目次
はじめに
はじめまして。あるいは、お久しぶりです。北白河と申します。
いつもはトレカライターコロシアムやトレカライターガーデンでクソデッキの記事を書いております。
今回は嬉しいお誘いを受けまして、ゲストライターとして記事を書かせて頂くことになりました。どうかよろしくお願いいたします。
今回のテーマは、タカラトミー/DeNAから今冬リリース予定のスマホ向けDCG、「デュエルマスターズ プレイス」です。公式略称は「デュエプレ」らしいので、これから私もそう呼びます。
私事ですが、北白河もこのデュエプレの先行体験会とクローズドβテストに当選いたしまして、この記事を書いている11月初頭現在も必死こいてやりこんでおります。
ちなみに北白河は先行体験の募集の際、備考欄に「第二回トレカライターコロシアム優勝」って書いたら当選しました。記事を書くと徳が積めます。今すぐトレカライターガーデンで記事を書いて徳を積みましょう。
というわけで、今回はデュエプレの正式リリースに向けてデュエプレの魅力やいつものデュエマとの違いの説明、さらにはβテストの環境とカードプールからのリリース直後の環境デッキの予測までやっちゃいます。
つまり、史上最速のデュエプレ攻略記事(推定)!楽しんでいただけると幸いです。
※この記事はクローズドβテスト段階のゲームを元に執筆されています。正式リリース版ではゲーム内容やバランス・カード性能などが変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。
デュエプレってなあに
え、デュエプレを知らない?そんなあなたのために、まずはこちらの動画をどうぞ。
ぶっちゃけこの公式動画見ればだいたいわかると思うんですが、端的に言えば「スマホでデュエマができる!」というDCGです。
デュエマのスマホアプリは今までにも「エントリーゲート オブ ドラゴンサーガ」(配信終了済)などがありましたが、それらとは気合の入り方が違います。
カードプールは基本セット・闘魂編のカードを中心に、それ以降に登場した基本カードやアプリオリジナルカードなどを加えた全275種。
現実のDM01-DM04までのカード合計が300種くらいなので、最初からかなり多彩な戦略を考えることができますね。
また、既存カードにも能力に修正がかかったものが数多く存在し「あの頃のデュエマを、最新のバランス調整でリメイクしました!」という製作スタッフさんの熱意がひしひしと伝わってきます。
基本的なルールはそのままですがDCG化に合わせて「マナゾーンにその文明のカードが1枚でもあれば何枚でもその文明のカードを使用可能」「手札・シールド最大10枚、バトルゾーン最大7枚」など変更された点もあります。
マナシステムについては最初は半信半疑でしたが、実際に触ってみると煩雑なマナのタップを省略できることから最大値と残りの値で管理される一般的なDCGのマナシステムと近い感覚でプレイでき、アプリならではのサクサク感が増していました。あとなにより多色事故が軽減されるっていうのもいいですね。
総じて、当時を知るデュエマ経験者にも、そうでない初心者にも優しい作りになっていると感じました。あらゆる無法が繰り広げられる現代デュエマとは一味違うプレイ感を、ぜひたくさんのプレイヤーに味わってほしいです。
デュエプレの魅力
というわけで、ここでは北白河が感じたデュエプレの魅力について語っていこうと思います。
1.懐かしくも新しいカードと環境!
まずはやはりこれでしょう。かつて小学校の同級生と遊んでいた時代のカードプールで、かつては手が出せなかった高嶺の花のカードを使ってデュエマができる!北白河の年齢もバレる!これに尽きます。
最初に触れた時は、まるで今の記憶を持ったままあの頃に「mirage in august」を残し、タイムトラベルしたかのような感覚を味わいました。
初期のデュエマは突き詰めていけば《サイバー・ブレイン》《ストリーミング・シェイパー》などの存在から水文明一強だったのですが、調整が施された今回は差こそあれ他の色にもかなりチャンスがある良環境です。それでも水文明めっちゃ強いけど。現代デュエマではかなり骨の折れる行為になってしまった「好きなカードで勝つ!」という楽しみ方も、デュエプレなら大丈夫です。
また、特に昔はよくあった「進化クリーチャーはいるのに進化元にロクなのがいない!」という問題も、比較的最近のカードやゲームオリジナルカードの追加により大幅に改善しています。
特にこの恩恵を受けているのが比較的軽量の進化元を確保したエンジェル・コマンドやデーモン・コマンド、リヴァイアサンといった重量級種族と、安定したスペックの軽量クリーチャーが追加されたパラサイトワームあたりです。
かつてロマン枠に過ぎなかったカードが、こういった形で大幅な実用性を手に入れたのを見ると感慨深いですね。
公式のコンセプト「当時を遊ぶ懐かしさに少しだけ新しいワクワクを」の通り、懐かしくも新しいデュエマをぜひ楽しんでください!
