【環境考察】アドバンス環境 2024年5月【最強デッキ】

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【環境考察】アドバンス環境 2024年5月【最強デッキ】

 こんにちは、月刊アドバンスの時間です。

 担当の神結になります。今月もよろしくお願いします。

 5月は新弾もなく、環境的に大きな変化はなかった……かと思いきや、別にそんなことはありませんでした。

 GW期間中に行われたアドバンスの6倍CSである超flat-CS、そしてデュエチューブリーグ(DTL)が“ガチ”アドバンスだったこともあって、アドバンスの環境には変化が生じています。

 今月はこの2つを軸に、5月のアドバンスを振り返っていきましょう!

2024年4月環境はこちら!

目次

今月のアドバンス環境~大型CSとDTL~

 5月は洗練の月だったと思います。

 GPで様々なデッキが活躍したことで先月は大量のデッキを紹介しましたが、以降の大会を経て、強いデッキはかなり絞られてきた感じですね。

 まずGWの6倍規模では、決勝が【火水マジック】のミラーとなりました。その決勝ものすけ選手 vs みらくる。選手ということで、両者ともに極めて練度の高いマジックだったわけです。

 やはり、練度の高いマジックこそが最強……。

【 クリーチャー 】
種族 マジック・ドラゴン / ゲーム・コマンド / 文明 水/火 / パワー10000 / コスト7

■革命チェンジ:コスト5以上のマジック
■W・ブレイカー
■自分のマジックすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■このクリーチャーの各ブレイクの前に、自分のマナゾーンの枚数以下のコストを持つ呪文を1枚、コストを支払わずに自分の手札または墓地から唱えてもよい。その呪文を唱えた後に、墓地に置くかわりに山札の下に置く。

 またこの時のマジックの構築も、これまでの《同期の妖精》+《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》といった構築でなく、対【闇自然アビス】や同型戦での有利を意識した《ボン・キゴマイム》入りというものに変わっていました。

【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・マーフォーク / マジック・ソング / 文明 水 / パワー4000 / コスト3

種族:マジック・マーフォーク
■相手のクリーチャーが出た時、このターン、そのクリーチャーは攻撃できない。そのクリーチャーがコストを支払わずに出ていたら、カードを1枚引いてもよい。

────────────呪文────────────
カード名:♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり
文明:水
コスト:2マナ
種族:マジック・ソング
■数字を1つ選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、その数字と同じコストの相手のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。

 そしてこの時の結果は、デュエチューブリーグ(DTL)にも大きな影響を与えたと考えられます。

 DTLは各種切り抜き動画も投稿されつつあるので是非。

 今節のDTLは制限なしの“ガチ”アドバンスでした。

 その結果、参加者9人のうち【火水マジック】の使用者は半数近い4人。そして全員が《ボン・キゴマイム》型。アドバンスでは珍しい《飛翔龍 5000VT》も採用されていましたね。

【 クリーチャー 】
種族 マジック・アウトレイジMAX / 文明 水 / パワー12000 / コスト8

■このクリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
■ジャストダイバー
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、相手のパワー5000以下のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない。

 中でもFTGの2人(フェアリー・るるる両選手)はこうした同型戦を想定し、対マジックには必要のない《単騎連射 マグナム》を抜くという徹底ぶりでした。

 ただし【火水マジック】は最強ではあれど、完全無欠というわけではありません。

 当然、何かを厚く見れば他への対応は薄くなります。そしてアドバンスの各種デッキはどれも平均的なパワーが高く、ちょっとガードが下がると勝率にも結構な影響が生じます。

 結果としてチームSAGAのはるる選手は、【光自然ヘブンズ・ゲート】(とワンパン天門)で【火水マジック】を2タテして貴重な白星をチームに持ち帰っています。

 より洗練されたアドバンスはマジックになり、そしてその結果としてオリジナルに近付いていく。しかしオリジナルに近付き過ぎると、今度はまたアドバンスのデッキたちが牙を剥いてくる……。

 今後もそんな循環があるのかもな、と感じた5月でした。

2024年5月環境デッキ

 というわけで、新殿堂以降の環境について、その主要デッキを見ていきましょう。

 今回設定したランクは以下の通りです。

Sランク:環境の中心、大暴れ
Aランク:デッキ分布は3~4番目程度だが、CS優勝も出来るレベルの強さ

Sランク

火水マジック(赤青マジック)


 現環境の最強は、間違いなく【火水マジック】です。

 そして現在の流行は、上でも触れた通り同型や闇自然に強い《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》の採用型になります。

