このデッキはこんな人におすすめ! |
●安くて楽しいデッキが欲しい! ●ランダム性の高い派手な踏み倒しが好き! ●実用性関係なく、積みたいカードは積めるだけ積む派閥だ ●ちょうど13点のライフを持つ各プレイヤー |
こんにちは。あるいはお久しぶりです。『格安デュエマ研究所』研究員の北白河と申します。
今日も今日とて格安をやっていこうと思います。

210回目となりました当企画『格安デュエマ研究所』。

当企画はその名の通り、安くて楽しいカードを活かして格安デッキを研究する……という企画となっております。
さて。今回の主役は。
《 悪魔神フレアスポーン 》(70円)です。
NEO進化するとコストが低くなる便利なサイクルの一角にして、一見よくわからないコスト踏み倒し効果を持ったこのカード。ですが、上手く使えば「ズル」をしながら面白いカードを一気に2枚踏み倒せちゃうんですよね。
今回はこのカードを活かして、格安でデッキをやっていこうと思います。
例によってもう少し財布に余裕のある方向けの改造パーツなども紹介しておりますので、ぜひぜひ最後までお付き合いくださいませ。
ちなみに、デッキリストの「デッキ価格をシミュレーション」→「在庫チェック」から、直接カーナベルで購入に向かうことも可能です。検索なしで必要なカードにアクセスできてマジで便利なので、ぜひどうぞ。
目次
はじめに:この企画のルール
当企画『格安デッキ研究所』は、ガチまとめライターが持ち回りで低予算デッキを構築・紹介していく企画です。
何をもって「低予算」とするかは難しいところですが、当企画では「シングル価格の合計がクロニクルデッキ・ドリーム英雄譚デッキの定価(=およそ5000円)以内」という基準を設けさせていただきます。
(シングル価格は、執筆時点(2024/5/21)のカーナベル通販価格において最も安いバージョンの状態A(最高品)相当として計算。GPで出払うせいで直前の値段チェックのチャンスがない……!)

もちろんすでに持っているカードを使ったり、カード状態にこだわりがなければ、さらに安く構築することも可能ですね。
また、忘れてはいけないのが『安いデッキは高額デッキの代用品ではない』ということ。あくまで「安いけれど強い・面白い」と言えるような、独自性のあるデッキを追い求めていこうと思います。
デッキのコンセプト
さて。《 悪魔神フレアスポーン 》を活かすと決めたからには、テキストをよく確認する必要がありますね。このカードの目玉テキストとなるのが……
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚捨て、その後、自分の山札の上から2枚を表向きにする。こうして表向きにしたカードがすべてクリーチャーで、コストの合計がその捨てたカードのコスト以下なら、表向きにした2体を出す。そうでなければ、表向きにした2枚を手札に加える。
かなりまだるっこしいテキストですが、発生する事象は以下の通り。
- 出た時、手札を1枚捨てる。そのカードのコストをXとする。
- 山札の上2枚を表向きにする。
- その2枚が両方クリーチャーかつ、コスト合計がX以下ならそれらを踏み倒す。
- 条件のどちらかでも満たさなかった場合、それらを手札に加える。
余計まだるっこしくなったように見えますが、要するに「デッキをフルクリーチャー気味にしたうえで、デカいコストのカードを捨てるほど確実に踏み倒しができる」と読み替えられます。
事前に進化元を用意しておけば、なんと4マナ+手札1枚で2体のランダム踏み倒しに化けてくれるのはさすがに破格と言えるでしょう。
とはいえ、一般的なランダム踏み倒しと違って「捨てるためにデカいコストの生物を用意すると、そのカードを捲ってしまった時に踏み倒しが失敗する」というのは懸念点。なんとかしてこの問題を切り抜ける方法はないでしょうか?
コストの大小が問題になるときはツインパクトを調べりゃだいたい解決すんだよ!!!!!
ブーストと《 悪魔神フレアスポーン 》の進化元も兼ねる彼らは、ツインパクト特有の「任意の面のコストを参照できる」効果により捨てる対象にぴったり。
《 悪魔神フレアスポーン 》でめくったときだけちょっと弱いですが、それでも低コストなので踏み倒しの成功率を高められると考えればそこまで悪くありません。どこまで腐ってもブーストで後続展開のサポートもしてくれますしね。
さらに彼らが絡むとデッキのカラーリングは水・火・自然の三色がベースになるので、文明の合う《 アカシック・ゼノン 》を絡めることでインビンシブル呪文をぶっ放しながら走れるアタッカーへと変貌。
「派手な踏み倒しギミックのあるツインパクトデッキ」として、独自性を主張していけそうですね。
あとは、初動のカードに加えて《 悪魔神フレアスポーン 》で出したり 《 アカシック・ゼノン 》 で走らせたりして嬉しいカードを見繕うだけ!
条件としては、「ツインパクトで」「クリーチャー面が(2枚捲っても13コスト以内に収まるように)6-7コストくらいまでで」「水・火・自然のどれかが絡み」「強力な呪文面を持つカード」となるんですが……
なんで同じサイクルに全員いるんだよ!!!!!
《 アクア・スペルブルー/インビンシブル・オーラ 》は、デッキ内のインビンシブル呪文を運次第でぶっ放す最終兵器兼、鉄壁のシールド追加呪文として。
《 天雷龍姫エリザベス/インビンシブル・フォートレス 》は、デッキ内のインビンシブル呪文をトリガーに変える抑止力兼、シールド焼却による攻めの切札として。
そして《 第六戦街 ラヴ・ガトラー/インビンシブル・アビス 》は数合わせ変にどかすと全体除去を飛ばす爆弾兼、他の踏み倒しから唱えてゲームを終わらせる全体除去として。
……と、どれもまさにこのデッキが望む性能を持っていたのです。しかも都合がいいことに、みんな水・火・自然のどれかが絡むカラーリングかつちょうどいいコストのクリーチャー面、そして《 悪魔神フレアスポーン 》で捨てたい呪文面のコストを持ってるんですよね……!
ここまで条件が揃ったなら、普通なら狂気の産物となる構築……すなわち、「デッキ内の半分をインビンシブル呪文持ちツインパクトで埋め尽くし、合計260コストの特大の爆弾をフル搭載する」デッキが組めるのではないでしょうか!組むぞ!
というわけで、知性を捨てて完成したデッキがこちら。
デッキレシピ:200万円の、自分より20倍でっかい大根


