【前回の記事】【遊戯王】マ、ママーーー!!!バブみを感じてオギャれ【対戦ありがとうございました~対あり~】
突然ですが皆さん。
普段、どういった言語を使って周りの方とコミュニケーションを図っていますか?
おそらくこの記事を見てくださっているほとんどの方の母国語がスワヒリ語なので、しんどいとは思いますが最後までお付き合いください。
ちなみに僕は日本語というかなり難しい言語を使って普段の生活を乗り切っています。
日本語というのは非常に厄介な言葉でして、たとえば数字を数えるときなんか、下から数えるときは
いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう
というふうに数えますが、上から数えるときは
きゅう、はち、なな、ろく、ご、よん、さん、に、いち
という具合に呼び方が変わってしまいます。
これには皆さんのような日常的に日本語を使わない方にとっては非常に驚き桃の木EMセカンドンキーなようで、筆者といたしましてもびっくりド○キーでした。
日本語では同じ漢字や言葉を使っても、その読み方や意味まで同じとは限らないのです。
さらに、日本語をマスターするには、日本語の難しさに加え日本人独特の文化「空気を読む」まで習得しなければなりません。
「そんなのどうやって鍛えればいいんだ……。」
なんとこれ、遊戯王で特訓できちゃいます!
遊戯王にも、誤植のせいで「空気を読む」ことで効果が分かるテキストがいくつか存在します。
今回はそんなカード達を使って日本語猛特訓の時間です!
目次
《バージェストマ・ディノミスクス》
おそらく、空気を読まなければいけないカードの中で皆さんが一番目にしたことのあるカードはこの《バージェストマ・ディノミスクス》ではないでしょうか。
《バージェストマ・ディノミスクス》
【 通常罠 】
①:フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
手札を1枚捨て、対象のカードを除外する。
②:罠カードが発動した時、その発動にチェーンしてこの効果を墓地で発動できる。
このカードは通常モンスター(水族・水・星2・攻1200/守0)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する(罠カードとしては扱わない)。
この効果で特殊召喚したこのカードはモンスターの効果を受けず、フィールドから離れた場合に除外される。
ん、なんも可笑しいことなんて書いてねぇじゃねぇか。
そう思った方はまだ空気が読めてませんねぇ……。
こちらが現在公認大会等にてもらえるトーナメントパックに収録されている、「空気を読んで強くなった」《バージェストマ・ディノミスクス》です。
なんと、モンスター限定から表側のカードなら何でも除外できるように!
…じつはこのカードが日本で初収録された「EXTRA PACK 2016」のポスターでこの誤植はすでに判明していました。
当時、韓国版のテキストでは最初から後者のテキストだったんですが、日本語に翻訳されたときに誤訳されたみたいですね。
会社の上司に前者のテキストの《バージェストマ・ディノミスクス》を表側の魔法罠を対象に使われた場合は、空気を読んで除外されてあげましょう。
「えっ!課長これ魔法罠もいけるんスか!まじスか!うわー!やられたー!強いっスね!」
接待ディノミスクスで昇進間違いなし!
