こんにちは、神結です。
全国大会が終わりました。
いやぁ……良かったですね。面白い大会でした。カバレージは続々更新されていくはずですので、ぜひテキストでも楽しんでいただければと思います。
さて、GPは近いのですが前回でGP活躍デッキを紹介しましたので、今回はちょっと戻って2ブロックのエリア予選で活躍したデッキを取り上げていきたいと思います。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【カウンタージョーカーズ】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
銀の弾丸を放て!「カウンタージョーカーズ」
というわけで今回の名作デッキは2019年の九州エリア予選を制した【カウンタージョーカーズ】になります。
リストはこう。
こちら、九州エリア予選Aブロックでfogionさんが使用したリストになります。
(ちなみに公式サイトだとツインパクトの不具合で確認出来ないカードがありますが、カバレージから《スゴ腕プロジューサー / りんご娘はさんにんっ娘》と判断可能です)
カウンターの名が付く由来は、この《バレット・ザ・シルバー》でしょう。
【 クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / 文明 ゼロ / パワー8000 / コスト8
相手のターンの終わりに、そのターン相手がクリーチャーを3体以上召喚していれば、このクリーチャーを手札からバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それがジョーカーズ・クリーチャーなら、バトルゾーンに出す。それ以外なら、手札に加える。
ちなみに《バレット・ザ・シルバー》は超天篇前年の双極マークが付いたプロモ版があるので、問題なく使用可能でした。
このクリーチャーは「相手のターン終わりに、相手が3体以上クリーチャーを召喚していたら、手札から出してよい」という手札誘発能力を持っています。
クリーチャーを3体も召喚するなんて中々イメージがないかもしれませんが、この超天篇につき、GR召喚があります。
GR召喚は、もちろんクリーチャー召喚扱い。
ですので、例えば《“魔神轟怒”万軍投》1枚でこの条件は達成可能です。
そして《バレット・ザ・シルバー》は出た時と攻撃時に山上を捲ってジョーカーズなら出せるという「連ジョーカーズ」のような効果を持っています。
相手の行動を咎めてカウンターから逆展開して勝つという、「カウンター」の名を冠すにはうってつけの1枚でしょう。
また同じく、《ジョリー・ザ・ジョルネード》もまた別の手札誘発能力を持っています。
【 クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / ワンダフォース / 文明 水 / パワー10000 / コスト7
■マスターJトルネード:相手のターンの終わりに、このクリーチャーが自分の手札にあり、このターン中に自分の他の「マスターJトルネード」能力をまだ使っていなければ、自分のジョーカーズ・クリーチャーをコストの合計が10以上になるように好きな数選び、手札に戻してもよい。そうしたら、このクリーチャーをバトルゾーンに出す。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、GR召喚を3回する。
■自分のジョーカーズはブロックされない。
こちらは特に相手の行動を咎める訳では無いのですが、マスターJトルネードという、自分のジョーカーズクリーチャーを10以上になるように手札に戻すことで、バトルゾーンに出すことが出来ます。
ちなみに盤面い10以上なくてもマスターJトルネードの宣言自体は可能です。
つまり何が出来るかというと……
①相手が3体以上召喚をしてターンを終了②《バレット・ザ・シルバー》と《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネードを宣言③《バレット・ザ・シルバー》を出して、効果で捲ったクリーチャーを場に出す④《バレット・ザ・シルバー》と捲って出てきたジョーカーズをコストに、マスターJトルネードを使用して、《ジョリー・ザ・ジョルネード》を場に出す
なんてことも出来ます。
これの派生にはなりますが、実際九州エリア予選の決勝では、相手の3体召喚からの攻撃をトリガーの《SMAPON》で耐え、そのまま《バレット・ザ・シルバー》とマスターJトルネードの宣言。
その後《バレット・ザ・シルバー》の着地、《SMAPON》と捲れたジョーカーズを起点にマスターJトルネードし、鮮やかなカウンターを決めて優勝を成し遂げています。
また、一度カウンターを決めて決めてしまえば、《オラマッハ・ザ・ジョニー》がマウントを取り続けることで、再逆転を防いでくれます。
【 クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / 文明 自然 / パワー13000 / コスト8
■T・ブレイカー
