よくきたな。おれはたけじょーだ。おれはいつもアドバンスで遊んでいるし、アドバンスのCSでジャッジをするなどして普及に務めているが、それを誰かに強いるつもりはない。
なぜならばアドバンスは本質的に自由であり、自由の象徴たるフォーマットに他人を縛ろうとする行為はナンセンスだからだ。アドハラ?そういうものはお友達同士で笑いのタネにするくらいでちょうどよろしい。
だが・・・そんな穏健派なおれでも11月15日(土)発売「ドリーム英雄譚デッキ グレンモルトの書」を見た時には・・・抑えがたい欲求に襲われた。道行く純朴なオリジナラー(オリジナルフォーマットだけで遊ぶおまえらのことだ)の無垢な懐にこいつを滑り込ませ、素知らぬ顔で立ち去るのだ。
このかんぺきなアドバンス布教計画はなぜかおれの口座残高が369円だったことで阻止されてしまったが、おれは諦めるという事を知らぬ男だ。ペンは剣よりも強く、マネーよりもなお強い。そんな理由でこの記事は書かれている。
「グレンモルトの書」は新規はもちろん、再録までモリモリのすごいやつだ。これは麺も追い飯もうまいタイプの麺類や、一本買うともう一本がタダになる類のペットボトル飲料をイメージすると分かりやすい。こうした庶民的な例えにより、おまえはすでに「グレンモルトの書」のことが知りたくてたまらなくなっているだろう・・・。
いいだろう、おれが教えてやる。「ドラグハート・・・むずかしそう」とか、「アドバンスはなんかこわいぜ!」とか言ってるおまえに捧ぐ、「グレンモルトの書」レビューだ。
目次
はっ
私はいったい何を……?どうやら1時間ほど気を失っていたようです。
ともあれレビューをはじめて参りましょう。今回も語るべきことはめちゃくちゃありますよ。きたしーさんによるデッキ全体の解説はこちらから、改造例・回し方を知りたいあなたに。
再録が積み上げるドラゴンの要石
新規カードを見ていく前に、まずは再録カードのおさらいから。
このデッキは火水自然のドラゴン基盤、既存の【モルトDREAM】【モルトVERSUS】と外殻は類似しています。当然、《メンデルスゾーン》に《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》といった基礎的なカードはきっちり再録。偉い。

加えて《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》の新規イラスト再録も決定!現在では幾分落ち着いているものの、一時は高額カードとして名を馳せた1枚です。
昨今の【モルト】系統は各種メタクリーチャーで対策されるのが当たり前になっていますが、手札戻し+マッハファイターで場を荒らせる《勝太&カツキング》はそれに対抗できるということで再評価の流れが来ていました。このタイミングでのデッキ収録は流石の先見の明といったところ。
切札枠の「モルト」は《二刀龍覇 グレンモルト 「王」》に《超戦龍覇 モルトNEXT》、そして《爆炎龍覇 モルトSAGA》。直近では《夢双龍覇 モルトDREAM》にお株を奪われがちな彼らですが、このデッキではきっちり彼らでなくてはならない理由があるのです。


アドバンスの華、超次元ゾーンにも抜かりはありません。切札級の《銀河大剣 ガイハート》・《爆銀王剣 バトガイ刃斗》・《無敵王剣 ギガハート》・《闘将銀河城 ハートバーン》が再登場です。いずれも初期イラストかつ黒枠での再録、地味に《銀河大剣 ガイハート》では初ですね。
ドラグハートの選択肢も時間を経るごとに増え続けていますが、スピードアタッカー付与から龍解し、実質選ばれない即時打点となる《銀河大剣 ガイハート》、および龍解前後問わずドラゴンを踏み倒しまくる《爆銀王剣 バトガイ刃斗》は常に選択肢に挙がる採用候補です。
《闘将銀河城 ハートバーン》は龍解条件こそやや組み合わせ先を選びますが、全体SA付与は言わずもがな強力。《超戦龍覇 モルトNEXT》と併せて即リーサルを組む動きもいまだ健在、決して馬鹿にはなりません。
《無敵王剣 ギガハート》は龍解するとほぼすべてのドラグハート・クリーチャーを呼び出せる《最強熱血 オウギンガ》へ。出ればほぼ勝ちと言って差し支えありません。やや大振りですが、最大火力は文句なしです。


