文責 西川航平
就職。言わずもがなそれは人生を左右する一大イベントである。
どのような企業で働くかによってそのライフプランも大きく変わる。
社会人の読者諸兄はその選択の際に大いに悩んだだろうし、学生にとってもこれから確実にぶつかる問題である。
しかし、だ。自身の分身ともいえるデッキ、カードたちがどのような環境で働いているのか知っているプレイヤーは少ないのではないだろうか。
今回は環境デッキたちがどのような労働環境を提供し、カードたちがいかにして働いているか、その実態に迫ろうと思う。
目次
1、それは学閥が支配する世界!~ジョラゴンホールディングス~
代表取締役社長《ジョットガンジョラゴン》
出典:デュエルマスターズ
企業理念~攻めてよし、ループしてよし。状況に応じた選択肢をお客様に提供する~
平均年収 900万デュ円 3年後離職率2.4% 有給取得年平均23.4日
週休 完全2日制 残業(月)6.1時間 年末年始休暇 連続7日以上
株式公開 デュエ証777 倍率 12.5倍
ジョラゴンホールディングス。まごうことなき一流企業であり、政府(開発)からも大きな支援を受けている。
ちなみに筆者もこの企業の製品を愛用しており、思い入れも深い。
そんなこの企業の特徴は、まずは何といっても学閥(同じ学校の出身者で構成される派閥)の持つ力の大きさだろう。
それは他の企業の比ではない。
「ジョーカーズ大学」(ただし《東大センセー》は落ちた)を出ていなければ、そもそも受験資格がないのだ。(他大学で登録すると説明会の予約が取れない)
ー御社の従業員は95%(40枚中38枚)がジョーカーズとなっている。これはいくらなんでも偏りすぎではないか?-
私の問に答えたのは彼だった。
出典:デュエルマスターズ
《ガヨウ神》経理部長。資金調達を担う大番頭だ。
《ガヨウ神》「我々ジョーカーズの能力発動には、同じジョーカーズの仲間が必要なんです。その能力を十分に生かせる環境づくりをすることは当然ではないでしょうか」
ーそれはそうかもしれませんが……-
《ジョットガンジョラゴン》「学歴フィルターなどという批判があることは承知していますが、これは経営上合理的な判断なんです」
《ガヨウ神》「それに、会社に有益であると判断すればジョーカーズ以外からも採用しています。ね、《ニヤリー》さん」
出典:デュエルマスターズ
《ゼロの裏技ニヤリーゲット》「私は出向先としてここに受け入れて頂いた存在ですが、最近では中途採用された方もいますよ。《光牙忍ハヤブサマル》さん、でしたかね」
《ジョットガンジョラゴン》「文明を持つカードを入れるとニヤリーさんの仕事効率が落ちてしまいますからね。歓迎できる話ではなかったと思うんです。その代わりといっては何ですが、《アイアンマンハッタン》の枠を一部《ザンジェットW7》に変更しました」
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
ー社内調整にも、かなり気を配っている、とー
《ジョットガンジョラゴン》「もちろんです。少しでも環境が変わると、それは仕事の効率に大きく影響しますから。そのバランスをとるというのは、トップの重要な役目です」
《ゼロの裏技ニヤリーゲット》「しかし、《光牙忍ハヤブサマル》さんの採用に最後まで反対していたのは私ではなく……」
出典:デュエルマスターズ
《キングザスロットン》「《ニヤリー》さんはいつ引いても活躍するカードだから、それは構いません」
どことなくとげのある口調で彼は言う。
しかし彼の立場からすれば、それも仕方のないことだろう。
ジョーカーズでない社員が1枚社内に入ることで彼の登場時効果成功率は100%から92.3%に落ちた。
当社の目玉商品の1つは《ジョットガンジョラゴン》の攻撃時に発動する《アイアンマンハッタン》からの《キングザスロットン/7777777》で成立するリーサルプラン。
営業部として売り込みを行う上でこの8%の差は大きいはずだ。
これに《光牙忍ハヤブサマル》が加わることで成功率は85%となった。
出典:デュエルマスターズ