2.ソロプレイモードの可能性!
次に紹介したいのが、ソロプレイモードです。
多くのDCGではこの手のモードはあってないようなものか、ほとんど別ゲーになっていることが多いのですが、デュエプレでは通常のオンライン対戦と同じように自分で組んだデッキを使って戦います。
デュエプレのソロプレイモードの特筆すべき点は、「相手のターンが爆速で進むため、ストレスが限りなくゼロ」という点です。
あらゆる演出が超高速でスキップされ、ブロックやトリガーの処理などこちらが何か選択する必要がない限り、ほとんど相手のターンの結果のみが表示されてこちらにターンが回ってくる感じですね。
ストップウォッチで何度か測ってみたのですが、何の誇張もなく平均1秒前後でターンが回ってきて腰を抜かしました。
それぞれのモードの説明に入ると、まずはメインストーリー。デュエルマスターを目指すプレイヤーが、試練の塔と呼ばれる謎の塔にコッコ・ルピコ(ナビゲートキャラ。《コッコ・ルピア》の擬人化少女。かわいいことで有名)とともに挑むという筋書きです。βテスト版ではメインキャラの顔見せとなるエピソード1(全15ステージ)しかまだ遊べませんでしたが、キャラデザの気合の入れ方を見るに「これからプッシュしますよ!」という製作側の意志を感じます。
次に、シティバトル。ゲームの舞台となる村デュエマシティにて、街行くデュエリストにバトルを挑みます。勝てばプレミアムカードや、アバターやプレイマットなどと交換できるチップが手に入るため、「一味違う姿を見せたい!」と思うプレイヤーは足繁く通うことになりそうです。
そして、トレーニングモード。普通のDCGなら新しく組んだデッキの試運転はオンライン対戦で回すのが基本ですが、デュエプレならソロプレイで爆速で回すことが可能です。
相手のデッキはプリセットのデッキ以外にも自分の持っているデッキを使わせることが可能なため、対戦相手の力量に左右されずに「延々回して相性差を見る」「不利対面のデッキの応手を考える」といった用途にも使えます。
βテストでは未実装でしたが、高難易度の「超絶レジェンドバトル」やイベントとして「レイドバトル」などの追加が予定されているとのことなので、正式リリースに期待が膨らみます。
3.BGMやボイスの気合がすごい!
そして、北白河が個人的に一番語りたいのがこのBGM・ボイスです。ディレクターさんがこれらの要素に定評のあった「WAR OF BRAINS」(タカラトミー・ホビージャパンのDCG。現在はサービス終了済み)と同じ人ということもあり、これらの要素にめっちゃくちゃ力を入れています。
まず、BGM。
上記の動画のBGMは実際に対戦で使われているBGMのひとつなのですが、これ、初めからこういう風に作られた一曲のBGMっぽいですよね?違います。
実はこれ、戦況によってシームレスに曲の展開が変わってるんです。動画のBGMをよく聴けば、途中で音の数が増えたり曲調が変わるところがわかると思います。シールドブレイクが発生して優勢あるいは劣勢になるにつれ、曲の展開が進んでいくわけですね。
複数ある戦闘BGM全てにこのギミックが組み込まれており、聴くたびに「このBGMのコンポーザーは化け物か……?」となること請け合いです。
ギミックばかりに目が行きがちですが、もちろん曲そのもののクオリティも折り紙付きです。サントラ出ないかな。
次に、ボイスです。まず、カードプールを見て「こいつ人語を解しそうだな……」っていうやつをなんとなく選んでください。たぶん全部専用ボイス持ちです。当然、登場時・攻撃時・破壊時などあらゆるタイミングで喋る喋る。どこからどう見ても喋れなさそうなガーディアンやゲル・フィッシュといった種族のクリーチャーも、ちゃんとボイスの代わりのSEが用意されていてバトルを盛り上げてくれます。ちなみに、《屑男》のCVは……
長州小力です。どんなコネで呼んだの?