■マスター・マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。このターン、このクリーチャーがバトルに勝った時、アンタップし、相手のシールドを1つブレイクする)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを1枚自分のマナゾーンから手札に戻す。
■相手が呪文を唱えた時、その呪文とコストが同じジョーカーズ・カードを1枚、自分の手札から捨ててもよい。そうしたら、その呪文は効果を失う。
マスター・マッハファイターも強力ですが、注目したいのはジョニーシリーズにお馴染みの呪文封殺能力。
当時、展開をするにはGR召喚が欠かせないギミックでしたが、その起点となるのは先にも挙げた《“魔神轟怒”万軍投》のような呪文が多いです。
これに対して《オラマッハ・ザ・ジョニー》から5~6コストのカードを切ることで無効とし、反撃をものとも封殺する訳です。
カウンターの心得
カウンターという名前で実際にそうったギミックも取りそろえているデッキですが、何も腕組みガン待ちデッキではありません。
特に7コスト以上のカードパワーが桁違いなジョーカーズだけあって、アクティブにゲームを動かすことも出来ます。
基本的な動きとしては、とにかく序盤はマナブースト。
これまでのジョーカーズと言えば、《ヤッタレマン》や《タイク・タイソンズ》を初動としたクリーチャー軸の構築でしたが、このデッキは序盤を《ジョラゴン・オーバーロード》、《オラオラ・ジョーカーズ》といったカードでマナを伸ばしていきます。
これは超天篇の特有のギミックである、GRクリーチャーたちのマナドライブを上手く使うためですね。マッハファイターの的になるのを避けることも出来ます。
6~7マナまで届けば《キング・ザ・スロットン7》だったり、《ソーナンデス》→《オラマッハ・ザ・ジョニー》or 《ジョリー・ザ・ジョルネード》といった大型クリーチャーによる圧殺があるので、とにかくそれを目指すことになります。
最終的には《オラマッハ・ザ・ジョニー》で蹂躙していきます。
手札はかなりギリギリなデッキではありますが、そこは超天篇なので《ゴッド・ガヨンダム》とかが出てきてくれればなんとか。あとは一度《キング・ザ・スロットン7》から繋がっちゃえば、もう手札からクリーチャー頑張らんでもいいもんね、わはは。
というのが、基本的な部分でしょうか。
さて、このデッキの極意は、相手視点に立つことと言えるでしょうか。
相手視点、ジョーカーズが順調にマナを伸ばしてきたら恐怖です。7マナで手札もまずまずあったら、まぁまぁ死にます。
ですので7マナ帯に届く前に勝負を決めるべく、多少無理しても展開したり、殴りにいったり……となりがち。
で、そこを多数のトリガーで耐えつつ綺麗にカウンターを決める、という狙いを付随しています。
まぁどっちにしろ自分たちの動きが怖くない限り、相手って別に動く必要ないんですよね。極端な話、相手にマナも手札もなったら、別に何もせずにターンエンドしても怖くないじゃないですか。
相手を動かしたいなら、プレッシャーを与えることが重要です。ぜひカウンター系のデッキを使ったり作ったりする際には、覚えておきたいです。
ちなみに余談ですが、《バレット・ザ・シルバー》の元ネタは、割とそのまま「銀の弾丸」。
西洋では銀に対するある種の信仰から、銀の弾丸は悪魔や狼男を一撃で葬れる、言うならばケイネスにとっての「起源弾」みたいなものです。
よって、「対象にとって最も有効となる解決策」などを喩えて、銀の弾丸(=シルバーバレット)と呼ぶことがあります。
ですので、TCGにおいても「ハイランダー気味に構築し、相手のデッキに合わせて一番クリティカルに刺さるメタカードを都度プレイする」ような戦い方を“シルバーバレット”と呼称することがあります。
なお日本において「銀の弾丸」に関するもっとも有名な話は、恐らく『銀の弾丸などない』という、ソフトウェア工学の論文タイトルでしょう。
タイトルでお察し出来るかもしれませんが、まぁ要するに「そんな都合のいいものなんて、出てくるわけねーんだよ!」って話なわけです。
《バレット・ザ・シルバー》も作成時は或いは「相手がクリーチャーを3体も召喚した後にターンを返してくれるなんて、なんて都合のいいことあるわけねーだろが!」って意味合いも込めていたのかもしれません。
ところが結果としてGR環境における「銀の弾丸」となって、見事に優勝を果たしたのでした。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第93回は【カウンタージョーカーズ】でした。
この時の九州エリア予選は私も会場にいたんですけど、僕が別ブロックの担当だったこともあって、直接試合を見てないんですよね……。
ただざっくりデッキの概要を聞いていたので、GR環境で後ろでゲームをするという発想が全然無かったので、そこについては結構感動してました。
あと準決勝で手札0枚から《キング・ザ・スロットン7》→ 《キング・ザ・スロットン7》 → 《キング・ザ・スロットン7》 →《SMAPON》って捲って《全能ゼンノー》を突破しながら勝ったというエピソードがあり、「やっぱデュエル・マスターズなんだよな」って思った記憶もあります。
エリア予選と言えば、個人的にはこのデッキが何か印象深いですね。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。