《キングザスロットン》「しかしあのカードは別です。使わない時はとことん使わない。我が社の強みを生かすという際に活躍することは全くないんです」《ジョットガンジョラゴン》「だが、速攻デッキの存在は無視できん。一定の勝率を保つためには彼の力が必要だ。君には迷惑をかけてすまないと思っている」
《キングザスロットン》「まぁ、GR召喚というギミックが生まれ、コストがばらつくようになってから私の対応力も落ちているので、やむなしなんですがね」
不満はあれど、理解はしている様子だ。
この信頼関係というのも、「ジョーカーズ」という絆で結ばれているからなのかもしれない。
社員の声
2コスト/パワー2000/Yさん
出典:デュエルマスターズ
「待遇は本当に良いですね。私たちジョーカーズって、例外はあれど、基本的に一緒にいないと能力を発揮できないんです。それは社長である《ジョットガンジョラゴン》も同じです。なのでなんというか、一蓮托生という思いが社内にある。仲間という感覚を首脳陣も持ってくれていて、得た利益もかなり私たちに還元してくれています。なので働き甲斐はすごくあります」
3コスト/パワー2000/Pさん
出典:デュエルマスターズ
「うちの社長はスゴいんです。もちろんみんなで頑張って仕事しているんだけど、最後の大事なところは社長がバチっと決めてくれる。
スゴすぎてたまに社長が2人や3人に増えているようにも見えるんですよ。そういうときって相手のマナやら手札やらがすごい勢いで減っていくんですよね。なんなんだろうなぁ、あれ。
あと、社長が出る時って僕たちに帰っていいよーって言ってくれるんです。だから結構な頻度で定時より早く帰ってパーリナイトできる。これは正直ありがたいですよねw」
3コスト/パワー3000/Pさん
出典:デュエルマスターズ
「私は他の会社で働いていたこともあるんです。
私の特技が墓地を綺麗にすることと踏み倒しをさせないっていうものなんですけど、これが結構便利みたいで。
なのでいろんな企業から声がかかったんですよ。君の力が必要だって。
でも、入社してみたらびっくりですよ。『お前色ねーのかよ、事故るじゃねーか。使えねー』って。
そんなの採用する前から分かってることじゃないですか。なのに他の社員からそれでいじめられて……。
どん底にいた私を拾ってくれたのが、この会社なんです。
それまでのトラウマがあったから私言ったんですよ。
『無色の私でよろしいんですか』って。そしたら社長はこう言ったんです。
『いいに決まってんじゃねーか!俺だって無色だよ』って。『お前がいないとループできねぇ、だから頼む。一緒に働いてくれ』
……あの言葉は嬉しかったですよ。他の会社での私は、ただただ相手の邪魔をすることだけが仕事だったんです。
でもここでは、私の能力をプラスの方向に使ってくれる。あの時、私はこの会社で骨をうずめる覚悟をしたんです」
8コスト/パワー2000/Bさん
出典:デュエルマスターズ
「職場の雰囲気が温かいというのは、やはり大きな魅力ですよね。
ミスしてもそれを全員でカバーしようというそういう優しさがあるというか。それが馴れ合いで終始するんじゃなくて、みんなで改善策を考える。
私は守衛の仕事をしているんですが、最近では相手が早すぎて、情けない話後攻だとトリガーしても除去できない、なんてことも出てきまして。そしたらみんな必死になってどうやったらジャンケン勝てるのかって会議しだして。
バカでしょう?でもなんていうか、ジョーカーズってそういうところあるんです。そんなことされたらこっちも気合入れないわけにいかないですよ。
そういういい刺激がもらえる会社だと思います。入って損は絶対ないですね」
9コスト/パワー12000/Dさん
出典:デュエルマスターズ
「この会社の魅力はやっぱ、ジョーカーズが一番輝けるってところだろうな。他のやつらが言うように、雰囲気とか待遇とかもちろんそういうのもあんだろうけど、どんなジョーカーズにもチャンスくれるってとこがすごいところさ。
ぶっちゃけ、うちのメンツってみんな優秀なわけよ。ジョーカーズ企業なら、ガンバト工業やジョニー電機に行ったって活躍できる。
ま、俺や《アイアンマンハッタン》は無理だろうけど。そんな俺が何で活躍できるかって言ったら社長の『ジョラゴンビッグ1』のおかげよ。これは強いだけじゃねぇ。ジョーカーズにとっての希望だ。この力なら、あらゆるジョーカーズを活かすことができる。全てのジョーカーズに活躍のチャンスを与えてんだ。仕事ってのはやりがいがなきゃいけねぇ。この会社はそれを与えてくれる。だから俺はここで働いてんだろうな。」
