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こんにちは、たけっしーです。
気がつけば3月に入って今期の環境も終盤が近づいており、次の制限改訂の時期に差し掛かっていますね。
ということで今回は2025年1月制限の環境振り返りの記事になります!
主に僕が活動する関西圏の大会結果等を元に、今期の環境がどのように始まり、どう変化していったかを環境の前半と後半に分けて解説していきますので是非最後までお楽しみください。
まずは1月の制限改訂の内容から振り返っていきます。
制限改訂による影響
《深淵に潜む者》が禁止カードに指定され、大きな話題となりました。
個人的には意外でしたが、墓地を多用するデッキはこのカードに対してワンチャンもなく詰んでしまい一方的なゲームになってしまうことや、今後登場する墓地利用するデッキの妨げにもなるため禁止は妥当でしょう。
環境上ではランク4を軸にした【ライゼオル】がトップであり、
エースカードである《ライゼオル・デッドネーダー》を手数で超えようとする場合、墓地から手数を生成できるデッキは抗える可能性があるものの、それらのデッキは総じて《深淵に潜む者》を添えられるだけで詰んでしまうことがほとんどでした。
よって《深淵に潜む者》に抑圧されてきたデッキは今後活躍しやすい環境になることが予想されました。
続いて【ライゼオル】のメインカードから《エクス・ライゼオル》が制限、それにアクセス可能な《時空の七皇》が準制限に指定され、【ライゼオル】は大きく弱体化しました。
《時空の七皇》に関しては《七皇の昇格》でのリペアが可能なので誤差レベルではあるものの、《エクス・ライゼオル》本体の制限は痛手です。
安定性の低下はもちろんのことですが、《エクス・ライゼオル》の2枚目が存在しないということは《ライゼオル・クロス》での使い回しが必須となり、それにアクセスする《ライゼオル・デュオドライブ》への依存度が高くなります。
《ライゼオル・デュオドライブ》が通らなかったゲームは前期以上にシビアで、負け筋としてリソース切れが懸念されます。
そのため制限発表当初は「【ライゼオル】は環境から徐々に姿を消していくのでは?」と予想するプレイヤーが多かった印象です。
他にも《闇の誘惑》《封印の黄金櫃》が制限カードに指定されました。
《封印の黄金櫃》は直近の2024年10月制限改訂で準制限に緩和されたばかりであったため、僅か3ヶ月で制限カードに逆戻りしたのは正直驚きました。



これにより環境2番手であった【M∀LICE】が弱体化を受けています。
当時は初動の安定性がそこまで高くなかったのもあり、《闇の誘惑》による上振れで解消しようとしていた構築が多かったため、今回の規制は痛手という認識をしていたプレイヤーが多かったと思います。
とはいえ【M∀LICE】の根本が制限を受けている訳ではないため、前期から使用しているプレイヤーは続投する傾向にありました。
《封印の黄金櫃》は【天盃龍】では《焔征竜ーブラスター》を除外することで初動と手数を担っていたため、制限になったことで弱体化を受けています。
《天盃龍ーチュンドラ》が制限になっていることもあり、召喚権以外の手数が少なくなったため以前よりもギミックでの妨害貫通が厳しくなった印象を受けます。
とはいえ一定の押し付け性能は唯一無二と言っても良いため、個人的に【天盃龍】は新環境でも一定のアベレージを出せるデッキと予想していました。
他にも《アーティファクト・デスサイズ》が制限をかけられていますが、こちらは元より1枚採用のカードであったため影響はありません。
恐らく「次は禁止カードになる」という警告でしょう。
初めから禁止にしてほしい。
多数のカードが制限緩和され、それぞれのテーマに微々たる変化はあるものの環境には特に影響が無いと言っていいでしょう。
- 《深淵に潜む者》の禁止によって墓地利用デッキが追い風
- 【ライゼオル】【M∀LICE】が弱体化
- その他のデッキにはほとんど影響無し
今回の制限改訂のポイントはこの辺りでしょう。
それでは、制限改訂後の環境を見ていきます。
1月環境 前半
制限改訂を経て、前期トップの【ライゼオル】がランクダウンから繰り上がる形で
- 【青眼】
- 【オルフェゴール】
- 【メメント】
- 【M∀LICE】
- 【天盃龍】
大まかにこの5つのデッキが活躍することが予想されました。
新制限発表直後の大会で使用者が特に多かったのは【原石青眼】でした。
『遊戯王』の看板モンスターである《青眼の白龍》をメインに使用していることもあり様々な層に人気のデッキです。

