このデッキはこんな人におすすめ! |
●安くて楽しいデッキが欲しい! ●とにかくいっぱいカードを引きたい! ●「いっぱいカードを引くデッキ」という時点でフィニッシュ手段が読めている ●ゼータウォーズ学園生 |
こんにちは。あるいはお久しぶりです。『格安デュエマ研究所』研究員の北白河と申します。
今日も今日とて格安をやっていこうと思います。
第145回目となりました当企画『格安デュエマ研究所』。
その名の通り、安くて楽しいカードを活かして格安デッキを研究する…という企画となっております。
今回の主役となるのは……。
《 夜露死苦 キャロル 》(50円)です。
いつもはマンモスに引きずられたりして大変そうなロッカーの彼ですが、今回はきっちりギターを持たせてライブを開いてもらいます。でもこいつどう見てもボーカルだな……。
例によってもう少し財布に余裕のある方向けの改造パーツなども紹介しておりますので、ぜひぜひ最後までお付き合いくださいませ。
目次
はじめに:この企画のルール
当企画『格安デッキ研究所』は、ガチまとめライターが持ち回りで低予算デッキを構築・紹介していく企画です。
何をもって「低予算」とするかは難しいところですが、当企画では「シングル価格の合計がクロニクルデッキの定価(=およそ5000円)以内」という基準を設けさせていただきます。
いきなりつよいデッキが欲しい方は、黙って発売日にカードショップに行きましょう。
(シングル価格は、執筆時点(2024/2/25)のカーナベル通販価格において最も安いバージョンの状態A(最高品)相当として計算)
もちろんすでに持っているカードを使ったり、カード状態にこだわりがなければ、さらに安く構築することも可能ですね。
また、忘れてはいけないのが『安いデッキは高額デッキの代用品ではない』ということ。あくまで「安いけれど強い・面白い」と言えるような、独自性のあるデッキを追い求めていこうと思います。
デッキのコンセプト
さて。この世の全ての「手札を捨てることがコストでありデメリットであるカード」の強化パッチであるところの《 夜露死苦 キャロル 》ですが、現代デュエマにおいて一番頻発する「能動的に手札を捨てる行為」と言えばなんでしょうか?
そう、ルーティングですね(断言)。
本質的に手札の質だけを上げるこの行為ですが、捨てるカードにキャロルを選ぶことで量まで確保できるようになる……というのは何ともお得。
では、それを可能な限り「軽く」「たくさん」「継続的に」行う手段を探したい……というのも自然な発想だと思います。そこで。
いいギター(55円)を用意しました。
要するに《 電脳の海を彷徨うエレキギター 》と《 夜露死苦 キャロル 》が揃うと、呪文かタマシードが全部キャントリップになるって書いてるんですよ。もちろん2枚目以降のギターがあれば効率はさらに倍。
軽量タマシードをある程度用意したうえでさらに《 NEXの手甲 》みたいな「タマシード設置へのインセンティブ」みたいなカードを足せると、効率がより良くなりそうですね。
で、こうなると手札を一気に吐き出して勝つプランが欲しいところ。可能ならば、ノーコストで一気にドバっと消費できるやつだと最高です。
ここまでの青赤のカラーリングから逸脱せず、ノーコストで出せて、キャロルとも相性がいいカード……そう。
キャロルとの永遠の腐れ縁たる《 強瀾怒闘 キューブリック 》(180円)と、キャロル自身こと《 世露詞駆 キャロル 》(50円)です。
貯まった手札から彼らを無料で投げ込み、《 無重力 ナイン 》あたりをおまけにつけてやれば一気に盤面にクリーチャーが並びまくること間違いなしです!
……「でも、これだけじゃSA持ちはキューブリックだけだから打点足りないじゃん」って思ったでしょ?
重要なのは、「無料で盤面に赤と青のクリーチャーが並ぶこと」です。そう。
シビルカウントが進んで、ACEどもが動き出すんですよ。
どちら本領を発揮に攻撃が必要になるとはいえ、おあつらえ向きに《 NEXの手甲 》がSAを付与してくれるのでラストにポン置きするだけできっちり仕事をしてくれるという噛み合いは、もはやデッキを組めという天啓そのもの!お前この前も手札稼いでキューブリックでシビルカウント稼ぐデッキやってなかった?
