はじめに
読者の皆さま、こんにちは。かもめ先生です。
さて今年も4月に入ったということで、遊戯王では新しいリミットレギュレーションが適用されるシーズンになりましたね。
そういうわけで少し前に公式の方から、新しいリミットレギュレーションについてアナウンスがありました。
今回の改訂はかなり大掛かりなもので、かなり厳しく制限強化されたカードと緩和されたカード、いずれもかなりの数のものとなっていました。
そこで今回はその中でも制限が緩和されたカードの中から、とくに注目したいカードたちを紹介していきたいと思います。
今回の改定では禁止から制限になった話題のカードから、かつて環境で活躍していたカードの制限緩和など盛り沢山でしたので、どのように活用できるかを考察しながら各カードの紹介をしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
目次
【禁止 → 制限】
《グローアップ・バルブ》
(制限カード) 【 チューナーモンスター 】
星 1 / 地 / 植物族 / 攻100 / 守100
自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。「グローアップ・バルブ」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
シンクロ期から猛威を振るっていた、展開系デッキにおける最強カードの1枚。
今回の改定でついに禁止から制限へと復帰してくることとなりました。
自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。「グローアップ・バルブ」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
《グローアップ・バルブ》の効果
デュエル中1度とは言え、デッキトップ1枚を墓地へ送りながら自己再生ができるというシンプルな効果から、シンクロ召喚だけでなくリンク召喚などのさまざまな展開方法のサポートができる植物族モンスターとして活躍していました。
リンク期では【植物リンク】などの展開系デッキで採用され、《ローンファイア・ブロッサム》をはじめとした【植物族】の展開パーツの核となっていました。
しかしながら、かつて共に猛威を振るっていた《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止となっていることもあり、今回の改定で帰ってきたのだろうと言われています。
現環境における活用としては、やはり「モンスター1体から展開できる」という部分となるでしょう。
とくに相性が良いのが《憑依覚醒-デーモン・リーパー》と《サクリファイス・アニマ》です。
《グローアップ・バルブ》1枚から《サクリファイス・アニマ》をL召喚して《グローアップ・バルブ》の自己再生効果を発動し、それらを墓地へ送ることで手札・デッキから《憑依覚醒-デーモン・リーパー》を特殊召喚すれば、そちらの効果で墓地のレベル4以下のモンスターをさらに展開することができます。
もちろん《憑依覚醒-デーモン・リーパー》で《グローアップ・バルブ》を蘇生することもできるので、そのままレベル6Sモンスターやリンク2モンスターを呼び出すこともできます。
もちろんかつてのように【植物族】デッキの展開パーツとして採用したり、《ローンファイア・ブロッサム》ともども展開系の出張パーツとして採用したりと、さまざまな活用方法を見出すことができるでしょう。
また少し変わったところでは、【地属性】のサポートを専門とする【春化精】での採用が注目されています。
【春化精】モンスターの共通効果でデッキから地属性モンスターを送ることができ、自己再生可能なチューナーである《グローアップ・バルブ》を送っておけば、そのままS召喚へと繋ぐことができます。
とくにレベル4の【春化精】であればそのまま《ナチュル・ビースト》がS召喚できるので、環境のダークホースとして今後の活躍が期待できますね。
《焔征竜-ブラスター》
(制限カード) 【 効果モンスター 】
星 7 / 炎 / ドラゴン族 / 攻2800 / 守1800
自分の手札・墓地からこのカード以外のドラゴン族または炎属性のモンスターを合計2体除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
特殊召喚したこのカードは相手のエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
また、このカードと炎属性モンスター1体を手札から墓地へ捨てる事で、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
このカードが除外された場合、デッキからドラゴン族・炎属性モンスター1体を手札に加える事ができる。
「焔征竜-ブラスター」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
かつて悪名高い【征竜】デッキの主要パーツとして活躍していた、レベル7の炎属性・ドラゴン族モンスター。
禁止となった2015年から、およそ8年の時を経ての制限復帰となりました。
自分の手札・墓地からこのカード以外のドラゴン族または炎属性のモンスターを合計2体除外して発動できる。
《焔征竜-ブラスター》の上段の効果
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
特殊召喚したこのカードは相手のエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