 実際、GPの頃に比べて【光自然ヘブンズ・ゲート】の使用率は低下しており、一方で【闇自然アビス】は大きく増加。同型との差を付ける意味でも、今後も《ボン・キゴマイム》は欠かせないカードとなるでしょう。

 一方で《同期の妖精 / ド浮きの動悸》や《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》が抜けたことでニンマリしているデッキがいることも確かです。

 特にアドバンスには《ボン・キゴマイム》に対して回答となりやすい《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》なども存在しています。

 環境自体がマジックを中心としていることはまず間違いないです。

 ですが、その周囲をどんなデッキが固めるかという部分についてはマジック側の構築による影響も大きく、結果としてマジックの気まぐれ次第、ということになるのかも……?

光自然ヘブンズ・ゲート(白緑天門)


 ザ・横綱といった感じのデッキで、単純な押し相撲をしたときにこのデッキに勝るデッキは存在していないでしょう。

 逆に弱点と言えば、正攻法の押し相撲勝負に特化しているので、土俵に上がってきて貰えないと厳しいという点でしょうか。

 各種メタカードもそうですが、最近では【闇自然アビス】も最速3キル(確率上可能)まで備えてくるようになり、コメントに困るような負け方も増えました。

 ちなみに【闇自然アビス】との相性関係は、構築による部分もあるため訊く人によってまちまちですが、個人的にはトータルで五分くらいの認識です。どっちかに大きく振れることはないと思っています。

 なお上記の通り《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》が減っていたり、或いは環境全体がオリジナル色を帯びてきているため《∞龍 ゲンムエンペラー》が強力だったりと、天門視点の追い風要素も結構あります。

【 クリーチャー 】
種族 ∞マスター・ドラゴン / チーム零 / 文明 水/闇 / パワー999999999 / コスト999999999

※システムの都合上、《∞》の表記を《999999999》としております

■ムゲンクライム 4(自分のクリーチャーを4体タップし、 [wd04]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
■∞ (ルビ:インフィニティ)ブレイカー(「∞ ブレイカー」を持つクリーチャーは、相手のシールドを好きな数ブレイクできる)
■ブロッカー
■コスト5以下のクリーチャーの能力とコスト5以下の呪文の効果を無視する。

 やはりパワー、パワーは全てを解決してくれる。

 というわけで少し入賞数などは後退気味ではありますが、実は一時的なものなんじゃないかと思っています。

闇自然アビス


 GP以降も比較的安定して結果を出し続けています。

 ただアドバンスの世界でも【火水マジック】が《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を採用し、加えて《禁断 ~封印されしX~》というアッパー要素もある分、ちょっと対マジックはオリジナルよりも数字を落とす筈です。

 《アビスベル=覇=ロード》の枚数を落としていることも多いですし、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》がマジック対面の勝率を上げる訳ではないですからね……。

 余談にはなりますが、筆者が先々週のCSで使用したのが以下の構築でした。


 ちなみにこの時は死海竜を抜いて《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》からパクって強いカードを積んでいましたが、結論としては死海竜は絶対あった方がいいです、はい。

 自然の枚数を19確保しつつ《復活の祈祷師ザビ・ミラ》の枚数を確保しようとすると、割とこうなるかな……と、割と納得しているリストではあります。

Aランク

光ゼロサバキZ


 《煌世主ノ正裁Z》+《DG ~ヒトノ造リシモノ~》からの爆発と《音奏 ハイオリーダ》絡みの展開力で、CSでも一定の人気を誇っています。

 動きに関しては、紋章を溜めて爆発……ということなんですが、起こる盤面の凄さや動きなんかについては、一回動画を観た方がわかりやすいと思います。

 構築としては、先月から大きく変わる点はなく。DTLでは魔王軍のりっきー選手が使ってくるのかな、と予想していましたが火入りのアビスでしたね。

 嬉しいポイントとしては、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》を使ってくるタイプのデッキたちが、環境上で軒並み立ち位置が悪いところでしょうか。

闇火侵略(赤黒バイク)


 バイクは上位デッキに対して悪くない相性を誇っており、環境上で一定の地位を保ち続けています。

 基本的な構造に大きな変化はありませんが、受けギミックが《死神XENARCH・ハンド》だったり、《忍蛇の聖沌 c0br4》だったり、《ヴィオラの黒像》だったりと、カードがコロコロ変わるので攻める側は大変です。