筆者が使用
制限改訂の影響を受けておらず、手札誘発への耐性や安定性の高さ、手札誘発を多く採用できる自由枠の多さ、永続リソースでの持久戦が得意なコントロール寄りのデッキになります。
前期から使用者は一定数いましたが、【ライゼオル】が弱体化を受け、乗り換えたプレイヤーが多かった印象です。
僕も今期の1番初めは【原石青眼】を使用していました。
また12月末に強化を受けた【オルフェゴール】も使用者が多く、
【デモンスミス】ギミックを組み合わせることで、1枚初動からの展開が日に日に開拓されており多くのプレイヤーが研究していた印象を受けます。

1初動で手札誘発を1枚貫通する展開精度の高さと、展開が通った後の盤面が強固なのが売りの展開系のデッキになります。

新環境1週目では【オルフェゴール】へのメタとして《システム・ダウン》が注目されていました。
【オルフェゴール】の墓地リソースを処理し切れないデッキでは場と墓地を纏めて吹き飛ばすために採用が検討でき、【オルフェゴール】側がしっかりケアしていなかった場合クリーンヒットしうるカードでした。
【青眼】【オルフェゴール】はそれぞれ過去の環境トップのデッキであったこともあり、特に当時の環境に思い入れがあるプレイヤーが使用していた印象を受けます。
新制限から2〜3週間が進むと、今度は【M∀LICE】の入賞が目立つようになりました。
理由としては上記の【青眼】【オルフェゴール】に対して有利な要素を多数持ち合わせており、
展開系でありながらリソースの循環やロングゲームもできるミッドレンジデッキとしての戦い方が可能である点が現環境の中でも頭一つ抜けた性能を持っているためです。
環境における【M∀LICE】の優位性として、展開の補助で採用している【深淵の獣】が手札誘発としても非常に有効であったことが挙げられます。


続いて強力な墓地メタである《ディメンション・アトラクター》や、範囲が広い無効系である《霊王の波動》を採用できることが【M∀LICE】の強みでした。


関西では当時の2トップである【青眼】【オルフェゴール】どちらもクリーンヒットしうる【深淵の獣】を多めに採用した【M∀LICE】が結果を残し続けていました。
【M∀LICE】のメタである《アーティファクト・ロンギヌス》は【オルフェゴール】にもクリーンヒットすることに加えて、多くのプレイヤーが注視して【深淵の獣】まで投入するといったメタを貼っていたこともあり、
全方位からのメタに耐えられなかった【オルフェゴール】は「数が多いが勝ち切れないデッキ」として徐々に数を減らしていき、徹底したメタを貼られなかった環境最序盤のみの活躍となりました。
【メメント】と【天盃龍】は爆発的に使用者が多いわけでは無かったものの、少数精鋭で比較的安定して入賞している印象を受けます。

【メメント】は展開が複雑で使い手の練度が求められますが、ドロー系に対する受けの良さや手数が噛み合ったときは数多の妨害を乗り越えながら展開することができるポテンシャルを持ったデッキです。

【天盃龍】は【ライゼオル】が数を減らしたことで無難な手札誘発が強い環境に戻ったことで幅広く対応できるデッキ構成が取りやすくなったことや、
少ないアクションから一方的なゲームを仕掛けやすく単純なゲームにできることから「普段遊戯王に取り組む時間が少ない」「トップシェアのデッキにミラーで挑みたくない(練度で差をつけられてしまうため)」といったプレイヤーもワンチャンを狙えるデッキであるため、一部のプレイヤーに人気です。
今期独特の強みとして、前期【ライゼオル】のメタで流行した《次元障壁》が減少したことや、ドロー系の手札誘発、《原始生命態ニビル》、【オルフェゴール】へのメタである【深淵の獣】、《アーティファクト・ロンギヌス》を受けないといったメタのすり抜けが出来る点になります。
【M∀LICE】と同じく《ディメンション・アトラクター》《霊王の波動》を採用出来る強みもあるため【天盃龍】にとって勝ちやすい環境だったと思います。
当時の流行として、展開系が中心の環境であるため《原始生命態ニビル》がメイン3枚採用が多く見られたり、
リンク召喚を多用するデッキが増えたことでドロー系の手札誘発として《幻創龍ファンタズメイ》の採用が目立ちました。
【M∀LICE】メタとして《カオスハンター》の採用が見られましたが、こちらは【M∀LICE】側が《トロイメア・ケルベロス》を採用することで掻い潜れることから短期的な流行となりました。


