はじめに
はじめまして。あるいは、お久しぶりです。北白河と申します。 生きています。
デドダムくじと思いきやロマイオンくじでもあったことが判明し、ますますミミの肩身が狭くなった「英雄戦略パーフェクト20」から二か月ほどが経ちまして。
いやあついに来ましたね、「禁断龍VS禁断竜」!語ることなさそうな名前~!
「超極竜VS六体神」という懐かしのパック名をディスペクトされてとっても不愉快ながら、今回も強力カードが大豊作!そのパック名ならせめて起源神に触れろよ!
そんな「禁断龍VS禁断竜」の中から北白河が独断と偏見で選んだ注目カードをデッキ構築案なども交えながら紹介させていただきます!
目次
《禁断英雄 モモキングダムX》
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ/禁断/レクスターズ
文明 闇/火
パワー 99999
コスト2
■禁断スター進化:このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から進化ではないレクスターズが出るまで表向きにし、それをこのクリーチャーの下に置く。その後、山札をシャッフルする。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■自分の他のレクスターズが出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにしてこのクリーチャーの下に置いてもよい。
■このクリーチャーは、カードが6枚以上含まれていなければ、攻撃できず、相手に選ばれない。
■このクリーチャーに含まれるカードが6枚になった時、このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-99999する。
■T・ブレイカー
ジョーカーズ、全文明制覇完了…!
というわけで、今度はあの《 伝説の禁断 ドキンダムX 》の力を受け継いだモモキングです。史上初の《 王来英雄 モモキングRX 》から進化できないスター進化モモキングでもありますね。
あと、よく見るとドラゴンじゃないので普通に語れます。パックでは「禁断龍」とか名乗ってるけどな!
「禁断スター進化」なる独自ギミックを用いて事実上の置物として登場し、レクスターズ登場と共に進化元のカウントを進めて6枚になれば特大の全体除去&行動可能になる…という、《 伝説の禁断 ドキンダムX 》の禁断解放プロセスを模倣したムーブが特徴的な一枚です。
事実上、2マナで「レクスターズを4枚出せば全体除去」という挙動だと考えておくとわかりやすいですね。全体除去がマイナス修正なのでEXライフ・スター進化両方をぶち抜けるのも嬉しい所です。
今回登場したレクスターズ侵略を活かせばかなり達成は容易なので、スター進化とアンタッチャブルによる疑似除去耐性(あと高パワーと3打点)も交えて最低限の仕事はしてくれそうですね。
また、地味ながら「進化元の枚数を簡単に盛れるクリーチャー」であるのも見逃せません。《 無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース 》の種を水増ししたり、《 大宇宙ジオ・リバース 》に進化して進化元全部踏み倒したりとなんだかコンボの気配もします。
他にも「素で除去耐性付き3打点なのでダイヤモンド状態にして殴る」「パワード・ブレイカーつけてワンショット」「2マナで進化元いらずの進化生物なので究極進化の種に」などなど、特異な性質を悪用する手段はいくらでもあります。デッキビルダーの発想力が試されそうな気配!
※裏向きのカードは《 禁断英雄 モモキングダムX 》《 閃メク星戦 絶十 》《 Re:奪取 アクロアイト 》《 奇石 イカガ 》各4
というわけで組んでみたのがこちら。各種踏み倒しからなんとかしてモモキングダムを捻り出し、全力でダイヤモンド化して殴らせます。レクスターズ多めなので、やろうと思えば6枚達成&全体除去もできちゃいそうな気配ですね。
でもどっちかと言うと《 正義星帝 <鬼羅.Star> 》が強いだけなのは内緒だぞ!モモキングダムブロッカー化までやってのけることに気付いたときにはさすがにドン引きしました。
総じて、主役カードとは思えない癖の強さと爆発力を持つ一枚と言えるでしょう。軽く置いておける時限爆弾として、活躍させてあげましょう。
そういえば、6枚のカードを揃えることで真価を発揮して全体除去を使えるようになるカードがありましたね。なあ。わかってんのか。パック名のオマージュだけで済ませるつもりか?
