はじめに
昨日9/13発売の『月刊コロコロコミック 10月号』、もう読みましたか?
雑誌本編での新情報や漫画の話は例によってボルスズに任せるとして、今回はその付録となる40枚デッキ「暴淵の邪神(アビスベル・エナジー)」の話!
スタートデッキがいきつよに取って変わられたからとはいえ、まさか同じ年に2回目があるとはね……。
「かつてのスタートデッキ級」「付録デッキ史上最強」と謳われた前回のデッキ「超霊の邪魂」 に引き続き……どころかそれを超えるくらいめちゃくちゃ気合の入ったデッキですので、この記事ではカード解説・デッキの回し方・改造案までがっつり解説しちゃいます!
今回はこのデッキからデュエマに入る初心者にも向けて、詳細に説明していきますよ。
このデッキがどんなに強くてもコロコロが売れるだけだから、カーナベルは儲からないんじゃ……
なんならまだ出てない新パックのカードの話をしても儲からないよ
目次
デッキリスト
低コストカードとハイパー化を活かして最序盤から攻める「超霊の邪魂」から打って変わって、同じ低コストベースでも墓地回収を活かした展開で粘り強く戦えるデッキに仕上がっています。総合力で見れば、マジでコロコロデッキ史上最強なんじゃないでしょうか。
その展開力はハイパーエナジーや新能力とも好相性で、少なくともコストの違うクリーチャーを3体並べさえすればそこからはもはややりたい放題並べたい放題。
さらにちょっとやそっと除去されても、墓地から回収して出し直せるのでリカバリも容易ときています。相手を妨害する手段こそありませんが、長期戦もお手の物です。
とはいえだらだらゲームを引き延ばしていると相手にも時間を与えてしまうので、準備が整ったら早めにフィニッシュに移行することも心掛けたいですね。
逆にデッキの弱点を挙げるとするなら、「破壊以外の除去」と、「全体除去」。盤面が並べば並ぶほど強いということは、リカバリが効かないくらい除去されると崩れやすいということでもあります。
もしこのデッキの相手をする場合は、意識してみるのもアリかもしれませんね。
注目カード解説
《ハイパー=暴=ジャシン帝》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 超化獣 / 文明 闇 / パワー8000 / コスト7
■ハイパーエナジー(このクリーチャーを召喚する時、コストが異なる自分のクリーチャーを好きな数タップしてもよい。こうしてタップしたクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない)
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーが出た時、クリーチャーを2体まで、自分の墓地から手札に戻す。
このデッキの切札にして、継戦能力を極限まで高める一枚です。
デッキ内最大級のパワーを持つにも関わらず、ハイパーエナジーでコストが軽くなるので実運用上はおおむね3マナや1マナで出ることになるでしょう。なんなら、フレーバーに書いてる通りにいとも簡単に3ターン目に出ますからね。
ここでタップした小型クリーチャーをブロッカーで守れることもあって、ハイパーエナジー特有の隙もカバーできるのがとにかく偉いですね。
そして真骨頂となるのが、出た時の墓地からのクリーチャー回収。実は「墓地から手札への複数枚の回収」を行うカードは史上でもけっこう珍しく、それを軽く出せるクリーチャーが行えるのは破格です。
ハイパーエナジーで軽く出して余ったマナで回収したクリーチャーを再展開……と動けるのはもちろんのこと、2枚目の《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》を回収することで破壊されたそばからぐるぐる回収して使い回していけるのがとにかくお得。
文字通り不滅の戦いぶりで、暴れ回ってやりましょう。
《ジーペン=ギーゼン》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 超化獣 / 文明 闇 / パワー6000 / コスト1
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■自分のタップしているクリーチャーが3体以上なければ、このクリーチャーは攻撃できない。
1マナと最軽量ながら、タップ状態の仲間が3体もいないと攻撃できない……という枷を抱えたこのカード。
しかし、その軽さとパワーを活かせば「殴り返されにくいハイパーエナジーのタネ」として活躍間違いなし。なんなら、1マナで召喚→ハイパーエナジーのタネにして2マナ軽減…と動くことで、実質的に1マナ得することも可能です。
