この手の公募では「審査員の目に留まること」が入賞のカギなので、「既存デッキの格安版」みたいなやつには向かい風が吹いていると気付いた
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
いやあ。終わりましたね、『カーナベル格安デッキコンペ』。私もいろいろやりました。審査とか。
少なくとも見える範囲では割と反響が良かったので、もしかすると次回もある……かもしれませんね。こういうのを決めるのは私じゃなくて乙Bさんとボルスズなので、はっきりしたことは言えないんですが……。
それはそれとして、「各々が『このデッキは(少なくとも自分にとっては)面白いのだ』と認識してレシピを投下した」と言う事実には大きな価値を感じます。
「(何らかの縛りの中で)自分が満足できるデッキを組むことに成功する」という経験は、デッキビルダーを確実に成長させてくれますからね。「デッキ作りとは究極の自己満足」とまつがんさんも言ってますし、これを機に「納得いくまでデッキを練る」ことをどんどん続けていってもらえると嬉しいですね(謎の視点)。
この企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。……が、今回は諸事情あってスペシャル回です。なんと俺が作ったデッキではありません。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマ……のうちの一つは、こちら。
《回転の精霊ナイッショエル》

【 NEOクリーチャー 】
種族 ジャイアント・エンジェル・コマンド / 文明 光 / パワー7500 / コスト6
■NEO進化 :光、水または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■NEO進化クリーチャーとして召喚するなら、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーをすべてタップする。次の相手のターンのはじめに、それらはアンタップしない。
■自分の進化クリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにシールド化してもよい。
というわけで、今回のテーマ……のうちの一つは《 回転の精霊ナイッショエル 》。
優秀な種族と防御特化の性能を持つ、うまく使うと凄まじい耐久性能を見せてくれる一枚ですね。進化獣をタップした相手のクリーチャーに突っ込ませる動きができるとつええんだ。
今回はこのカードを駆使した、誰かが見た夢を見ていこうと思います。
というわけで、今回は特別企画として『カーナベル格安デッキコンペ』で見つけた面白いデッキを4つほどご紹介する回となります。
決してネタがないわけではないわけではありません。
紹介対象は、企画に投稿されたデッキの中で「北白河の独断と偏見で選んだ面白デッキ」かつ「審査を提出した11/22時点で2-3枚のキーカードで検索して0件あるいはその投稿されたデッキしかないもの」。先に言っておきますが、どれも珠玉の逸品ですよ。
あ、そうそう。もしここで公開されたデッキの公開を望まない場合は、こっそり私かガチまとめのTwitterに声をおかけいただければ修正させていただきます。
それでは紹介、やっていきましょう。
未踏調査対象:《 回転の精霊ナイッショエル 》《 ミラクル・ホーリー・スパーク 》《 ラクリマ・クロウラー 》
まずはおひざもとさんの【トリガービート】。
《 回転の精霊ナイッショエル 》にフィーチャーしたデッキとして、「革命チェンジによる使い回し」「トリガーNEO進化獣のシールド化」という定番ギミックを採用している……というのは序の口。
無料で使える《 ♪楽楽楽 楽楽楽楽 楽楽楽 》と《 ミラクル・ホーリー・スパーク 》経由で《 ラクリマ・クロウラー 》が出てきてアタッカー兼ブロッカー兼ドローソースとして活躍してくれるなど、《 回転の精霊ナイッショエル 》を実質的な「攻めと展開の要」にまで昇華した構築には脱帽です。
ついでに言うと、この展開ギミックでNEO進化デッキ特有の「横にクリーチャーが並ばない」という弱点も解決できるのもうれしいですね。
元のレシピの完成度が相当に高いのに加え、デッキのコンセプトの都合上構築自由度もめちゃくちゃ高いので、トリガー比率をちょっと下げることを許容すれば予算上限を突破しても十分楽しめるんじゃないでしょうか。
個人的には5コスト以上のトリガータマシードを積んで進化元を兼ねさせつつ、《 ラクリマ・クロウラー 》踏み倒し率を増やす……みたいなパターンも狙ってみたいですね。
未踏調査対象:《 超愛銀河クエーサー・ラブエクスパンジョン 》《 仙界の麒麟児 ミロク 》《 蒼斬しのぶ 》
お次はおぼろ@封印さんさんの【5cキューブ】……というか、【跳満キューブ】。子視点なんだ……。