お値段は4700円!当企画には珍しく、デッキの大半のカードが100~200円ちょっとするタイプの値段のかかり方をしています。
欲しいカードがありましたら、デッキリストの「デッキ価格をシミュレーション」→「在庫チェック」から直接購入も可能です。あんまり知られてないんですがめちゃくちゃ便利ですので、ぜひ一度試してみてくださいね。
カード解説
今回の主役
《悪魔神フレアスポーン》

【 NEOクリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 文明 火 / パワー6000 / コスト6
■NEO進化 :闇、火または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■NEO進化クリーチャーとして召喚するなら、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚捨て、その後、自分の山札の上から2枚を表向きにする。こうして表向きにしたカードがすべてクリーチャーで、コストの合計がその捨てたカードのコスト以下なら、表向きにした2体を出す。そうでなければ、表向きにした2枚を手札に加える。
70円
まだるっこしいテキストながら、このデッキでは限りなく「(インビンシブル呪文を捨てることで)山札の上からクリーチャー2枚を踏み倒す」と書いてある一枚です。具体的には、13コストのカードを捨てれば約99.79%(《 アクア・スペルブルー/インビンシブル・オーラ 》が2枚めくれた時以外)の確率で踏み倒しが成立します。
進化元がいればたった4コストで展開できるのはもちろん、6コストで素出ししてすらコスパは充分。手札さえあれば2枚目以降のこのカード自体が飛び出て踏み倒しの連鎖が始動することすらあります。
とりあえず、「出せそうなら出す」くらい雑に使ってもいいと思いますよ。時にはNEO進化で召喚酔いを消すのをメインに考えてもいいです。
どこかのペテン師のことは、忘れましょう。
初動クリーチャー
《哀樹 コシン》

【 クリーチャー 】
種族 デモンズ・レガシー / 文明 自然 / パワー1000 / コスト1
■このクリーチャーは攻撃できない。
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それがクリーチャーなら、手札に加える。それ以外なら、山札の下に置く。
110円
このデッキにおいてはヒット率100%の、手札の減らない1マナ進化元です。それ以上でもそれ以下でもありません。
微力ながら必要なパーツを探せたり、1ターン目をタップイン処理に充てても2ターン目に出せたりと、縁の下の力持ちとして活躍してくれることでしょう。
《 悪魔神フレアスポーン 》でめくったときのことは考えないようにしましょう。一応手札が増えるので、2枚目の《 悪魔神フレアスポーン 》の手札コストを確保しやすいというのはありますが……。
《炎怒 コアゲ》

