こんにちは、神結です。
このシリーズももう105回目なのですが、紹介するデッキを考えるにあたって、前回と関連性の高いデッキにすると選ぶのも書くのも(たぶん読むのも)便利だということに気付きました。今更?
まぁこれをやりすぎると独立した単体謎デッキとかの紹介が難しくなるので一長一短ではあるのですが、最近は革命編→バイクと派生したので、今回もその流れに沿っておこうと思います。
そんな「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【赤青バイク】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
赤青バイク登場の背景
というわけで今回の名作デッキは新DM期で活躍した、【赤青バイク】になります。
私は記事内でバイク関連のデッキを「○○侵略(バイク)」と表記することがありますが、この時期はもう完全に「バイク」呼称が定着していたこともあり、今回は【赤青バイク】で統一させていただきます。
リストは、GP5th4位となったロマサイ選手のを紹介させていただきます。
さて、リストの話をする前にバイクというデッキが歩んできた歴史や、当時の環境の話をしておきましょう。
《禁断 ~封印されしX~》の登場以後、バイクは現在に至るまでポピュラーなデッキとなっていますが、必ずしも順風満帆な歴史を辿ってきたわけではありません。
【 禁断の鼓動 】
文明 火 / コスト99
■この鼓動は、ゲーム開始時、封印を6つ付けてバトルゾーンに置く。
■この鼓動はバトルゾーンを離れない。
■禁断解放―この鼓動の封印がすべてなくなった時、クリーチャー側に裏返す。
(カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドがバトルゾーンに出た時、その持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ自身のカードから封印をひとつ、墓地に置く。クリーチャーが封印されている間、両プレイヤーはそのクリーチャーを無視する。)
────────────解放後────────────
カード名:伝説の禁断 ドキンダムX
カードの種類:禁断クリーチャー
文明:火
種族:-
パワー:99999
コスト:99マナ
マナ:-
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが禁断解放した時、相手は自身のクリーチャーすべてに封印をひとつ付ける。
■コスト4以下の呪文によって、相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。
■このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。
むしろ《禁断 ~封印されしX~》が登場してから約半年後には、もうデッキとして窮地に立たされることになり、そこからはまるで恐竜時代の哺乳類のような立ち回りを求められます。
自分たちが最強でないことを受け入れて大人しくし、波風を立てず、環境の最上位デッキにお伺いを立て、そして勝てそうな環境になったときに出てきて、対策されたら大人しく消える、といったように随分と謙虚なデッキになりました。
これに関しては、2024年の今でも変わらずですね。バイクはメタデッキだと思っています。
そんなわけで《蒼き団長 ドギラゴン剣》の登場以後はだいぶ大人しくなり、前回触れた《ヘブンズ・フォース》入りの【赤白バイク】が活躍したのが2017年の初め頃。
そして新DMに突入して《異端流し オニカマス》などの強力なメタカードが登場し、フォース型は大きく後退。
ただし《異端流し オニカマス》はバイクにも恩恵をもたらすこととなり、そこで登場したのが今回の紹介する【赤青バイク】というわけです。
しかしこの時期(2017年の春先)は使用者も一定数いたものの、環境最大手だった【赤緑モルトNEXT】に《スクランブル・チェンジ》が健在であり、自身の速くなったわけではないバイクは、速度負けすることもしばしばありました。
そんなわけなので、私がこのデッキが強かったと認識しているのが《スクランブル・チェンジ》殿堂後の夏以降。
そしてこの年の秋、上記のリストがGP5thにて4位となるのでした。ちなみにこのGPでは【赤緑バイク】が準優勝となっており、バイク的には最も大きな結果を残したGPとなりました。
奇しくもこの時期はみなさんお馴染みであるバイク仙人がデビュー(2017年9月)したりと、バイクにとっては大きな1年でしたね。
頑張れカマス! なんとかしろカマス!