というわけで、完成したデッキがこちら。
デッキレシピ: きまぐれロケンロール・ヤンキーゴーシティ
総額は4300円。2枚しか積んでないカードが……高い!
というわけで、カード解説に入っていきましょうか。
採用カード解説
本日の主役
《夜露死苦 キャロル》
【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジ / 文明 水/火 / パワー2000 / コスト3
■マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーがどこからでも自分の墓地に置かれる時、自分のマナゾーンに火と水の文明があれば、このクリーチャーを墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。
50円
捨てても捨てても帰ってくる、ガッツあるヤンキーです。こいつのために、まずは火と水のマナを揃えるところから始まります。
前述の通り、このデッキはルーティングを多用するデッキ。そこでこいつを捨てると、純然たるドローに化けてくれるというわけですね。
絶対引きたいので4枚にしましたが、ぶっちゃけ2枚あると腐りがちなのも事実。その時は、動きに支障の出ない範囲でマナに埋めていってください。
《電脳の海を彷徨うエレキギター》
【 タマシード 】
文明 水 / コスト2
■自分の呪文または他のタマシードを使った時、カードを1枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。
55円
タマシードを使えば使うほどドローが進む、お得な一枚です。
回数制限がないので、複数並べばモリモリ手札が増えていくのがうれしいところ。エレメント除去には弱いですが、クリーチャー除去が効かないので信頼性も十分。
先に出してキャロルを探しに行くパターンもありますので、ぜひどうぞ。
タマシードたち
《NEXの手甲》
【 タマシード 】
文明 火 / コスト2
■各ターンはじめて自分のタマシードが出た時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶自分の手札を1枚捨て、カードを1枚引く。
▶相手のコスト2以下の、クリーチャー1体またはタマシードを1枚、破壊する。
▶クリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーに「スピードアタッカー」を与える。
55円
毎ターンタマシードを出すことに利益をくれる一枚です。
相手のメタクリはこれで割り続け、暇な時は追加のルーティング。締めにACEにSA付与してワンショットと、どうやっても腐らないのがいいですね。
相手ターンにトリガーしたときにも誘発するのをお忘れなく。
《アストラルの海幻》
【 タマシード 】
種族 サイバー・ウイルス / レクスターズ / 文明 水 / コスト2
■シンカライズ:このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい。
■このタマシードが出た時、カードを2枚引き、その後、自分の手札を1枚捨てる。
50円
シンプルにドローの手数を稼げる一枚です。もちろんキャロルと好相性。
このデッキは手札の数が勝負ですので、ありがたく2マナ2ドロー+αとして運用していきましょう。
《ツヴァイの海幻》
【 タマシード 】
種族 リキッド・ピープル / レクスターズ / 文明 水 / コスト2
■S・トリガー(このタマシードをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ使ってもよい)
■シンカライズ:このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい。
■このタマシードが出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない
50円
素出しもできる、最低限の防御札。
それ以上でもそれ以下でもないんですが、「軽い防御トリガーのタマシード」って全然数がなくて……。《 ゲラッチョの心絵 》くらいのやつを各文明に配っていいのよ。
《ギュウジン丸の海幻》
【 タマシード 】
種族 ジ・アンサー / レクスターズ / 文明 水 / コスト5
■G・ストライク(このタマシードを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
■シンカライズ:このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい。
■このタマシードが出た時、自分の水のクリーチャー1体または水のタマシード1枚につき、カードを1枚引いてもよい。その後、自分の手札の枚数以下のコストを持つ相手のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
600円
このデッキの奥の手となる、めっちゃカードを引きつつめっちゃバウンスするやつです。雑!