《テイ・キューピット》
こちらは現在好評発売中の新弾パック「IGNITION ASSAULT」に収録されている新規のカード。
この《テイ・キューピット》、なんと前代未聞で空前絶後で超絶怒涛な誤植がされています。
《テイ・キューピット》
【 効果モンスター 】
星 2 / 光 / 天使族 / 攻1000 / 守600
このカード名の②の効果は1ターンに1度しかできない。①:このカードはモンスターゾーンに存在する限り、このカードのレベル以下のレベルを持つモンスター以外の全てのモンスターが発動した効果を受けない。②:自分の墓地のカードを3枚まで除外して発動できる。ターン終了時まで、このカードのレベルを、除外した数だけ上げる。
このカード名の②の効果は1ターンに1度しかできない
②の効果は1ターンに1度しかできない
1度しかできない
もちろん、日本人なら誰しもが前後の文から「空気を読んで」使用できないなんだろうな、と理解できます(できない)。
しかし、スワヒリ語を母国語とする読者の皆さんならどうだろうか。
一体なにができないのだろうか。
効果の発動なのか、効果の使用なのか、はたまた効果の発言なのか。
人間は何処から来て何処へ行くのか。
人の生きる意味とは。
日本語が分からないとこの辺曖昧になっちゃいますよね。
ちなみになんですけど、今日の晩御飯はチャプチェでした。
《聖騎士コルネウス》
《聖騎士コルネウス》は「EXTRA PACK 2019」にて登場した【聖騎士】の光属性・戦士族モンスター。
一見すると妥当な【聖騎士】デッキの強化カードですが、このカードにも誤植が……。
《聖騎士コルネウス》
【 効果モンスター 】
星 4 / 光 / 戦士族 / 攻1000 / 守2000
このカード名の①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。①:自分フィールドに「聖剣」装備魔法カードが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:フィールドのこのカードを素材としてS・X・リンク召喚した「聖騎士」モンスターは以下の効果を得る。●この特殊召喚に成功した場合に発動できる。このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにモンスター1体を召喚できる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「聖騎士」モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
このカードの②の効果の中盤テキスト「このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにモンスター1体を召喚できる。」は、海外で先行販売されているカードのテキストでは「 このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに「聖騎士」モンスター1体を召喚できる。 」
になっているのです!
つまり日本に輸入してきたときに縛りが少し緩くなって強くなっちゃったんですね。
おいおい!《バージェストマ・ディノミスクス》の逆で強くなっちまってるじゃねーか!笑
でもどうせ「「聖騎士」モンスター1体を召喚できる」に読みかえてくださいって裁定でてるんだろ?
そう思いますよね、普通なら。
だって《バージェストマ・ディノミスクス》の時だってそうだったし。
しかしこのカード、「モンスター1体を召喚できる」のままで効果を適用できる、つまり日本のこのモンスター効果のテキストは、そのまま日本版のテキストの効果で処理を適用するという裁定が出ました。
これにより海外と日本で同じカードなのに、そのカードのテキストと効果処理が違うことになるという結果に……。
K○NAMI社員さんが各方面への空気読んでこのままにしたのかな……
「部長、これ聖騎士以外も召喚できるんですか!なるほど……!すごい!部長お強いですね!」
コルネウスのコネで異例の速さの出世をキメて差をつけよう!
《ヨコシマウマ》
これまでの誤植はこの《ヨコシマウマ》に比べればなんてことはないただのインクの染みみたいなもんです。
《ヨコシマウマ》
【 ペンデュラムモンスター 】
星 2 / 闇 / 獣族 / 攻0 / 守2000
【P効果 青7/赤7】
①:このカードを発動したターンの自分メインフェイズに使用していないモンスターゾーンまたは魔法&罠ゾーンを1ヵ所指定して発動できる。
指定したゾーンはこのカードがPゾーンに存在する間は使用できない。
【モンスター効果】
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、使用していないモンスターゾーンまたは魔法&罠ゾーンを1ヵ所指定して発動できる。
指定したゾーンはこのモンスターが表側表示で存在する間は使用できない。
さて、訓練された遊戯王プレイヤーの方ならすぐに気づくと思うんですが、どこにも1ターンに1度という文字が書かれていません……。
つまり、このカードを先行で発動すれば、相手のフィールドゾーン以外の空いている場所全部使用不能……。
オーマイガー、アンビリーバボー、いろんな感想があふれてきます。
効果が恐ろしすぎるので「空気を読んで」1ターンに1度だけ発動しましょう。
「社長、それではここのゾーンを使用不可とさせていただきます、よろしいでしょうか。」
《ヨコシマウマ》の効果をあえて1ターンに1度しか発動しないことによって、あなたの出世の道もついに終わりを迎え、会社のトップに。
ヨコシマウマチェックメイトで、社長の座はあなたのものに……。
おわりに
こうして日本語をマスターしたあなたは見事社長の座に就くことができました。
日本語を制する者は遊戯王を制し、遊戯王を制する者は社会を制するんです。
……おそらく。
え?いままでの言語は日本語じゃない?
じゃあ一体俺たちが学んできたのは何語だったんだ……。