《禁断竜王 Vol-Val-8》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター/アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/禁断
文明 水/火/自然
パワー54321
コスト9
■EXライフ
■スピードアタッカー
■T・ブレイカー
■ジャストダイバー
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚まで手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。その後、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊してもよい。
■自分のターンの終わりに、このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加する。
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
マジでこいつについては特に語りたくないんですが、《 無双竜機ボルバルザーク 》と《 禁断機関 VV-8 》のディスペクターですね。
えーと。その。「ボルバルを二度と刷らない」っていう開発部の格言、撤回されたんでしょうか?下手するとあっちよりヤバいと思うんですが…。
要するに、順当にこれを活かすデッキでこれが出ると、おおむね勝ちます。嘘だろ…?
まず、ジャストダイバーとEXライフに54321とかいう超パワー。端的に言うと、「このクリーチャーはバトルゾーンを離れない」と書いてます。それで、当然の権利のようにSA3打点。
これに続くのが、VV-8を再現した攻撃時の手札補充とボルバルの持ってた全体6000火力。小型を焼き払い、盤面をすっきりさせる、と。まあいいでしょう。ここまでは。
最後に、「自分のターンの終わりに、このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加する。」という一文。デュエマ史に残る悪文だと思います。今からでも「相手のドラゴンを1体破壊する。」に差し替えてくれ。
この能力で貴重なインクが浪費されている限り、プレイヤーは「4体以上破壊できる算段があり、追加ターンで勝てる」「別にこいつの素のスペックだけで勝てる」のどちらかの状況以外でこのクリーチャーを出すことはまずありません。
重いコストもディスペクターなのでササゲールで軽減しながら出せます(おっと破壊カウントが進みましたね)し、なんなら攻撃時の手札補充で次のターンの四体分の生贄も容易に確保可能です。
結果として、トリガーから出た《 終末の時計 ザ・クロック 》でターンを飛ばすか《 調和と繁栄の罠 》あたりで選ばれずに攻撃を止めでもしない限りターンが相手に回ることはなくなってしまうのでした。めでたしめでたし。
対策したい場合は、「相手がこのカードを狙っていそう」と分かった瞬間からササゲール持ちを親の仇のように潰していき、両者の盤面に可能な限り生物を残さない…というムーブが重要になってきそうです。
また、ハンデスや召喚ロック系などでそもそも出させない手を取ったり、《 神聖龍 エモーショナル・ハードコア 》などで無視していくのもいいでしょう。極論、相手より先に殴り倒すのも十分アリです。
総じて「重い」くらいしか付け入るスキのないカードですので、ガンガンそのスキに付け入っていきましょう。
あ、言い忘れてましたが当然各種「秘伝」呪文とももちろん相性抜群です。特に《 禁断竜秘伝エターナルプレミアムズ 》は破壊の頭数稼ぎからcipによるアド稼ぎまで何でもこなせる雑に強いカードですので、ぜひどうぞ。セットで使えば暴力的なまでのアドバンテージに胃もたれ間違いなしです。
《零獄接続王 ロマノグリラ0世》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター/ダークロード/ガーディアン/ナイト
文明 光/火
パワー17000
コスト11
■EXライフ
■マッハファイター
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見てもよい。そうしたら、その中から1枚を墓地に置き、残りをマナゾーンに置く。
■このクリーチャーが攻撃する時、コストの合計が、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下になるよう、自分のマナゾーンと墓地からクリーチャーを最大1体ずつ選び、出す。