さらにその攻撃制限も、ハイパーエナジーで味方をタップした直後や終盤の一斉攻撃の際などすり抜けるチャンスは結構あります。
最初から最後までデッキを支える、このデッキらしいいいカードだと思います。
《オンサ=マンサー》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 超化獣 / 文明 闇 / パワー1000 / コスト1
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは攻撃できない。
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目を見る。それを墓地に置いてもよい。
攻撃できない最軽量ブロッカーですが、選べる墓地肥やしがついているのがとっても偉い一枚。
今すぐ要らないカードならさっと墓地に落とし、欲しいカードならそのままにしておく……というように、事実上次のターンのドローの先取りができるわけですね。特に終盤、無駄牌を引きたくない場面で沁みること間違いなしです。
最初は、「《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》か次のターンに絶対に使いたいカード以外なら墓地に落とす」くらいの感覚で使っていいと思いますよ。
もちろんこちらもハイパーエナジーのタネとして優秀なので、初手にあればフレーバー通りに1ターン目に出してやりましょう。
《暴淵 ボウマ=ダンマ》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 超化獣 / 文明 闇 / パワー3000 / コスト6
■S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
■ハイパーエナジー(このクリーチャーを召喚する時、コストが異なる自分のクリーチャーを好きな数タップしてもよい。こうしてタップしたクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない)
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。
トリガーで除去できるのはもちろん、ハイパーエナジーで素出しもしやすい……というお得なカード。
3ターン目ごろの手札に《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》がない場合、こっちを出して序盤の盤面の取り合いを制しにいくのも手です。
また、他と被らない「6」というコストからこれまたハイパーエナジーのタネに最適。序盤のトリガーで出てきたら、有難くタネにしてあげましょう。
《オペラグラス=ドクラス》
【クリーチャー】
種族アビスロイヤル/文明闇/パワー2000/コスト2
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から2枚を見る。その中から好きな枚数を墓地に置き、残りを好きな順序で山札の上に戻してもよい。
《 オンサ=マンサー 》の兄貴分というべき、墓地肥やしと山札操作を併せ持つ一枚。
使い方も概ね同じで、引きたいカード以外はどんどん墓地に送っていくのが手です。出た後はやっぱりハイパーエナジーのタネになります。
《 ド:ニーワ 》とかで使い回せると、そのうち百発百中で欲しいカードが引けるくらいにデッキを回していけますよ。(たぶん)
デッキの回し方
①まずは1マナと2マナ獣を揃える!
まず最初にすべきは、1ターン目に1マナクリーチャー→2ターン目に2マナクリーチャーと動くこと。のちにハイパーエナジーのタネにするために、何としてもこの動きは実現しておきたいですね。
この過程でできればやりたいのが、「墓地を肥やしておくこと」と「マナに自然のカードを埋めておくこと」。
前者ができると《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》で回収するための選択肢が増え、後者ができると数の少ない自然のクリーチャーのスタンバイが整います。
それぞれ、「《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》か次のターンに使いたいカード以外はどんどん墓地に送る」「手札にあれば、2ターン目は自然のカードをマナに置く」ことを意識していきましょう。
②ハイパーエナジーで切札展開、そして並べて攻めろ!