また、このカードと炎属性モンスター1体を手札から墓地へ捨てる事で、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
《焔征竜-ブラスター》の中段の効果
【炎属性】では汎用的な展開・除去が行えるカードとして、幅広い活躍ができる効果となっています。
同じく制限となっている《嵐征竜-テンペスト》もそうですが、対応する属性のデッキに1枚採用しておくだけで数多くの役割を持つことができると言うのは、さすが過去最強と評される【征竜】デッキたる所以だなあとしみじみ感じるところでもあります。
このカードが除外された場合、デッキからドラゴン族・炎属性モンスター1体を手札に加える事ができる。
《焔征竜-ブラスター》の下段の効果
「焔征竜-ブラスター」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
また現環境でとくに注目されているのがこの部分で、【ドラゴンメイド】デッキの主要パーツである《ドラゴンメイド・ティルル》がサーチ可能となっています。
【ドラゴンメイド】デッキでは同じく《嵐征竜-テンペスト》から《ドラゴンメイド・パルラ》がサーチでき、いずれもデッキの初動に用いられるカードであることから、併せて採用する余地もあると言えるでしょう。
もちろん《ドラゴンメイド・ティルル》以外にも《ホルスの黒炎竜 LV6》や《八俣大蛇》といった、ファンデッキで活躍させたいカードのサーチも可能となっています。
この辺りを活躍させることができるかどうかは、デッキビルダーの腕次第と言ったところですね。
【制限 → 準制限】
《転生炎獣ガゼル》
(準制限カード) 【 効果モンスター 】
星 3 / 炎 / サイバース族 / 攻1500 / 守1000
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「転生炎獣ガゼル」以外の「サラマングレイト」モンスターが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「転生炎獣ガゼル」以外の「サラマングレイト」カード1枚を墓地へ送る。
【転生炎獣】のキーカードである、レベル3・炎属性・サイバース族のモンスター。
環境で活躍して以後しばらくは制限となっていましたが、今回ついに準制限へと緩和されることとなりました。
②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「転生炎獣ガゼル」以外の「サラマングレイト」カード1枚を墓地へ送る。
《転生炎獣ガゼル》の②の効果
自身の召喚・特殊召喚成功時にテーマ名称のカードをデッキから墓地へ送ることができ、テーマ内ではサルベージ効果を持ったものが数多く存在することから、疑似的なサーチ効果として活用されていました。
【転生炎獣】は環境でも活躍していたくらい非常に高いポテンシャルを持っているデッキではありますが、やはり《転生炎獣ガゼル》が制限であったことや【コード・トーカー】のような同タイプのデッキが台頭しはじめたこともあって、しばらく中堅デッキとして落ち着いていました。
しかしこのカードが2枚となったことで、初動の安定感や妨害の受けやすさがいくらか高くなりました。
もともと環境で活躍していた【転生炎獣】は、初動の高い安定性と妨害強度の高さがウリであったため、その強みを活かして戦うことが可能です。
また5月末に発売が予定されている『デュエリストパック-爆炎のデュエリスト編-』にて、まだ公式には明言されていないものの【転生炎獣】らしきモンスターが表紙となっていることから、テーマ強化が来ることがほぼ確定となっています。
最近は【炎属性】の強化もかなり進められているので、また再び環境で活躍できる機会が来てくると嬉しいですね。
《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》
(準制限カード) 【 シンクロモンスター 】
星 7 / 光 / ドラゴン族 / 攻2100 / 守3000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズに発動できる。
手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
②:自分メインフェイズに発動できる。
フィールドゾーンのカードを全て破壊し、自分は1000LP回復する。
その後、破壊したカードとはカード名が異なるフィールド魔法カード1枚をデッキから手札に加える事ができる。
モンスター効果でフィールド魔法にアクセスできるという貴重な効果を持った、レベル7・光属性のSモンスターです。
以前の改定における緩和カードの目玉として注目されていたカードでしたが、今のところ環境で猛威を振るうといったこともなく、順当に準制限へと緩和されました。
①:自分メインフェイズに発動できる。
《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の①の効果
手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
②:自分メインフェイズに発動できる。
《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の②の効果
フィールドゾーンのカードを全て破壊し、自分は1000LP回復する。
その後、破壊したカードとはカード名が異なるフィールド魔法カード1枚をデッキから手札に加える事ができる。
①に手札からモンスターを展開する効果、②にフィールド魔法をサーチする効果を持っています。
