こんにちは、神結です。
早いものでこの週刊コラムも第10回ですよ。こうなるとやっぱり50,100と続けていきたい欲もありますね。
まぁ100も紹介するデッキがあるかは別ですが、月に1回くらい別なテーマで書いてもいいかなぁ、とは思っているのでまたおいおい楽しみにしていただければ幸いです。
というわけで今回も「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていきたいと思います。
今回は第10回にちなんで、【白単絶十】(絶十サッヴァーク)です。
目次
本日の名作デッキ紹介
表向きのカードを管理せよ
というわけで今回の名作デッキは裁きの紋章を駆使する【白単絶十】(絶十サッヴァーク)になります。リストはこんな感じ。
こちらは2018年度の全国大会くらいで使われていた、2ブロック向けのリストですね。この時は白単ではなくて白ゼロなんて呼ばれていました。
そして超天篇を経て、十王篇時代の2020年に作っていたリストはこんな感じ。
2020年の地層からそのままの姿で発掘されたので、多分当時のリストを綺麗に再現している……筈……。
さて、このデッキの初出は双極篇です。
《煌龍 サッヴァーク》は新章DMのラストに登場しましたが、その時点ではどちらかと言えば単体のパワーカードとして注目・使用されていました。
【 クリーチャー 】
種族 マスター・ドラゴン / メタリカ / 文明 光 / パワー11000 / コスト7
■ドラゴン・W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする。各ブレイクの前に、自分の山札の上から1枚目を、裏向きのまま新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置くか、表向きにして自分のシールド1つの上に置く)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにある相手のカードを1枚選び、表向きにして持ち主のシールド1つの上に置く。
■自分のクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりにいずれかのシールドゾーンにある表向きのカードを1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。
そこから徐々に裁きの紋章が追加されていったことで、やがて裁きの紋章でデッキを回すことが出来るようになりました。
そうして生まれたのが《煌世主 サッヴァーク†》をエースとし、《戦慄のプレリュード》+《サッヴァークDG》で展開する【白ゼロサッヴァーク】です。このデッキは見事、GP7thで優勝・準優勝を達成します。
そして更にこのデッキの研究が進んでいく中で、《煌メク聖戦 絶十》が投入された【絶十サッヴァーク】も登場します。
【 クリーチャー 】
種族 メタリカ / サバキスト / 文明 光 / パワー4000 / コスト5
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目を、自分のシールド1つの上に表向きにして置く。(そのシールドの束は1つと数える)
■自分のシールドゾーンにカードが置かれた時、このターン、次に使う光のカードのコストを、最大3少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にならない。
■サバキZ(裁きの紋章が自分のシールドゾーンから手札に加えられた時、そのカードを捨ててもよい。そうしたら、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚する)
このカードは強力なシステムクリーチャーであり、デッキの軸となります。
デッキの動きの一例として、《剣参ノ裁キ》などを置いたシールドを《転生ノ正裁Z》で回収し、サバキZを起動。《煌メク聖戦 絶十》を場に出して、《煌メク聖戦 絶十》効果と、《転生ノ正裁Z》をシールドに置く効果で計6軽減が入り、1コストで《煌龍 サッヴァーク》を出す、といったものがあります。
ちなみに《転生ノ正裁Z》は《トライガード・チャージャー》でもOKです。
あとは場に残った《煌メク聖戦 絶十》を軸に、デッキを回しながら詰めていく感じですね。
《サッヴァークDG》は《煌世主 サッヴァーク†》と、《煌メク聖戦 絶十》は《煌龍 サッヴァーク》と相性がいいんですよ。
その上で個人的な解釈ですが、《サッヴァークDG》+《煌世主 サッヴァーク†》よりも《煌メク聖戦 絶十》+《煌龍 サッヴァーク》の方が能動的に動きやすいんですよね。
で、能動的に強い動きのしやすい絶十サッヴァーク系統の方が、そのままデッキとして残ってGP8th準優勝など戦績を残した、という感じでしょうか。
そして【白単絶十】として名前も定着、現在でも親しまれていますね。
なんもわからん
このデッキの動かし方は、前述したようにシールドに裁きの紋章を溜めてそれを爆発、そこから《煌メク聖戦 絶十》を出して展開していく……というものになります。
一応、大雑把な動きについて言えば、だいぶ古めの記事にはなっていますが、ガチまとめの過去記事にあります。
《煌メク聖戦 絶十》+《無双の縛り 達閃》で展開を止めた後に《煌龍 サッヴァーク》を追加して除去耐性を付与、最後に《偽りの王 ナンバーナイン》を出して安全にフィニッシュ……というのが理想のゲームです。
問題は、そこまでのゲームの組み立て方です。
では裁きの紋章のキープの優先度は? 手札の作り方は? 正しいマナ置きは? シールドに裁きの紋章を重ねる? 散らす? その理由は何? 出されるとヤバいカードと、その対処は? 魂穿つはどこまでキープ出来て何回撃つ?
……いや、わからんが。
マ~~~ジでこのデッキって、言語化するのも回すのも難しいんですよね。
仮に先攻の初手で《憤怒スル破面ノ裁キ》、《煌メク聖戦 絶十》、《剣参ノ裁キ》、《トライガード・チャージャー》、《無双の縛り 達閃》と引いてたら何から埋めます?