①で上手く並べていれば、3ターン目に《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》や《 暴淵 ボウマ=ダンマ 》が出せます。
前者なら大型クリーチャーに加え墓地回収で手札が増えますし、後者でも除去で相手の出鼻をくじけるはず。
並べば並ぶほど後のハイパーエナジーもやりやすくなりますので、それ以降も手札や墓地からとにかくカードを並べまくっていきましょう。
こうして充分(攻撃可能クリーチャー4-5体くらい)並べたら、あとは一斉攻撃でシールドを割って勝利を目指しましょう。
だらだら殴っても相手に手札を与えて逆転を許すだけですので、一度攻撃を始めたら長くても次のターンに、できればそのターン中に決着を付けることを意識しましょう。
③長期戦でも安心!粘り強く戦おう
もし相手の守りが硬い場合は、さらに盤面を並べまくって長期戦を挑むのも手。
《 ド:ニーワ 》で毎ターン《 オ:ンータイ 》や《 ア:メツトヒ 》、《 フォーク=フォック 》のような手札が増えるカードを蘇生しまくれば、さらに展開は加速します。
また、《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》を出す→ブロックなどであえて破壊→2枚目の《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》を出して、他のカードと一緒に回収……と動けば半永久的にカードを使い回し続けることも可能。
この際に他のカードもあえて自爆させて回収し、出た時効果を使い回すプランを使いこなせると、デッキの柔軟性はさらに高まりますよ。
5-6マナと《 オ:ンータイ 》の軽減があれば(トリガーで出すのが前提の)《 ミル=ミルアミール 》以外のカードはガンガン使って行けるので、《 暴淵 ボウマ=ダンマ 》や《 ア:グンテ 》で邪魔なクリーチャーをどかして攻め込みましょう。
デッキ改造案(お手軽改造)
以前のコロコロデッキ「超霊の邪魂」のカードと合わせたサンプルデッキです。毎月コロコロを読んでいるプレイヤーなら、なんと無料。
デッキを闇単色にし、墓地利用と破壊に寄せた構成です。トリガーがちょっと減ったぶんは、増えた除去とスレイヤーでカバー。
特に《 カリッキ=リッキ 》をタップしてハイパーエナジーを使った時の回収力は圧巻で、もはや無限のリソースが手に入ることでしょう。今回は2マナ域過多なので諦めましたが、《 シックル=シーク 》がいるとさらにすごいことになります。
余裕があれば、《 ハイパー=暴=ジャシン帝 》も増やしたいところ。コロコロをもう一冊買うのが一番早いんですが、さすがに予算や置き場所がない場合はカードショップや友達との交換などで入手しましょう。《 カリッキ=リッキ 》もよろしくね。
また、前月号付録の《 暴淵 ボウワウジャ 》もこのデッキでは優秀なアタッカーになりますので、どこかの枠に投入してあげたいですね。
あとこれは素直な感想なんですが、無改造で回してて「こういうカード欲しいな~」と思ってたカードがそのまんま半年前のデッキに入っているあたり、公式は「わかって」やっています。商品開発が上手すぎる。
デッキ改造案(しっかり改造)
最近のパックに収録された、比較的手に入りやすいカードを使ってデッキを改造するなら……というテーマで、サンプルデッキを2つほど組んでみました。
もし見つからないカードがあれば、デッキリスト下部の「デッキ価格をシミュレーション」から直接カーナベルに買いに行けるのでぜひどうぞ!(注文は2000円以上からとなります)
闇単・超化獣軸改造
アビスのOR、《 邪魂の王道 ジャシン帝 》を活かした、ハイパー化との複合デッキです。あちらの効果で墓地から直接アビスを出せるばかりか、OVERハイパー化でフィニッシャーにまでなってくれますね。
注目したいのが、《 トメッグ=グメトゥ 》と《 深淵の瘴炉 インシネ=ロウ 》。
ハイパーエナジーでタップしているクリーチャー(ひいては、次のターンにアンタップするクリーチャー)を用意しやすくなったので、使いやすさが跳ね上がりました。両方揃うと、見る見るうちに相手のバトルゾーンと手札が溶けていきますよ。
まあ、同じパックに同じような条件で出てきて一体でバトルゾーンも手札も刈り取っていくやつもいるんですが……これはアビスじゃないしお高いのでいったんスルーで。
闇自然・革命チェンジ軸改造
3ターン目ハイパーエナジーから大型アビスが出るのを見越し、次のターンに大型革命チェンジを狙う構成です。
