メディアミックスなら「なりたくないっ」もさることながら「どこゾン」からもですね
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
いやあ。来てますね、『デュエキングWDreaM2025』。
「去年と比べてプッシュされるドリームレアを絞った代わりに、お祭り的に他のメディアミックスや既存の舞台の外側からもどんどんカード化する」みたいな予定なんでしょうか。
この路線の評判が良かった場合、来年以降には「でゅえまる。」由来のカードとかが出たりするんですかね。シンプルさを優先した結果、コロコロイチバンの付録みたいなスペックになったりは……さすがにしないか。
この企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマは、こちら。
《ARC REALITY COMPLEX》

【 NEOクリーチャー 】
種族 パンドラボックス / スチーム・ナイト / 文明 光/水/闇 / パワー25000 / コスト3
■NEO進化:光、水、または闇のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■プレイヤーが手札を1枚捨てた時、または自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚を表向きにし、このクリーチャーの下に置いてもよい。
■このクリーチャーの下のカードが6枚以下なら、このクリーチャーはバトルを行えず、離れない。
■このクリーチャーが攻撃する時、カードが7枚以上これの下にあれば、下にあるカードをすべて手札に戻してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーに「ワールド・ブレイカー」を与える。その後、コスト9以下のカードを1枚、自分の手札からコストを支払わずに実行してもよい。
というわけで、今回のテーマは《ARC REALITY COMPLEX》。
新弾のORにして、なんか異様に擦りがいがあることがわかって以来個人的に研究を進めている一枚ですね。やっぱりエスパーカラーなんだよな。
今回はこのカードを活かして、世界を曲げるどころか終わらせる夢を見ていこうと思います。
さて。今回の「やりたい事」自体はとってもシンプルなので、サクサク進めていきましょう。
このカード、要するに「攻撃時にカードを踏み倒せる、バトルゾーンを離れないクリーチャー」ですよね?それなら、絶対に考慮しなければならないカードが一枚ありますよね?そう。
そんなの《 オールデリート 》するしかねえだろ!!!!!
もし《ARC REALITY COMPLEX》の攻撃時に《 オールデリート 》が使えたなら、盤面・手札・シールドなど邪魔をする相手のカードが全部消えたうえで、離れない《ARC REALITY COMPLEX》が無人の野を駆け抜けてそのままダイレクトアタックを決めてくれるんですよ。
これで勝てないのは、相手に離れないブロッカーが立ってるときくらい。要するに、このコンボが決まれば99%くらいの確率で勝てるんですね。
ただ、そこはもちろん開発部も想定済み。当然踏み倒し効果は「9コストまで」という制限で対策されているので《 オールデリート 》は使えません。
何か繋ぎの踏み倒しを絡めるにしても、11コストのカードを踏み倒すには基本的にランダムや特殊条件が絡んでくることから、「確定デリート」までやるのはかなり骨が折れます。
進化元のバウンスで手札はたらふく稼げてるはずですから、踏み倒し先や《 オールデリート 》自体を手札に抱えるところまでは簡単なんですが……

その大量の手札そのものを踏み倒しのカギににすればいいのでは?
起動条件の関係で、進化元バウンスが成功すれば手札は最低でも7枚にはなるはず。
これに加えて、進化元稼ぎ手段として《 時空工兵タイムチェンジャー 》で《 深淵の洪怖 ソクトー=ソレクトー 》2枚を仕込んでおけば、2回分の誘発で差し引き2枚手札が増えて9枚。
そして件の《 ブレイン珊瑚の仙樹 》を使って3ドローすれば、差し引き2枚手札が増えて11枚。そう。11コストの《 オールデリート 》が、ピッタリ踏み倒せるのです。
しかも手札に万一《 オールデリート 》がなかったり《 深淵の洪怖 ソクトー=ソレクトー 》が仕込み切れなかったとしても、《 ブレイン珊瑚の仙樹 》を連鎖させれば《 オールデリート 》を探しつつ手札枚数を増やしていけるんですよ!
実質的に《 ARC REALITY COMPLEX 》と《 時空工兵タイムチェンジャー 》という、3コスト生物2枚による4ターン目即死コンボと考えると……
これは……『成った』か!?
というわけで、完成したデッキがこちらです。



