こんにちは、神結です。
エリア予選が始まって、約2ヶ月。関東エリアも終わり、執筆時点では残すところジャッジエリアのみとなりました。
今回のエリア予選ですが、私は計5つのエリアに出張・カバレージの担当をさせていただきました。
北は北海道から、西は倉敷まで訪ねましたので、今回はそれぞれのエリアの話をしていこうかと思います。
全体を通して2ブロックというレギュレーションは面白く、また数多くの発見がありました。みんなもそうでしょ?
ぜひエリア戦を機に2ブロックの魅力を感じた方は、2ブロックのCSなどにも参加してみて欲しいです。
またエリア戦のカバレージは公式HPにて順次公開されていますので、そちらも併せてお楽しみください。
目次
ドキドキ! エリア予選2024出張録!
今回5カ所のエリアを回りましたので、順番に記載していきます。
ちなみに全エリア1泊2日なので、かなり効率厨みたいな手段で移動・訪問しています。
個人的に旅行には計画なんてなくてもいいと思っている派閥ですが、出張は絶対に計画立てた方がいいと思います。指定席も取りましょう。
北海道エリア
11/16、北海道エリア開催です。場所は札幌。参加者45名。
本格的な冬が到来する前ということでのトップバッターだと思うのですが、実は開催週の前週と翌週は普通に雪が降っており、タイミング的にはかなり恵まれていました。
ちなみに、気温は5度くらいでしたが、寒さはそこまで。11月で本当によかったです。
札幌と言えば何でも飯が美味いと思うんですが、これは本当ですね。
よく「本当に美味いものは全部東京に来るんだから、東京の飯が一番美味い」みたいな言説を見ることがありますが、これは確かに本当かもしれません。
しかし、その分高いんですよ。
現地に行くことの最大のメリットは、「現地そのものを楽しみながら、付加価値で付いてくる飯の平均レベルが高い」ことにあると思っています。
ざっくり言えば東京で食べるS級の味が1万円掛かるとして、現地に行けばA+級の味をその3分の1くらいの値段で食べられるし、味比べも出来るという感じですね。観光+飯でそれなら、全然悪くないんじゃないかな、と。
というわけで何が言いたいかというと、北海道は寿司屋の平均レベルが高いです。回転寿司でもう、絶品レベル。私も東北生まれなんで寿司にはうるさいつもりですが、北海道の寿司は普通にお手上げでした。
と、なんか前段階の話が長くなってしまいましたが、北海道エリアは最初のエリアということで、直前のCS結果が大きく反映された環境でした。
具体的には、大ジャイアント環境でした。北海道デカイし。
ただその中で個人的に大きな衝撃だったのが、《死神覇王 ブラックXENARCH》入りのジャイアントでした。
基本的にはジャイアントの動きなのですが、《死神覇王 ブラックXENARCH》は凄い。
【 クリーチャー 】
種族 ダークロード / 文明 闇 / パワー9000 / コスト6
■各ターンの終わりに、このクリーチャーが自分の墓地にあり、自分のマナゾーンに闇のカードがあれば、自分のタップしているクリーチャーを3体破壊してもよい。そうしたら、このクリーチャーを自分の墓地から出す。
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■自分のクリーチャーが出た時または離れた時、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。そうしなければ、相手は自身の手札を1枚選び、捨てる。
《哀樹神官 グリッファ》→チェンジ《超重竜 ゴルファンタジスタ》を宣言→《哀樹神官 グリッファ》効果で《死神覇王 ブラックXENARCH》を着地→《超重竜 ゴルファンタジスタ》が革命チェンジで着地→《超重竜 ゴルファンタジスタ》の効果で任意のジャイアントが着地
これで《死神覇王 ブラックXENARCH》の効果が計4回起動するので、盤面が本当にグチャグチャに。びっくりして、思わずtakiさんにLINE。
参加人数もあって、GPなどの大型大会以上に秘匿デッキが活躍しやすいというのは、エリアの醍醐味ではありますよね。
なお優勝は、純正の水自然ジャイアントを使ったリノグレさんでした。長らく活動されていらっしゃる方だったので、勝手に感慨深さを覚えていました。ヘンザVAN入りのアナカラービマナ使っていた印象が強いです。
東北エリア
翌11/23は東北エリアの開催でした。場所は盛岡。
盛岡は東北新幹線で仙台から更に1時間ほど北にいったところにあります。「三日月の丸くなるまで南部領」(※誤訳:あの尖ってたみかづきさんがいつの間にか丸くなるくらい南部領広くてワロタ)と謳われるくらいには広く、あと山間部の都市なことも手伝って、全県庁所在地の中で一番寒いです。
盛岡に着くと、駅前には大橋が見えます。この景色を見ると、盛岡に来た実感が湧きますね。
盛岡もね、飯がまた美味いんですよ。私はじゃじゃ麺も冷麺も好きなので、食うには困らないです。エリア前日は4食くらい食べた気がします。
ちなみに同行したジャイロが「せっかく盛岡来たのに蕎麦アレルギーですみません」って言ってたんですが、最初なんで謝っているかわからなかったんですよね。あとから「そういえばわんこそばも有名だったな」って思い出しました。
あと時期が時期だけに、 盛岡城趾の紅葉が綺麗でした。
さて、肝心の環境についてですが、北海道エリアを受けてやはりジャイアントが軸のメタゲームにはなっていました。
