では、環境的に強いカードを多く使いやすい《“逆悪襲”ブランド》の方が使い勝手が良さそうだと筆者は考えています。


【赤白ドギラゴン閃】Tier2


 【赤単我我我ブランド】と並び、アグロデッキの最前線をひた走る【赤白ドギラゴン閃】。

 構築の変遷に目を向けると、現在の環境では《検問の守り 輝羅》の採用例が目立ちます。

 GRを活用する【アナカラーダークネス】や【ジョー星ゼロルピア】の立ち上がりを牽制しつつ、【リースRX閃】の《最終龍覇 ロージア》や【5cコントロール】の《ドラゴンズ・サイン》から出てくる《最終龍覇 グレンモルト》のドラグハートが受けとしての機能を停止。

 自分の《蒼き守護神 ドギラゴン閃》もデッキトップからクリーチャーを出さなくなるものの、単純に3打点として運用しても十分にパワフルです。

 《チャラ・ルピア》のコスト軽減を活用した抜け道のような打点形成と、《奇石 ミクセル》という強烈なメタカードがある分【赤単我我我ブランド】との直接対決は優勢。

 しかしながらリソースの薄いハンドコンボであるためハンデスにやや脆く、トリガーの貫通力も《我我我ガイアール・ブランド》の方が一枚上手。

コントロールとの対決では一歩譲る印象です。


【5cコントロール】Tier2


 【アナカラーダークネス】被害者の会会長。

 現在の【5cコントロール】は多色バランスがシビアな上に、1枚で大きくリソースを稼げるカードが少なく、さらには《ドラゴンズ・サイン》+光ドラゴンのように手札で揃えるコンボを多用するデッキです。

 繊細なバランスの上に成り立っているため、セルフハンデスの1〜2回ですらテンポが乱れてしまいます。

 ハンドリソースが枯れた後も墓地からの蘇生札として《灰燼と天門の儀式》が用意されていますが、《とこしえの超人》で蓋をされればそれすらも腐り札に。

 こうなってしまうと、7マナまで延ばして気合で上から《龍風混成 ザーディクリカ》を引くしかありません。

 光明があるとすれば、《流星のガイアッシュ・カイザー》の存在でしょうか。

 【アナカラーダークネス】の序盤のハンデスには《乱罪 ダイパ殺デー》のプレイが必須であるため、それに対応して《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚すればリソースの修復が可能。

 《流星のガイアッシュ・カイザー》を嫌ってハンデスをしてこないのであれば、真っ当にマナを伸ばして万全の態勢で迎え討てます。

 そこまでやった上での不利は否めませんが、多少は弱点を緩和できそうです。

 難点は、不足しがちな火文明や闇文明を含まない水/自然の2色カードである点。こればっかりは周りのカードで調整するしかありません。 

 現状は王来篇始まって以来とも言えるほど厳しい環境ではあるものの、「あらゆるデッキにデッキパワーの高さで勝ちうる、受け性能の高いデッキ」としてのポジションは唯一無二。

 環境がビートダウンに寄るまでは雌伏の時です。


Tier3

【赤黒邪王門】Tier3


 《「魂狩」の鬼 ガシャド髑髏》を起動させたのちに1点+4点+《龍装者 バルチュリス》

 事前にウィニーで1点入れておいてから《「貪」の鬼 バクロ法師》を召喚し、1点+3点+《龍装者 バルチュリス》

 《ドラゴンズ・サイン》で受けてくる【5cコントロール】が減少した結果、環境上位陣に多く採用されている受け札のほとんどに対して《龍装者 バルチュリス》が有効に働きます。

 最後のシールドを大打点で一気に割る手法で《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の革命2を極力発動させないようにし、あらゆる環境デッキの受けをすり抜けて《龍装者 バルチュリス》を叩き込めるのが、【赤黒邪王門】最大の強みです。

 ブロッカーによる受けについても、1〜2枚までなら《百鬼の邪王門》から飛び出す《バサラ》《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》で強行突破を狙えますし、うっかり《単騎連射 マグナム》でも引いてきた日にはよっぽどのことがなければ止まりません。

 G・ストライクと鬼エンドで防御性能も高く、《バサラ》の侵略ZEROで返しの打点を用意するのもそれほど難しくありません。

 シールド回収が多いのでリソース力も満点。生半可なハンデスは《カンゴク入道》と《「魂狩」の鬼 ガシャド髑髏》の盾回収で受け流してしまえます。

 苦手とする盾受け主軸のコントロールデッキが少ない現在のアドバンス環境では、存分に活躍できるでしょう。


【赤緑レクスターズヴァイカー】Tier3


 今月の「注目の新デッキ」枠。

 2→4という動きを厚めに取った3ターン目のビッグアクションを重視する構築は環境内でもほとんどなく、先3の《大爆龍 ダイナボルト》+《キャンベロ<レッゾ.Star>》はシンプルにゲームが終わる火力です。

