名前にVSと付くパックは起源神強化という法則を打ち破ってくる禁断龍VS禁断竜
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
いやあ。来ますね、起源神強化パック。もとい、「邪神vs邪神」。
なんかこないだガチまとめの記事でもデッキがアップデートされた気がしたんですが、なんかまたアップデートの必要が出てきそうですね。いや俺が書いたわけじゃないからいいんだけど……。
またお財布が圧迫される気はしますが、珍しく発売をめちゃくちゃ楽しみにしています。ここまでワクワク感があるのは、たぶん「魔覇革命」以来かも……。
この企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマは、こちら。
《爆裂英雄 A・R・T》

【 クリーチャー 】
種族 マジック・フレイム・コマンド / 文明 水/火 / パワー6000 / コスト5
■スピードアタッカー
■ジャストダイバー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、カードを3枚まで引く。このターン、自分がカードを7枚以上引いていれば、相手のエレメントを2つまで選び、持ち主の手札に戻す。その後、このクリーチャーは相手のシールドを1つブレイクしてもよい。
というわけで、今回のテーマは《 爆裂英雄 A・R・T 》。
「異次元の超獣使い」のイブラヒム氏の切り札カードであり、連綿と語り継がれてきた「出てすぐ殴る3ドロー持ち」の最新版といえる一枚ですね。《 エンペラー・マルコ 》とかから遠くに来たもんだ。
今回はこのカードを活かして、マジカルなビートダウンをやっていこうと思います。
さて。個人的な話にはなるんですが、私がどうしてもこの《 爆裂英雄 A・R・T 》と合わせて使いたいカードが一つありまして。それが。
《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》です。
《 爆裂英雄 A・R・T 》から侵略することで、あちらがジャストダイバー付きの連続攻撃……つまり合計6ドローと2バウンスしつつ5ブレイク。横になんか立ってればもうダイレクトアタックですし、もしいなくてもジャストダイバーでバトルゾーンに居座って次のターンに殴れば問題なしです。
何より、「力の王道」で再録されてクソほど安くなったんですよ。これまで2000円くらいしたパワーカードが、100円でお釣りがくるくらい(記事公開までの値段変動バッファのための表現)まで値下がりましたからね。
せっかく550円で4枚手に入れたからには、そりゃデザイナーズコンボを決めてやりたいじゃないですか。
さて、まずは《 爆裂英雄 A・R・T 》をうまく使えるデッキを作って、そこに《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》を乗せて……
何をどうやっても!!!!!この構築に勝てねえ!!!!!
そう。合理的に《 爆裂英雄 A・R・T 》を活かす場合、こちらのカジュアる氏のデッキ構築が完璧すぎてマジで何をどうやっても既到になってしまうのです。そりゃイブラヒム氏も認めるよ。
あらゆる角度からドローをかき集めて「7ドロー」を達成しつつ、低コストで誘発できるマジック・メクレイド5で展開や《 爆裂英雄 A・R・T 》調達までこなし、大量ドローから少数積みの尖ったカードにアクセス……というスキのなさには、例によってデッキビルダーとして敗北感を抱かされました。お前これまで一度もカジュアる氏に勝ったことないだろ!
このままでは、このデッキは企画としてスタート地点に立つ前に終わってしまいます。なんてこった。
……ならば。私は自分の心と企画を曲げましょう。
この完成された構築を自分の手で弄り、理屈と妄執で《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》入りの構築を導き出すのです。今回はそういう回になりました。よかったですね。
まず、デッキの完成形に求める要素、デッキとしてありたい形を出しましょうか。つまり。
- 元デッキの完成された基盤を活かしつつ
- 3-4枚程度の《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》を搭載してやりたいコンボを搭載し
- その動きに合わせてデッキの細部のチューンが最適化されている
……こんな感じでしょうか。とりあえず、これを目指してやっていきましょう。
まずすべきは、「元レシピから何を削って《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》の枠を捻出するか」。なんですが……実はこれ、すでにかなり決まってます。
「《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》のフィニッシュ性能の高さがあれば、仮にロック系カードがなくとも相手のトリガーを突破できる」という仮説を立ててそれが正しいと仮定すると、突破できない時のために散らし取りされているサブフィニッシャーやロックの枠は削れるんですよ。理論上は。
ついでに言うと、G・ストライク無効のおかげで「横に立ってるダイレクトアタック役が止まる」みたいなケースもある程度防げますし打撃力は充分高まるはず。いったんこのあたりをごそっと削って《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》にしてみましょうか。
で、こうなると次に考えなければならないのが「《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》をさらに活かすための構成」。《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》は単独でもかなりの突破力を持つカードなので、《 爆裂英雄 A・R・T 》がない時でもちゃんとアタッカーにして動けるプランを立てたいところです。
となると……
《 芸魔隠狐 カラクリバーシ 》増やせるな……。
元レシピだと3積みの《 芸魔隠狐 カラクリバーシ 》ですが、このデッキならば《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》の侵略元として運用できます。革命チェンジを使えば3ターン目に出して4ターン目に侵略とチェンジの2面待ちができますし、どう転んでも1ドローがついているので損にはなりません。
また、2T《 アシスター・Mogi林檎 》→3T《 コーボー・マジカルショッカー 》→《 アシスター・Mogi林檎 》から《 芸魔隠狐 カラクリバーシ 》にチェンジして呪文詠唱→ 《 コーボー・マジカルショッカー 》 のメクレイドで《 爆裂英雄 A・R・T 》登場……という超上振れパターンもあるんですよね。 こうなると4枚まで増やしてもバチは当たらなさそうですね。
となると、それに合わせて軽量のチェンジ元は増やしておきたいところ。
デッキと噛み合うドロー加速を持ち、本来あまり動けないはずの2ターン目の動きになり、《 芸魔隠狐 カラクリバーシ 》の呪文と噛み合うカード……
お前をがっつり積むのが「正解」なのか……!?
元レシピではピン投だったドローサポートの《 AQReplay/伝説チャンス 》ですが、「《 芸魔隠狐 カラクリバーシ 》のチェンジ元」と「《 芸魔隠狐 カラクリバーシ 》で踏み倒してドローしつつ盤面に干渉できる呪文」を兼ねてくれるんですよ。
また、ほぼ毎ターン追加ドローを行うこのデッキではシステムクリーチャーとしても活躍。言ってみれば始動が遅い代わりに相手にドローを与えない《 伝説演者 カメヲロォル 》みたいなもんであり、元からデッキとの噛み合いは良好なんですよね。
思わぬカードの増加で、速攻デッキとしてデッキがまた別の表情を見せてくれたような気がしますね。
というわけで、完成したデッキがこちらです。