総評(5点満点評価)
・報酬4.5
社員の年齢層がかなり若いことを考えると、平均年収900万デュ円はかなり魅力的。株式の過半数を社長である《ジョットガンジョラゴン》、首脳陣含む多くのジョーカーズで持っており、まさにジョーカーズにとっては理想的な環境と言える。利益は社員にもしっかり分配するという方針のため、これから業績が伸びれば報酬もさらに上がる見込みあり。
・労働環境(社員満足度) 4.7
強制されてではなく自然発生的に生まれた仲間意識が強いというのは、それだけで会社の大きな魅力の1つである。全員がやりがい、誇りをもって仕事ができるというのは非常に大きい。社長である《ジョットガンジョラゴン》が活躍する際には早あがりとなることも多いため、自由な時間も取りやすい。有休の取得日数も今回の調査の中で最多である。ただし、《アイアンマンハッタン》《ガヨウ神》《ポクチンちん》氏の労働時間がどういうわけか他に比べてかなり長い。これは今後改善していく必要があるだろう。
・競争力4.8
どのような会社相手にも立ち向かえる強さを持つ企業である。赤白轟轟轟ファウンデーションや青ムーソリューションズなど、確かに苦手な相手はいるものの、それでも全く勝てないということは無い。この安心感を提供できるというのはこの企業の魅力だ。また、遅いデッキやいわゆる地雷デッキを軒並み圧倒できるということも忘れてはならない。
・将来性4.7
なんといっても、政府(販売元)のお墨付き企業(主人公デッキ)であるというのはこの企業のみが持つ圧倒的なアドバンテージである。軽減税率の適用(制限がかかりにくい)、優秀な人材の斡旋(新規カード増刷)などの優遇を受けており、ただでさえ高い競争力をさらに引き上げている。我が国の首脳(主人公)は定期的に変わるものの、現首脳はまだ任期3年目に入ったばかりであり、さらに支持率(売上)も好調であることから、この政府支援が長く続くことは間違いない。
また、政府を抜きにしても『ジョラゴンビッグ1』という特許は新たにジョーカーズが生まれるたびに強化される能力であり、その将来性には大きな期待が持てる。
ただし一部の国民からジョラゴンループは強力すぎるため、軽減税率を撤廃せよとの声もあがっている。これを加味して少しマイナス評価をしておく。
・社会貢献度3.8
状況に応じて攻め、ループの選択肢を選べるのは消費者にとって極めてありがたい。《アイアンマンハッタン》2枚の場合のループを除けば使用方法も簡単であり、満足度の高い商品を送り出しているといえる。政府のプロジェクトにも大きくかかわっており、その点で社会貢献度は極めて高いといえる。
しかしながら、一部採用を行っているとはいえやはりジョーカーズ以外には異様に狭き門であること、広く門戸を開いているとはいい難い状況から他の項目に比べ低く評価した。
まとめ
間違いなくこれから伸びていく業界である。
それを抜きにしても十分に戦える力を持っている上に政府支援も受けている。盤石といって差し支えないだろう。
また、入社時に幹部候補とそれ以外というような区別を行っていないため、実力次第でどこまでも上を目指せるやりがいのある職場といえよう。
極めて魅力的な企業であるが、入社するには兎にも角にも『ジョーカーズ大学』に入る必要がある。難易度は高いが、それに見合うものはあるはずなので目指すのもいいだろう。既に別の大学にいるという方は、『ジョーカーズ大学』の大学院に進み学歴ロンダリングをするという手段もあることを付け加えておく。
2、光なのに超絶ブラック!?~絶十技研~
CEO 煌メク聖戦 絶十
出典:デュエルマスターズ
経営理念~コスト軽減の快感、新感覚のカード連鎖を提供する~
平均年収 207万デュ円 3年後離職率14.7% 有給取得年平均2.1日
週休 規定なし 残業(月)89.2時間 年末年始休暇 規定なし
株式公開 デュエ証9314 倍率 2.4倍
絶十技研。圧倒的なコストカットによる廉価販売とそれに見合わぬ高い品質で業界内外から注目を集める新進気鋭の企業である。