《 ブレイン珊瑚の仙樹 》、踏み倒せるの水文明限定じゃねえか!!!!!
えーと……成立しませんね、このデッキ。以下、デッキが完成してテンションが上がってた時の文章です。自分への十字架として、とりあえずここに刻んでおきます。
『成った』……!(主観)
基盤は環境でも活躍する【光水闇COMPLEX】そのまんまに、受けの枠を前述のギミックに置き換えた形です。
特記事項としては、《 暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発 》の採用。はっきり言って文明確保のためではあるんですが、カウンターで《 オールデリート 》チャンスがあるのはまあだいぶ無法なわけで。
元レシピと同じく山札切れとかが怖いですが、それでもいいおもちゃになったんじゃないかと満足しています。
もうちょっと弄るとすれば、基盤となる小型生物たちも一気に総入れ替えし、各種手札補充や《 ロスト・ウォーターゲイト 》を優先して《 ARC REALITY COMPLEX 》をより確実に確保するとかですかね。あとはメタクリ除去手段とかもあってもいいかも。
いっそのこと元ネタの構築を一切無視してしまい、完全なコンボデッキの形にするのも楽しいかもですね。空いた枠にはパーツを探す手段と受け札を積みましょう。
ちなみにこのギミックは各種呪文ロックや《 一音の妖精 》で完全に対策されますし、そもそも《 オールデリート 》を使わなくても(受けや展開札兼用の)《 有象夢造 》や《 未ダ識ラヌ事象コソ我ノ楽シミゾ 》でジャストダイバーの追撃役を作るだけで95%くらいは勝てちゃうんですよね。
つまり今回のデッキは「決まったら95%勝てる」を「決まったら99%勝てる」にするための構築だったんですが……そのたった4%の向上のために、失われたものが多すぎる気もしますね。
「レアケースへの対応のために構築を進めた結果、そもそも重要なものを失ってしまう」というこの誤謬にひっかかるデッキビルダーは、この世に数多く存在します。
環境や勝率を見て本気でやるつもりなら、常に「そこまでやる意味はあるのか」「そのレアケースは割り切ったほうがよくないか」と自分に問い続けて最適なところを目指しましょう。
で、結局どうすんだよこのデッキ


というわけで、「大量の手札から《 ブレイン珊瑚の仙樹 》で始動して《 オールデリート 》に繋げる」というギミックに責任を取ったのがこちらのデッキです。
とりあえず、連鎖ギミックはそのままにして踏み倒し先に採用したのが《 龍素記号Mm スペルサイケデリカ 》。これを適宜挟むことで、《 ブレイン珊瑚の仙樹 》か《 オールデリート 》がめくれる限りは連鎖の継続が可能です。
そして山札がヤバくなったら、《 甲型龍帝式 キリコ3 》に進化。増えまくった手札を一気に山札に戻したうえで、ほぼ確定と化した《 オールデリート 》に繋ぎます。とりあえず、ここまで全部攻撃中にできるので、やりたいことだけはできます。
だいぶ出力はアレになりましたが、ひとまずこれで提出します。
さて。このデッキが真に「未踏」のデッキかを確認するためには、あと一工程必要です。それは。
デッキメーカーによる、先行研究チェックです。
キーパーツ数枚程度を含むデッキを検索することで、このアイデアが既出か初出があるかが見込める……ということですね。この検索結果が「1件」ならば、晴れて私は未踏の地に到達したことになります。
というわけで、《 ARC REALITY COMPLEX 》《 エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹 》《 オールデリート 》での検索結果は……!

『未踏』、達成……!
いやその、確かにそこそこ自信作ではあったんですが、完全に未踏だったのは驚きましたね。
一応、類似研究としては《 龍素記号Mm スペルサイケデリカ 》《 甲型龍帝式 キリコ3 》《 遣宮使 ネオンクス 》など様々な手段で《 ARC REALITY COMPLEX 》《 オールデリート 》を繋ぐギミックが見つかりました。
ただ、「オリジナルでも使えて」「全部手札から始動できて」「クリーチャー踏み倒しメタが効かない」という明確な優越点がある……というのはこのデッキが主張できるポイントです。ちゃんと自分が納得できる構築で未踏に辿り着けて本当によかった(特殊勝利のフレーバー)。
デリートはもうしばらくはいいかな……
というわけで、夢を見ていました。
今回の《 ARC REALITY COMPLEX 》《 オールデリート 》のように、何かしらの「やりたいけどできないこと」が見つかったら、「その『できない』を何らかの形で迂回できないか」と考えてみるのはデッキビルドの一つの手です。
デュエマのカードプールは膨大ですから、手間を惜しまずに少しずつ検索していると、夢を実現してくれる思わぬミッシングリンクが眠っている……かもしれませんね。
いやその、今回はマジでダメだったので謝るしかないんですが……。自分の作った十字架を自分で背負って、これからもやっていきます。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。