《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》は盤面を減らせず、【青眼】【オルフェゴール】【M∀LICE】といったリンク1を起点に展開するデッキには効力が高くないことから評価を下げ、無効系を一切採用しない構築も多く見られました。
また、前期に比べて魔法罠に妨害を構えるデッキが増えたことで伏せ割りの採用も増えたように思います。
【青眼】の《原石の穿光》《白き龍の威光》《真の光》、【オルフェゴール】の《オルフェゴール・バベル》《オルフェゴール・クリマクス》に対して有効であり、サイド後の先攻札諸共伏せ割りで解決するプランが主流になっていました。
一方で《エクス・ライゼオル》が制限になり、姿を消したように見えた【ライゼオル】はここに来て再度評価され始めます。
- 《エクス・ライゼオル》が1枚でも案外なんとかなる
- 特定のメタカードに沈まない
- 《ライゼオル・デッドネーダー》は変わらず強力
- 後攻のハードルが低い
- 《アーティファクト・ロンギヌス》にアクセスしやすい
どのデッキもそれぞれ致命的なメタを持ち、週によって強さがブレやすかったり後攻のハードルが高いデッキばかりな中、
《アーティファクト・ロンギヌス》や【深淵の獣】といった流行のメタを受けず、突破性能が高い【ライゼオル】は「一周回って強いのでは?」と注目するプレイヤーが多かったように思います。

【青眼】【オルフェゴール】【M∀LICE】に対して魅力を感じていないプレイヤーは前期から引き続き【ライゼオル】を続投していた印象です。
制限改訂で初動が減らされたことへのリペアとして【シャーク】や《荒魂》のようなランク4を作るギミックか、《スモール・ワールド》で直接「ライゼオル」ネームにアクセスする構築がそれぞれ見られました。
中でも《スモール・ワールド》は《時空の七皇》同様、《アーティファクト・ロンギヌス》にアクセスできることも評価ポイントでした。
他のデッキに比べて後攻でも立ち回りやすい点や、【ライゼオル】に対するメタが減少していたことも含め、かなり追い風だったと思います。
最終的には【M∀LICE】【ライゼオル】【メメント】【青眼】の4つのデッキが日替わりで結果を残していく形で前半環境は固まった印象でした。
1月環境 後半
環境が大きく変化したのは1/25発売の新弾『ALLIANCE INSIGHT』の登場です。
《スター・ライゼオル》《M∀LICE〈P〉March Hare》が新規で登場したことで、【ライゼオル】と【M∀LICE】はデッキパワーが現環境で頭1つ抜けたデッキに昇華します。
【ライゼオル】の大きな変化として、《ライゼオル・クロス》にアクセスする手段が増えたことで、《ライゼオル・デュオドライブ》への依存度が下がったため、「初動を止めるしか無くなった」点になります。
これまでは「《ライゼオル・デュオドライブ》を止め、残った《ライゼオル・デッドネーダー》を処理する」といったプランで対抗するのが主流でしたが、《スター・ライゼオル》の登場によってこれが通用しなくなりました。
初動を止めようにも無効系1枚では貫通されやすく、ネームを2枚持たれていた場合は無効系が3枚必要になるため手札誘発への耐性が非常に高いです。
展開の変化としては《ヘルフレイム・バンシー》を経由し、《スター・ライゼオル》にアクセスして《ライゼオル・クロス》を置いた状態で《ライゼオル・デュオドライブ》が安全に着地する展開が主流となりました。
メタの耐性も若干上がっており、【ライゼオル】のメタである《次元障壁》に対して《スター・ライゼオル》から《ライゼオル・ホールスラスター》にアクセスし、
《アイス・ライゼオル》《ノード・ライゼオル》等で墓地に送ることができれば相手ターンに《ライゼオル・デッドネーダー》を着地させることが可能です。
これまでほぼ為す術がありませんでしたが、手札誘発で展開を止めて残った《次元障壁》単品であれば多少抗えるようになりました。


筆者が使用
新弾発売日から【ライゼオル】は入賞報告が多く挙がり、前期同様に環境トップの座に返り咲くことになります。
【M∀LICE】の大きな変化としては、ネームが増えたことで手数の強化はもちろん
これまでケアの要求値が高く、課題であった《原始生命態ニビル》を《M∀LICE〈P〉Dormouse》1枚からケアしながら展開できるようになったことです。
他にも《M∀LICE〈P〉March Hare》と同時に収録された新規カードである《M∀LICE IN THE MIRROR》の登場により、展開の強化や展開の妥協点が増えたことで対応力が上がっています。
今回の新弾はサイバース推しパックということもあり【@イグニスター】の新規が【M∀LICE】の強化になっており、
《バックアップ@イグニスター》《ウィザード@イグニスター》による手数の補強で【M∀LICE】の課題である《アーティファクト・ロンギヌス》にもある程度立ち向かえるようになりました。
《アコード・トーカー@イグニスター》の登場によって《スプラッシュ・メイジ》のサイバース族縛りの制約下でも発動無効の妨害を置けるようになり、盤面の強度も上がっています。