出し惜しみせずにポンと出して盤面をいったん更地にし、そのターンか次のターンに駆け抜けるのが理想ムーブ。選ばないでいいのも嬉しいポイントです。
G・ストライクもあるのも忘れないようにどうぞ。
ガラの悪いヤンキーたち
《無重力 ナイン》
【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジMAX / 文明 火 / パワー1000 / コスト3
■ G・ゼロ-バトルゾーンに自分のアウトレイジがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
50円
アウトレイジが出てくるとわらわら沸いてくる、モブのヤンキーです。
はっきり言って頭数以外の何物でもないのですが、SAをつけてやれば打点にはなります。
《世露詞駆 キャロル》
【 クリーチャー 】
種族 マジック・アウトレイジMAX / 文明 水/火 / パワー4649 / コスト3
■このクリーチャーが自分の手札から捨てられた時、自分のマナゾーンに水と火の文明があり、バトルゾーンに自分の《世露詞駆 キャロル》がいなければ、このクリーチャーを出してもよい。
50円
捨てられると突然出てくる、マジックになってもやることの変わらないキャロルです。当然ヤンキー。
地味にパワーラインが高く、早出しできると意外なカードに殴り返しが成立することもあります。
《強瀾怒闘 キューブリック》
【 クリーチャー 】
種族 マジック・アウトレイジMAX / 文明 水/火 / パワー5000 / コスト4
■自分のマナゾーンにカードが4枚以上あれば、コストを支払うかわりに火のカード1枚と水のカード1枚を自分の手札から捨てて、このクリーチャーを召喚してもよい。
■スピードアタッカー
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
180円
おおむねキャロルを踏み台にして飛び出す、キャロルの永遠の悪友です。DJとかラッパーとかあの辺の界隈ってヤンキー上がりの人結構いません?(雑過ぎる暴言)
出てすぐ盤面に触れて素でSAもあることから、アタッカーとしては上々。前述の通りシビルカウント稼ぎにも役立ちます。
時には事前に打点を刻んだり、邪魔な生物をバウンスして身を守るためにも使っていきましょう。
ヤンキー界のACE
《ボルシャック・フォース・ドラゴン》
【 タマシード/クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / ACE / 文明 火 / パワー9000 / コスト3
■このタマシードが出た時、相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体破壊する。
■自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、このターン、自分の他のクリーチャーすべてに「パワーアタッカー+6000」「パワード・ブレイカー」「スピードアタッカー」を与える。
210円
ヤンキーってよく「○○の龍」って呼ばれたがるじゃないですか。あれです。
普通に使っても3マナ4000火力として運用できるうえ、何体か生物がいる状況で生物化すればSA付与と打点強化によりだいたい致死打点が成立します。複数いればさらにお得。
こいつ自身をターン最初のタマシードとして出す→《 NEXの手甲 》でSA付与と動くことで、見えないところから打点を作れますよ。
《Law儿-怪Hawk》
【 タマシード/クリーチャー 】
種族 マジック・コマンド / ACE / 文明 水 / パワー8000 / コスト3
■W・ブレイカー
■タマシードが攻撃する時、そのタマシードが持つ「このタマシードが出た時」で始まる能力を使ってもよい。
■自分の水のクリーチャーまたは水のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
■このクリーチャーが攻撃する時、このターン、自分の、クリーチャーではないタマシードはすべて、カードタイプに「クリーチャー」を追加し、「W・ブレイカー」を得、パワーが8000になる。
60円
こいつは見た目がカブいてるのでだいぶヤンキーです。名前に無意味な漢字が入ってる所とかもそう。
こちらは攻撃時に他のタマシードを生物化するので、やっぱり致死打点が成立します。
こいつ自身をターン最初のタマシードとして出す→《 NEXの手甲 》でSA付与と動くことで、見えないところから打点を作れますよ(2回目)。
殿堂入りのみなさん
《海底鬼面城》
(殿堂カード) 【 城 】
文明 水 / パワー- / コスト1
城-自分のシールドをひとつ選び、このカードを付けて要塞化する。その要塞化されたシールドがシールドゾーンから離れた時、このカードを自分の墓地に置く。(「S・トリガー」能力を使う場合は、このカードを墓地に置く前に使う)
自分のターンのはじめに、相手はカードを1枚引いてもよい。その後、自分がカードを1枚引いてもよい。さらに、バトルゾーンに自分のサイバーロードが1体でもあれば、カードを1枚引いて、自分の手札を1枚山札の一番下に置いてもよい。
50円
前回はライブハウスでしたが、今回はヤンキーのたまり場です。もうそういう舞台のセットなんじゃないかこれ。
1ターン目に要塞化できると手札事情が一気に楽になります。相手の手札事情も楽になるのは、まあいいじゃないですか(よくない)。
《一なる部隊 イワシン》
(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー1000 / コスト2
■このクリーチャーがどこからでも自分の墓地に置かれた時、カードを1枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。
50円
キャロル下で捨てると無料ドローに化ける、使い走りです。
まあ、さすがに……0マナ1ドローは強いですよ。特に言うこともありません。
このデッキの回し方
①手札補充体制を整えろ!