■このクリーチャーがタップしていれば、自分は攻撃されない。
このパック最後のキングマスターは、接続陣営の王!「ゼニス化」なる能力を持ち、ストーリーでもレクスターズ陣営を苦しめた「王」の一角ですね。その割にはなんかモモキングに出会うことすらなくあっさり自滅してましたが…。
前者二つの能力は「狙ったカードを別のゾーンに装填し、攻撃時に踏み倒す」という《 邪眼皇ロマノフⅠ世 》の能力再現(対象が呪文からクリーチャーになってますが)。最後の能力は《 「無情」の極 シャングリラ 》の攻撃禁止能力を再現したものですね。
マッハファイターによる攻撃時に後述の《 零獄王秘伝 ZERO×STRIKE 》と合わせてこのカード自身を増やすことで往年のコンボ【ロマノフサイン】と《 無情秘伝 LOVE×HATE 》を合わせたようなムーブが可能になるあたり、どっちかというとディスペクターというより元ネタへのリスペクトに満ちてる気がするんですが…。
外見もだいたい引き継がれてますし、どっちかというとディスペクターよりもリスペクター説が濃厚です。
…とはいえ、能力は一見派手ながら「マナが溜まらないうちに早出しすると踏み倒しの効果が減る」という致命的な噛み合いの悪さを抱えているので活躍にはひと工夫必要になることでしょう。
普通に踏み倒したりササゲールで出したりするとちょっと損をした気分になるので、デッキ構築にはこれをカバーする細心の注意を払う必要がありますね。もういっそ《 生命と大地と轟破の決断 》みたいに、2枚コンボのパーツ踏み倒しのために使うのもアリかもしれません。
《キャンベロ <レッゾ.Star>》
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ/ソニック・コマンド/レクスターズ
文明 火
パワー7000
コスト5
■スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。
■侵略:火のコスト4以上のレクスターズ
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、次の相手のターン、相手はクリーチャーを1体しか出せない。
■このカードが離れた時、その下にあったクリーチャーをアンタップする。
SRの侵略スター進化レクスターズサイクルからは、このカードをチョイス。
微妙にパッとしないやつらからしか力を借りれなかった同僚二人と違って、大人気カードこと《 轟く侵略 レッドゾーン 》の力を受け継いだキャンベロの新たな姿です。どう媚びを売ったんだろうな。
その能力は端的に言って全てが意味不明な強さ。
侵略スター進化自体が速攻デッキの夢たる「タダで出てきて除去耐性のある打点向上カード」なんですが、離れた時のアンタップによりむしろ「除去された方がお得」の領域に達しているのはどう考えてもダメです。この時点でちっちゃくてタダで出る《 我我我ガイアール・ブランド 》ですからね。
さらにうっかりトドメを刺し損ねても、返しのターンの疑似ロックで逆転を許さないという寸法です。同等の能力持ちの《 アイアン・マンハッタン 》のコストを見るに、開発部はさんすうエアプという説が濃厚です。9=0!
同じく「離れた時にアンタップ」と攻撃後の自壊効果を持つ《 我我我ガイアール・ブランド 》や《 ゴルドーザ <ドラギリア.Star> 》などとは特に好相性で、後者に至っては進化元さえいれば2枚で致死打点が確定します。返しのターンのロック付きで。
なんならデザイナーズコンボの《 モモスター キャンベロ 》から侵略するだけで疑似《 超音速 ターボ3 》+ブロッカー除去+ロックですからね。
正直ヤバすぎて思考停止したいレベルなんですが…ここまでやってるのに、能力に侵略以外の《 轟く侵略 レッドゾーン 》要素が特にないのが気がかりです。
毎回ちょっとずつ元ネタからずらしてきてるモモキングみたいに、「スター進化は本人の力ではない」っていう設定だったりしないかちょっと疑心暗鬼になっちゃいますね。
《勝災電融王 ギュカウツ・マグル》
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター/アウトレイジMAX/ジ・アンサー
文明 水/火/自然
パワー15000
コスト8
■EXライフ
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚を見る。その中からコストの合計が9以下になるよう、多色クリーチャーを好きな数選び、出す。残りを好きな順序で山札の下に置く。