新弾発売当日は《バックアップ@イグニスター》や《ウィザード@イグニスター》が投入されていない構築も見られましたが、時間が経つにつれて徐々にそれらを投入した構築が主流になっていきました。
【ライゼオル】と並んで入賞報告が多く、2大環境トップとして君臨します。
新弾からは他に【ディアベル】がテーマ化、それに関連した新規によって【白き森】が強化されています。
背景ストーリーテーマということもあり、元々使用者が多い人気デッキであったため大会でも入賞が多く見られるようになりました。

現環境では先攻展開が強力な展開系としての地位を獲得しています。
『ALLIANCE INSIGHT』で登場した【再世】は2500打点を参照して展開できる注目の新テーマになります。
登場したばかりということもあり、現時点ではメインギミックに穴が多いため、基本的にサブギミックを組み合わせることが前提で構築するデッキになりますが今後の強化が期待されるデッキです。


罠カードを軸にした構築が大会で結果を残していることもあり、最近の環境では数少ない罠型デッキとして今後も活躍するでしょう。
新弾後の環境はほぼ全ての大会で【ライゼオル】【M∀LICE】が分布数、入賞数トップで環境最強デッキの座に君臨することになります。
競技シーンを勝ち抜くにはまずはこの2デッキを攻略することがデッキ構築のスタートと言えます。
早速流行したのはドロー系の手札誘発である【マルチャミー】です。
特に《マルチャミー・プルリア》《マルチャミー・フワロス》はどの対面でも一定の効力があるため、メインからそれぞれ3枚投入される構築も多く見られました。
《マルチャミー・ニャルス》は対【M∀LICE】専用メタとして、《アーティファクト・ロンギヌス》とセットで投入が目立ちました。
【ライゼオル】【M∀LICE】どちらも無効系1枚を貫通できる場合は2枚目も自動的に貫通できるため、無効系のみで立ち向かうのはかなり分が悪いためドロー系での展開抑制+αを狙うプランが主流となりつつあります。
無効系の中では1枚のリターンが高く、単発で止め切れる可能性がある《PSYフレーム・ギアγ》の採用が増えた印象です。
《PSYフレーム・ドライバー》を投入しなければならないものの、「ドライバーが他のカードなら勝てるか?」という天秤にかけた結果、採用に踏切るケースが多いように思います。
一方で【ライゼオル】ではミラーマッチで有効な《共界深淵体》の採用が多く見られました。
それに伴って《時空の七皇》で見せるカードが《No.104 仮面魔踏士シャイニング》よりも《No.102 光天使グローリアス・ヘイロー》が優先されるケースが増えています。
理由としてはサイド後の先攻札として一定数遭遇する《アーティファクトの神智》から特殊召喚される《アーティファクト・デスサイズ》を《共界深淵体》で無効にして対応可能(光属性 天使族)であるためです。
また、【ライゼオル】に対して「ドロー系+無効系+伏せ割り」で対抗するプランが増えました。
【青眼】【再世】【メメント】といった魔法罠に妨害やリソースが寄っているデッキに対して伏せ割りが有効なこともあり、広い範囲で対処しやすい構成にするためにもメタの兼用として採用されている印象です。
これに対して【ライゼオル】は《神の宣告》《竜の精神》といったカウンター罠で《ライゼオル・クロス》を守りきる、捲り札から防御するプランが主流になっていきました。
環境に様々なデッキが増えたこともあり、先攻札は前期のような《次元障壁》《アーティファクトの神智》の刺さりが悪い対面が一定数いるため幅広く対応しやすいカウンター罠に変化していった印象です。
最終的に【ライゼオル】と【M∀LICE】の2トップから大きく変動することは無かったものの、
それらに続いて【白き森】【青眼】【メメント】【再世】の活躍が多く見られる形で後半の環境は固まったと言えるでしょう。
今回のまとめ
今回は2025年1月制限の環境の振り返りの記事でした。
今期は多くのデッキが活躍し、週ごとに様々な変化が見られる環境となりました。
今期も残すところ1〜2週間ですが、3月は日本選手権の店舗予選があるため、競技シーンがアツいシーズンですので少しでもこの熱が伝われば嬉しいです。

まだ予選を突破できてない方も諦めずに!
それでは👋
今後もガチまとめではホットな話題を取り上げていきますので、ぜひ 公式X(旧Twitter) のフォローをよろしくお願いします!