【 クリーチャー 】
種族 デモンズ・レガシー / 文明 火 / パワー1000 / コスト2
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうしたら、カードを1枚引く。こうして捨てた手札のコストが6以上なら、カードをもう1枚引く。
55円
同じく、手札の減らない進化元です。高コストのカードを捨ててる限りは、ですが。
なんかデッキの半分くらいを占める13コストのカードを捨てて2ドローすれば、《 悪魔神フレアスポーン 》もきっと引けるはず。そうでなくても、手札の無駄牌を有効牌に変換する作用は見込めます。
こちらも《 悪魔神フレアスポーン 》でめくったときのことは考えないようにしましょう。手札がないとバニラになってしまうので、《 哀樹 コシン 》より悲惨かも。
ツインパクトの専門家
《マジック・H・コレクター/♪マジソンを 集めて早し ストリーム》

【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・サイバー・コマンド / マジック・ソング / 文明 水 / パワー6000 / コスト5
種族:マジック・サイバー・コマンド
■ジャストダイバー
■W・ブレイカー
■自分の手札にあるツインパクトカードに、「S・バック:ツインパクト」を与える。(ツインパクトカードを自分のシールドゾーンから手札に加える時、そのカードを捨ててもよい。そうしたら、自分の手札からツインパクトカード1枚の片側を、コストを支払わずに使う)
────────────呪文────────────
カード名:♪マジソンを 集めて早し ストリーム
文明:水
コスト:3マナ
種族:マジック・ソング
■自分の山札の上から3枚を見る。その中からツインパクトカードを好きな枚数選んで相手に見せ、手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。
110円
バトルゾーンにいるだけで、なぜか相手の攻撃を強烈に躊躇させられる一枚です。そりゃS・バックでインビンシブル呪文を踏み倒されるの見えてて殴ろうとするやついないだろ。
受動的なのは確かなんですが、手札に《 インビンシブル・アビス 》なんかを握ったうえでバトルゾーンに定着させると安心感が凄いですよ。これが出そうなら、手札にインビンシブル勢を確保しておくのも手です。
手札が枯渇している時などは呪文面で手札を稼げたり、貴重なアンタップインの水マナになったりするのもお忘れなく。
《アカシック・ゼノン》

【 クリーチャー 】
種族 サイバーロード / ジ・アンサー / 文明 水/火/自然 / パワー7000 / コスト5
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分のツインパクト・クリーチャーがあれば、山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
■自分のツインパクト・クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■各ターンに一度、自分のツインパクト・クリーチャーが攻撃する時、そのクリーチャーの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい。
170円
ツインパクト獣にSAと疑似的なスマッシュ・バーストを与えるお得な一枚です。 特に《 悪魔神フレアスポーン 》 からインビンシブル勢といっしょに出てくると宇宙。
これが手札にあって、ツインパクト獣といっしょにスムーズに出せそうな場合は、素出しする価値すらありますよ。特に《 キング・シビレアシダケ 》から3→5と繋がると、《 インビンシブル・テクノロジー 》が突然唱えられて大変なことになります。
地味についてるブーストも、のちのち各種カードの素出しに使えるのでお忘れなく。
インビンシブルなやつら
《シビレアシダケ/インビンシブル・パワー》

【 ツインパクトカード 】
種族 バルーン・マッシュルーム / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚マナゾーンに置いてもよい。
────────────呪文────────────
カード名:インビンシブル・パワー
文明:自然
コスト:13マナ
■このターン、自分のクリーチャーすべてのパワーを+8000し、「T・ブレイカー」を与える。(「T・ブレイカー」を持つクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
160円
追加のブースト兼初動進化元にして、インビンシブル呪文としては最弱の一枚です。殴る時しか強くないからね。
とはいえ最速3ターン目《 悪魔神バロムスポーン 》が狙えるのはこのカードだけの特権ですし、手札消費の激しさに目を瞑れば唯一無二の働きを見せてくれますよ。
《 アカシック・ゼノン 》と組むとSA3打点の奇襲が可能なことは一応覚えておきましょう。
《キング・シビレアシダケ/インビンシブル・テクノロジー》

