(前弾までのあらすじ)
デュエル・マスターズの新たなギミックとして、アビスレボリューション第1弾にて堂々登場した「メクレイド」。
展開力に優れる赤のアーマードや、ランプ戦術と高コストフィニッシャーと相性がいい緑のジャイアントらがその力の片鱗を見せ付ける中、青の「マジック・メクレイド」には、彼らとはまた違った形での活躍を期待された。青はDS期以降特に呪文の扱いに長けていること、加えて新たに登場した「マジック・〇〇」という種族のお陰で、広い種族を巻き込んだデッキになると、誰もが思っていたのだ。
だが、現実は余りに残酷だった。マジック・メクレイドには「メクレイドをしてくれるカード」「メクレイドして使いたいカード」が極端に少なく、またメクレイドを行う際に手札を捨てなければいけないという制限もあった。
結果としてこの時点で実用的といえたカードは《コーボー・マジカルショッカー》など、数種類のみ。
【 クリーチャー 】
種族 マジック・マーフォーク / 文明 水 / パワー4000 / コスト4
■ジャストダイバー
■このクリーチャーが出た時、カードを3枚引く。その後、自分の手札を2枚、好きな順序で山札の下に置く。
■各ターン、自分がはじめて呪文を唱えた時、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうしたら、マジック・メクレイド5する。(マジック・メクレイド5:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト5以下のマジックを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く)
目玉カードとして登場してであろう《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》も、マジック・メクレイドで活かすのは、余りに酷だった。
【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・コマンド / マジック・ソング / 文明 水 / パワー3000 / コスト3
種族:マジック・コマンド
■このクリーチャーが出た時、相手のエレメントを1つ選び、持ち主の手札に戻す。
────────────呪文────────────
カード名:♪必殺で つわものどもが 夢の跡
文明:水
コスト:8マナ
種族:マジック・ソング
■残りのゲーム中、自分の山札にカードがなくなっても、自分はゲームに負けない。
■カードを5枚引く。その後、自分の山札にカードがなければ、このターンの後に自分のターンを追加する。
やがてマジック・メクレイドは「プレイヤー心を理解していないメクレイド」「当たりがないのに課金を要求してくるタイプのガチャ」等の散々な評価を下されることとなった──。
……と、いうわけでこんにちは、神結です。
先週末にアビスレボリューションの第2弾が発売されました。
バニラさんの新弾レビューの記事でもちょっとコメントさせていただきましたが、今弾は「広い視点で見たときに、将来に渡って使われるカードが多そう」という印象を受けています。
新規のトリガーやメクレイドの軸となるカード、優秀なチャージャーなんかも登場していますからね。
それでは、以前書いたメクレイド……特に「マジック・メクレイドってどうなったの?」というのが今回の記事になります。
目次
マジック・メクレイド、大型補強
ぶっちゃけ前弾は酷い有様でした。
最大の問題点は「マジック・メクレイド8で使いたいカードがない」ということ。ゲームを決める強力なカード自体がないということであれば、そのデッキが何を目指しているのかもわかりません。昼の12時に作ってもデッキじゃないです。捲りたいカードないのに《ミステリー・キューブ》を撃つ奴はいません。
で、これだけだったら「次の弾で大型フィニッシャーに期待だね」で終わったんですけど、問題はそれに留まりません。
実は大型マジックに繋ぐカードもなかったんですよね。
というか、マジック・メクレイド8をするには何故か手札を2枚投げ捨てる必要があって、ノーコストでメクレイドするアーマードだったり、実質的にマナブースト出来るジャイアントと違って、単純にデメリットです。
要するに4番はおろか二遊間も捕手いないチーム状況といったところで、見かねた《ボン・キゴマイム》さんはアナカラージャオウガへとFAしてしまいました。ちなみにデュエチューブにてdottoさんが「最強打者2番論」を推していましたが、打順を組んで見た的なトークをする際にはやっぱり最強打者は3~4番に配置しておきたいなと思っています。
そんなわけで2005年の楽天より弱かった我らがマジック・メクレイドですが、今回の弾で大幅な補強を敢行します。
まず深刻な得点力不足を改善すべく、主砲候補として《Kl’avia Tune》を獲得。
【 クリーチャー 】