この場合は手札がクソ強いんで憤怒から埋めそうですが、仮に憤怒の代わりにピン投のフィニッシャーとかを引かされてると、まぁまぁ破産してるんですよ。
泣きながら別なパーツを埋めなきゃいけません。
シビアなのは手札だけではありません。カードの役割がハッキリしている分、
その上で剣参で見た山札を覚えたりとか、表向きのシールドの枚数を維持したりとか、やることが本当に多いんですよ。
このデッキを好んで使ってる人には、本当に頭が上がりません。自分も練習では結構頑張って使ってた時期があったんですけど、数ターン先のゲーム展開を読み切れる自信がなくて、結局大会では使わなかったですね……。
ちなみにこのデッキは、相手にして対戦するときも難しいです。
例えば貴方がビートデッキを使っていたとして、相手に裁きの紋章を2枚重ねているシールドがあったとき、何もない方と重なってる方どちらを殴りますか? また、2枚じゃなくて1枚だったらどうしますか?
……ちなみにこれは、相手のマナ置きと自分のデッキ、盤面、手札の都合があるので、一概にどうとは言えません。
ある程度の方針は決めておくにしても、その場で公開カードを見ながら考えるしかありません。
まぁ大抵の場合、何もないシールドから割りにいくことになりますが。
そんなわけでこのデッキ、個人的にはこれまで紹介したデッキの中で最高クラスに難しいよなぁという印象です。
「表向きのシールド」というデュエマに従来まで存在しなかったゾーンがリソースとなり、しかもその管理まで要求されているわけです。
これまでのデュエマの経験だけでは攻略出来ないし、他のデッキからの応用も利きにくいんですよ。
実際、GP7thのときも「裁きの紋章」ギミックの攻略が難しく、デッキ開発は難航した、という話を聞きました。
もしかしたらこのギミックが厄介だったために、魔導具に比べて新カードも中々出して貰えなかった……? まぁ、それは冗談としても、裁きの紋章を簡単にして開発されたのがギャラクシールドだよ~~~、とか言われれば、それは結構納得します。
ちなみにこのデッキがどのタイミングで環境から消えたのかもよくわかりません。もちろん全盛期に比べて、環境のパワーに付いていけなくなったから……というのはもちろんあります。
ただ各地域の使い手による入賞報告は、今でも聞いたりするんですよね。たぶん、「今の環境なら絶十でいけるな」という、使い手にしかわからないセンサーが存在するんでしょう。
なんというか、本当に謎のデッキです……。
遂に新規の裁きの紋章が登場!
そんな裁きの【白単絶十】ですが、「魔導具と比べて強化されなさすぎだろ!」という使い手の嘆きが届いたか、久々に新規の裁きの紋章が登場しました。
【 呪文 】
種族 裁きの紋章 / 文明 光 / コスト2
■カードを1枚引く。
■この呪文を自分の手札から唱えた後、墓地に置くかわりに、表向きのままシールド1つの上に置く。(そのシールドの束は1つと数える)
■このカードがシールドゾーンに表向きであれば、自分は、裁きの紋章を唱えられなくする効果を無視する。
《卍 新世壊 卍》と同じような効果で、裁きの紋章の弱点であった呪文封じを解決しています。
その上で、《憤怒スル破面ノ裁キ》の上位互換です。絶十は初動が不安定という問題がありましたが、2コストの紋章が8枚体制になったことで、ここは大きく解消されました。
あともう一種。
こいつは単純に、滅茶苦茶カッコイイ。
【 クリーチャー 】
種族 マスター・ドラゴン / メタリカ / 文明 光 / パワー11000 / コスト7
■サバキZ(裁きの紋章が自分のシールドゾーンから手札に加わえられた時、そのカードを捨ててもよい。そうしたら、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚する)
■ドラゴン・W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする。各ブレイクの前に、自分の山札の上から1枚目をシールド化するか、表向きにして自分のシールド1つの上に置く)
■自分のシールドゾーンに表向きのカードが3枚以上あれば、このクリーチャーは破壊されない。
■自分の、表向きのカードを含むシールドがブレイクされる時、かわりにそのシールドに含まれる表向きのカードをすべて裏返す。
というわけで、これらの新カードを使って、いま【白単絶十】を作るならこんな感じでどうでしょうか。
カッコイイ~~~。やっぱりサッヴァークなんだよなぁ……。
いやぁ、ハザード退化がいなかったらCSでも使ってそうだなぁ……。
おわりに
というわけで「DM歴代名作デッキ」、第10回は謎の多い【白単絶十】(絶十サッヴァーク)でした。
難しいとか謎が多いとか色々書いていますが、他のデッキとの比較してという部分もあるので、興味のある人は是非気軽に手を取って欲しいです。
オンリーワンの動きをするだけあって、楽しいのは間違いないです。
あとはやっぱり《煌龍 サッヴァーク》がな~~~。カッコイイんだよなぁ……。
神アートもありますし、サッヴァークを使いたいよ~って方にもオススメしたいデッキですね。
というわけで、今週はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。
またね。