こんにちは、神結です。
超CSⅥが終わりました。
私の優勝予想は【赤緑アポロ】だったので、残念ながら外れました。マジック環境の中でフィオナがあそこまで適正高いとはなぁ。やられました。
まぁ次回の公式大会はいよいよ全国大会ということで、3月末を楽しみにしていきましょう。
それでは今週のデッキの紹介といきましょう。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【5cコントロール(神化編)】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
5色デッキはここから
というわけで今回の名作デッキは太古の地層から発見された【5cコントロール】の話です。
《龍仙ロマネスク》殿堂後の話なので、神化編に入ってちょっとしたくらいの頃の構築ですね。
(※訂正:《龍仙ロマネスク》の殿堂は《エンペラー・キリコ》と同じ時期なため、この時点では4枚使用可能でした。なんか1枚しか使ってなかった記憶があったのですが、筆者がロマネスクを1枚しか持っていなかったことによる勘違いでした。訂正致します。)
リストはこんな感じ。
清々しいくらいの準ハイランダー構築です。人によっては《蒼狼の始祖アマテラス》だけ複数採ってたりとかもあったかも。
でも当時の5cって割とこんな感じだったんだよな。みんなこんな感じだけど拘りの1枚がそれぞれにあって、vaultの「コメント」の項目に採用理由を書いてたんだよね。
要するにデッキとしては《フェアリー・ミラクル》が強すぎるので、それを使ってリソースを伸ばしながらコントロールしましょう、というコンセプトです。
【 呪文 】
文明 自然 / パワー- / コスト3
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
自分のマナゾーンにすべての文明が揃っていれば、さらにもう1枚、自分の山札の上からカードをマナゾーンに置く。
《フェアリー・ミラクル》の初出は極神編の最終盤なので、更にもう少し前。
3マナ2ブーストは現在でも無条件では与えられず、《ボルシャック・栄光・ルピア》などが主力として使われていることを考えると、15年前での強さはなんとなく想像出来るんじゃないでしょうか。
ただし当時は「ビマナ」という概念は希薄でしたので、デッキのコンセプトとしてマナを伸ばすというよりかは、1ターン中に2~3行動出来るようにするためのリソースを作っておく、というような感じでした。
特に当時はフィニッシャー含めて強力なカードを《母なる紋章》から3コストで場に出すことも可能だった訳です。
(プレミアム殿堂カード) 【 呪文 】
文明 自然 / コスト3
文明をひとつ選ぶ。バトルゾーンにある自分の、選んだ文明のクリーチャーを1体、マナゾーンに置いてもよい。そうした場合、そのクリーチャーと文明が同じで、コストが自分のマナゾーンにあるカードの枚数と同じかそれ以下のクリーチャーを自分のマナゾーンから1体選び、バトルゾーンに出す。
ですので《魔光王機デ・バウラ伯》などの比較的軽いコストで取り回しの効きやすいカードが多く搭載されているわけですね。
《セブンス・タワー》とかで大きく動くようになるのは、後に《勝利宣言 鬼丸「覇」》やゼニス等の登場してからの話になってきます。
話を戻しましょう。
ミラクル以外にもう1つ、5色を使う理由となっているのが《護精霊騎ヴァルチャー》と《深塊封魔ゲルネウス》です。
【 クリーチャー 】
種族 アーク・セラフィム / セイント・ヘッド / 文明 光/自然 / パワー3000 / コスト2
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
O・ドライブ-水x1と闇x1と火x1(このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンでさらに水1枚と闇1枚と火1枚をタップしてもよい。そうした場合、次の能力を得る)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目を自分のマナゾーンに置き、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
【 クリーチャー 】
種族 グランド・デビル / ディープ・マリーン / 文明 水/闇 / パワー1000 / コスト2
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
O・ドライブ-光x1と火x1と自然x1(このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンでさらに光1枚と火1枚と自然1枚をタップしてもよい。そうした場合、次の能力を得る)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。その後、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
《護精霊騎ヴァルチャー》は、5色を使って1ブースト1マナ回収をするクリーチャー。こちらは運用がイメージしやすそうですね。中終盤以降でキッチリ活躍してくれるカードでした。
そして《深塊封魔ゲルネウス》は、こちらは5色使って1バウンスと1墓地回収です。特にバウンスは敵味方問わず自由なので、ゲルネウス自身を戻すことも可能。
イメージ的にはヴァルチャーでカードを拾いつつ、除去やハンデスで落とされたカードをゲルネウスで拾いながら、ヴァルチャーの使い回しをして……みたいな使い方をしていましたね。
で、結果として盤面に多色クリーチャーが残ることが多かったため、フィニッシャーとして《聖鎧亜キング・アルカディアス》+《聖鎧亜クイーン・アルカディアス》のいわゆる「夫妻ロック」を採用しています。
(プレミアム殿堂カード) 【 進化クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド / ロスト・クルセイダー / 文明 光/闇 / パワー9000 / コスト7
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化-自分の多色クリーチャー1体の上に置く。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
相手は、多色以外のクリーチャーをバトルゾーンに出す時、バトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。
【 進化クリーチャー 】