とりあえず、なんとか形になりました。
《 奇天烈 シャッフ 》 は先出ししてフィニッシャーにできる呪文ロック役として、《 芸魔龍馬 バルバトチェス 》は「成長チェンジ」ルートを辿ったときに一番即効性があって強いカードとして残しておいた(あとA・R・Tからチェンジしても他に1ドローあれば7ドロー達成できてお得)んですが、ここは正直自由枠かもです。
対ブロッカー最終兵器の《 芸魔土車 チャトランガ 》や言わずもがなの《 飛翔龍 5000VT 》にしても問題ないと思いますよ。なんなら、ユーティリティとしての《 氷柱と炎弧の決断 》とかでもいいかも。
特記事項としましては、《 強瀾怒闘 キューブリック 》のリストラ。かなり迷ったんですが、「《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》で詰め性能が増したので追加打点としては重要度が下がる」と判断して抜くことになりました。それでもめちゃくちゃ強いカードであるのは保証しますよ。
他にも泣く泣く《 ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり 》が抜けたり、《 芸魔山鷹 トリノドミノ 》や《 龍装者 バルチュリス 》、各種ビビッドローの採用を迷ったりといろいろ悩みましたがここでは割愛します。元レシピの完成度が高すぎるんだよな……。
さて。このデッキが真に「未踏」のデッキかを確認するためには、あと一工程必要です。それは。
デッキメーカーによる、先行研究チェックです。
キーパーツ数枚程度を含むデッキを検索することで、このアイデアが既出か初出があるかが見込める……ということですね。この検索結果が「1件」ならば、晴れて私は未踏の地に到達したことになります。まあ、ベースが既到なら未踏になるわけないんだけど……。
というわけで、《 爆裂英雄A・R・T 》《 覇帝なき侵略 レッドゾーンF 》《 芸魔龍馬 バルバトチェス 》《 AQReplay/伝説チャンス 》での検索結果は……!

そりゃそうだよ!
快く記事での動画とデッキの使用許可をくださったカジュアる氏に心からの感謝を
というわけで、夢を見ていました。
今回の例に限らず、「完成された元レシピ」を眺めながら「なぜ構築者はこのカードを入れたのか?」とか「この構築と『自分がやりたいこと』の差分は何か?」とかを考えていくと自分の望んだデッキに辿り着ける確率はさらに上がるはず。
「デッキ構築とは究極の自己満足」とは研究仙人ことまつがん氏の発言ですが、自己を満足させるために他の人のレシピとかを見てインプットができるようになると何かと捗りますよ。スタート地点が既到でも、ゴール地点へ自分の足で辿り着けたならきっと満足できるはずです。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。