みなさん、サファイア・ミスティしてますか?
こんにちは、神結です。
「 20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレルマスターズ」で収録されたルールプラスのカードである《13番目の計画》。
詳細は後述するとして、山札の上限を増やすことが出来るというこれまでにない斬新なカードとなっています。
特にアドバンスレギュレーションに置いてはデッキの構築において「デッキは40枚でいいのか」という観点から考えることも出来るようになり、構築の幅がほぼ無限になったと言ってもいいでしょう。
既に様々なデッキに投入して楽しんでいる人も多いかと思いますが、発売からそれなりに時間も経ち、私も実際にCSで使用しています。
というわけで今回は少し研究の進んだ《13番目の計画》について、お話していこうと思います。
目次
カードの概要
改めてカードの概要についておさらいしておきましょう。
《13番目の計画》はルール・プラスという特殊なカードです。これは文字通り「ルールを増やす」カードで、このカードはデッキの枚数のルールに触れています。
【 ルール・プラス 】
文明 水 / コスト00
■自分は、デッキの枚数を5枚増やしてゲームを開始する。
【裏面】
カード名:サファイア・ミスティ
カードの種類:サイキック・クリーチャー
文明:水/自然文明
種族:スターノイド/サイバー・コマンド
パワー:4000
コスト:7
■自分のターンの終わりに、自分のカードがバトルゾーンとマナゾーンに合計40枚以上あれば、自分はゲームに勝つ。
■(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自身の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)
また裏面は《サファイア・ミスティ》というサイキック・クリーチャーであり、こちらは特殊勝利条件を持つカードとなっています。
このカードは超次元に置いておくことで山札を+5枚します。入れる以上は強制ですし、また5という数字も強制です。41~45の間で自由に、ではなく45枚になります。
また当然カードは4枚まで採用出来るため、このカードによって45,50,55,60とデッキ枚数を変化させられます。
というわけで最大60枚のデッキまで組むことが可能です。
またサファイア・ミスティは特殊勝利条件を持ちます。
「 自分のターンの終わりに、自分のカードがバトルゾーンとマナゾーンに合計40枚以上あれば」という難解な条件ではありますが、ミスティ自体は超次元呪文から簡単にアクセス可能なので、場に出すこと自体はそれほど困らないでしょう。
メリットとデメリット
アーキタイプやデッキリストの話の前に、一旦「デッキ枚数を増やすこと」について整理しておきましょう。
メリット
①強いカードを数多くデッキに入れられる
これがもっとも明確な理由となるでしょう。
この強いカードというのは「環境的に」強いカードでも、「単体として」強いカードでも、どちらで解釈していただいてもOKです。
例えば環境にビート系のデッキが多いなら、トリガーは「環境的に強いカード」になります。デッキの本筋のカードを削ることなく、デッキに強いカードを増やすことが出来ます。
カードを削る必要がない、というのは結構ポイントで40枚で1投と45枚で2投とでは、後者の方が引ける確率高いですからね。
また「単体として」強いカードを増やせる、というのも大きいです。強力ではあるけどメインプランで絶対使いたい、というわけでもないから枚数を減らした……といったカードも全力で採用することが出来ます。
「サブプラン」の線を太く出来ることで、予想外のデッキに当たったときやメインプランを強く見ているデッキに対しても戦えるという恩恵はありますね。
②枚数の都合で成立が難しかったコンボやコンセプトが実現可能に
40枚のデッキというのは、アーキタイプによっては厳しい制限でした。
一度でもデッキを作ったことがある方ならわかると思うのですが、初動にドロソ、トリガーなど「これくらいは欲しいかな」とデッキにいれていくと、気付けば30枚を悠々超えていて……なんて経験もあるんじゃないでしょうか。
例えばこんな感じ↓
このままではここに刃鬼ギミックなどを載せるのは難しいですが、そこで《13番目の計画》というわけです。
フィニッシャーを搭載出来る他、私の好みのギミックでいうと「《百族の長 プチョヘンザ》+《調和と繁栄の罠》」とかの欲張りセットも現実的に採用出来るようになってきます。
こんな感じ↓
なおこのリストは試してないけど、恐らく退化とかにはボコボコにされるので、退化使いを友人に持つ方は使わないか縁を切ることをオススメします。
③ミスティと併せてビックブースト呪文系が比較的腐りにくくなった
細かい話になりますが、《恵みの大地ババン・バン・バン》とか《自然星人》といったカードはかなり使いやすくなったと思います。
【 クリーチャー 】
種族 ガイア・コマンド / 文明 自然 / パワー9000 / コスト8
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードの枚数を数える。
その数だけ、自分の山札の上から、タップしてマナゾーンに置いてもよい。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
■マナ爆誕9(このクリーチャーを自分のマナゾーンから、コスト9を支払って召喚してもよい)
■ワイルド・ソウル