種族 マジック・コマンド・ドラゴン / 文明 水 / パワー12000 / コスト8
■ブロッカー
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、相手のコスト7以下のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
■相手のコスト7以下の、クリーチャーではないカードを使うコストは、かわりに8になる。
■このクリーチャーは、相手のコスト7以下の、エレメントの能力または呪文によって選ばれない。
相手の呪文等のコストを書き換えてしまう、かなり強力なカードです。更に場に出た時に相手のクリーチャーを止めるだけでなく、自身が除去耐性も持っています。
この除去耐性はジャストダイバーと違いますが、このカードはなるべく長いターン場にいて欲しいので、こっちのテキストの方が合っているように思えます。
そして《Kl’avia Tune》の最も偉大な点として、早期に場に出れば出るほど強いことから、我々に「マジック・メクレイド8をする意味」を与えてくれた、というのが挙げられるでしょう。
つまり、以下のような感じになります。
なるべく早く1枚目の《Kl’avia Tune》で場を支配する。これで時間を稼ぎ、仮に相手の攻め込まれそうになっても、2枚目以降の《Kl’avia Tune》で相手の攻撃を止めることが出来る。こうして徐々に山札を減らしていき、最後に《♪必殺で つわものどもが 夢の跡》で追加ターンを取りながら安全に勝つ──
これまで存在していなかった「マジック・メクレイドのゲームプラン」というものが生まれました。
その上で、もう1つのヤベー問題点であった「マジック・メクレイド8をするためのカードも弱い」というガタガタのセンターラインにもテコ入れが入ります。
期待の大型新人、《Kl’avia Mondo》の獲得に成功。
【 クリーチャー 】
種族 マジック・コマンド / 文明 水 / パワー5000 / コスト5
■ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず、攻撃されない)
■自分のターンのはじめに、カードを1枚引いてもよい。
■各ターンの終わりに、このターン中に自分が呪文を唱え、クリーチャーを召喚していれば、マジック・メクレイド8する。(マジック・メクレイド8:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト8以下のマジックを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。 残りを好きな順序で山札の下に置く)
ジャストダイバーとシステムクリーチャーの相性のよさは言わずもがな。
実際ジャストダイバー持ちの置きドロソというだけでも充分に評価出来るのですが、コスト5であることから「マジック・メクレイド5」で自身を出すことができ、そしてそして条件を満たせば「マジック・メクレイド8」が出来ます。
その条件とは「各ターンの終わりに、このターン中に自分が呪文を唱えてクリーチャーを召喚していれば」というものです。
これは一見難しそうに見えますが、《蒼狼の大王 イザナギテラス》や《龍装艦 チェンジザ》といったカード1枚で解決したり、あるいは《コーボー・マジカルショッカー》がいる状況で呪文を唱えてこのカードを出した場合、ターンエンド時に条件を満たせています(メクレイドは「カードを使う」なので、召喚扱いになります)。
またそれ以外にも、効果の発動条件は「各ターンの終わりに」なので、相手のターン中にトリガーで呪文とクリーチャーを使った場合にも、条件を満たします。
ですので、相手が攻めてきて呪文トリガーを踏んだ場合、次にクリーチャーを踏むと大変なことになりかねないので、以降の攻撃を躊躇することでしょう。疑似的に攻撃を抑制させることも出来るのです。
ちなみにトリガーの話もしておくと、《終止の時計 ザ・ミュート》という今後何かと出番のありそうなカードの獲得にも成功。
【 クリーチャー 】
種族 マジック・アウトレイジMAX / 文明 水 / パワー3000 / コスト3
■S・トリガー・プラス(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい。それが相手のターンで、そのターン中に自分のシールドが2つ以上ブレイクされていれば、このクリーチャーにP能力を与える)
P−このクリーチャーが出た時、このターン、相手はクリーチャーで攻撃できない。
■このクリーチャーが出た時、カードを2枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。
このように《Kl’avia Mondo》→《Kl’avia Tune》ラインや、強力なトリガーを手にした我らがマジック・メクレイド。
ですがこれくらいじゃまだ大型補強は終わっていません。