ですが北海道に【ゼナークジャイアント】があったように、こちらにもありましたよ、サプライズデッキが。
それが【トリーヴァゼニス・セレス】でした。
着想は北海道エリアで使用されたトリーヴァのゼニスを参考にしたとのことでしたが、このデッキの秀逸だった点は
・《戦攻のシダン アカダシ / 「いいダシがとれそうだ」》を初動に組み込むことによって序盤の安定性が向上
・《「狡智」の頂天 レディオ・ローゼス》の採用
の2点にあると言っていいでしょう。
特に《「狡智」の頂天 レディオ・ローゼス》は盲点でしたねぇ。「オレのVT、180円だから!」
【 クリーチャー 】
種族 ゼニス・セレス / 文明 水 / パワー13000 / コスト10
■水晶ソウル3(このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにある裏向きのカードのマナの数字は3になる)
■ジャストダイバー
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが召喚によって出た時、相手のクリーチャーを3体まで選び、持ち主の手札に戻す。
■相手のクリーチャーが出た時、カードを1枚引いてもよい。
■エターナル・Κ(このクリーチャーが離れる時、かわりに自分のマナゾーンにある裏向きのカードを3枚、表向きにしてもよい)
使ってわかる、この強さ。ローゼス→追いローゼスによる制圧や、ドローソースとしての活躍など、デッキの根幹を支えるカードとなっていました。
話によると、今期の東北からは【ターボマジック】を含めて意欲的なデッキが輩出されており、この地域のプレイヤーレベルを感じることが出来た一作品でした。
北陸エリア
更に翌週12/1は、北陸エリアでした。
2024年、北陸新幹線が敦賀まで延伸したことで東京-福井間は非常に楽に移動出来るようになりました。
本来ならばゆっくり観光したいところだったんですが、冬の日本海ということで流石に天気は雨模様。
本当ならね、一乗谷とか行きたかったんですよ。戦国時代に詳しい方ならご存じとは思うのですが、越前朝倉家の本拠地だった場所ですね。これはまたの機会にします。
福井も福井で日本海に近いので、海鮮は絶品でした。
有名なのはカニでしょうか。カニ丼みたいなのは信じられない値段だったので避けましたが、帰り間際にお寿司屋でちょっとだけズワイガニ食べたんですよ。
それがね、凄かったんですよ。
一応これまでの人生でもカニを食べたことはあったんですけど、これまで食べてきた「カニの味」とは明らかに違っていてですね。信じられないくらい美味しくて……。
いや、別にこれまで食べていたのがカマボコだったとかではなかったんですけど。
それでもね、なんかこう、今まで食べていたものは実はカマボコだったんじゃないかって思うくらい、違うんですね。
あ、これが本物なんだ、って。本物を知ることって大事なんですね。
そんな本物志向に目覚めた私が福井で出会ったのが、ホンモノの強さを持つ【火水アグロマジック】ですね。
《ダウンフォース・サーキュラー》+《ボン・キゴマイム》は最強なんです。
【 ツインパクトカード 】
種族 メカ・デル・ディネロ / メカ・デル・テック / 文明 光 / パワー12500 / コスト7
種族:メカ・デル・ディネロ
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
■自分のメカ・デル・ステラすべてに「ブロッカー」を与える。
────────────呪文────────────
カード名:ダウンフォース・サーキュラー
文明:光
コスト:3マナ
種族:メカ・デル・テック
■次の自分のターンのはじめまで、自分のクリーチャーは離れない。
北陸エリアはともかく、決勝のカードが熱かったですね。いかろす.さんとLimさんの試合だったんですけども。
ランキングで言うところの北陸1位 vs. 北陸2位の対決で、しかもミラー。
一緒に調整していたわけではないけど持ち込みが一致したというのも、リストがわずか2枚違いだったというのも、始まる前からもう名勝負感がありました。
試合内容も互いに見せ場があって、2024年で見た試合の中で(背景も含めて)トップクラスに好きな一戦です。
新しいデッキを持ち込む、とはまた別にエリアの醍醐味を感じた1日でした。
関西エリア
2週空いて12/21、関西エリアがありました。
飯に関しては最初からノープランだったのでスーパーの半額弁当を食べていたのですが、会場が平安神宮の横だったんですよね。
特に観光する時間はなかったのですが、平安神宮だけは行けました。
行ったのは夜だったんですけど、京都の寺社の中では新参?な場所だけあって自由度が高いのか、ライトアップされてホログラフィック・アート?が堪能できるようになっていました。これはこれで良かったですね。
あとたまたまホテルが金戒光明寺の近くでして。
金戒光明寺ってどんな場所かというと、幕末に京都守護職に任じられた松平容保の会津藩が、本拠地として使っていた場所なんです。
ですので旧会津藩士を弔う墓地があるのですが、当日の朝に早起きしてお参りが出来ました。
繰り返しますが私は東北の人間で、修学旅行は会津若松に行ったりもしたので、贔屓目とかではないつもりなのですが、旧会津藩や奥羽戦争関連の場所はなるべく訪れるようにしています。
今回はちょうど機会に恵まれてよかったです。
それにしても、京都はやっぱり街に歴史が紐付き過ぎてますね。
あと京都、めっちゃ寒かった。