特にGR施行法(GR召還を普及させるため、実態を問わずすべてのGR召還をコストを払ったものとみなす法律。一部の踏み倒しメタから強烈な反対があったが政府により強行採決された)が制定されてからの発展は目覚ましく、たびたびメディアでも取り上げられている。
その一方で、社員から労働基準監督署への訴えが相次ぐなど、何やら良くない噂も耳にする。
今回はそこについても掘り下げていこうと思う。
ー最近御社の株価はうなぎ上りですね、その秘訣は何なんでしょうかー
《煌メク聖戦絶十》「やはり、GR施行法の影響は大きいです。それを活かすため採用した《音奏ハイオリーダ/音奏曲第3番「幻惑」》君の活躍は目覚ましいですよ」
出典:デュエルマスターズ
ーその《音奏ハイオリーダ/音奏曲第三番「幻惑」》氏と共謀し、かつての功労者《煌龍サッヴァーク》氏を追い出したとまことしやかにささやかれていますがー
《煌く聖戦絶十》「その認識が間違っているとは言いませんが、共謀というのは少し人聞きが悪いですね。《煌龍サッヴァーク》さんは少し押しつけがましかったんですよ。私の軽減システムが無ければ登場することすらできないというのに、『俺がお前らを守ってやってるんだ』と。何様のつもりかと」
出典:デュエルマスターズ
《煌く聖戦絶十》「それに彼主体の戦い方では受けの強い相手やループ相手に苦労したんです。耐性があるとはいえ、基本的には殴るだけですから。そこは改善したいと前々から思っていました。その点GRを展開するプランなら、ユニバース堂に外部委託してどのような企業にも有効な特殊勝利プランが安価で使える」
出典:デュエルマスターズ
ー社員の待遇についてたびたび問題になっていますが、その点はどうお考えですか?-
《煌メク聖戦絶十》「企業の利益というのは言うまでもなく(売上)マイナス(費用)です。私は経営責任者として、この利益を最大化しなければならない。削れるコストを削って何が悪いのですか?」
ーしかし、それにしても御社の労働条件は酷いのでは?-
《煌メク聖戦絶十》「裁きの紋章たちが不満を持っているのは知っています。ですがね、それなら別にやめてもらって構いませんよ、うちとしては。
辞めたいといった社員を引き留めるなんてことしたことありません。現に《煌龍サッヴァーク》さんは他の企業で再就職しています。それができないのは彼らの能力不足が原因です。それを雇って仕事を与えているんだから、感謝こそされど文句を言われる筋合いはありません。」
ー《煌メク聖戦絶十》さんの技術も、裁きの紋章さんたちが無ければ活かせないものではありませんか?本質的には彼らと同じではないんですか?-
《煌メク聖戦絶十》「……そうですね、能力的にはその通りでしょう。でもだからこそ、私は自らの力を最大限活かせるよう会社(デッキ)を立ち上げた。でも彼らはそれをしなかった。聞いたことがありますか?『《憤怒する破面の裁き》コントロール』『《転生の正裁ℤ》エンジン』『《魂穿つ煌世の正裁Z》除去コン』なんて名前を。ありませんよね?それは彼らが行動しなかったからです。大きなリスクを背負う代わりに人より多くの利益を得る。それが経営者であり起業家です。そのリスクを背負わなかった者がリターンだけよこせなどふざけるなという話です。デッキはお前たちの母親ではない。私はそう言いたい」
《煌メク聖戦絶十》「あと、うちの会社データ、間違ってますよ。あれは一般職の平均でしょう?困ります、きちんとしていただかなければ」
ー申し訳ありませんでした、別途総合職の分も記載させていただきますー
(追記)絶十技研(総合職データ)
平均年収2034万デュ円 3年後離職率9.6% 有給取得年平均 34.2日
倍率4.1倍
週休 完全2日制 残業(月)1.2時間 年末年始休暇 連続10日以上
社員の声
・2コスト/呪文/Hさん
出典:デュエルマスターズ
「労働条件は全体的にかなり悪いんですが、やはりサービス残業が長いというのが一番きついですね。
与えられた自分の仕事(呪文の効果)をこなしても、すぐに帰れるということはありません。
デスク(シールド)に貼り付けられて残業です。で、しばらくしたらもう要らないと捨てられる(サバキZ)。正直やめられるものならやめたいです」