今でこそ名称ターン1の制約が付きましたが、エラッタ前は名称の制約がなかったため、さまざまな展開系デッキで猛威を振るっていました。
また②の効果でサーチ効果も同名カードは対応しなくなったことで、コンボ系デッキで使えなくなったことも大きいでしょう。
しかしさまざまなデッキで特殊召喚ができるレベル7のSモンスターでありながらフィールド魔法をサーチできるというのは、未だに唯一無二の効果と言えるでしょう。
とくに《ヴィサス=スタフロスト》関連のテーマは固有のフィールド魔法が使えるので、ファンデッキやカジュアルデッキでは優秀なサーチャーとして活躍させることができます。
また《竜の渓谷》はデッキから《亡龍の戦慄-デストルドー》を墓地へ送りながら、そちらの効果でレベル7のS召喚が簡単に行えるので、非常に相性が良いと言えるでしょう。
フィールド魔法を活用するデッキを組む際は、とても組み込みやすい出張パーツとなっているので、採用を検討するのをオススメします。
《鎖龍蛇-スカルデット》
(準制限カード) 【 リンクモンスター 】
星 4 / 地 / ドラゴン族 / 攻2800 /
カード名が異なるモンスター2体以上
①:このカードは、このカードのリンク素材としたモンスターの数によって以下の効果を得る。
●2体以上:このカードのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。そのモンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
●3体以上:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。手札からモンスター1体を特殊召喚する。
●4体:このカードがリンク召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す。
【LINK-4:上/左下/下/右下】
「このカードは挨拶することができる」
リンク召喚最初期から登場したカードでありながら、さまざまなコンボ系のデッキで活躍した地属性のリンク4モンスター。
いまではエラッタされ無制限となった《ファイアウォール・ドラゴン》と共に、さまざまな【リンク召喚】の展開デッキで暴れまわりました。
①:このカードは、このカードのリンク素材としたモンスターの数によって以下の効果を得る。
《鎖龍蛇-スカルデット》の①の効果
●2体以上:このカードのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。そのモンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
●3体以上:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。手札からモンスター1体を特殊召喚する。
●4体:このカードがリンク召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す。
L素材となったモンスターの数に応じて、さまざまな効果を得ることができます。
とくに3体以上と4体の効果が強力で、手札のモンスターを展開したり大量の手札交換が行えたりと、非常に使い勝手の良い効果となっています。
またこのカードの強力なところは、これらの効果に「名称ターン1の制約がない」ことです。
つまりこのカードが準制限になった(2枚となった)ことで、1ターンに2体リンク召喚することができれば、先ほどの効果も2回発動することができる、という訳ですね。
とくに4体素材に使用できる「4ドローしてデッキボトムに3枚戻す」効果は、さまざまなコンボに悪用することができるので、とても研究しがいのある効果となっています。
《貪欲な壺》や《バウンドリンク》を用いれば、効果を使い終わった《鎖龍蛇-スカルデット》をさらに再利用することができるので、デッキのカードを一気に引き切るといった芸当も可能となります。
《天底の使徒》
(準制限カード) 【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:EXデッキからモンスター1体を墓地へ送る。その後、墓地へ送ったモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ、「ドラグマ」モンスターまたは「アルバスの落胤」1体を自分のデッキ・墓地から選んで手札に加える。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
【ドラグマ】サポートのカードでありながら、【ドラグマ】の名称を持たない通常魔法カード。
【ドラグマ】デッキが環境で台頭していた頃から活躍していたカードでしたが、《旧神ヌトス》などのカードと併用することでアドバンテージを容易に稼ぐことができたことから、制限カードとなっていました。
①:EXデッキからモンスター1体を墓地へ送る。その後、墓地へ送ったモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ、「ドラグマ」モンスターまたは「アルバスの落胤」1体を自分のデッキ・墓地から選んで手札に加える。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
《天底の使徒》の①の効果
EXデッキのモンスターを墓地へ送りながら、その攻撃力を参照してデッキから【ドラグマ】モンスターを手札・墓地から加えることができるという、とても優秀なカードです。
現状では墓地へ送って意味のあるEXデッキのカードが豊富であるため、さまざまなデッキで出張パーツとして採用ことができます。