特に7コスアビスの少なさから出す手段がこれまで乏しかった(というか別にそこまでやらなくても勝てていた)《 アビスベル=覇統=ジャシン帝 》にとっては、今が最も輝く時とすら言えるでしょう。
終極宣言まで漕ぎつければさすがに勝ててしまうので、その暴力的なまでの展開力を楽しんでくださいませ。
新パック改造オススメカード
今さらながら、そもそもコロコロデッキはいわば「新しいパックのギミックのお試し版」というべきもの。
つまり、その新しいパックには「正式版」というべき、このデッキを正当強化するカードがたくさん入っているということです。
そんな9/21(土)発売の新パック「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」でデッキを改造する際のおすすめカード(9/13昼時点で判明分のみ)を少しだけご紹介いたします。
《 超暴淵 ボウダン=ロウ》
【クリーチャー】
種族アビスロイヤル/文明闇/パワー13000/コスト10
■ハイパーエナジー(このクリーチャーを召喚する時、コストがコストが異なるクリーチャーを好きな数タップしても良よい。こうしてタップしたクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。)
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが召喚によってでた時、または相手プレイヤーを攻撃する時、自分の山札の上から5枚まで墓地に置く。そのゴ、コスト5以下の、コストが異なるクリーチャーを好きな数、自分の墓地から出す。
スーパーレアだけあって、あまりにもド派手な墓地肥やしと大量蘇生が可能な一枚です。自身も巨大なうえ、攻撃するとまた誘発するのがすごすぎる。
これが出せそうなら、ハイパーエナジーで3体タップして4ターン目に出したいところ。
いわゆるガチ環境でも使われる気配があるほどインパクトの強いカードなので、もしパックから引き当てたら大切に使ってあげてください。
《 ホルン=ストロン 》
【クリーチャー】
種族アビスロイヤル/文明闇/パワー5000/コスト5
■スレイヤー(このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、相手クリーチャーを破壊する)
■ヨビニオン(このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から、これよりコストが小さいクリーチャーが出るまで表向きにしてもよい。そのクリーチャーを出す。残りをシャッフルし、山札の下に置く)
■このクリーチャーが出た時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。
展開の水増しができる、新能力「ヨビニオン」の使い手です。ハンデスのおまけつき!
素の構築だと何が出てくるかは運任せですが、上手く使い回せたときの展開力は半端ではありません。
ハイパーエナジーを阻害しないようデッキのコストを上手く計算しながら採用できると嬉しいですね。
《 ド:コータ 》
【クリーチャー】
種族ノワールアビス/文明闇/パワー1000/コスト2
■S・トリガー
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-3000する。
素出しも余裕の軽量トリガーにして、相手の小型を破壊して戦況を優位にしてくれるお得な一枚です。
いわゆるガチ環境では妨害効果を持つ軽量クリーチャー(メタクリーチャーとも言います)が多用されるため、それらをさっとどかせるのは嬉しいところ。
大型獣のパワーを削ってバトルで倒すような使い方も可能ですので、意外なほどに腐りにくい一枚です。
他にも「ハイパーエナジーのタネになる1マナと2マナを重視する」「それ以外のコストはある程度散らす」ことさえ覚えておけば、きっとデッキは気持ちよく動いてくれるはず!
ぜひぜひ、デッキ改造の楽しみに触れてみてくださいませ。
今回のまとめ
- 今回のコロコロデッキも、めちゃくちゃ完成度が高い!
- 「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」での強化も期待!
- それはそれとして「半年前のデッキとセットで完成する」は公式の構築が上手すぎんか
今後もガチまとめではホットな話題を取り上げていきますので、ぜひ 公式X(旧Twitter) のフォローをよろしくお願いします!
ところで、コロコロのメインターゲットのキッズたちはわざわざネットで検索してこんな記事を読むんだろうか……
今さらすぎるけど、こういうのは置いとくだけで価値があるものなんじゃないですか