・3コスト/呪文/Tさん
出典:デュエルマスターズ
「他の方も言っているとは思いますが、そりゃこんな会社辞めたいですよ。
でも、やめてその後どうすればいいんですか?私にとって強みはサバキZくらいのものです。それを抜きにしたら《トライガードチャージャー》さんに適うところなんてありません。そして私の強みを活かせるのは、ここしかないんです。
生活もありますし、酷いとわかっていてもやめられませんよ。……はぁ」
・4コスト/呪文/Sさん
出典:デュエルマスターズ
「転職というのは、もちろん考えました。でも、そのためにもお金がかかりますよね。うちはご存知のとおり《漆黒戦鬼デュランザメス》もびっくりするほどのブラック企業ですから、転職活動するためには会社を辞めてから行わなければなりません。休みなんて取れないですからね。会社を辞めるとなると、その前に貯金を作らなければなりませんが、この会社で働くうちは貯金なんてできっこない。詰んでますよね。それでも何とかなけなしの金をためても、まだダメです。私たちは社員寮に住んでますから。これは退職と同時に出て行かなければなりません。うちのうまいところというかいやらしいところがこの社員寮で、敷金と家賃はかからないんです。これに乗せられて契約してしまう人も少なくない。その代わり給与が抑えられて、礼金がべらぼうに高い。要は、とてつもなく辞めにくいようになっているんです。退職すること自体は可能ですが、再スタートが極めてやりにくいように設定されている。まぁそもそも、再就職先があるかも怪しいですけどね……」
総評(5点満点評価)
・報酬 1
最低賃金ギリギリのライン。下回っている可能性すらある。社員の多くが他の企業(デッキ)で活躍できないのをいいことに、働きにまったく見合わない低い報酬となっている。その分役員報酬はきわめて高いものとなっており、搾取の構造が明確に出来上がっている。CEOである《煌メク聖戦絶十》氏の考え方を聞く限り、これが改善されることはないだろう。
・労働環境(社員満足度)1社員の声からもわかるとおり、その多くが不満を持っている。シールドに貼り付けられる残業業務には一切賃金(マナ)が支払われておらず、その後無情にも墓地に送られる。また、《転生の正裁Z》など任意効果を持つ呪文はGR召還のためだけに使われ社員(呪文)本来の性質を活かされないケースも見受けられる。
・競争力 4.5
企業全体としてみたときに、やはり競争力は高い。《魂穿つ》による防御能力、《絶十》によるコスト軽減、大量のGR展開、それを特殊勝利に変える変換能力と、隙がない。使用難度は高くユーザーは選ぶものの、その力は押しも押されぬトップ企業と呼んで間違いない。
・将来性 4
GR召還というギミックを使う以上、これから先もGRのカードプールが増えるたびに強化されることが容易に想像できる。また《煌メク聖戦絶十》のコスト軽減ギミックにより、光の重量系強力カードが増えるたびにこちらの面からも強化される。
しかし社員たちの高まる不満は大きな不安材料だ。
・社会貢献度2.5
その堅実な強さから、多くのユーザーに貢献していることは間違いない。
他企業からも無視できない存在として注目を集めている。
しかしながら、人材を使いつぶすかのような経営方針というのは決して歓迎されるものではない。人材(カード)というのは、何もないところから生まれるものではなく、義務教育(開発調整)過程でその育成にはコストがかけられているのだ。
それを消費するこの企業のあり方は許されるものなのか。大きな疑問を感じる。
総評 これまでもそしてこれからも、恐らく絶十技研は影響力の強い企業であり続けるだろう。たびたび良くない噂が流れても離れないユーザーが多くいることがそれを裏付ける根拠の1つだ。
この企業に入社するにあたり、他の企業でも活躍できる力を持って入るかそうでないかでは全く意味が違う。前者であれば、他のデュエ証1部上場企業と比べても好条件での契約が結べるであろうし、後者であればかなり厳しい条件で酷使されるであろう。この企業を利用してやる、位の気概が無いのであれば、入社はお勧めしない。
3、究極の実力主義!~赤白轟轟轟ファウンデーション~
社長《轟轟轟ブランド》