基本は見ての通りの【キューブ】なんですが、パワー12000以上シナジーにより《 Q.Q.G.QX./「この子はさわらせないわ!」 》を追加のブースト兼踏み倒し手段として自然に採用できているのと、5色マナ基盤を兼ねる踏み倒し先として《 超愛銀河クエーサー・ラブエクスパンジョン 》《 仙界の麒麟児 ミロク 》の両採用により異常な耐久性を確保しているのが最大の特徴。
特に革命0トリガー+《 蒼斬しのぶ 》によって手札に入ったデカブツや5色枠をカウンター展開しつつ最低2回分の防御ができるのも、その防御力に拍車をかけています。
メインの踏み倒し先である《 仙界の麒麟児 ミロク 》なら7枚も見てさらなる革命0トリガーを最大2枚確保できますし、《 超愛銀河クエーサー・ラブエクスパンジョン 》なら同じく手札補充にシールド追加までついてきます。ここで《 E2連結 俺丸「ライバック」 》とか仕込めたらもうウッキウキですよ。
ピン積みの踏み倒し枠(当然この辺もパワー12000以上)もめちゃくちゃ噛み合っているものばかりですし、予算上限を突破してもここをカスタマイズすることでいくらでも味が出せそうです。
未踏調査対象:《 霊翼の宝アルバトロス 》《 百鬼の邪王門 》《 邪幽 ジャジーガイスト》
次にご紹介するのが、mikalさんの【闇火自然邪王門】。懐かしカード《 霊翼の宝アルバトロス 》にフィーチャーし、破壊時効果でデッキを固めた構成となっています。
味方の破壊時に利益を得るカードを多数搭載したうえで利益を得つつ、《 霊翼の宝アルバトロス 》の破壊にこぎつければさらなる蘇生で利益は倍率さらにドン。特に先置き出来る破壊手段兼その効果を倍加する《 デカボッチ・ボロフ 》がいればもう何もかもめちゃくちゃです。
さらに《 霊翼の宝アルバトロス 》を《 百鬼の邪王門 》で送り込むことで防御もバッチリですし、《 烈火大聖 ソンクン 》や各種「魔誕」勢→《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》で打点も十分。
さらには《 百鬼の邪王門 》以外に強制で山札を減らすタイプのカードが入っていないので、《 邪幽 ジャジーガイスト》で山札切れまでケアできるという至れり尽くせりぶり。まさに万能というべき構成です。
もし価格制限を取っ払うと、昨今の「魔誕」陣営のカードや《 轟く邪道 レッドゾーン 》に加えて、相性完璧な《 アーテル・ゴルギーニ 》といったパワーカードを積んでカスタマイズできるのもうれしいですね。
未踏調査対象:《 五輪の求道者 清永 》《 D2P へビーポップ 》
最後に紹介するのが、『ガチまとめ賞』に輝いたジェネ半さんの【ヘビー清永】。デッキ名のカード2種のみで未踏が成立するという偉業をやってのけました。どっちもそこそこ人気カードなのに!
普通にやるとまず噛み合わないこのタッグを繋ぐのが、4種12枚の《 天地命動 バラギアラ 》。ツインパクトによってコストがばらけるので、《 五輪の求道者 清永 》の効果1回で複数並ぶことすらあるんですよね。あとは《 注文猫のウェイ 》とかで連撃させまくれば、山札を掘りまくってバラギアラが4体並び、特殊勝利が決まることでしょう。
さらに《 五輪の求道者 清永 》が勝利に必要な《 D2P へビーポップ 》とD2フィールドを出せるので、攻撃が止まらない限り常に特殊勝利チャンスがあるのが面白いですね。
ぶっちゃけバラギアラで殴ればそれでだいたい勝てるだろ……と言われたらそれまでなんですが、発想の秀逸さは企画でも屈指だと思っています。
もし価格限界を突破するなら、アンタッパーを増やしたりD・D・Dを採用して《 五輪の求道者 清永 》の連撃時に何かできるようにしたりとけっこう構築幅は広そうな気配。ツインパクトを活用してコスト幅をうまくばらしていけば、可能性は無限大です。
ちなみに、ここからは公開直前に追記してるんですが……
当企画の最優秀賞のデッキにつきましては『格安デュエマ研究所』にて紹介するとともに、そちらのメインギミックをベースにしたデッキを私が作成することとなりました。
元ギミックの独自性もあってめちゃくちゃ荷が重い任務であるのは事実なんですが、全力でやらせていただきます。
あとついでに、11/22の時点では《 禁断 ~目醒めの刻~ 》《 XENOGEAR-速4号 》の2枚で未踏が成立していた……という事実も、補足事項として記載しておきます。素直に脱帽。
全体的にライバックと文藍月ドラッヘとレッドアウトが多すぎる
というわけで、私のものではない夢を見ていました。
ちなみに、これ以外でも「未踏じゃないけどカードチョイスは面白い」とか、「構築の詰めがちょっと甘くて紹介には至らなかったけど、発想は面白いし未踏も狙えそう」みたいなタイプのデッキは当然たくさんありました。
それも別の機会に紹介したいんですが……どこでやればいいんでしょうね。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。


