このサイトで6年にわたって擦られ続ける、エクセル・サーガという25年前のアニメ
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
いやあ。出ましたね、『終淵』。デッキの組みがいのある良パックという感じですね。
実際弊社でもとっても売れてまして、主に発送ラベルを作りまくっている私も無事に破壊されました。
その関係でいろいろと暇がなくて、まだ実物のカードでデッキを組んで回すところまではできてないんですが……まあ、それは毎年仕方ないことです。
この企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマは、こちら。
《アビスラブ=ジャシン帝》
【 NEOクリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 文明 水/闇/火 / パワー9000 / コスト5
■S-NEO進化(墓地)：バトルゾーンまたは墓地の、アビス・クリーチャー1体の上に重ねつつ出してもよい。（カードが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う）
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体まで選び、深淵送りにする。（それを持ち主の深淵ゾーンに置く。この移動は妨げられない）
■このクリーチャーが離れる時、かわりに自分の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。
というわけで、今回のテーマは《 アビスラブ＝ジャシン帝 》。
長きにわたったジャシン帝の最終形態（推定）であり、《 禁忌の昇淵 アビスベル 》と組むことですべてを深淵に引きずり込んでくれる一枚ですね。
今回はこのカードを活かして、愛にあふれる夢を見ていこうと思います。
さて。このカード、（少なくとも未踏基準では）思ったよりデッキを組むのが難しいカードです。
要するにこのカード、「墓地に《 禁忌の昇淵 アビスベル 》含む13枚のカードを溜め込む」「このカードを出す」の2点を速やかに行うことが要求されるんですよ。
で、前者を実現するには「最低でも（単体あるいはコンボでの）2～3枚程度の墓地肥やしカードを序盤から使用すること」が、後者を実現するには「水・闇・火の3色を出せるマナ基盤、あるいは何らかの踏み倒しギミック」が必要になってくる……というところまでは、なんとなくご理解いただけると思います。
しかしこれらを両立させようとすると、「タップインでテンポを阻害しまくる3色アビスか、カードパワーの低い水と火のアビスに頼りながら墓地肥やしを行うこと」あるいは「墓地肥やしパーツと踏み倒しパーツを同時に手札にキープすること」が必要になり、要求値が激増してしまうんですよ。
一応両方を解決できる《 アーテル・ゴルギーニ 》とかに頼ってもいいんですが、それをやるとあっという間に未踏じゃなくなっちゃうんですよね……。
この手の問題を解決するには、前提を疑ったり発想を逆転させるのがよいと昔から言われています。
例えば、「闇文明を軸にしたまま相手のスピードを遅らせることで、相対的にスピードを手に入れる」というのはどうでしょうか。
闇文明の妨害と言えば除去とハンデス。これを両方できるアビスのカードといえば《 トメッグ＝グメトゥ 》とか《 深淵の瘴炉 インシネ＝ロウ 》とかになるので、アビスの超化獣&ハイパーエナジー基盤でデッキを組んで行けそうです。
ただ、この基盤でどうやって《 アビスラブ＝ジャシン帝 》を出すかは大きな問題。妨害ばっかりやっていれば、墓地肥やしに割けるリソースも減りますし、何かここは「ほっといてもそれらを実現してくれるカード」があれば……
手札と盤面を1枚ずつ落としたら、相手の墓地のカードは2枚増えてるのでは？
そう。《 グ：ルボカッサ 》を噛ませておけば、1ターンに2回の妨害を行うだけで全自動でメクレイドによる展開が進むのです。
こうしておけば《 アビスラブ＝ジャシン帝 》を用意できるのはもちろん、《 禁忌の昇淵 アビスベル 》を出して墓地肥やしの手数を稼いだりもできるので道中も安心。こうすれば、「ゆっくり状況を整えて深淵送り」という新たなコンセプトが実現できるはず！