というわけで前置きが長くなりましたが、【赤青バイク】というデッキについて話していこうと思います。
……と言っても、特にギミックについて語ることってないんですよね。
これはバイクが以降も抱える悩みになるのですが、メインのバイクギミック自体が強くなっているわけではないんですよね。
出来ることがね、増えないんですよね。
特に上バイは深刻で、下バイは《暴走獣斗 ブランキー》とか《STARSCREAM -ALT MODE-》とか、カード自体にちょくちょくアップデートが入ったものの、上バイは中々追加カードを獲得出来ず。
T・ブレイカーが欲しいのに、《覇王る侵略 ドレッドゾーン》とかも結局3点にならなかったし……。
この悩みは結局、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》や《禁断の轟速 ブラックゾーン》が出るまで解決しませんでした。
じゃあ赤青バイクの強みはなんだったかと言えばただ一つ、《異端流し オニカマス》を使えたということに尽きるでしょう。
【 クリーチャー 】
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー2000 / コスト2
■相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい)
■相手のターン中に、相手が召喚以外の方法でクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを持ち主の手札に戻してもよい。
当時の《異端流し オニカマス》は本当にスペシャル・ワン。
以前別の記事でも書いたのですが、この一枚が或いはその後の開発に多大な影響を与えたのではないかと考えられるくらいのものでした。
お前、一応カテゴライズ的にはメタカードだよな?
まぁそんなわけなので、《異端流し オニカマス》をすんなり使えるデッキというだけで、ある程度の地位が担保されました。
また様々なデッキがオニカマスに苦戦することも多い中で、バイクであれば《轟く侵略 レッドゾーン》を押し付けて「バウンスさせるか否か」の選択を迫ることも出来ました。
【 進化クリーチャー 】
種族 ソニック・コマンド / 侵略者 / 文明 火 / パワー12000 / コスト6
■進化―自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
■侵略―火のコマンド(自分の火のコマンドが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、一番パワーが大きい相手のクリーチャーをすべて破壊する。
もちろん《闘将銀河城 ハートバーン》や《超特Q ダンガンオー》といったカマスを苦にしないアタッカーも活躍していましたが、逆を言えばカマスを苦にしなかったからこそ活躍していたという見方もあります。
新DMが相対的にデフレ(前年の革命チェンジやドルマゲドンが強すぎたという見方もある)弾であることも、バイクにとっては好都合でした。
だって毎年のように《蒼き団長 ドギラゴン剣》のような自分の上位互換カードを出されてしまっては、立つ瀬がないですからね。
で、話を戻すと、あとは普通のバイクです。下バイ投げて上バイに侵略する、あの普通のバイクです。
強いて言えば《龍脈術 落城の計》が気になるところではあるでしょうか。
【 呪文 】
文明 水 / コスト3
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■バトルゾーンにあるコスト6以下のカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。
これはメタカードやドラグハートを弾くカードですね。単純に受けトリガーとしての役割もあります。
同じ水文明でも《ドンドン吸い込むナウ》だったり《奇天烈 シャッフ》だったりを採用したリストもありました。
ただ《龍脈術 落城の計》の場合だと、《一撃奪取 トップギア》スタート出来なかったときに《異端流し オニカマス》→《龍脈術 落城の計》で相手のクリーチャーを退けてテンポをとる→4バイから走る、という動きがスマートに出来ますね。
まぁいずれにせよ、水の枚数は確保しなければいけないので何かしらそのタイミングで使いやすい水のカードが採用されていました。
新DM期の代表的なデッキを挙げようとすると全盛期の【赤緑モルトNEXT】やGPを制した【ロージアダンテ】、《ベイB ジャック》を使用した【猿ループ】【白緑メタリカ】という2種のデッキ、そしてこの年新たに登場した【ゼロジョーカーズ】といった名前が出てくることになると思います。
その中で【赤青バイク】は、真っ先に名前が出てくるこそなさそうですが、通年でほどほどの結果を残し続け、加えてGPで大きな成果を得たことを考えると、このシーズンを代表するデッキの1つだったとは言えるんじゃないでしょうか。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第105回は【赤青バイク】でした。
私はバイクは好きなんですけど、この時期は割と【ロージアダンテ】と【青緑デュエランド】とかいう、これまでのデュエマ人生を振り返ってもTOP5に好きなデッキが2つもあったので、ほぼほぼ使ってはなかったですね。
ただまぁ、こうしてみると懐かしいというか、実家のような雰囲気は感じます。4バイ2種にレッドゾーン8枚は、安心感がある。
ちなみにちなみに、現在アドバンスでは【赤黒バイク】という最新型のバイクが強力なデッキとなっているので、興味ある方は是非。
昔のプレイヤーに説明するときに「トリッパーバイクとホネンビーバイクがいるよ」って言えるので楽です。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。