他にもバトルを彩るド派手な演出や、多種多様なカードプロテクト・プレイマット・アバターカスタマイズといった要素。全カードに追加されたフレーバーテキストにサクサク動くサイバーチックなUI、アイマスみたいな演出で排出されるSRや小学生が着ていいのかそれっていう衣装にリメイクされた黄昏ミミなど、語りたいことはたくさんあるのですがキリがないのでとりあえずこのへんで。
カードプール雑感
さてここからはお待ちかね攻略記事です。
まずはカードプールを一通り見渡して感じた印象をざっくりまとめていきます。
情報公開可能βテストということもありカードプールそのものは各所で公開されていますので、そちらとともにご覧ください。
1.踏み倒しやコンボがないため一手一手が重い
これはサービス開始直後ということもあり意図的なものでしょうが、踏み倒し系カードは1枚も収録されていません。また、揃えば勝利に直結するようなコンボもなく、せいぜい《飛行男》を《地獄の番人 デスモーリー》で破壊するようなおまけ程度のシナジーがあるだけです。
そのため、優位を築くためには地道にクリーチャーを出したり除去したりを繰り返して盤面を固めていく必要があります。殴り合いによる盤面制圧が中心になる都合上、パワーラインがいつも以上に重要になるため《呪いの影シャドウ・ムーン》のような全体強化クリーチャーや《ブルーレイザー・ビートル》《剣舞の修羅ヴァシュナ》のようなデメリット付き軽量高パワークリーチャーも、この環境では非常に頼りになります。また、《勇神兵エグゾリウス》《ガトリング・ワイバーン》などのアンタップキラーや、《ホーリー・スパーク》《予言者コロン》などによるタップキルは特に強力です。ある程度パワーラインの高いデッキなら、《クエイク・ゲート》すら一考に値します。もちろん、呪文等で直接除去するのも一つの手ですね。一対多交換の手段が非常に限られていることには注意してください。
ゲームを大きくひっくり返す手段がほとんど重量級に限られてくることもあり、アグロ同士の対面でもない限りゲームは比較的長期化する傾向にあります。
実際のプレイでもフィニッシャーが出るまでに盤面が崩壊しないように両者が慎重になった結果、盤面が膠着するケースが非常に多く感じました。
そして盤面が膠着するということは、一手やカード一枚の差が雪崩のように影響して敗着に繋がるということでもあります。
そしてこの差は人為的なミスで発生するのはもちろん、後述のトリガーによっても引き起こされます。
何があると負けるか、相手がどんなトリガーを積んでいるかなどを考えたプレイングが必須になりますね。
2.トリガーは少なく弱いが、それでも積みたい
次に、(これも黎明期のカードがほとんどゆえ仕方ないのですが)トリガーのカードパワーの低さと少なさです。例えばアグロデッキが欲しがる「クリーチャーが残る除去トリガー」という縛りで見れば《アクア・サーファー》と、そこからかなり落ちて《マグマティラノス》のわずか2枚しかありません。さらに、使い捨ての呪文トリガーも1:1交換が基本であるため、「トリガーめくれたけど打点を削りきれず負け」という現象も頻繁に発生します。
しかし、前述の「一手が重いためトリガーがゲームを変えうる」点と、トリガー封じができるようなカードも《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》《聖霊王アルカディアス》くらいしかないことから、環境的にはもはや「トリガーは積み得」と言っていいレベルまで重要性が高まっています。ゲームが長期化することが多く、手札に来たトリガーを素で唱えることも現実的という点もこの傾向に拍車をかけています。
