デュエマは資産ゲー!

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デュエマは資産ゲー!

時折デュエル・マスターズは『資産ゲー』だと揶揄されることがある。

多くは高額デッキが環境トップで暴れている時にそう言われがちだ。

【赤緑モルトNEXT】がそうであったように。【5cキューブ】がそうであったように。

「そのデッキを組むお金さえあれば誰でも勝てる」とでも言わんばかりだ。

皆さんも知っての通り、そんなことはない。お金が無くとも戦いようはいくらでもあるし、お金があっても勝てない人は沢山いる。

ただお金の重要性は決してゼロではない。いや、むしろその逆だ。

このお金の有る無し…ここではあえて『資産力』と表現するとしよう。

私はこの資産力は現代のデュエル・マスターズにおいてプレイング・デッキ構築力・運などにも並ぶ一種のプレイヤースキルだと考えているほどだ。

そう。『資産ゲー』とまでは言わないものの、近年のデュエル・マスターズではこの資産力がプレイヤーの強さと密接に結び付き始めている。

一体デュエル・マスターズに何が起こったのか。ひとつずつ説明していこう。


目次

情報化の進展

小・中学生の大半にネット環境が与えられるような時代になり、SNSの発達も著しい現代。

Twitterを開けば強い構築が手に入り、まとめサイトを開けば新弾の情報が手に入り、通販サイトやフリマアプリを開けば欲しいカードが手に入る。

このように大きく情報化が進む中、我らがデュエル・マスターズもこの余波をしっかりと受けていた。

⑴人気カードの高騰化

TCGにおける情報化の進展を一番に肌で感じられるのはおそらく『カードの高騰化』だろう。

以前に比べ、話題になったカードの値段がやけに跳ね上がると感じたことはないだろうか。

【赤青覇道】が勝てば次の週には2500円の《ゴリガン砕車 ゴルドーザ》が、【赤黒墓地ソース】が勝てば次の日には2000円の《ほめほめ老》が出来上がる。

これらはSNSやまとめサイトの発達によって

「《カードA》が強いという事実の知れ渡るスピード」が速くなったことで、短期間のうちに需要が集中したり、

「《カードA》が強いという事実を知る人の数」が大きくなったことで、欲しいと思う人が増えたことが原因だ。

つまり「短期間のうちに多くの人が欲しいと感じる」状況になったことで、《カードA》は昔に比べて「すぐに」「めっちゃ高く」なるようになったのだ。

カードは株だと言われることもあるほど。

そこで本題に戻ろう。

このように強いカードや人気カードが高騰化するようになった現代において、「今週はこのデッキが強い!」となった時、そのデッキで使う高額カードたちを瞬時に揃えられる資金力というステータスが昔に比べてその価値を増していることがわかるだろうか。

しかもそれはデッキ選択に限った話ではない。

本来他のプレイヤーがカードショップを回ったり通販を調べたりして安い《ゴリガン砕車 ゴルドーザ》を求める時間を、練習時間にあてるなどして他のゲームスキルに還元することもできるのだ。

そういったところでも資金力が明確にプレイヤーの力となる時代に突入しているのは間違いない。

⑵メタゲームの回転速度の上昇

大型大会の増加や、SNS・まとめサイトの発達により、昔に比べメタゲームの回転速度は段違いの速さを持った。

勝ったデッキやリストはすぐに流れ、研究され、次の日から流行ると、次の月には廃れているなんて当たり前。

正にメタゲームは週替わりの時代である。

メタゲームの回転が速いということは、その分一つのデッキが活躍できる期間が短いということでもあり、更に裏を返せば様々なデッキが活躍できる機会に富んでいるということでもある。

察しの良い皆さんならもうお気づきだろう。

情報化の進展によりデュエル・マスターズは昔に比べて「多くのデッキを持っていること」が有利なゲームになったのだ。

勿論昔からその方が有利なのは間違いないが、メタゲームの回転速度が速くなったことでその度合いが大きくなってきている。

多くのデッキを持つのに重要なのは、やはり資産力。この高速化したメタゲームにおいて優位に立ち回るには欠かせない存在なのだ。

(3)有料記事の登場

情報もお金で買える時代になった。デュエル・マスターズ界隈における有料記事はその最たる例だ。

強豪プレイヤーの濃密な調整時間と鋭いゲーム感を、なんとお金で買うことができるのだ。

資産力と強さが目に見えて直結している。すごい、すごいぞお金!