また「このカードの発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない」という制約こそあるものの、発動前に展開する分には問題ないため、いくらかプレイングを工夫するだけでさまざまなデッキで無理なく使用することができます。
とくに《赫焉竜グランギニョル》は墓地へ送っておくだけで意味があるカードであり、そちらの効果で【ドラグマ】モンスターをデッキから特殊召喚することができるので、非常に相性が良いと言えます。
《魔導書の神判》
(準制限カード) 【 速攻魔法 】
このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、このカードの発動後に自分または相手が発動した魔法カードの枚数分まで、自分のデッキから「魔導書の神判」以外の「魔導書」と名のついた魔法カードを手札に加える。
その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。
「魔導書の神判」は1ターンに1枚しか発動できない。
かつて【征竜】と共に環境を席巻したテーマ【魔導】の核であった速攻魔法カードです。
現代遊戯王のカードパワーのインフレも相まって、制限こそ解除されていたもののあまり話題には挙がらなかったカードとなっていました。
このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、このカードの発動後に自分または相手が発動した魔法カードの枚数分まで、自分のデッキから「魔導書の神判」以外の「魔導書」と名のついた魔法カードを手札に加える。
《魔導書の神判》の効果
その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。
このカードを発動した後に発動された魔法カードの数まで、デッキから【魔導書】魔法カードを桑ながら、その数以下のレベルの魔法使い族モンスターをリクルートするという、大量のアドバンテージを可能性を秘めたカードです。
現環境ではエンドフェイズのサーチ・リクルートといったタイミングの遅さや、1枚であることから安定して初動に持ってこれないなどの要素がネックとなっていました。
しかし今回の改定で2枚採用が可能となったことからコンボの成功率も上がり、【魔導】デッキとしての地位も高くなることが期待されています。
もちろん今更このカードが2枚になったからといって爆発的にデッキパワーが上がるといったものではありませんが、いずれは3枚にもどる可能性も高そうですし、なにより【魔法使い族】として今後も強化の余地が広いため、ますます注目していきたいといったところです。
とくに【魔導獣】や【エンディミオン】といった魔法カードの連打を得意とするテーマも存在していることから、【魔法使い族】といった広い視点でこのカードを活用できれば良いなあと個人的には考えています。
【準制限 → 解除】
《閃刀姫-カガリ》
【 リンクモンスター 】
星 1 / 炎 / 機械族 / 攻1500 /
炎属性以外の「閃刀姫」モンスター1体
自分は「閃刀姫-カガリ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
①:このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の「閃刀」魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
②:このカードの攻撃力は自分の墓地の魔法カードの数×100アップする。
【LINK-1:左上】
かつて環境を席巻した【閃刀姫】の核となる、リンク1の炎属性モンスター。
現代遊戯王のカードパワーの引き上げに伴い、準制限を経て無制限へと解除されることとなりました。
①:このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の「閃刀」魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
《閃刀姫-カガリ》の①の効果
とくに重要なのが①の効果で、墓地の【閃刀】魔法カードを手札に戻すことができます。
《閃刀起動-エンゲージ》をはじめとする【閃刀】魔法カードは、名称ターン1の制約もないため、このカードでサルベージすることで同一ターンに連打することが可能となっています。
今回の改定で無制限となったことで、このカードを「1デュエルで3回使えるようになった」と考えることができます。
【閃刀】デッキでは、初動に使った《閃刀起動-エンゲージ》を《閃刀姫-カガリ》で再利用する、《閃刀姫-ハヤテ》で墓地へ送ったカードを《閃刀姫-カガリ》で回収するといったように、このカードを用いたテクニックがいくつもあります。
これまでは《閃刀姫-カガリ》が1枚、2枚であったことから、このコンボに妨害を受けると致命傷となるケースがありましたが、3枚となったことでいくらか余裕を持って対応できるようになりました。
あと【閃刀】で制限にかかっているのは《閃刀起動-エンゲージ》と《閃刀機-ホーネットビット》だけなので、いずれはかつてのフルパワー状態に戻ってきてくれると嬉しいですね。(そうなると出張性能がとても高いので何ともですが)
《オルフェゴール・ガラテア》
【 リンクモンスター 】
星 2 / 闇 / 機械族 / 攻1800 /
「オルフェゴール」モンスターを含む効果モンスター2体
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:リンク状態のこのカードは戦闘では破壊されない。