【 ツインパクトカード 】
種族 バルーン・マッシュルーム / 文明 水/自然 / パワー2000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を好きな数、タップしてマナゾーンに置いてもよい。
────────────呪文────────────
カード名:インビンシブル・テクノロジー
文明:水
コスト:13マナ
■自分の山札を見る。その中から好きな枚数を選び、相手に見せてから手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
110円
こちらも追加の進化元。インビンシブルとしては即効性こそないものの使った瞬間超有利になれます。
手札からの派手なブーストの持ち主ですが、手札消費が激しいこのデッキではできれば0-1枚程度のブーストに留めておくのが吉。次のターンに出したいカードに合わせて調節しましょう。
《アカシック・ゼノン》が絡むとすごいことになりますので、手札にセットであった場合はできるだけ揃えにかかりたいですね。
呪文面が使えた場合は、とりあえず後でめくりたくない全カードを手札に加えておくのが丸いはず。《アクア・スペルブルー/インビンシブル・オーラ》がシールドに落ちていることが分かったらインビンシブル呪文だけ残すとか、《マジック・H・コレクター》がいるならとりあえず全種類のインビンシブル呪文を1枚ずつ手札に加えておくとか、状況に応じて最適な手札と山札を作ることを意識してみてください。
こうして手札が増えたら、2枚目以降のこのカードを出してインビンシブル呪文の素での詠唱を狙うのも手ですよ。
《天雷龍姫エリザベス/インビンシブル・フォートレス》

【 ツインパクトカード 】
種族 アポロニア・ドラゴン / メカ・デル・ソル / ナイト / 文明 光/火 / パワー5000 / コスト5
■自分のシールドゾーンから手札に加える呪文すべてに、「S・トリガー」を与える。
────────────呪文────────────
カード名:インビンシブル・フォートレス
文明:火
コスト:13マナ
■相手のシールドを3つまで選び、持ち主の墓地に置く。
110円
置いておくだけで相手のブレイクを躊躇させられるシステムクリーチャー兼、シールド焼却で一気に勝ちに向かえる一枚です。
基本的には立てておいて相手の攻撃の抑止力にしておくのがいいんですが、こちらも《 アカシック・ゼノン 》と絡むとほぼ《 ボルメテウス・サファイア・ドラゴン 》に化けてくれるのは覚えておきましょう。
インビンシブル呪文として見ると防御効果が皆無なので結構扱いが難しいんですが、威力はお墨付き。使ったら勝てる状況になると一気に重要性が増しますので、攻防の押し引きを考えて使っていきましょう。
《第六戦街 ラヴ・ガトラー/漆黒の裏六戦街》

【 ツインパクトカード 】
種族 ムートピア / サイバー・コマンド / 文明 水/闇 / パワー7000 / コスト6
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■呪文の効果によって相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。
■ラスト・バースト(このクリーチャーが破壊された時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
────────────呪文────────────
カード名:インビンシブル・アビス
文明:闇
コスト:13マナ
相手のクリーチャーを全て破壊する。
60円
呪文に選ばれない強固なブロッカーにして、呪文面でシンプル極まりない全体除去を放つ守りの要です。
クリーチャー面はラスト・バーストを前提としたやや後ろ向きなスペックながら、 実質「パワー7000以上はアタックすんな」と言わんばかりの影響力はなかなか大きいですね。 一応2打点ありますし、呪文トリガーの効かないアタッカーとして攻めに使うことも可能ですよ。
各種踏み倒しから呪文面を使えると特大の防御になりますので、そういう点でもある程度抱えておけると安心できます。
あと、このデッキでは唯一の闇文明のカードなので呪文面の素撃ちが困難なことは覚えておきましょう。
《アクア・スペルブルー/インビンシブル・オーラ》