最初の目標は、《 電脳の海を彷徨うエレキギター 》、手札に《 夜露死苦 キャロル 》を用意すること。
この二つが揃うと手札がモリモリ増えていきますし、どちらか片方があるだけでも少なくともドローは進みやすくなるようになっています。
手札の量はマナチャージの質や選択肢の広さとかにも関わりますので、しっかり稼いでいきたいですね。
②タマシード連打でさらに補充!
先ほどのセットが揃うと、あとはタマシードを使いまくるだけで手札が増えていきます。2枚目以降も設置できますしね。
特に《 NEXの手甲 》は早期に設置できるとこれまたお得ですので、ぜひ狙っていきたいですね。他にも防御効果の付いたタマシードを用意して、身を守っていけると最高です。
あと、このタイミングで(手札に他にちょうどいいタマシードがなければ)ACEタマシードを先出ししとくのも手ですよ。同じ理屈で、身を守るために《 強欄怒闘 キューブリック 》をガンガン切るのも大アリです。
③ACEを加速してゴキゲンに一斉攻撃!
こうして手札が溜まったら、《 強欄怒闘 キューブリック 》を並べて(この際にキャロル2種をコストにできるとお得です)《 無重力 ナイン 》を召喚し、クリーチャー化条件を満たしたACEクリーチャーを《 NEXの手甲 》のSA付与付きで射出するのみ!
《 ボルシャック・フォース・ドラゴン 》なら全体SA化&打点強化、《 Law儿-怪Hawk 》ならばタマシードたちが一斉生物化してえらい打点が出ます。
人は六回殴られると死ぬ生物であるという避けがたい事実を、シールドに刻み込んでやりましょう。
トリガー?知らない子ですね。
採用候補のカード
えーと。まずはさすがにこれだと思います。
《氷柱と炎弧の決断》
【 呪文 】
文明 水/火 / コスト3
■自分の墓地に呪文が2枚以上あれば、自分のシールドゾーンにあるこの呪文に「S・トリガー」を与える。
■次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の相手のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
▶自分の手札を1枚捨て、カードを2枚引く。
▶コスト2以下のエレメントを1つ、自分の手札から出す。
1180円
こんなに全部が相性のいいカードある?
まあその、キャロルと組んで4ドローしたりタマシードをばらまいたり受け札になったりと、引いたそばから使う価値のある一枚であるのは確かです。これを積むなら、マジック戦略に寄せてみるのもありかもしれませんね。じゃあ【赤青マジック】でいいだろ!
あとは、ACEに限らずシビルカウント達成に重点を置いた構成も組めるかもです。いやその、水のシビルカウントを達成するデッキは以前やったのでアレなんですが……はい。
おわりに
というわけで、ヤンキーゴーシティでした。
強いかどうかはいったん置いといて、「デッキをぶん回してる感」と「ズルをしてる感」はなかなか高く仕上がったんじゃないかなって思ってます。
この「ズルをしてる感」、TCGに限らずゲームを楽しむうえでめっちゃ重要なポイントなんですよね。
「自分がどんなズルが好きか」を言語化できると、「自分のためのデッキ」が作りやすくなっておすすめですよ。自分のことを知って、自分にだけ価値のあるものをたくさん自分の中に積み上げていきましょう。
「実際に組んでみた!」「こんな改造はどう?」「回りはするけど勝てないデッキってあるんだ……」などなど、感想やアイディアがあれば#格安デュエマ研究所でツイートしていただければ幸いです。
それでは、次の記事で。北白河でした。