出典:デュエルマスターズ
企業理念~誰よりも早く、誰よりも先へ。最強の個が最高のチームを作る~
平均年収 1146万デュ円 3年後離職率 26.2% 有給取得年平均7.1日
週休 規定なし 残業(月)7.1時間 年末年始休暇 連続5日以上
株式公開 デュエ証5555 倍率6.2倍
赤白轟轟轟ファウンデーションは、完全実力主義であり、成果主義を採用している企業である。
兎にも角にも結果がすべて。そこには年功序列も終身雇用も無い。結果さえ出せばすべてが許される。兼業することも認められている。
なんと社長の《轟轟轟ブランド》氏も他企業に個人的に協力して報酬を受け取っている。
これは企業を構成する社員を見ても納得がいく。
《奇石ミクセル/ジャミングチャフ》、《KAMASE-BURN》、《Dの楼閣メメント守神宮》、《ゴリガン砕車ゴルドーザ/ダイナマウススクラッパー》……他の企業でも良く見る面々だ。
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
これは前述したジョラゴンホールディングス、絶十技研と大きく異なる点である。
強力な個人が協力すれば強力なチームができる。赤白轟轟轟ファウンデーションの理念はこれに尽きる。
そしてこの理念が少なくとも全くの誤りではないことを結果が示している。
現在の経済(環境)はこの赤白轟轟轟ファウンデーションを中心にして回っているのだから。
ー社長が経営を行ううえで、最も重要視していることは何ですか?-
轟轟轟ブランド「それはもちろん、勝つことですよ。頑張ったとか、昔は強かったとか、そんなことは関係ありません。大事なのは、今強く、会社に貢献できるかということ。極論を言えば、私が勝利に必要ないと判断したなら切り捨てていただいて結構。そんな会社であり続けられるよう気を配っています」
ーそれはまた、随分賛否ありそうな意見ですねー
轟轟轟ブランド「そうですか?勝負事は、勝たなければなりません。負けても得るものがあるなんてのは言い訳ですよ。勝たなければ意味が無い。勝って高みに上り、そこで更なる強者と戦い、もっと高いステージへと上っていく。
かつての戦友とか、そんな感傷は無駄です。より優れたものが現れればどんなものであろうと切り捨てる。だからこそ、自分を高める努力を続けることができるんです」
ー努力は必ずしも報われるものではないかとも思うのですがー
轟轟轟ブランド「それはその個人の問題です。トップを目指す以上、我が社としてはそんな事情は汲んでいられない。その存在を忘れるわけではありませんがね。《グレイトS駆》も《轟車G-突》も、辞めていったもののことは今でも覚えています。
ですがだからこそ、その者達のためにも歩みをとめることはできませんし、残された者はさらに努力し成長していけるんです」
出典:デュエルマスターズ
社員の声
・2コスト/パワー2000/Mさん
出典:デュエルマスターズ
「決して楽な職場ではありません。待遇はいいですが、保障なんてものはないですから、常に成長していかなければあっという間に取り残されるし放り出される。
でもそのプレッシャーが気持ちいいんです。それに耐えられない人にとってはお勧めはできませんね。私もいろいろな企業で働かせてもらっていますが、やはり一番成長できるのはここだと思います」
・4コスト/パワー4000/Gさん
出典:デュエルマスターズ
「兼業できるというのは、大きな魅力ですよね。収入面で言えばここだけで十分なんですが、沢山経験を積めるというのが大きいです。ここで得た経験を他で活かせるし、逆に外で得たものをここの仕事にも還元できる。
個人がどんどん成長すれば、企業にとってもプラスになる。それをよく理解しているんだと思います」
・4コスト/D2フィールド/Mさん
出典:デュエルマスターズ
「企業として本当に強くなりたいという思いはどこよりも強いと思います。今でこそ当然のように社内にいる私ですが、もともと私は『赤白轟轟轟ファウンデーション』の天敵だったんです。……失礼、今もそれは変わりませんね。