そもそも《Kl’avia Mondo》 へ繋ぐことが出来るカードも足りてないよね? と言わんばかりに、マジック・メクレイド5を使える《人気魚》を獲得。
【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・フィッシュ / マジック・ソング / 文明 水 / パワー4000 / コスト3
種族:マジック・フィッシュ
■自分のターンのはじめに、このクリーチャーを手札に戻してもよい。そうしたら、マジック・メクレイド5する。(マジック・メクレイド5:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト5以下のマジックを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く)
────────────呪文────────────
カード名:♪大空の ムーンサルト やや斜め
文明:水
コスト:5マナ
種族:マジック・ソング
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■相手は自身のアンタップしているクリーチャーを2体選び、手札に戻す。
最速4ターン目の終わりに《Kl’avia Tune》が出てくることも夢ではなくなりました。まぁ、アイドルみたいな選手は必要ですからね。
で、更に更に更に《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》という、ポリバレント(複数のポジションをこなせる)なタレントも獲得しています。
【 呪文 】
種族 マジック・ソング / 文明 水 / コスト3
■プレイヤーを1人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の墓地のカードをすべてシャッフルし、山札の下に置く。
■カードを2枚引く。
このカードはラッカライオネルなんかで使われて早速環境入りしていますが、デッキによって与えられる役割にちょっとずつ違いがあるのが面白いですね。単に「墓地メタエナジーライト」と表現するには惜しい1枚です。
マジック・メクレイドで言えば勿論墓地メタとしての役割は残しつつも、ゲーム終盤にも《♪必殺で つわものどもが 夢の跡》と絡めた使い方が出来るのが特徴でしょうか。
……と、これまで挙げたように、わずか1弾の間に「マジック・メクレイド」は大量の即戦力の獲得に成功し、一気に生まれ変わりました。もう《コーボー・マジカルショッカー》の出塁率とかでポジったりしなくてよくなったんですね。
マジック・メクレイド(一軍)
というわけで、現状のマジック・メクレイド(一軍)はだいたいこんな感じのリストになるでしょうか。
まぁ残念ですが、オリジナルで環境入り出来る程のデッキではないです。まだ。速度感がどうしても、環境デッキに比べると一段劣ってるんですよね。
ですので今回は、ある程度相手の攻撃をトリガー等で受けることを前提にしつつ、序盤に置いた《人気魚》や《コーボー・マジカルショッカー》でメクレイドしていきながら《Kl’avia Tune》に到達させる……といったコンセプトですね。
マジック・メクレイドはデッキを40枚全て使用することが許されるので、ピン投のカードもゲームプランに組み込めると思います。
既にチアリ先生やガジュアる先生がツイートや動画でデッキをアップしていたりもするんですが、自分からは一旦これで提出で。
自分は「ボンキゴ+トリガーである程度受けてゴリゴリにメクレイドしたいよね?」みたいな感じたので、こんな風になっています。
現状の問題点としてはメタクリどうやって退かすの問題と、コストが重いので動き出しが遅いといった辺り。
ただ個人的には《Kl’avia Mondo》→《Kl’avia Tune》のルートというか、《Kl’avia Mondo》がカードとして評価高いのでこういう方向性もありかな? とか思っています。
要するに青緑系統に組み込めるグッドスタッフカードとして採用する、という感じですね。《Kl’avia Mondo》は新時代の《龍覇 M・A・S》かもしれません。
或いはお馴染みアナカラーへ変身されることも可能かとは思いますが……まぁ、それはおいおい。
おわりに
というわけで今回は新弾でマジック・メクレイドってどうなったの? というところを、主にカードに着目しながらお伝えしてきました。
現状はまだ環境デッキという程ではない筈です。
ですが、マジックはそもそもまだオーバーレアのカードが出ていないので、そのカード次第で更に大化けする可能性も秘めています。
特に今回紹介している《Kl’avia Mondo》→《Kl’avia Tune》ラインのカードは今後も必ずデッキに組み込まれてくる筈ですので、マジック・メクレイドを今後使ってみたいという方は集めておくのをオススメします。
というわけで、今回はここまで。
それではまだ次回の記事でお会いしましょう!