DMPランキングシステムの導入

今まで強いプレイヤーの条件とは何か、またこの人とこの人はどちらが強いのかなど、これらをしっかり定められる指標は存在しなかった。しかしDMPランキングシステムが導入されてからはそれが明確化する。

勝利is強さ。DMPランキングポイントが高いものこそが強者であると。数値で強さを表すようになったのだ。

だからこそ『資金力』の意味合いは激変した。

強さの証明には結果がいる。

結果を出すためにはポイントを稼ぐ必要がある。

ポイントを稼ぐにはとにかくCSに出る必要がある。しかもポイント倍率の高いCSが望ましい。

では、とにかくCSに出るには…

そう、お金が必要なのだ。

交通費、宿泊費、参加費。場合によってはCSの多い地域に身を移すかもしれない。これらのお金は、己が強いプレイヤーとなる上で無視できない要素となった。

ランキングを走るトッププレイヤーに限った話ではない。

普通にCSに参加するだけのその他大勢のプレイヤーに関しても、強さ=DMPランキングポイントと明確化された現デュエル・マスターズにおいては、プレイヤーとして強さを語る上で大なり小なりの参加費や交通費は避けて通れないものになったのである。

強さの明確化

資産力はプレイヤーの力だ、スキルだ、と明言すると違和感を持つ人がいたかもしれない。

しかし、デュエル・マスターズにおける強さの定義がDMPランキングシステムと定められた以上、資産力は絶対的な力になり得る。

何故なら上記でも少し触れたように現状のDMPランキングシステムは「ポイントを稼げば稼ぐだけ強いプレイヤーになれる」という性質上、そこにお金をかけられるかどうかで同じレベルのプレイヤー同士でも大きくポイント=強さが離れるからだ。

極端な話、

  • 「デッキ構築もプレイも下手で予選を上がったことは無いが、毎週全国各所の最大倍率のCSに出ているプレイヤー A」
  • 「構築もプレイも上手いしCSに出たら大体結果を残すが、月一でしかCSに出ないプレイヤーB」

の両者がいるとして、 Aの方が1ポイントでも多く持っていた場合、プレイヤーとして強いのは Aだ。Bは例え上手くはあったとしても Aよりはプレイヤーとして弱い。

強さを定義したとはこういうことなのである。

以前までは違った。エリア戦のみで全国出場者選抜をしていた頃は、全員が等しく構築力・プレイング・運で競い合っていた。

しかし今はそうではない。

お金、出生した地域、家庭環境、親の教育方針。運、人柄、人間関係、健康状態までも。

その人が持つ全て、賭ける全てをぶつけた上で得られる数値。それが今のDMPランキングシステムで求められている『強さ』なのである。

終わりに

上手さ=強さではない。

デッキの構築力があっても結果を出せなければそれは上手い止まり、プレイングが凄くても結果を出せなければそれも上手い止まりでしかない。

結果が出て初めてそれらは「デッキの構築力が活きて勝った」or「プレイングが凄くて勝った」と、『勝利の原因』へと昇華するのだ。

同様に、資産力やその他も『勝利の原因』として肯定されなければそれは道理ではない。

何故ならもしお金が無ければ、そのデッキを使っていなかったかもしれない。大会に向かう高速バスのチケットを取り間違えた際、代わりの新幹線代を払えなかったかもしれない。


このようにデュエル・マスターズがどんどん進化する中、『資産力』は「情報化の進展」と「強さの明確化」によって一定の地位を築き始めていたのだ。

財布の中の《福沢 諭吉》があなたの切り札となり、一勝を支える日もそう遠くはないだろう。


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