【 ツインパクトカード 】
種族 リキッド・ピープル / ハンター / 文明 光/水 / パワー2000 / コスト7
■S・トリガー
■このクリーチャーが出た時、自分の山札をシャッフルし、その後、上から1枚目を表向きにする。そのカードが呪文なら、コストを支払わずに唱えてもよい。呪文でなければ、手札に加える。
────────────呪文────────────
カード名:インビンシブル・オーラ
文明:光
コスト:13マナ
■自分の山札の上から3枚まで、シールド化する。
220円
実質50%ほどの確率でインビンシブル呪文を踏み倒すびっくりトリガー兼、シールド枚数の回復が見込める一枚です。
このカードのおかげで、あらゆる角度からインビンシブル呪文をカウンターで食らわせるチャンスがあるのは嬉しいところ。素出しや素打ちはあまり考慮に入れていませんが、それでも仕事量としては絶大です。
《 インビンシブル・テクノロジー 》で山札をインビンシブル呪文だけにしてこのカードのヒット率を上げるテクニックはわりと使いますが、その場合山札切れにだけご注意を。
このデッキの回し方
①手札を大事にしつつ進化元と4マナを用意!
まずすべきは、進化元の用意。4マナ時点までに最低1体の進化元を確保しておくのが理想です。
進化元として優先度が最も高いのは、手札を減らさずに動ける《 哀樹 コシン 》と《 炎怒 コアゲ 》。とりあえず、初手にあれば2ターン目までに出せるようにマナ置きを考えましょう。
その次点として《 悪魔神フレアスポーン 》とマナカーブが噛み合う《 シビレアシダケ 》、末席として《 アカシック・ゼノン 》と合わせて呪文面の踏み倒しが狙える《 キング・シビレアシダケ 》が出てきます。もし手札にこれらのセットがあれば、優先して狙ってみるのも手です。
割と手札消費が激しいうえ多色率も高めのデッキですので、最低限《 悪魔神フレアスポーン 》+捨てるためのインビンシブル呪文を手札にキープできるように考えつつやっていきましょう。
②フレアスポーンで自在に踏み倒せ!
進化元入りで4マナ域に辿り着けば、《 悪魔神フレアスポーン 》の時間!NEO進化させたうえで手札からインビンシブル呪文を捨てることで、ほぼ確実に何らかのクリーチャーが2体登場します。
基本的には数に物を言わせてそのまま押し切るのが理想ですが、《 天雷龍姫エリザベス 》や《 第六戦街 ラヴ・ガトラー 》、《 マジック・H・コレクター 》などの防御的なカードが捲れたらいったん殴らずに準備を整えてみるのも手ですね。
また、デッキのオプションとして優秀なのが《 アカシック・ゼノン 》。ツインパクト獣と一緒に出てくればそちらをSA化しつつ呪文面を踏み倒せるので、一気に戦局を変えられます。
横にツインパクト持ちがいれば素出ししても強力ですので、《 悪魔神フレアスポーン 》が引けなかった際などは積極的に狙っていきましょう。
③インビンシブルをちらつかせて身を守れ!
このデッキは、現実的にインビンシブル呪文を使えるデッキでもあります。
攻めているならば、《 アカシック・ゼノン 》から。受けに回っても《 天雷龍姫エリザベス 》や《 第六戦街 ラヴ・ガトラー 》、《 マジック・H・コレクター 》《 アクア・スペルブルー 》などが絡めば相手ターンにインビンシブル呪文を使うチャンスがありますね。
単純な打点強化の《 インビンシブル・パワー 》やシールド焼却の《 インビンシブル・フォートレス 》は見たまんま攻めに使うカードで、シールド追加の《 インビンシブル・オーラ 》は守りに使うカードなんですが……ちょっとテクニックがいるのが残りの二つ。
まず《 インビンシブル・アビス 》は、全体除去によって攻めにも守りにも使えます。カウンターでの使用はもちろん、常にこのカードの存在をちらつかせておき、相手の展開の抑止力にすることは覚えておきたいですね。
特にS・バックを付与する《 マジック・H・コレクター 》をバトルゾーンに定着させたうえで手札に確保しておくと安心できますよ。
また、《 インビンシブル・テクノロジー 》は理想の手札と山札を作り出せるカード。ゲームプランに合わせて何を手札に持ってきて何を山札に残すかという選択が常に生まれます。
基本的にはクリーチャー面が5コスト以下のカードは全て手札に加えて山札から枯らしておくのが丸いですが、山札からめくりたくないカードがある場合はそれらのカードも引き抜いておいたりすることはよくあります。
疑似的なシールドチェックもできますので、「このゲームではどのカードを使いたいか」「そのカードを使うには手札と山札のどちらにいてほしいか」をしっかり考えましょう。
なんにせよ、こうして身を守っておくと中型クリーチャーで殴ったり《 インビンシブル・フォートレス 》で盾を焼いたりしているだけでそのうち勝てるという寸法です。
回り出すとけっこう山札の減りが早いデッキですので、さっさとゲームを畳んでしまいましょう。
採用候補のカード
まず真っ先にすべきなのが、インビンシブル呪文たちの見直し。どう考えても20枚もいりませんし、削れば削るほどツインパクトサポートや巨大呪文サポートも不要になっていきます。
《 悪魔神フレアスポーン 》で捨てることだけ考えるなら、究極的には《 シビレアシダケ/インビンシブル・パワー 》と《 キング・シビレアシダケ/インビンシブル・テクノロジー 》の2種8枚+αくらいで回るようになるんじゃないでしょうか。
で、そういうちゃんとしたルートを取る時にお勧めなのが……
《王来英雄 モモキングRX》