そんな中でも《デーモン・ハンド》《ホーリー・スパーク》《ナチュラル・トラップ》の三大トリガーに《アクア・サーファー》《バースト・ショット》を加えたVRトリガーサイクルは言わずもがな超強力で、色が合っていればとりあえず入るといっても過言ではありません。他にも《死の宣告》や《ドリル・トラップ》といった除去、とにかく軽くアグロでも手打ちがしやすい《スパイラル・スライダー》《火炎流星弾》やクリーチャー+おまけの《予言者コロン》《汽車男》、ドローの《ディープ・オペレーション》《ネオ・ブレイン》などが多く採用される傾向にあります。果てはアグロ同士の差し合いのために《双神兵カミカゼ》までもがギリギリ採用圏内として考慮される異常事態になっています。
システム上、現実のデュエマよりもわずかに多色化がしやすいため、強力なトリガーはタッチしてでも使えるようにしておきたいですね。
3.アドバンテージを取る手段が貴重かつ重要
これも1と関係してくるのですが、盤面で1:2以上の交換が取れるカードが本当に貴重です。1:3交換以上が狙えるカードはどれも7~8マナかかり、それ以下には(シールドを犠牲にしますが)《灼熱波》くらいしかありません。
故に、ドローやハンデスといった比較的安価な手段でアドバンテージを取り、間接的に盤面の優位を取ることが重要になります。《エナジー・ライト》や《ロスト・ソウル》などの重要性は言わずもがなですね。クリーチャーでは、ドローならキャントリップの《アクア・ハルカス》《光輪の精霊 ピカリエ》、アタックトリガーの《ウォルタ》。ハンデスなら《汽車男》《卵胞虫ゼリー・ワーム》などが特に強力です。いわゆる置きドローは《雷鳴の守護者ミスト・リエス》《屑男》《マーチング・スプライト》(なんと効果はそのまま4マナに超強化されました)がありどれも強力ですが、ドローに「手札が五枚以下なら」という条件が付いたことにはご注意を。
次いで、マナ加速によるアドバンテージです。純粋にカードアドバンテージを取れるマナ加速は《青銅の鎧》《アルティメット・フォース》くらいしかありませんが、《フェアリー・ライフ》等も採用して手早くフィニッシャーにアクセスするのは有用です。ただ、自然文明は不利な盤面を覆すのが苦手なので、サブカラーに別のフィニッシャーを用意しておくことをお勧めします。
アドバンテージで忘れてはいけないのが、ブレイクされたシールドから入る手札です。最近の紙のカードでは攻めが強すぎて忘れられがちですが、本来デュエマはルール上受ける側が有利になるゲームでした。
何度も言うようにカード一枚の価値が重いため、ビートダウンデッキでなければ盤面や手札枚数で優位を取ってから殴っていくのがセオリーになります。とはいえ、どこから殴り始めるかの判断は難しいところです。躊躇しすぎて先に殴ってきた相手に追い付けなくなっては本末転倒なので、今自分が攻めるべきか受けるべきかを考えるのが重要です。自分は「相手が増えた手札を捌き切れなさそうだな」と感じたら殴り始めることにしてます。
そうそう。狙ったカードを持って来ることで質的なアドバンテージを得る手段であるサーチや回収も、ことごとく「探索」というキーワード処理(指定された場所から3種類のカードがランダムで選ばれ、その中から選ぶ)に置き換わっています。状況に合わせてピン積みのカードを引っ張ってくる戦法はかなり厳しいと言えるでしょう。
いっそのこと、デッキ内の指定されるカードを3種類以下に抑えることで、確実に欲しいカードを持って来るというのもアリかもしれません。
なんだかデュエマの基本中の基本を書いてる感じになりましたが、本当に概ねこんな感じです。堅実さがより重要な環境と言えるでしょう。
最速環境デッキ予測
ここからは、それを踏まえて環境で活躍しそうなデッキを、サンプルレシピを添えていくつかピックアップしていこうと思います。
環境最速アグロ:ヴァルボーグ
まずは、環境定義の大前提となる環境最速のデッキがこちらの【ヴァルボーグ】です。紙のカードでは史上初めての「環境に通用する速攻デッキ」として結果を残したこのデッキは、当然プレイスでも猛威を振るいます。