種族 ロスト・クルセイダー / エンジェル・コマンド / 文明 光/闇 / パワー9000 / コスト6
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化-自分の多色クリーチャー1体の上に置く。
相手は多色ではない呪文を唱えることができない。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
夫妻ロックが決まってしまうと返せる札は相当限られていました(《執拗なる鎧亜の牢獄》や《戦攻竜騎ドルボラン》など)。
キングはこの少し後にプレミアム殿堂になってしまう訳ですが、さもありなんという感じでした。特に《母なる星域》登場以降は、別行動のついでに出てくることも多くなったので……。
ちなみに2ターン掛けて揃える場合、クイーン→キングの順番が鉄則でした。キングを返せる単色呪文は数あれど、クイーンを処理する単色クリーチャーってそんなになかったですし(《アクア・サーファー》とか)、採用もされてないことも多かったんですよね。
そしてそして5cなら忘れてはいけないのは《ラスト・バイオレンス》。
【 呪文 】
文明 光/水/闇/火/自然 / パワー- / コスト8
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
自分の山札の上から1枚目を、裏向きのまま自分のシールドに加える。
相手の、多色ではないクリーチャーを1体破壊する。
相手は、自分自身のマナゾーンから多色ではないカードを2枚選び、墓地に置く。
自分の山札を見る。その中から多色クリーチャーを1体選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
すごいざっくりした計算で言えば1対5の交換が可能で、受け除去妨害回収と全て出来ます。
当時のリソースに基づくゲーム観だと「《英知と追撃の宝剣》を2回撃たれたら負け」なんて話もあったくらいなので、クリティカルに決まってしまえばほぼ勝勢と言えるカードだったでしょう。
ギミックぐちゃぐちゃに詰め込んだこのイラスト、かなり好きなんだよな。
グッドスタッフと準ハイランダー
で、あとはまぁ当時の強いカード展覧会といったデッキ内容になっております。
こうしたデッキは「グッドスタッフデッキ」なんて呼ばれたりします。
現在のデュエマ用語に近づけるなら「インフラ詰め合わせデッキ」みたいな感じになるかと思います。
ちなみにスタッフの綴りはstaffではなく、stuff。「グッジョブ開発班」「サンキューデッドマン」という意味ではないです。
1年前の【4c邪王門】とかは間違いなく「グッドスタッフ」デッキだったと思います。直近で活躍を見せているデッキだと【オボロティガウォック】とかはそうかもしれないです。
というか書いてて思ったんですけど、【オボロティガウォック】の進化元は【オボロセカンド】とかではなくて、間違いなくこっちですね。
じゃあなんでそれが準ハイランダーに近しい構築になっているかと言えば、当時のゲームのカードパワーが影響しているでしょう。
当たり前ですが15年前に《CRYMAX ジャオウガ》のような走攻守全てが完璧なイチローみたいなスタッツのカードはあるわけないです。
そのため、比較的汎用性の高いユーティリティなカード+その道のプロみたいなカードの合わせ技で構築することになります。
例えば前者で言えば《腐敗無頼トリプルマウス》、後者は《魔刻の斬将オルゼキア》とか《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》とかですかね。
それで言えば多様な運用パターンのある《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》なんかは、かなり特殊なカードだったような気がします。
コイツ、ビートに対しての切り返しからマナ伸ばし、フィニッシャーまでこなせるんだよな。
【 クリーチャー 】
種族 ロスト・クルセイダー / 文明 闇/火/自然 / パワー1000 / コスト5
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのターン、自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」と「スレイヤー」を得る。そのターン中、それらのクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く。
現代であれば特定の強いパワーのカードをなるべく早期に押し付けることがもっともわかりやすい勝ち筋ですが、当時は押し付けっぱなしで勝ちきるのは難しいでしょう。《エンペラー・キリコ》? いや、ちょっと知らないですね……。
まぁ話を戻すと、逆に言えば「捌ききって勝つ」こと自体は、昔の方が遙かにやりやすかったと思いますよ。トップ〇〇で解決されることも少ないし。
そんな訳なので、基本は後手後手の対応になるこうした準ハイランダーみたいなデッキでもそれ相応に戦える、というゲーム観だったのは間違いなかったと思います。
あとやっぱり楽しいですよね。準ハイランダーデッキ。
現代の我々は練習に練習を重ね、再現性を高めたデッキで数を撃つことで勝ちを目指したりもします。
でも自分の好きなデッキで大会そのものを楽しみたい時、試合の中で毎回新しい体験をする方が楽しかったりもしませんか?
再現性がないことは、それはそれとして面白いですよ。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第85回は私の大好きな【5cコントロール】でした。
GPのインタビューで5cの神様であるどてらさんとお話したことがあったんですけど、彼もやっぱりこの時代から5cを使っていたとのことでした。
ヴァルチャーゲルネウストークで大分盛り上がりました。当時の赤いカードの弱さを嘆いたりとか。
いま思えばこのデッキは【5cアマテラス】的なところがあったので、実はもうちょっとそっちに寄せた方が強かったのかなぁ、なんて思ったりもするのですが。
《聖鎧亜キング・アルカディアス》のプレ殿によって結局僕はそれ以降は使わなくなってしまったんですけど、ここから徐々に上のマナ域のカードが強くなっていって、「ビッグマナ」の方へと切り替わっていった認識です。
ですので先にも書きましたけど、このデッキの方向性を現在でも残してるのって【オボロティガウォック】しかいないんじゃないかな。
と、いうわけで今回はこの辺で。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。