というわけで、完成したデッキがこちらです。
盤面と手札を同時に攻めれてるならそもそもアビスラブの深淵送りいらねえだろ！！！！！
そう。《 アビスラブ＝ジャシン帝 》の深淵送りの対象は「手札とバトルゾーン」。そこをはじめから攻めて時間を稼いでから深淵送りを叩き込んでも、すでに送るべきものは空っぽになってるんですよね。
えーと……今回ははっきり言います。明確に、コンセプトの時点で間違ってました。これをやるなら、もう《 アビスラブ＝ジャシン帝 》関連パーツはないほうがマシです。よかったですね。
……さすがにここまで露骨な失敗作だけ出すのもアレなので、未踏かどうかは置いといて、もうちょっとマシだったコンセプトの構築を出させてください。
「2マナ域を全廃することでタップインをできるだけ2ターン目までに処理できるようにし、後で多色カードを素出しするための文明を確保しておく」をコンセプトにした構築です。
2ターン目までは「多色埋め+1マナの進化元展開」を目指し、3ターン目にその遅れを取り戻すべく「NEO進化による墓地肥やし+α」か「呪文による4マナ域踏み倒し→できればそこから《 至高の邪騎 スベルニル 》&5マナ域へのNEO進化」を狙う形ですね。あとは序盤に確保した文明を活かして流れでやっていきましょう。
特になんらかの進化元から繋いだ時の3T《 深淵の怒貫 ファウン＝テイン 》がハチャメチャに強く、《 深淵の記念碑 》なら8枚墓地肥やし+ハンデス、《 コースター＝コーデキター 》なら2枚墓地肥やし+ハンデスのあと、肥やした中から狙ったカードを蘇生しつつ2ドロー……という宇宙めいたアドが発生するんですよね。
また、《 至高の邪騎 スベルニル 》を経由した際によく発生する、進化元に《 禁忌の昇淵 アビスベル 》がない状態の《 アビスラブ＝ジャシン帝 》も、3ターン目に出せるならさすがに威力は絶大。実質的にほぼ完全耐性持ち&除去持ちが殴れる状況、だいぶ優勢ですからね。
例によって受けがなさすぎたり枚数バランスとか全然練れなかったりもしてるんですが……そこはまあ、各自やっていってください。たぶんもっと全体構造をスリムにできる気もしますし。
さて。このデッキ（ここでは一作目のほう）が真に「未踏」のデッキかを確認するためには、あと一工程必要です。それは。
デッキメーカーによる、先行研究チェックです。
キーパーツ数枚程度を含むデッキを検索することで、このアイデアが既出か初出があるかが見込める……ということですね。この検索結果が「1件」ならば、晴れて私は未踏の地に到達したことになります。
というわけで、《 アビスラブ＝ジャシン帝 》《 トメッグ＝グメトゥ 》《 グ：ルボカッサ 》での検索結果は……！
『未踏』、達成……！
……実はフォーマットを絞れば《 トメッグ＝グメトゥ 》《 グ：ルボカッサ 》だけでも未踏だったっぽいんですよね。
別に《 アビスラブ＝ジャシン帝 》に頼らなくても面白いことができそうな気配を感じたので、これはこれでちょっと練ってみるつもりです。
ちなみに、後者についてはカード選択ではなくて「2マナ全抜き」がコンセプトなのでどれで検索するか迷ったんですが……それぞれのカードの組み合わせであれば既にやっておられる方はけっこう見つかりましたね。もっと研究進まないかな。
クリスマスイブなのに愛のかけらもない記事
というわけで、夢を見ていました。
ストレートにやろうとすると難しい構築にぶち当たったとき、いかに別案を出しまくれるかはデッキビルダーの腕の見せ所。結果としてその腕が折れるところばっかり見せてる気はしますが、それはそれです。
思いつく限り打てる手を打ってみると変なルートが開けたりすることもよくありますので、根気よく考えて組んで回していきましょう。……いやまあ、冒頭の通りまだプロキシとデッキメーカーでしか回せてないんですが……。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。
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