その強さとループデッキであることの2点において、殿堂カードの輩出が噂される【ジョラゴンジョーカーズ】。
全国大会2019でもBest8に5つの【ジョラゴンジョーカーズ】が入り、その強さを全国のプレイヤー達に知らしめたのは記憶に新しい。
《ジョット・ガン・ジョラゴン》本体が殿堂入りするのか?それとも《ガヨウ神》?《アイアン・マンハッタン》?いや、そもそも本当に殿堂入りするのだろうか。
私も長らく考えてきたことだが、そんな中《ゴッド・ガヨンダム》が公開される。
デュエマ 2019年6月発売、『青きC.A.P.と漆黒の大卍罪』のGRクリーチャーカード「ゴッド・ガヨンダム」をガン見せ!!
出典:コロコロオンライン
このカードの登場により、私の中であることが確定的になった。
『夏の規制で《ポクチンちん》が殿堂する。』
《ゴッド・ガヨンダム》で浮かび上がってきた開発の意図。そして全国大会2019で浮き彫りになった【ジョラゴンジョーカーズ】が規制されるべき決定的な理由。
何故、《ポクチンちん》は殿堂するのだろうか。
目次
【ジョラゴンジョーカーズ】もGR召喚デッキになる⁈
《ポクチンちん》が殿堂するであろう理由の裏付けとして、まずは《ゴッド・ガヨンダム》の話をしなければならない。
何故ならこのカードは開発がこれからどうしていきたいと考えているのかが透けて見えるテキストをしているからだ。
◉《ゴッド・ガヨンダム》から読み取れる開発の意図
《ゴッド・ガヨンダム》は、
- 『マナドライブ4(ジョーカーズ)』
- 『手札を捨てる効果』
という2つの点において、ユーザーを《ジョット・ガン・ジョラゴン》へ誘導している。
更に《ゴッド・ガヨンダム》がスーパーレアである以上、
『【ジョラゴンジョーカーズ】以外のデッキで運用してね!』
というだけのカードで終わるのはスーパーレアの魅力としては不十分であることが明白である。
つまり、この明らかに【ジョラゴンジョーカーズ】向きのGRクリーチャーが『スーパーレア』であることから、開発側は《ゴッド・ガヨンダム》を【ジョラゴンジョーカーズ】でも使って欲しいと考えているのではないかという仮説が立てられるのだ。
◉『マンハッタンループ』の存在
しかしここで一つ大きな問題が浮上する。
《The ジョラゴン・ガンマスター》という強力なカードが配られている現状でも【ジョラゴンジョーカーズ】はGR召喚を積極採用していない。
そしてこれは《ゴッド・ガヨンダム》が追加されたとしても、さして変わらないだろう。これは何故か。
勿論『マンハッタンループ』の影響である。
『マンハッタンループ』は決まってしまえばシールドが何枚あっても防ぎ切れないほどのクリーチャーが並ぶ上に、相手の手札・マナ・バトルゾーンを全て吹き飛ばす非常に強力なループだ。
現状この『マンハッタンループ』がフィニッシュ手段として余りにも強力すぎるため、GR召喚のギミックを取り入れるよりも『マンハッタンループ』に注力した方が強いデッキになるという事態に陥っている。
よって開発は【ジョラゴンジョーカーズ】でもGR召喚が積極採用されるようにするため、『マンハッタンループ』に規制をかけると考えられるのだ。
何故ポクチンちんなのか
では『マンハッタンループ』に規制をかける上で、何故《アイアン・マンハッタン》や《ガヨウ神》ではなく《ポクチンちん》を殿堂させる必要があるのか。
◉理由その1:【ジョラゴンジョーカーズ】をあまり弱くしたくない!
今回《ゴッド・ガヨンダム》で判明したように、開発はこれからも【ジョラゴンジョーカーズ】を“強化”しようとしている向きがある。
『マンハッタンループ』には消えて欲しい。しかしGR召喚は使って欲しい。
故に「今」の【ジョラゴンジョーカーズ】を規制し、「未来」の【ジョラゴンジョーカーズ】を強化していく可能性が高いと私は考えている。
そこで今回『マンハッタンループ』を規制するとなった場合も、【ジョラゴンジョーカーズ】をデッキコンセプトレベルで崩壊させる気は全く無いものだと予想されるのだ。
むしろ今後強化していく「未来」の【ジョラゴンジョーカーズ】を思えば、『マンハッタンループ』を消した上で一番強い状態の【ジョラゴンジョーカーズ】を残したいだろう。
そうすると《ガヨウ神》と《アイアン・マンハッタン》はこれにそぐわない。この2枚は【ジョラゴンジョーカーズ】のシステムの根幹とも言えるカードであり、殿堂した場合デッキコンセプトの崩壊にも繋がりかねないからだ。
だからこその《ポクチンちん》である。
【ジョラゴンジョーカーズ】を弱くしすぎないまま『マンハッタンループ』を止めるにはここしかない。
◉理由その2:《ポクチンちん》の殿堂はループにとって致命的!