ぶっちゃけ寒さランキングで言えば、12月下旬という時期の問題はありましたが、ここまでの5エリアの中ではダントツで寒かったです。
札幌、盛岡、福井と行った私が言うのだから間違いないです。
「冬の京都は底冷えするので寒い」という話は『燃えよ剣』を読んで知ってはいたんですけど、盆地の恐ろしさを実感することが出来ました。
さて、関西エリアの日は「悪魔神、復活」の発売日でしたが、エリア予選の規定だと発売後1週間経過したカードしか使えないため、実質的に北海道から続くカードプールの最後の大会となりました。
前週の九州エリアで【クローシスプレジール】が優勝したこともあり、デッキとしては流石に出尽くしたかな、といった感じではありました。
優勝リスト自体は、その上でしっかり独自にチューニングされている感じがよかったです。《パシフィック・ヒーロー》とか。実際ヒーローだったんだよな。
【 クリーチャー 】
種族 マーフォーク / 文明 水 / パワー4000 / コスト3
■ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず、攻撃されない)
■バラバラエティ3:自分の他のクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは相手に選ばれず、攻撃されない。(コストが異なる自分のエレメントが3つ以上あれば、このクリーチャーにこの能力を与える)
ただこちらも決勝がね。25 vs. Sabakiという。感涙のカードですよ。
長ーく関西で活躍してきた2人ですし、調整は2人でやっていたみたいですし、これはこれで始まる前から感動的な雰囲気がありました。
優勝インタビューは両プレイヤーwithイヌ科で、それを45分くらい喋っていたという。何か思い出話とかにも花咲かせてたしな。まぁこれはしょうがないよな。同じシチュエーションだったら自分もそうする。
ちなみに会場のみやこめっせには源氏物語の石像があります。
ただ、その内容はというと、光源氏と朧月夜様の不倫がバレて須磨に流される直前に紫の上と歌を送り合うという場面で、「何をもってこのシーンをチョイスしたんだ……?」と思ったりもしました。
中四国エリア
新年あけて1/11、中四国エリア開催です。場所は岡山県倉敷市です。
九州エリアの鹿児島→福岡も中々の移動距離だと思いますが、中四国の高知→倉敷の中々の距離だと思います。遠くから参加された方、お疲れ様でした。
倉敷と言えばやっぱり美観地区でしょう。
一度は行ってみたかった場所ランキングで上位は入っていましたし、倉敷駅から徒歩圏内だったので歩いて行きました。
あとね、大原美術館には行きたかったんですよ。
家の近くにある美術館とか博物館って「いつでも行けるからいいか……」と思って結果行かないみたいなことも多いのですが、出張なり旅行なりで地方に行くときは、なるべくその地の博物館・美術館には調べるようにしています。
大原美術館はそれでいうと、設立の経緯と維持の努力が好きなんですよ。
初代の人が作って終わりではなく、2代目の方が意志を受け継いで、その上で自らの哲学に基づいて発展させていっているんですね。それも一度戦火を乗り越えたりもしているので、覚悟を感じます。
絵画そのものについて語ることは出来ないのですが、かなり満足できました。
惜しむらくは時間的にゆっくり回れなかったこと、全ての展示が見られなかったことがありますが、また来ようと思える場所ではあるので、次回以降の楽しみにしておきます。
さて、エリア予選もいよいよ「悪魔神、復活」のカードが使えるようになりました。新環境、スタートです。
環境は直前のCSで《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》が活躍していたこともあって、それに引っ張られて結構大きく変わっていましたね。
ただその中で活躍したのが【光闇メカ】でした。
個人的には従来までのメカの評価ってあんまり高くなかったのですが、《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》+《光器アメリア》と、《忍鎖の聖沌 94nm4》による超展開に度肝を抜かれました。
【 クリーチャー 】
種族 メカ・デル・ソル / 文明 光 / パワー500 / コスト2
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。次の自分のターンのはじめに、自分のシールドを1つ手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
確かに、これは強い。《光器アメリア》の追加でこんなに変わるんだ、という。
準決勝でマジックとの対面を落としてしまって優勝には手が届かなかったのですが、こちらも東北で感じたようなエリアの醍醐味を味わいました。
思ったことは結構ガッツリとメタゲームブレイクダウンで書きましたので、こちらも併せて読んでいただければと思います。
おわりに
というわけで、エリア予選出張録でした。
特に11月~12月にかけては毎週出張もあったので大変ではあったんですけど、充実はしていましたね。新たなエリアに行くのは楽しかったです。
これがアップされている頃には、最後のエリアであるジャッジエリア大会も終わっているかもしれません(編注:1/19に終わっています)。
使用デッキについては編集担当もエリアに出るっぽいので伏せますが、また改めてご報告出来ればと思います。
それでは、また。