こんにちは、神結です。
エリア予選特集ということで、前回からの続きものになります。
前回と併せてご覧いただくとより楽しめますが、「前回のあらすじ」も書きましたので、好きな方法で楽しんでいただければと思います。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【シータグラスパー】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
(前回までのあらすじ)
2017年のエリア予選は、《阿修羅ムカデ》と《グレート・グラスパー》という二大グッドスタッフカードによって支配されてきました。
店舗予選、そしてエリア予選序盤の勝者となっていたのは、両者を併せた【ムカデグラスパー】(ネクラグラスパー)というデッキでした。
なんとエリア予選開始以降、南東北→北関東→四国エリアと、脅威の3連続制覇を見せるのです。
しかしエリア予選が進むにつれて、【ムカデグラスパー】の立場も徐々に変化が生じてきます。
デッキの対策は進み、プレイも確立。
実際、3つ目のエリアに該当する四国エリアのTOP16は以下の通りでした。
4 マフィ・ギャング
4 火自然水グラスパー
2 メタリカ
2 4色グラスパー
2 トリガーコントロール
2 ムカデグラスパー
最終的には【ムカデグラスパー】が優勝することになりますが、「最強」と呼ぶには陰りが見えています。
また四国TOP16にこそいませんでしたが、北関東エリアでは【ビートジョッキー】が大活躍。
元々前評判も高かった中でリストも整備され、対【ネクラグラスパー】のプレイも確立しつつあったことで結果もついてきました。
そしてもう1つ、1つ目の大会である南東北エリアで発生を確認されて以降、徐々に活躍の兆しが見えているデッキがありました。
それが今回紹介する【シータグラスパー】でした。
グラスパーは新たな形へ 「シータグラスパー」
というわけで今回紹介するのが、エリア予選突入以降に開発され、結果を残した【シータグラスパー】になります。
別名だと「シャコグラスパー」などとも。リストは、関東エリアEブロックを制したともきのものを紹介します。
そもそも何故【シータグラスパー】が出てくるに至ったか。
それは【ムカデグラスパー】に対する回答として生まれたわけでなく、真の最強デッキであった【ビートジョッキー】に対して勝てるグラスパーを作る必要があったからです。
ん? 何かおかしい。【ムカデグラスパー】は最強だったのでは……?
いや、これは少しややこしい話ではあるのですが。
確かに【ムカデグラスパー】は強かったです。まぁ3エリアを制していますからね。
しかし水面下では、真の最強と呼べるデッキは【ビートジョッキー】だったのです。
というのもプレイの上手い【ビートジョッキー】であれば、【ムカデグラスパー】に対して溜めて溜めてリソース切れを狙い、そして最後に《“罰怒“ブランド》を添えてフルパンして勝つという方法で、元々有利を取ることが出来ていたマッチアップなのでした。
【ムカデグラスパー】側は刻まれていれば、トリガーの《罠の超人》などの上に《グレート・グラスパー》を出したり、トリガーで除去した後に《阿修羅ムカデ》で蓋をしたりで勝つことが出来たのですが、溜められるとかなり高いトリガー要求になっていたんですね。
当然、エリアが進んでいくと研究は進みますが、逆にエリア序盤であったからこそ、【ムカデグラスパー】は非常に大きな結果を残すことが出来ていたと言えるでしょう。
そしてもう1つ、【ビートジョッキー】は悲しいかなビートデッキです。
この手のタイプのデッキは、どうしてもエリアの一発勝負だと、相手のトリガーの上振れに巻き込まれ沈むことが多いのです。
こうして、真の最強は未だ伏せられたまま、エリア予選は進行していきました。
さて、話を戻しましょう。
実は最初の南東北エリアの時点で、既に別種の《グレート・グラスパー》デッキは登場していました。
それは《ブロック・キング》によって【ビートジョッキー】の攻勢を防ぐというコンセプトのデッキでした。
【 クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / スペシャルズ / 文明 火 / パワー7000 / コスト6
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがアンタップしていれば、相手のクリーチャーはタップしてバトルゾーンに出る。
■このクリーチャーがタップしていれば、自分の他のクリーチャーのパワーを+7000する。
《ブロック・キング》は、ざっくり言えば6コストの《永遠のリュウセイ・カイザー》です。
また赤を入れることで《爆殺!! 覇悪怒楽苦》を採用出来るようになり、苦手だった多面除去も行えるようになりました。