 これだけだと単なる安定感のないデッキで終わるところですが、《モモキング -始丸-》と《DOROROOON・バックラスター》がいい味を出しています

 《モモキング -始丸-》はデッキトップ4枚から好きなクリーチャーを手札に加えられるSAレクスターズ。

 リソースに乏しいこのデッキにおいて《キャンベロ<レッゾ.Star>》を引っ張って来れる貴重なカードで、3ターン目のロック成立に大きく貢献してくれます。

 そして《DOROROOON・バックラスター》は多くのメタカードを圧殺しつつ面展開を作れるクリーチャー。

 このカードが苦手とする「手札以外のゾーンから」系に関しては侵略の邪魔にならず、逆に侵略を止めてしまう「召喚以外の方法で」系に関しては《DOROROOON・バックラスター》で処理できるため、うまくメタの穴を埋め合ってくれています。

 環境にはあまりいませんが、《モモキング -旅丸-》などの「マナゾーンのカードをタップせずに」系だけ、どちらも止まってしまうのはご愛嬌。

 このデッキのサブフィニッシャーであり、さらには「ダメ押し」としても一役買っているのが、もはや懐かしさえ感じるビートダウンの名フィニッシャー、《BUNBUN・ヴァイカー》です。

 《大爆龍 ダイナボルト》や《DOROROOON・バックラスター》など、1枚で2回分の攻撃に換算できるカードが多いこのデッキであれば、4ターン目に5マナで召喚してから殴るだけでも致死打点が出る公算は十分にあります。

 ましてや、《キャンベロ<レッゾ.Star>》がひとしきり暴れた後であれば、言うまでもないでしょう。

 特に《大爆龍 ダイナボルト》は一番優秀な侵略元でありながら、《生命と大地と轟破の決断》《BUNBUN・ヴァイカー》と同時に出して空の盤面から3回分のGRチャンスまで作り出せるナイスアタッカー。

 「G・ストライク」7枚に《「お茶はいかがですか?」》、メタクリーチャー枠として《ベイB セガーレ》も4枚採用されており、アグロデッキに対する備えもバッチリ。

 骨太なビートダウンデッキとして今後の発展に期待したいですね。

環境のまとめと今後の展望

 現環境を紐解く起点は、間違いなく【アナカラーダークネス】

 このデッキの活躍で【5cコントロール】が追い落とされた結果、今まで【5cコントロール】に抑圧されていたビートダウンデッキが一斉に息を吹き返しました。

 ビートダウンデッキが増加した結果として《ベイB セガーレ》や《月砂 フロッガ-1》、《キャンベロ<レッゾ.Star>》など、リリース当初のアドバンス環境ではほどほど止まりだった「禁断龍VS禁断竜」のカードの活躍の場が広がり……。

 というような流れの中で発売されたのが「デュエキングMAX」。

 トップレアである《流星のガイアッシュ・カイザー》はこれ以上なくわかりやすい【アナカラーダークネス】へのカウンターパートでありながら、ビートダウンデッキやコンボデッキにまで腐らない万能選手として多くのデッキに採用されます。

 ついでに言えば《キャンベロ<レッゾ.Star>》への回答としてもこの上なく優秀で、現環境での評価は非常に高いものになっています。

 わかりやすく環境に影響を及ぼしたカードは《流星のガイアッシュ・カイザー》ぐらいしかないものの、まだリリース初週ということで研究の余地も多く残されています。


 現在の環境は、ビートダウンデッキがこぞって【アナカラーダークネス】を攻略しにかかる構図。

 特に先述の通り、【アナカラーダークネス】の仕掛けるリソースゲームを簡単に破壊してしまう《流星のガイアッシュ・カイザー》を携えた【モモキングRX】系のデッキは目覚ましい活躍を見せています。

 彗星のごとく頭角を表した《メテヲシャワァ <バジュラ.Star>》採用型の【シータRX閃】はその筆頭で、今後も環境を荒らしてくれそうです。

 その一方で、【シータRX閃】は呪文メタをほぼ搭載していないため受けが素通しになり、稼いだハンドリソースを勝ち筋に繋げる前に《ロスト・ソウル》で根こそぎにされてしまう【5cコントロール】を苦手としています。

 【シータRX閃】側は受け札までも主に潤沢な手札を背景にしたものなので、詰める前にそっと《ロスト・ソウル》を撃たれるだけで為すすべもありません。

 そのほかのビートダウンデッキについても、ほとんどのデッキにとって【5cコントロール】は天敵とも言える存在です。

 現時点では【アナカラーダークネス】が一大勢力を保っているため【5cコントロール】が出づらい環境ではありますが、攻略が進んで第2、第3勢力へと転落することになれば、メタは三すくみの形になります。

 【アナカラーダークネス】が攻略されきって三すくみのメタが一巡するのか。

 【アナカラーダークネス】が貫禄を見せてビートダウンを押さえつけるか。

 それともまだ見ぬ新しい勢力が登場するのか。

 始まったばかりの「デュエキングMAX」環境から、目が離せません!

おわりに

 というわけで、10月下旬のアドバンス環境について解説いたしました。

 使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?

 この記事が皆さんのアドバンス環境に対する理解への一助となれば幸いです。

 それでは次回、11月上旬のアドバンス環境解説記事でまたお会いしましょう!

オリジナル環境はこちら!


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