1ターン目《凶戦士ブレイズ・クロー》から入れば妨害無しなら4ターンキルも狙える、文句なしの最速のビートダウンです。2ターン目ヒューマノイド→3ターン目《機神装甲ヴァルボーグ》はおそらくこの環境最強の動きで、並大抵のブロッカーをいとも簡単に粉砕してWブレイクを決めてくれます。今回の構築は水文明を足してトリガーとドローを補った形ですね。このように、カードプールの少なさを理由に(単色であることに何か理由がない限りは)トリガーと一部の有用カードをタッチする構築が増えると予想しています。
しかし、高パワーブロッカー(ひいてはそれによる殴り返し)と《デーモン・ハンド》をはじめとする除去トリガーに極めて弱く、一度マウントを取られると返し切れないという致命的な弱点があります。進化クリーチャー以外のパワーラインの低さから《バースト・ショット》《灼熱波》にも耐性がありません。
それでもハマった時の爆発力は間違いなく最強です。強さに加えて、ラダーを回していくうえでこの手の1ゲームが早いビートダウンは確実に発生します。環境においては常に意識しておく必要があるでしょう。
鉄壁の防御:ダイヤモンド・カッター
そんなビートダウンを食えるのが、こちらのガチガチのブロッカーデッキ【ダイヤモンド・カッター】です。紙のほうに存在したよく似た構築の【ダイヤモンドリエス】と呼ばれるデッキと同じような動きをします。
《雷鳴の守護者ミスト・リエス》のドローサポートのもとブロッカーを並べてタップキルをちらつかせ、相手の攻撃をシャットアウトしてから《ダイヤモンド・カッター》や《聖霊王アルカディアス》で制圧するという由緒正しきクリーチャーコントロールですね。
軽量ブロッカーはもちろん、キャントリップ持ちの《光輪の精霊 ピカリエ》や抜群のサイズを持つ《青嵐の精霊バルキア》のおかげで直線的に殴ってくる相手にはまさに無敵と言える耐久力を持ちます。今回は単色で組んでみましたが、ドローやトリガーのために水文明や闇文明をタッチするのも十分アリだと思います。また、《聖核の精霊ウルセリオス》を採用してさらにガッチガチにするのも楽しそうですね。
しかし、アンブロッカブルや《火炎流星弾》などブロッカー対策カードなどが完全に刺さってしまうのが痛いところです。バトルゾーンのクリーチャー数に上限があり無尽蔵の展開はできないことと、キーパーツを引くまで攻めることができないということもあり、相手の対策が間に合ってしまうこともあります。
とはいえ、一度完成した布陣は並大抵のことでは突破できません。どっしり構えて横綱相撲を見せつけてやりましょう。
抜群の対応力:青単リキッド・ピープル
ブロッカーに防御を頼るデッキを食えるのが、こちらの【青単リキッド・ピープル】です。ドローと展開・攻撃を同時に行い、最後はアンブロッカブルの《クリスタル・ランサー》で一気に勝ちをもぎ取るこれまた古き良き進化ビートです。
最軽量ブロッカーの《アクア・ガード》、青単専用の3マナ6000ブロッカー《アングラー・クラスター》のおかげで直線的なアグロに強く、さらに充実のドローで展開力も申し分ないものに仕上がっています。ブロッカーを出してくる相手には《クリスタル・パラディン》《クリスタル・ランサー》の二大進化クリーチャーで対応可能ですし、その他の厄介なクリーチャーは《スパイラル・スライダー》《アクア・サーファー》でバウンスしてその隙に攻め切ることができます。
あらゆる相手に対応できるのが魅力ですが、やはりビートであることには変わらないため進化元を《灼熱波》《バースト・ショット》で流されると対応できません。また、何でもできるがゆえにワンミスが大きく響くデッキでもあります。最適な行動を計算しながら動く玄人向けのデッキです。
また、単色で組まなくとも《アクア・ハルカス》《アクア・サーファー》《クリスタル・ランサー》(加えて、《アクア・ガード》)のラインは、水文明が絡むあらゆるデッキで採用できるお手軽パッケージになっています。リキッド・ピープルが見えたら《クリスタル・ランサー》で打点を詰められることを警戒しましょう。
コントロールの頂点:黒青系コントロール