これで【ビートジョッキー】に対して有利に戦う、というのが【シータグラスパー】の大きな主張点と言えるでしょう。
また【ムカデグラスパー】では実現が困難だった「進化元+《グレート・グラスパー》の召喚によって即時攻撃をする」というプランも、《タルタホル》によって確保しています。
【 クリーチャー 】
種族 グランセクト / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の手札にあるパワー12000以上のクリーチャーを1体、見せてもよい。そうしたら、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
このカードは手札から12000のクリーチャーを見せると1ブースト出来るのですが、《グレート・グラスパー》に加えて《コレンココ・タンク / ボント・プラントボ》、《オヴ・シディアDG》、そして《水上第九院 シャコガイル》を採用していることで、条件達成は比較的容易です。
これによって、《コレンココ・タンク》を召喚したあとの9マナ時点などで、《タルタホル》→《グレート・グラスパー》という動きが実現できます。
【 クリーチャー 】
種族 グランセクト / 文明 自然 / パワー12000 / コスト6
■ガードマン(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先を、自分の他のクリーチャーからこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から3枚を表向きにする。その中から、パワー12000以上のクリーチャーを好きな数、自分の手札に加え、残りをタップしてマナゾーンに置く。
そしてデッキの中で異彩を放つのが《水上第九院 シャコガイル》の存在です。
【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー13000 / コスト9
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の墓地にあるカードをすべて山札に加え、シャッフルする。
■相手のターンのはじめに、カードを5枚引き、その後、自分の手札を3枚捨てる。
■自分の山札の最後の1枚を引く時、ゲームに負けるかわりに勝つ。
このデッキの《水上第九院 シャコガイル》の最大の役割は、巨大置きドロソです。
通常環境であればフィニッシュするときくらいでしか出さないカードですが、限定戦となると全てのテキストが輝いてきます。
以前“斜にマス”で書いたことがありましたが、《水上第九院 シャコガイル》の真の姿はリソースカード。
プレイするにしても、《グレート・グラスパー》を繰り出し、《ブロック・キング》の能力で寝ているクリーチャーに向けてアタックする際に、マナから《水上第九院 シャコガイル》を繰り出せばOK。
あとは《ブロック・キング》を複数体維持しながらゲームをのんびり続けていればよく、あわよくば2体目も繰り出して、そのうちEXウィン能力によって勝てる、という算段です。
また除去が《ブロック・キング》などに当たった際の緊急手段として、T・ブレイクをしたことも相応にあったでしょう。
こうして生まれた【シータグラスパー】は最初の3エリアこそ遅れを取ったものの、上記で紹介したように関東エリアC・Eブロックで優勝。
ついでに、長らく潜伏していた最強デッキである【ビートジョッキー】も、別ブロックで優勝。
更に同日行われた北東北エリアでは、シータ基盤に《悪魔神バロム・クエイク》を採用したタイプの【4cグラスパー】が優勝。
こうして新DMのエリア予選は、次の段階へと進んでいくこととなるのです。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第126回は前回に引き続き新DMエリア予選から、【シータグラスパー】の紹介でした。
エリア予選って短期間に詰め込んで行われる性質に加えて、プレイヤーは当日までデッキを秘匿するので、デッキそのものが面白いんですよね。
現エリア予選でも、【ゼナークジャイアント】とか【火水闇プレジール】とか【光水自然零ゼニス・セレス】とか、大会前にはいなかったデッキ達が活躍しています。
エリア予選を全体を通して見ると、1日の大会とは違う楽しみがあるので、そうした視点で見るのも楽しいと思います。
そしてそして、ぜひ2ブロックについても遊んでみては如何でしょうか。
というわけで、今回はここまでです。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。
参考文献
【デュエルマスターズ 大会】2017年に開催された公式大会&チャンピオンシップ一覧【大会結果まとめ(808件)】