②:除外されている自分の機械族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。その後、デッキから「オルフェゴール」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットできる。
【LINK-2:右上/左下】
こちらもかつて環境に居座り続けていたテーマ【オルフェゴール】の核となる、リンク2の闇属性モンスターです。
こちらも【閃刀】デッキと同様、環境のパワーの上昇に伴い無制限となりました。
②:除外されている自分の機械族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。その後、デッキから「オルフェゴール」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットできる。
《オルフェゴール・ガラテア》の②の効果
【オルフェゴール】デッキにおける魔法・罠のサーチャーでありながら、除外されているモンスターをデッキに戻すリソース回復源も兼ねるという、非常に使い勝手の良い効果を持っています。
またリンク2であり素材も緩いモンスターでありながら、強力な効果を持った《宵星の機神ディンギルス》の素材ともなることができることから、テーマ内で非常に大きな役割を担っていました。
【オルフェゴール】というテーマは、【闇属性】を主体とするデッキであれば無理なく採用できるという高い出張性を誇るデッキです。
この《オルフェゴール・ガラテア》も、「【オルフェゴール】モンスターを含む効果モンスター2体」という非常に緩い条件で呼び出せる上、呼び出せばテーマの魔法・罠カードをデッキからセットできるため、そのまま【オルフェゴール】の展開へと繋ぐことができます。
【闇属性】の展開デッキは【幻影騎士団】や【D-HERO】など、選択肢がとても幅広いので、それらに出張させることで強力なシナジーのあるデッキを構築することが可能となっています。
《呪われしエルドランド》
【 永続魔法 】
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分はアンデット族モンスターでしか攻撃宣言できない。②:800LPを払って発動できる。デッキから「エルドリッチ」モンスター1体または「黄金郷」魔法・罠カード1枚を手札に加える。③:このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「エルドリッチ」モンスター1体または「黄金郷」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。
こちらも非常に長期にわたって活躍し続けていた【エルドリッチ】の核となる永続魔法カードです。
かつては罠系メタビートとして活躍していたテーマでしたが、今回の改定ですべてのカードが無制限となりました。
②:800LPを払って発動できる。デッキから「エルドリッチ」モンスター1体または「黄金郷」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
《呪われしエルドランド》の②の効果
③:このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「エルドリッチ」モンスター1体または「黄金郷」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。
《呪われしエルドランド》の③の効果
毎ターン使うことができる②のサーチ効果、そして墓地へ送られた際に発動できる③の墓地送り効果と、テーマのエンジンカードとして非常に強力な効果を併せ持っています。
【エルドリッチ】は展開系デッキとは違い、《灰流うらら》の妨害を1度受けるだけでも初動が苦しくなってしまうデッキではありますが、《呪われしエルドランド》の採用枚数が増えたことでこちらに妨害を撃たせるといったプレイングも検討できるようになりました。
「これでフルパワーの【エルドリッチ】が使えるぞ!」と言えるかと言えばそうではなく、同改訂にて【エルドリッチ】の主要な妨害カードだった《スキルドレイン》が制限となってしまいました。
しかしながら、未だに罠系メタビートとしては非常に高い位置に属するテーマではあるので、《御前試合》や《群雄割拠》といった拘束力の高い永続罠カードを採用することで、まだまだ戦えるだけのポテンシャルはあると言えるでしょう。
また罠系メタビートというだけでなく、【アンデット族】として活用するのもひとつの手となっています。
メタ性能の高いフィールド魔法《アンデットワールド》や、【アンデット族】で強力な効果を持つ《死霊王 ドーハスーラ》を採用することで、ミッドレンジ型のデッキとしても戦うことができます。
こちらであれば《呪われしエルドランド》のデメリット効果である「アンデット族モンスターでしか攻撃宣言できない」制約も無視できるため、とくに相性が良いと言えるでしょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は規制・緩和のどちらも幅広く行われていて、とても面白い改訂となりましたね。
緩和されたカードでは禁止カードから2枚、いずれも環境で暴れに暴れたカードと言うこともあって、今後の展開が楽しみとなる内容でした。
制限・準制限からの緩和組も、かつて環境で席巻したテーマのカードが多く、今後の環境の変化次第では活躍するチャンスもあるでしょう。
これからの遊戯王カードの展開にも、ますます注目していきたいところですね。
それでは今回の記事はここまで。また、次回の記事でお会いしましょう。
ご清読ありがとうございました。