【 クリーチャー 】
種族 グランセクト / スペシャルズ / 文明 自然 / パワー12000 / コスト8
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンにあるカードを数える。
それと同じ枚数のカードを、自分の山札の上からマナゾーンにタップして置いてもよい。
■自分のターンの終わりに、自然のパワー12000以上のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
この手のカードを採用するデッキって、このカードを使わないと勝てないから入ってるんですけど、ダブっても強くない上から引いても弱い……みたいな弱点もしっかりありました。
しかしミスティの登場によって、2回このカードを使って特殊勝利を狙う、みたいなアホな戦法も現実的になったんですよね。
特にマナ爆誕を持つババン・バン・バンなんかは、効果でマナに置かれた自分自身をマナから召喚してミスティを狙う……みたいなこと出来るようになりましたね。
これはビッグブーストカードという例ではありますが、同様に大量にドローするカード(例:《知識の包囲網》、《パーロックのミラクルフィーバー》)なども恩恵を受けていると言えますね。
④山札破壊などに明確に強くなった
これは実戦を経て気付いたことなんですが、山札の枚数が多いことで単純に体力が増えました。
以前【アナカラーダークネス】と対戦した際にゲーム中盤《S級宇宙 アダムスキー》に2回走られたんですけど、山札に余裕があったどころか相手より山札まだ多かったんですよね……。
《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》などの山札回復手段を持つ必要もないですし、山を削られても「デッキに逆転の手段が残ってる」ことも多く、ここは対コントロールを考えたときにかなり大きな要素だと感じました。
デメリット
①デッキの特定のカードにアクセスしにくくなる
これは単純に当然な話なのですが、キーカードを素引き出来る確率はもちろん減ります。
例えばドラグナー系などの特定のカードをメインに据えて戦うデッキとは、相性が悪いです。
またキーカードにとまではいかずとも、動きに代えの利かないカードを使っているデッキでは使うのは難しくなります。
……とここまで書きましたが、大抵のデッキは上記の特徴を持っています。
現環境デッキで考えても【アナカラー墓地退化】【赤単我我我】【青魔導具】など、特定のコンボパーツや切り札を引くことが勝ちに繋がる訳です。
そういうことなので、基本的にはこのデメリットが大きいために《13番目の計画》は多くのデッキで採用されません。
逆を言えば、このデメリットを差し引くだけのメリットがあるか、採用にあたってはそれを検討する必要があります。
②引きのムラが発生しやすくなり、デッキの安定性が欠ける
デッキの枚数が多いということは初手のパターンなども増えるわけで、気になるのは「初手が強い」「初手が弱い」の落差がかなり大きくなるという点です。
せっかくなので、作ってみたリストで初手ドローをポチポチしてみましょう。持たされる初手にかなり幅があるのがわかります。
上の初手はまだマシな方かな……。
ムラが大きいというのは、大会などで安定した勝率を残すこと難しいという話でもあります。「この手札で勝てないだろ」みたいな手札を掴ませられる試合が普通に増えるわけですからね。
またセットで引きたいカードなどを揃えるのに時間が掛かるのもマイナスポイントです。「勝てる状況」に持ち込むまでの手数は増えるかなぁ、と思っています。
③ゲームの再現性が下がるので、プレイの練度がより求められるようになる
これは②と関連しますが、手札のパターンが増えるということはゲーム自体の再現性も低下します。要するに「練習で遭遇していない場面」が試合の中で発生するわけです。
となると試合の中でどう対処するか、どう勝つかのアドリブ力は普通のデッキより求められるわけです。この辺りはプレイヤーのスキルが問われる部分でしょう。
と、メリットデメリット両面を見て思うように個人的には「理論値」は上がって「実戦値」は落ちるというのがこのカードだと思っています。
ようするに「〇〇対面にはこのカードが効いて、××対面にはこっちのカードが効く」みたいな構築も作れるようになります。
また環境に多いデッキに効くカードを嵩ましすることも出来ます。「理論的には全対面と戦える」デッキを作ることも、決して不可能ではないでしょう。
しかし実戦の中で考えた場合、引きにブレは発生する以上は事故る可能性も高くなり、そもそも肝心の採用したカードを引けないで負けるなんてケースも増えることになるでしょう。
これが理論値と実戦値、という訳です。
相性のいいアーキタイプ
①ビックマナ
山札を大量に消費するビッグマナは、《13番目の計画》と間違いなく相性がいいでしょう。
元々大量に伸ばしたマナから「上から引いたパワーカードで戦う」系のデッキですので、キーカードへの依存度もそこまで高くないです。刃鬼のような切り札を持つデッキだったとしても、大量に伸ばしたマナから後で回収すればいいので、そこまで困ることはないでしょう。
従来までなら2→4でマナを伸ばすギミックのカードも不足しがちだったのですが、2コスブーストは《フェアリー・Re:ライフ》や《地龍神の魔陣》などが増えました。
4コスは《フェアリー・シャワー》以外にも《【マニフェスト】チームウェイブを救いたい【聞け】》などを獲得したので、ここも質が向上しています。