【 クリーチャー 】
種族 ヒーロー・ドラゴン / ジョーカーズ / レクスターズ / 文明 火/自然 / パワー6000 / コスト5
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、手札を1枚捨て、カードを2枚引く。その後、このクリーチャーから進化できるコスト7以下のクリーチャーを1体、自分の手札からこのクリーチャーの上に置いてもよい。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、このターン、このクリーチャーがバトルに勝つたびアンタップする。
880円
こちらの進化サポート系。《 悪魔神フレアスポーン 》を直接踏み倒せるようになりますし、《 王闘竜皇 ボルシャック・ドラゴン 》などの強力な進化クリーチャー・NEOクリーチャーと合わせて新たな軸でデッキを作っていけるはずです。
元のインビンシブルガン積みデッキの原型は留めなくなるでしょうが、強さと楽しさは保証しますよ。
また、そこそこ手札を捨てる構成上墓地利用とも相性がよさげな気配。闇文明を足して《 百鬼の邪王門 》を使う方面に派生するのもあるんじゃないでしょうか。
で、もうちょっとこのデッキらしいところで言えば……
《青銅のバンビシカット/「我が力、しかと見よ!」》

【 ツインパクトカード 】
種族 ドリームメイト / ハンター / 文明 火/自然 / パワー1000 / コスト2
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。(ガチンコ・ジャッジ:各プレイヤーは自身の山札の上から1枚目を見せ、それを一番下に置く。そのカードのコストが相手以上であれば、自分の勝ちとする)
────────────呪文────────────
カード名:「我が力、しかと見よ!」
文明:火
コスト:9マナ
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■相手のパワー12000以下のクリーチャーを1体破壊する。
■相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、カードを1枚引く。
50円
《怪盗妖精カサブランカ/「信じていたのに裏切られるなんて!」》

【 ツインパクトカード 】
種族 スノーフェアリー / 文明 水/自然 / パワー2000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
■自分のマナゾーンにあるカードは、すべての文明を持つ。
■カードを自分の手札からマナゾーンに置いた時、そのカードをアンタップする。
────────────呪文────────────
カード名:「信じていたのに裏切られるなんて!」
文明:水
コスト:6マナ
■S・トリガー
■コスト5以上のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
1980円
このへんの「上が小さくて下が大きいタイプのちゃんとしたツインパクト」を積んで、インビンシブルの連中の一部と入れ替えてみるのは手です。
特に《 怪盗妖精カサブランカ/「信じていたのに裏切られるなんて!」 》は非常に安定した3→5のマナカーブが作れるうえ、呪文面のバウンスで身を守りつつ《 悪魔神フレアスポーン 》等をセルフバウンスして再利用ができるんですよね。
他にも《 暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発 》でインビンシブル呪文の暴発に特化してみたりと可能性は様々。
どこまでインビンシブルに寄っかかり、どこまでインビンシブルなしでも動けるようにするか……というポイントを考えつつやっていって下さいませ。

おわりに
というわけで、インビンシブルの無駄遣いでした。
実はこのデッキ、もともとは「未踏のデッキの夢を見て」でやるつもりだったんですが……なんかギリギリ5000円に収まっちゃったせいでこっちに移行することになったんですよね。「インビンシブル20枚積むぞ!」という一発ネタが全面に出てるのもそのせいです。
とはいえ、先にゴール地点をド派手に設定したうえでそれを実現する手段を予算内で探してみる……というのはデッキ構築のスタート地点としてかなりアリですので、ぜひ「やってみたい」と思ったことを見逃さないようにしていってくださいませ。
それはそれとして、「実際に組んでみた!」「こんな改造はどう?」「十三恐怖症要素どこ?」などなど、感想やアイディアがあれば#格安デュエマ研究所でツイートしていただければ幸いです。

それでは、次の記事で。北白河でした。