『マンハッタンループ』は意外に柔軟性が高く、ループパターンやループパーツを他のもので代替できることが多い。
例えば《アイアン・マンハッタン》が殿堂したとしても同じ役割を持てる《ザンジェットW7》があるせいで『マンハッタンループ』は止まらない。
《ガヨウ神》が殿堂したとしても、《燃えるデット・ソード》を組み込んだ《ガヨウ神》1枚でループできるループパターンがある以上、根本的な解決には疑問が残る。
しかし代わりのきかない《ポクチンちん》の殿堂は《ジョット・ガン・ジョラゴン》2枚下でのループを完全に消し去る。《アイアン・マンハッタン》のように代替カードも無い。
つまり『マンハッタンループ』のみに関して言えば《ポクチンちん》の殿堂は、《アイアン・マンハッタン》や《ガヨウ神》の殿堂よりも大きな打撃を与える点で今回の殿堂に適していると言えるのだ。
◉理由その3:《ポクタマたま》は《ポクチンちん》じゃない!
ここで更にもう一つ《ゴッド・ガヨンダム》の登場により読み取れるようになった開発の意図がある。それは《ポクタマたま》との比較によって現れた。
《ゴッド・ガヨンダム》は《ガヨウ神》同様に手札を捨てながらドローができるといった『マンハッタンループ』においてノンストレスなデザインである。
しかし《ポクタマたま》は《ポクチンちん》と違って自身の墓地を山札に戻せない。『マンハッタンループ』には寄与出来ないテキストなのだ。
何故わざわざ《ポクタマたま》だけが『マンハッタンループ』においてノンストレスなデザインにならなかったのか。
これは《ポクチンちん》が殿堂した際、『マンハッタンループ』の脆弱性をより致命的なものにするため、意図してデザインされたものだと私は予想した。
たとえ《ポクチンちん》が墓地に落ちても、それを救う第2の《ポクチンちん》は現れない。
そのため《ポクチンちん》殿堂後の『マンハッタンループ』は、何かしらで《ポクチンちん》が墓地に行った瞬間、そのゲームではループが不可能になるといった脆弱性を持つことができるのだ。
前述した通り『マンハッタンループ』を【ジョラゴンジョーカーズ】から取り除くといった目的を開発が持っていると仮定するのであれば、《ポクチンちん》の殿堂+《ポクタマたま》のデザインは非常に筋の通ったものとなっている。
『マンハッタンループ』の致命的な欠点
これらの理由により、私は次の殿堂発表で《ポクチンちん》が殿堂入りすると考えているのだ。
また最後になったが『マンハッタンループ』が規制されるであろう大きな理由がもう一つある。
それは全国大会2019を観てた人ならわかるであろう。
圧倒的な『動画映りの悪さ』である。
ループに入るまでの駆け引きや《ガヨウ神》のチェインは見てて面白いが、いざループ証明に差し掛かるとウィンドウを閉じてしまう。
そして数分後もう終わってるかなーと開くと次は『デットソードループ』の証明をしていて、また閉じる。更に数分後、また開いて確認する。
【ジョラゴンジョーカーズ】環境となった全国大会2019は正にこれの応酬であった。
テンポの悪さや視聴者の冷めるポイントが目立ち、動画や配信といった点からはとても褒められたデッキではない。
これは小中学生が活用するメディアの流行が動画・インターネットへと完全に移行した現代において、大変に致命的なことだ。
特にあらゆる点においてビジュアル面を重要視してきたデュエルマスターズがこれを許すとは思えない。
以上の点も含めて、《ポクチンちん》の殿堂は確定的だろうと私は考えた。
終わりに
もし【ジョラゴンジョーカーズ】が『マンハッタンループ』を無くしたら、次は一体何を見せてくれるのだろう。
開発の意図通り、【ジョラゴンジョーカーズ】もGR召喚を使う未来に辿り着くのだろうか。
場合によってはGR召喚をメインギミックとした新しいジョーカーズのコンセプトが登場するかもしれない。
今年も躍動するであろうジョーカーズたちから、目が離せない。