最後に、ガチガチのコントロールデッキの紹介です。様々な形があると思いますが、今回はドロー・除去・ハンデスを繰り返して《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》で逆転の余地を与えず勝利する【ボルメテウスコントロール】風に仕上げてみました。私見ですが、今のカードプールでコントロールをやるなら除去が圧倒的に強力な闇文明をベースに、ドロー用の水文明を足して使うことになると思います。そこに求める要素をカバーできる色を足していく感じですね。
あえてクリーチャーを並べずに相手の除去を腐らせつつ、ハンデスと除去で時間を稼いで盤面を空にし続けて《ロスト・ソウル》→《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》で四回殴って勝つ、というのがこのデッキの理想形です。スピードアタッカーが少ない都合上、非進化フィニッシャーの返しに《デス・スモーク》という動きは非常に効果的です。ハンデスで相手の展開を絞っていると《死の宣告》も威力が増しますね。並べるデッキには《灼熱波》が有効です。環境唯一の相手のみの全体除去が使えるならシールド1枚なんて軽いものです。
今回はフィニッシャーに《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を採用しましたが、デーモン・コマンドに寄せて《悪魔神バロム》をフィニッシャーにしたり、いっそ《卵胞虫ゼリー・ワーム》などパラサイトワームに寄せて《魔獣虫カオス・ワーム》によるさらなる除去とビートを両立させるというのもありかもしれません。前述の《クリスタル・ランサー》パッケージを採用する手もあります。
コントロールの弱点は、処理が追い付かなくなったときに一気に崩れてしまうという点です。また、この構築なら《聖霊王アルカディアス》にほとんど完封されてしまうという脆さもあります。また、どちらかがコントロールだとライブラリアウトが現実的な勝ち筋・負け筋になることがあり得ます。デュエプレでは山札の残り枚数が常に表示されますので、決着がつかないようなら過剰なドローを控えて盤面対処に終始するというプランも忘れないようにしましょう。
結局どの色が強いの?
総括すると、盤面の取り合いとアドバンテージが重要なこの環境においてはハンデスと確定除去を擁する闇文明とドロー・バウンスを擁する水文明が強いんじゃないか、というのが北白河の結論です。この二色は《悪魔神バロム》《ロスト・ソウル》《クリスタル・ランサー》などフィニッシャーも充実しているのも魅力です。そこから一歩遅れますが、最速の攻撃性能と最優のフィニッシャー《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を持つ火文明と、優良ブロッカーと《聖霊王アルカディアス》擁する光文明も自身の持ち味を生かすことで食らいつくことが可能だと思われます。逆に、自然文明は加速こそ得意ですがフィニッシャーに盤面を触れるものがなく、環境にいまひとつ適応できていないように感じます。とはいえ、この先水・闇を採用したコントロールが隆盛してくるならば「ならば自然を足して相手より先に《ロスト・ソウル》《悪魔神バロム》に辿り着こう」というように、お呼びがかかることがあるかもしれません。
デュエプレの今後に期待する要素
最後に、βテストでは未実装でしたが正式サービス開始以降にぜひ実装・調整してほしい要素をいくつか挙げてみました(アンケートにも同じようなことを書きました)。正式サービス後にもコンテンツが追加される予定がある(前述の「超絶レジェンドバトル」など)そうなので、期待して待つことにしましょう。
リミテッド・ドラフトなどのモード
多くのDCGには、「ルールに従ってその場で手に入れたカードでデッキを組んで戦う」というモードが存在します(他社ゲー用語で悪いですが闘技場・2pick・ビルド戦なんて呼ばれたりしますね)。紙のデュエマで言えば、シールド戦やドラフト、トッキュー8なんかみたいな感じですね。