「王」、キングマスター落ち。
SRの3色ディスペクターサイクルからは、やっぱりこのカードをチョイス。
前述の《 禁断竜王 Vol-Val-8 》の影響でレアリティやポジションが繰り下がった悲劇のクリーチャーです。《 武闘将軍カツキング 》《 伝説の正体 ギュウジン丸 》が電融されたディスペクターですね。
そのディスペクトっぷりは尋常ではなく、「脳筋マッチョのカツキングの頭と頭でっかちのギュウジン丸の身体」という合体事故としか思えない融合スタイルや、要約すると「こいつはマジでカス」しか言ってないフレーバーテキストなどなどさすがのきたしーでも同情したくなるほどです。
今までの電融ディスペクターの「能力を周りに配布する」という個性も「こいつを持ち上げるため」という理由付けとなり、ドキンダンテとはまた別の方面でとにかくディスられまくっていますね。公式からも牛カツ呼ばわりされてますし。
でもカツキングはここんとこ身の丈に合わない持ち上げられ方をしてたのが元に戻っただけだからまあいいか…
本来あったかもしれないキングマスター特有の詰め詰め能力も剥奪されてしまったものの、それでも腐っても「王」だけありスペックは強力無比。
要するに(範囲だけ見れば)《 蒼き守護神 ドギラゴン閃 》の純粋強化版と言える踏み倒しは、根強い人気の《 ミステリー・キューブ 》系列のデッキの新たな戦力として活躍してくれることでしょう。
現代デュエマにおいて天と地ほどの出しやすさの差がある8マナと9マナを繋いでくれる存在でもあることから、《 禁断竜王 Vol-Val-8 》や《 禁時混成王 ドキンダンテXXII 》をはじめとする9マナディスペクターとも好相性ですね。
また、同サイクルではタップキルとシールド回復の鬼こと《 滅印連結 ヴァルハルザーク 》やあらゆる大型呪文デッキのおもちゃとなる《 戦霊混成 ウルボランス 》など順当にヤバいカードが揃っており、それぞれの陣営の戦略をさらに強固に押し進めていけそうですね。
《スターダム・オウ禍武斗》
【 クリーチャー 】
種族 グランセクト/レクスターズ
文明 自然
パワー5000
コスト4
■マッハファイター
■このクリーチャーが出た時、自分の山札から1枚目をマナゾーンに置く。それがレクスターズなら、手札に加えてもよい。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、次の自分のターンのはじめまで、相手クリーチャーが攻撃する時、可能ならこのクリーチャーを攻撃する。
VRのシンカパワーサイクルからはこちらをチョイス!
優秀なマナレシオにマッハファイター・ブースト・シンカパワーでの攻撃誘導などなど自然に必要な能力ががっつり詰め込まれたこのカード。
普通に使っても1マナ重くて単色の《 Disノメノン 》みたいに扱えそうですが、その真価は何といってもデザイナーズコンボの《 オウ禍武斗 <サンマ.Star> 》との組み合わせにあり!高レアレクスターズおなじみの同一人物進化ギミックの中でもひときわ強力です。
順当に2マナブースト→3ターン目これからマッハファイター時に侵略…というよくあるムーブを決めるだけで、合計4ブースト。次のターンにチャージでもすれば、4ターン目にして9マナ揃います。
しかもこの過程でパワー9000のマッハファイターが相手を一体除去し、おまけに攻撃誘導で攻撃を最低一回は止めてる…と考えれば、そのリターンの大きさが伺えます。
なぜ 《 オウ禍武斗 <サンマ.Star> 》 として紹介しなかったかというと、レッゾStarに枠を取られたからあちらは何らかの手段でコストを踏み倒せないとちょっと見劣りするからです。
6マナ3ブーストの進化生物が弱いわけではないのですが、ブーストは速くたくさん行うのが強いのでやはり侵略を狙いたい所。となると必然的にこちらの方が重要、事実上の本体となってくる…というわけです。
本気でこのルートを狙って運用するなら、比較的近いスペックの《 モモスター モンキッド 》なんかを採用して8枚体制にするのもいいでしょう。でもいくら何でも能力似すぎでは…?
…まあ最大の問題は、最大コストが7にしかならない自然文明のレクスターズデッキで9マナまでマナ伸ばしてどうなるの、ってあたりですね。いっそのことレクスターズを諦めて《 シェル・フォートレス 》でランデスしたり《 地封龍 ギャイア 》につなげたりしてもいいかもしれません。
ん、自然の9マナ…?