また、小回りの効くアシスト枠としては《無敵剣 プロト・ギガハート》《将龍剣 ガイアール》が再録。《爆炎龍覇 モルトSAGA》でついでに出したり、S・トリガードラグナーから装備したりと組み合わせの幅はなかなかのもの。
いずれもアドバンスでドラゴン・ドラグナーデッキに触れる際には持ってて損のないカード達。まとめて手に入る機会は結構貴重かも。
新規の紡ぐドラグナーの物語
新規カードも実に7種収録されています。全種紹介は最速攻略にお任せするとして、ここではアドバンス入門としての視点から注目カードをピックアップしていきましょう。

やはり看板カード・《伝説龍覇 モルトLEGEND》は外せないでしょう。マナ武装を達成すればアンブロッカブルになれるため、後詰めとしての決定力はかなりのもの。3色故に各種革命チェンジとひっつきやすいのも《双龍覇王 モルトVERSUS》同様の強みです。

また同じく新規カードの《伝説龍剣 ガイLEGEND》との2枚コンボで10マナあれば即殺が狙える点は大きな主張点。《伝説龍剣 ガイLEGEND》は超次元ゾーンにいつもいてくれるため、事実上の要求値はこれ1枚(とマナ)。≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫がどれだけ山掘ってもない!みたいな事態と無縁と考えればかなり魅力的じゃないでしょうか。

新規ドラグハート繋がりだと《熱血剣 レジェンドホーン 》も尋常じゃない優等生振り。出すだけでマナか手札を潤してくれるため、S・トリガードラグナーとの組み合わせで一気に流れを巻き返せることも。
龍解後も即時打点でありつつマナ・手札に触れられる実に腐りづらいクリーチャー。呼び出す手段のあるデッキにはどんどん採用されていくことでしょう。悪いこと言わないので1枚キープしとくべし。

(新規ガイグレン)
そして最後に《伝説事変 ガイグレン》。スペックとしては重量級フィニッシャーといったもので、当デッキ収録の各種モルトを踏み倒せるのですが……《夢双龍覇 モルトDREAM》を見た後ではやや淡白に感じられるかもしれません。
ですがこのカード、「ドラグナー・メクレイドの実装」によるドラグナーデッキの開拓や、背景ストーリー上のターニングポイントでありながらなかなか派生の出なかった「《暴龍事変 ガイグレン》の新規」であることなど、オタク的にはかなり味染みのよい1枚なんですよね。まあなぜか龍マナ武装だし完全にギンガ顔なんですけど誤差だよ誤差
単純火力は申し分ないので、≪「助けて!モルト!!」≫入門に際してはこれでも十分。ここを起点にドラグナーを色々試してみて、アドバンスの第一歩を踏み出しましょう!
これは私見ですが、「ドラグハート」という設定や武器を付け替える能力、両面カード、そして豪快なパワーなど、アドバンスのドラグナーデッキにはデュエマのトロの部分、その一角がみっちり詰まっていると思うんです。
まずは仔細は気にせず、気軽に「グレンモルトの書」に触ってみてください。面白さは私が保証しましょう。口に合ってもっと突き詰めたくなったなら、改造なりシングル販売に手を出せばよし。構築済みデッキとはそういうものなので。
また今回のデッキにはモルトのストーリーを追体験する上でも重要な要素が丹念に詰め込まれています。あの日《熱血星龍 ガイギンガ》が、《超戦龍覇 モルトNEXT》が使ってみたくて、でもゲットできなかった……そんな悔しい思い出が残っているアナタにも「グレンモルトの書」は必読です。
デュエマの楽しみ方は一つじゃないし、それら全部が楽しいからこそのデュエマです。このデッキが誰かのためのアドバンス入門書……「エントリーゲートオブドラゴンサーガ」になったらいいな、と願っています。皆でアドバンスやろうぜ!
まとめ
- 再録豪華!ドラゴン・ドラグナーの基盤が揃う!
- 新規も期待大!圧倒的柔軟性を使いこなせ!
- これでアドバンスに入門せよ!ドラグハートの浪漫に浸れ!
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アニメ「VS」見るとより一層欲しくなることうけあい。傑作なので《超戦覇龍 ガイNEXT》が龍解完了するまででいいから見てみて欲しい。
https://www.youtube.com/watch?v=iQHFEmYin-I&list=PLARgeoQ6z_IQPY8JvK7JCJDWd4XkE9Vqh&index=50