《轟轟轟ブランド》社長は、まさに目の上のたんこぶだった私に対して、一緒にビジネスをしないかと頭を下げたんです。これは中々できないことですよね。文明の違いはあれど、「青単ムートピア」が《正義の煌きオーリリア》に、「ジョラゴンジョーカーズ」が《乱振舞神GWD》に頭を下げるようなものですよ。恥も外聞も捨てて強くなるためならなんでもする。その覚悟に震えました」
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
社員の入れ替わりが激しい「赤白轟轟轟ファウンデーション」。現役社員の満足度は高いようだが、やめざるを得なくなった者はどう思っているのか。今回は特別にその声も載せようと思う。
・特別編、退職者の声
・1コスト/パワー1000/Sさん
出典:デュエルマスターズ
「解雇を言い渡されたときは、そりゃぁ悔しかったですよ。でもね、どこか安心した自分もいたんです。だって、『赤白轟轟轟ファウンデーション』は常に最強であることを目指さなければならない。それがみんなの目標であり、誇りなんですから。自分でもやっぱり気付きますよ。俺よりもっと適したやつがいるんじゃないかって。それを自覚して少ししてからだったかな、社長に肩をたたかれたのは。多分、待ってくれてたと思うんです。私が自分の中で心の整理がつくのを。とにかく結果を求める人なのは間違いないですけど、そういう不器用なやさしさも持ってる人なんですよ。だからみんな、《轟轟轟ブランド》には力を貸してしまうんでしょうね」
・総評(5点満点評価)
・報酬 4.8
トップ企業だけあって、平均報酬も極めて高い。成果主義であるため、活躍次第ではこれをさらに上回ることももちろん可能。この点において当企業を上回るものは中々現れないだろう。
・労働環境(社員満足度)4.2
報酬は極めてよいが、その分安定性というものはほぼほぼ皆無だ。
離職率26.2%の大半は会社から解雇を言い渡されてのものである。ただしこの点については社員のほぼ全員および退職者の多くが理解を示しているため、ここに就職したいと考えているものにとってはそれほど大きなマイナス要因にはならないかもしれない。
また、与えられたノルマさえこなせばいつ働いてもさっさと帰っても良い(さらに働いて報酬を増やしても良い)、兼業が可能など、かなり融通の利く企業であるといえる。労働環境という観点からこの評価としたが、社員満足度に限れば満点に近い評価になるということを記しておく。
・競争力 5
疑いようも無い環境トップ。大抵のデッキはその圧倒的な速さで倒しきることができる。受けが厚いと言われるデッキにもそれほど大きく負け越さないという事実が、このデッキのカードパワーの高さを示している。特に先攻を取った際の強さは驚異的で、初動のマナ加速すらさせない、2ターン目から轟轟轟が出撃するなど、相手の抵抗の意思すら奪うほどである。
・将来性4.9
現時点でも十分に強力だが、強さをひたすらに求めるストイックで真摯な姿勢はこの企業に更なる進歩、栄光を与えるだろう。それはたとえ、殿堂規制法が改正されたとしても変わらない。天敵さえも味方に加えてしまう《轟轟轟ブランド》
のもとにはいつまでも強力な仲間が集い続けるのだから。むしろその時こそこの企業の真の力が発揮されるだろう。新たなブランドはどうなるのか。胸の鼓動が止まらない。
社会貢献度4.3
優れた人物たちによって生み出される優れた製品は我々の生活をあらゆる場で支えている。稼いだデュ円に対する内部留保率が極めて低いのもこの企業の特徴であり、社員への還元、設備投資等により経済の循環に一役も二役も買っている。
トップ企業としての社会的責任も大いに果たしているといえるだろう。
4、終わりに
いかがだっただろうか。一概に環境デッキといえど、その勤務条件、そこに集う人材の性質は多種多様である。
カードたちが何を思って経営をしているのか、働いているのか考えるきっかけになれば幸いである。
今回はこのあたりで筆をおくが、機会があれば『NPO法人赤青覇道』、反社会勢力『ボルバル組』と関係を持ってしまったために凋落した『バスター商会』『5Cコンツェルン』等について分析をしてみたいと思う。
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
出典:デュエルマスターズ
また読んでいただければ望外の喜びである。