※裏向きのカードは《 スターダム・オウ禍武斗 》《 オウ禍武斗 <サンマ.Star> 》《 デンジャデオン <ラグマ.Star> 》各4
村民まんじゅうさん大激怒必至の、轟破天レスオウ禍武斗です。轟破天との訣別の証としてスタートデッキ版を使ってますが、どう考えてもパック版にしたほうが強いです。
前述の動きで4ターン目9マナから破天九語をぶちこみ、前ターンに出したサンマStarで殴るだけのシンプルなデッキです。暴力は全てを解決する!
ほぼすべてのカードを2枠8枚ずつ入れてる都合上、デッキの再現性もなぜだかバッチリ!大量のマナで暴力をやっていきましょう。
《零獄王秘伝 ZERO×STRIKE》
【 呪文 】
文明 光/闇/自然
コスト 4
■アタック・チャンス:光と闇と自然を持つディスペクター(自分の光と闇と自然を持つディスペクターが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
■次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶自分の山札の上から、1枚目をシールド化し、次の1枚をマナゾーンに置き、さらにもう1枚を墓地に置く。
▶自分のディスタスまたはディスペクターを1体選ぶ。それと同じ名前を持つクリーチャーを好きな数、自分の手札、マナゾーン、または墓地から出す。
このパック最大の問題児にして、クソデッキビルダーのおもちゃです。
おなじみ「秘伝」シリーズの接続陣営バージョンたるこのカード。各ゾーンを着実に増やす第一能力の時点でまあそこそこやり手なんですが、問題は第二能力。
対象のディスタスかディスペクターを、あなたに見えてる領域から全部バトルゾーンに引っこ抜きます。バトルゾーン以外に3体見えてたら、3体全部出ます。そんな雑な【ロマノフサイン】再現ある?
そもそもディスタスは(基本的に)ササゲールで、ディスペクターはEXライフで原則「出せば出すほど得をする」種族。フルスペックを発揮できれば、そりゃ強いに決まってます。
特にヘビー級のディスペクターは出るだけでゲームを傾けることすら可能なので、3体踏み倒しを狙わなくても1体でも十分以上に強力です。なんならおなじみ《 龍風混成 ザーディクリカ 》で使い回してももちろんオッケーですね。4マナ呪文なので、呪文踏み倒しに長ける混成派閥と組み合わせても輝きそうです。
とはいえ、実運用しようと思うとかなり手間がかかるカードでもあるのも事実。要するに、フルスペックを発揮しようとすると「山札やシールドから増やしたいクリーチャーを複数引き抜く」「そのうちの1体をバトルゾーンに出す」「この呪文を唱える」という3工程を経る必要があるわけです。
特に第一工程が曲者で、狙ったカードを山札からサーチする手段はおおむね1:1交換が基本。これを4回やるのは、テンポの観点から見てもさすがに遅すぎます。多少の不安定さに目を瞑っても、大量墓地肥やしに狙ったカードが巻き込まれるのを祈るほうがまだ早そうです。
また、二番目と最後の工程を一体化するために三色ディスペクターを探そうにも、出たターンに殴れるのはやや地味な《 霊黒連結 スピリガリア 》か、さすがにオーバーキルなデザイナーズコンボの《 零獄連結王 ロマノグリラ0世 》のみ。
「下準備にかかった時間で普通に展開を狙ったほうが楽だった…」となっては本末転倒ですので、デッキ構築はかなりシビアになることでしょう。
どちらかというと「このカードを主役にして○○を増やす!」という目的よりも「どれが増えてもそこそこうれしいようにする」といった方面でデッキを組んだ方が輝くカードなんじゃないかな…と思ってたりします。
第一能力で普通に《 フェニックス・ライフ 》の亜種として使ってすら十分強いカードですので、「第一能力をメインに使い、たまに大爆発を起こせるカード」のつもりで運用していくと精神に優しいですよ。
ちなみに、《 ビックリ・イリュージョン 》と組み合わせれば何でも増やせます。無限に夢は広がりますが…単独ではバニラの殿堂呪文を使ってまでやりたいかと言われると…はい。本気でやるなら、踏み倒し先サーチだけでなく各種呪文サーチも併用しましょうね。
《霊宝 ヒャクメ-4》
【 クリーチャー 】
種族 パンドラボックス/アーク・セラフィム/ディスタス
文明 光/闇/自然
パワー4000
コスト6
■S・トリガー
■ブロッカー
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
■このクリーチャーが出たときまたは相手に選ばれた時、自分の山札の上から1枚をマナゾーンに置く。その後、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。
■ササゲール4
ほらー!みんながササゲールを弱い弱い言うからやべーやつが来ちゃったじゃないですかー!