互換カードが多いことはデッキ枚数を増やす際には欲しいところなので、序盤のリソース札の枚数を確保出来ていることは大きいです。安心してデッキを太らせていきましょう。
……というか刃鬼とは寧ろこれまでよく40枚でデッキにしてたなぁ、とか思うんですよね。
②殿堂カードなどでループするデッキ
これ、意外に思うかもしれませんがこれはかなり相性がいいと思っています。
具体的に言うと該当するのは【ネバーループ】などでしょうか。
耐久プランをデッキを太らせた枠で頑張って、《ロジック・キューブ》や《クリスタル・メモリー》などの4枚以上積めるサーチ札を使って、キーパーツを探しにいきます。
キーパーツをサーチを前提にすることで、デッキの枚数とか関係なくなります。そもそもが、サーチカード自体も枠で嵩まし出来るようになったりしますからね。
加えてサーチ札を増やすことが出来るという点以外にも、「殿堂カードの盾落ち確率を減らせる」という点でも優れているんですよね。
だいたいのデッキって盾落ちを回収するプランは持っているのですが、面倒なケースが多いんですよね……。
現在この手のデッキそのものがあまり活躍しているわけではないんですが、今後《13番目の計画》を使ったループデッキが誕生しても全然おかしくないと思っています。
もう少し深掘り
さて、ここから先は私が実際のCSで使ったリストを元にちょっとお話していきたいと思います。
先日のCSで使用したのは60枚の【デュエランド】でした。
デッキとしてはファンデッキに類いするとは思いますが、環境デッキと戦うために構築はしています。
このデッキを60枚にした理由は以下の通りです。
①環境デッキの攻め手が多彩なので、受けのパターンが複数欲しい |
デッキの枚数を増やして受けギミックを複数積みたい |
意識したのはアナ退化、JO退化、赤単、青魔導具、アナカラーダークネス。
アナ退化は最近だとギョウの採用を見送るケースも多かったため、《怒流牙 佐助の超人》+《斬隠蒼頭龍バイケン》、《「光魔の鎧」》で受けることを目指します。バイケンは場に出れば《蒼き覚醒 ドギラゴンX》のスレイヤーでバルカディアNEXを取る感じです。
JOも盾に強いビートデッキなので、基本は同じプランになります。
というかアルカディアスモモキングを対処するために《怒流牙 佐助の超人》を採用しているわけです。ただこの時は青JOリソース量を私が誤認していましたね。
赤単はトリガーの枚数でどうにかなると考えていました。枚数もさることながら、横に伸びた面を処理出来ることが大事でした。
ですので、《テック団の波壊Go!》などを採用することになります。《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》もこの対面は特に欲しいトリガーですね。最終的にはネバーでサイクリカループで耐えることを目指します。(実戦ではノートリで敗北しました)
青魔導具とデュエランドは結構昔からデュエランドがいける対面なのですが、実は要因となっていたのは《英雄奥義 スパイラル・ハリケーン》による全バウンスでした。ですが、このリストには採用されていません。はい、普通に忘れてました。
アナカラーダークネスとはリソース勝負になるのですが、こちらは山札60枚に《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》まで使ったリソースを確保出来るので、長期戦になれば勝てるのは知っていました。
ただ制限時間との勝負にはなるので、そこは結構懸念材料です。
実際、本番では《夢の変形 デュエランド》を召喚して効果処理中に時間切れ、両敗となっています。
……というように、それぞれの対面に欲しいカードが異なります。特に受けに求められる受け札のタイプが違うため、デッキを太らせた方がいけると判断したわけです。
ちなみに実戦では3-2ー1両敗で、残念ながら予選落ちでした。
②《クリスタル・メモリー》を無理なく4枚以上積める |
相手のデッキに合わせた受けカードをサーチ出来る |
メモリーからサーチ出来る《夢の変形 デュエランド》と好相性 |
【デュエランド】というデッキが《クリスタル・メモリー》をガンガン積んで問題ないデッキであること、そしてデッキを60枚に太らせることと「メモリーからデュエランドをサーチしてフィニッシュする」というのが互いを阻害していないのが大きかったです。
というより、60枚でデッキを作るならフィニッシャーとしては《夢の変形 デュエランド》のような単体で完結するフィニッシャーが相応しいと思っています。
結局サーチカードを使って拾ってくることになるので、1枚で(《イッツ・ショータイム》と合わせると2枚ですが、素出しで勝つパターンが多かったです)勝てることは時間の都合的にも大事な要素と言えますね。
ちなみに45でも50でも55でもなく60な理由は枠が足りなかったからです。なんならこのデッキを作っているときも「いや、60じゃ足りないな……」とか言いながら作っていました。
これ以上書くとデュエランドの解説になってしまいそうなのでこの辺にしますが、「理由があれば60枚のデッキの方が適してる場合もあるよ」と思っています。
まとめ
というわけで今回は《13番目の計画》に関する現状の研究報告になります。
今後大きな進展があったらまた報告させていただきたいと思います。
「このカードについてもっと知りたい!」みたいなものがありましたら、コメント下さい。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!