デュエプレには現状そういったモードはないので、ぜひこの手のゲームを実装してもらって、通常の環境とはまた違う遊び方をやってみたいです。
色の概念や進化クリーチャーなどが存在する以上適切なルールを考えるのは難しいかもしれませんが、通常構築だけでなくこういった特殊モードの環境を作ることでプレイヤー層の多様化を生むことができると思います。本当は北白河が遊びたいだけというのもありますが。
CPUの強化
βテスト時点でのソロプレイのCPUはちゃんと動いてはくれるのですが、「トリガーは対象がいなくても使う」「手札と盤面のリーサルをたまに見逃す」「盤面で負けが確定すると何もせずターンを返してくる」という癖があります。プレイヤーの絶対数の少ないβテストでは、たまにラダーの対戦相手(マッチング相手が見つからなかった時などに代わりに出てくる)としても登場するのでどうしてもひっかかります。
高難易度のソロプレイを実施するにあたってこういったCPUの弱点を突いて勝つようなプレイングはあまり求められていないと思うので、実装までにある程度強化をしてほしいなと感じました。
カードプールの見直し・強化
βテストでは、自然文明が「とにかく盤面に触れず、絶対的フィニッシャーが不在」「マナ加速だけはガチなのでそのためだけにタッチ」という不遇な文明になっていました。正式サービスまでの間にカードプールに修正を与えるのは難しいとは思いますが、何らかの救済が欲しいところです。《不落の超人》や《二角の超人》が悪いということは決してないのですが、《シェル・フォートレス》や調整版の《呪紋の化身》、今だからこそちゃんと活躍できるであろう《封滅の大地オーラヴァイン》互換のカードといった形で、自然文明の良さを生かしながら強化を図ってほしいですね。
幸いNarfやBuffといった手段の取りやすいDCGですので、よりよいバランスを目指して継続的な調整を行ってほしいなと思っています。もちろん、第二弾以降の拡張パックでの環境調整も大歓迎です。新しいカードが発表された際のワクワク感を楽しみに待つことにします。
起源神
最後はやはりこれですね。デュエマの顔である起源神がいないこと。またこいつ幻覚見てる……
そもそも7体までしか出せないデュエプレでどうやって実装するんだよとか縦に配置するのがスペース的に厳しいだろとかいう現実的な意見は置いといて、デュエプレで実装順を弄ってやれば意外とちょうどいいパワーのカードとして出せるんじゃないかと思ってます。
デュエプレならテキストを多少いじったりもできますし、《起源神核アトム》っていう名前にしたり《起源神プロトン》を5マナにしたりしてやることだって可能です。六枚揃えたらBGMが変わるとかもいいですね。なんてったって起源神はゲームを変える存在ですからね。ねえどうですかタカラトミーさん。現実で救済がないなら、デュエプレという世界で起源神に救済を与えてやってもいいんじゃないですか。ねえ。ねえってば。
もしカードとして実装できないなら、今からでもナビゲーターとしてコッコ・ルピコと一緒にニュートロン子ちゃんとか出してもいいんですよ?ほら、女性型だし擬人化したら意外と受けるかもしれないし……6人組アイドルユニットの一員みたいな設定で、メンバーを小出しにしていって……ダメ?
おわりに
というわけで、デュエプレでした。先行体験会とβテストを経ての感想ですが、運営サイドの「プレイヤーの期待に全力で応える」という意志を感じました。
黎明期を知っているプレイヤーも、知らないプレイヤーも。デュエマ経験者も、未経験者も。村民他DCGプレイヤーも、これが初DCGというプレイヤーも。あらゆるプレイヤーが楽しめる場所であるデュエマシティに、あなたもぜひ遊びに来てください。
最後に、ゲストライターに誘ってくださったガチまとめ運営様と、この記事を読んでくれた皆さん全員、それとデュエプレ開発メンバーさんたちに心からの感謝を。それでは、またどこかで。βテスト最高位はデュエルマスター77位の北白河でした。