現時点で唯一となるササゲール4を持つ彼は、まさしくあらゆるディスペクターを極限までサポートしてくれる一枚。よほどでない限り、文明さえ揃っていればこいつをササゲるだけでほぼすべてのディスペクターが素出し圏内になります。なんかブーストもついてますし。
三色6マナと素出しこそかなり厳しいものの、トリガーであることと踏み倒し手段に事欠かない接続陣営のディスタスであることから、出すことそのものはそこまで難しくなさそうです。
おまけにcipのブーストとハンデスで確実にアドを稼げるので、極論ですが出ただけでちゃんと仕事を終えています。「俺は防御トリガーですが?」みたいな顔してついてるブロッカーもいざという時に役立ちそうですね。
おそらく公式の考えとしては古き良き2-4-6のムーブから次のターンに11の《 零獄接続王 ロマノグリラ0世 》に繋げてね(あわよくばロマノグリラの能力で釣ってね)…というカードなのでしょうが、文明問題さえ解決できるなら別に出すディスペクターはなんでもいいんですよね。
例えばこいつをササゲて《 砕慄接続 グレイトフル・ベン 》を出し、墓地→マナ→バトルゾーンでワールドツアーを行わせるだけで盤面そのまま(最低でも)2ブーストと2ハンデスですし、余ったマナでベンをおかわりすればもう一回遊べるドン。
これに限らず今まで踏み倒しに頼らざるを得なかった9-10マナくらいの派手なディスペクターの面々も、こいつがいるだけで簡単にぶん回せるようになるので再評価されそうな気配です。《 神龍連結 バラデスメタル 》はさすがに厳しそうですが…
いままで使おうとして諦めてきた重めのディスペクターがいるなら、まずこれを使って何かやってみることを考えるといいと思います。とりあえずきたしーは初動で4枚揃えます。
あと、《ディスタス・ゲート》の関係でこの先1マナの有用ディスタスが来たりするとさらに化けますね。《 Disとこしえ 》とか《 剛撃 とこしえ-1 》とか来ない?
《龍魂珠》
【 クリーチャー 】
種族 ドラゴン・オーブ/ディスタス
文明 自然
パワー4000
コスト4
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から1枚をマナゾーンに置き、残りを好きな順序で山札の下に置く。
■ササゲール2
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
こいつを殴れるなら、レクスターズに入ってやってもいいかな…。
おわりに
というわけで、「禁断龍VS禁断竜」注目カードでした。
今回は全体的なカードパワーもさることながら、ヤバいカードが本当にヤバいという印象が強いですね…!環境がどうなるか、考えただけでヒヤヒヤしてきます。
締め切りと枠の関係であまり触れられなかったんですが、アンコモンの2マナササゲール1サイクルや各種「Re:」や「GS」の面々、取り回しのいい中量級ディスペクターなどなどデッキの足回りを支えるカードも着実に強化が進んでたり。
個人的なこのパックの推しは《 祈跡連結 ミルザビ・ミラ 》と《 霊刑連結 ジゴク・パルテノン 》です。維持するだけで勝てるタイプの効果と早出し&除去耐性持ちのディスペクター、相性が良すぎる…!
ちょっとでも興味の湧いたカードがありましたら、ぜひぜひ実際のカードを手に取ってみてくださいませ!できれば弊社で!
それでは、次の記事で。北白河でした。