 あとは封印というギミックや禁断解放という必殺技がデッキをかなり下支えしてくれていますね。

 特に禁断に関しては最近デュエプレでバイクを使っていると、その偉大さをよく痛感します。ないとホントに辛いのよ。

水闇卍夜


 DTLでも活躍した【水闇卍夜】。

 こちらはマジックと同じく、「実戦で現実的に3キル(及び、それに該当する行為)を狙える」デッキであり、その点で言えば他のデッキと一線を画していると言えます。

 なお、CSでは山札を45枚にして受けを増やした構築もありました。


 《卍夜の降凰祭》を軸としたデッキというのは間違いなく、これは何がなんでも引きたいカードではあるため山札を増やすのはリスクもあります。

 ただ各種ドルスザクの楯落ち率を緩和するといった恩恵もありますし、色バランスの調整もしやすくなるということなので、興味のある人はぜひ。

今月の注目デッキ

アナカラーザビミラ


 さて、今月の注目デッキとして紹介するのは【アナカラーザビミラ】。アドバンスの伝道師ことあんだんて選手を中心に、関東のアドバンスCSでは安定した結果を残し続けています。

 基本的な基盤はかつての【アナカラージャオウガ】を彷彿とさせるものですが、このデッキはフィニッシャーとして《復活の祈祷師ザビ・ミラ》からの《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》を用意。

 そしてその射出の補助をするカードとして、《哀樹神官 グリッファ》が採用されています。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント・デビルマスク / 超化獣 / 文明 水/自然 / パワー6000 / コスト5

■ジャストダイバー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを2体まで選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、それらのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
■ハイパー化:自分の他のクリーチャーを1体タップする。(自分のメインステップ中に、ハイパーモードを解放できる。ハイパーモードは次の自分のターンのはじめまで続く)

────────────ハイパーモード────────────
パワー:12000
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出してもよい。

 このカード、凄いです。《哀樹神官 グリッファ》が生きてターンが返ってくれば、だいたい勝ちます(と、伝道師の談)。

 そしてその「生きて返ってくる」についてもグリッファ自身の止める効果に加えて、自身がジャストダイバーを持っているため、そこまで難しい話でもないという……。

 実戦では《哀樹神官 グリッファ》を投げた返しに《キユリのASMラジオ》などを投げてマナブーストクリーチャーをキャストさせ、条件を整えるといった動きになりますね。

 またお洒落な要素としては、《禁断竜王 Vol-Val-8》でしょうか。

【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / アーマード・ドラゴン / アース・ドラゴン / 禁断 / 文明 水/火/自然 / パワー54321 / コスト9

■EXライフ
■スピードアタッカー
■T・ブレイカー
■ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず攻撃されない)
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚まで手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。その後、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊してもよい。
■自分のターンの終わりに、このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加する。

 《復活の祈祷師ザビ・ミラ》からの《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》でループに突入した後に《禁断竜王 Vol-Val-8》を投げておくと、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》のお陰でとっくに4体破壊条件を達成しているため、追加ターンは確定します。

 そして追加したターンのお陰で相手にターンを渡すことなく《死海竜ガロウズ・デビル・ドラゴン》が完成。これが出来るのは、アナカラーザビミラだけ!

 仮に《復活の祈祷師ザビ・ミラ》が絡まなくても、《哀樹神官 グリッファ》から《禁断竜王 Vol-Val-8》を投げて単独で追加ターンを持ち帰ることも出来ます。

 また、かつてアナジャを彷彿とさせる「困ったときの《CRYMAX ジャオウガ》」も健在です。

【 S-MAX進化クリーチャー 】
種族 デモニオ / 鬼レクスターズ / 文明 闇 / パワー13000 / コスト7

■鬼S-MAX進化:自分がゲームに負ける時、またはこのクリーチャーが離れる時、かわりに自分の表向きのカードを3枚破壊してもよい。(このクリーチャーは進化元を必要としない。自分のS-MAX進化クリーチャーが2体以上あれば、そのうちの1体を残し、残りをすべて手札に戻す)
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、各プレイヤーは自身のシールドを3枚ずつ選び、残りを墓地に置く。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。その後、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。

《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の返しとかに投げつけましょう。この時、《哀樹神官 グリッファ》が3打点になるのも嬉しいですね。

 序盤の不安定さを抱えてはいますが、個人的にはこの構築を40枚に収めたことが何よりも凄く、流石は伝道師だなと感心しておりました。

おわりに

 というわけで、今月のアドバンス解説はいかがだったでしょうか?

 今月は新弾こそなかったものの大きなイベントもあり、環境は研ぎ澄まされた印象です。

 来月は新弾もありますし、アドバンスの新たな変化にも期待していきたいところですね。

 それではまた来月、お会いしましょう!


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