出張やさころ『オルフェゴールの進化論』(前編)~初動の進化論~

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出張やさころ『オルフェゴールの進化論』(前編)~初動の進化論~

目次

自己紹介

初めまして、遊戯王プレイヤー兼ブログ書くマンのしらこ(@peroshirako)と申します。記事の前に簡単ですが自己紹介をさせて頂きます。
まず初めに、タイトルの「やさころ」って何やねん!と思っている方が多いと思います。これは私が運営しているブログである「やさしくころして」の略称で、このブログでは遊戯王の最新テーマや環境デッキの解説記事、5秒で思いついたネタ記事等を投稿しておりました。現在は更新ストップしており、ここ最近ではTCGプレイヤーにちょっぴり話題なnoteいう記事投稿サイトにて活動をしております。(ミーハーなので)

OCGに関してはいわゆる「環境デッキ」をメインに使用し、大型非公認大会や今年は遊戯王WCSの日本代表選考会にも参加しました。そして、環境デッキを使うことで得たノウハウをアウトプットすることの面白さに魅了されブログを書いたり書かなかったりしてるのです。
そんな自由気ままにブログ書くマンな私ですが、今回ガチまとめ様の「トレカライターコロシアム」という激熱なイベントを知り「なんだこれ、これぞ遊戯王ブロガーが求めていたイベント・・参戦するしかねぇ!」と言う気まぐれによりこの場を借りて投稿させて頂きます。

オルフェゴールの進化論

今回紹介するテーマはオルフェゴールです。
オルフェゴールと言えば、ご存知の通り前環境のトップデッキの1つです。かく言う私も2019年1月に強化されてからこのデッキの強さとギミックの面白さを知り、半年以上使用しています。制限改訂によって規制された今、環境で見かける機会は前期より少なくなり、ユーザーがオルフェゴールの情報を得る機会が減ってはいます。しかしながら未だに根強い人気のあるテーマであり、CSでもそれなりに使用者がいるデッキであるため、新制限によって変化したオルフェゴールについて
(前編)初動の進化論
(中編)展開の進化論
(後編)構築の進化論

と3編に分け詳しく解説していきます!

それではさっそく前編の「初動の進化論」と行きましょう。
まずはこの画像をご覧ください。

オルフェゴールの強み(ドン!)


な、なにーーーーっ!!
今まで読んでいたオルフェゴールの記事は?

と思った読者の皆様、安心してください。この画像は一見《封印されしエクゾディア》ですが、ズバリ!オルフェゴールの強みを表しているのです。規制されても尚人気のあるオルフェゴール、その秘訣はテーマ特有の強さにあります。

では何故オルフェゴールは未だに強いのか・・・・?

まずオルフェゴールのテーマとしての強みを今一度おさらいしていきましょう。

はい、オープン。

オルフェゴールの強みはズバリ

①展開力の高さ
②盤面突破力
③リソース力
④妨害力

にあります。

まず一つ目の①展開力の高さですが、これはメインデッキのモンスターが担っている役割です。メインデッキに入るオルフェゴールモンスターは皆、仲間を特殊召喚する効果もしくはそれに繋がる効果を持っています。《星遺物-『星杖』》を含めた5体のモンスターは墓地効果を発動した後、闇属性モンスターしか特殊召喚できない制約がある代わりに手札、デッキ、墓地、除外ゾーンからオルフェゴールモンスターを展開し、リンク素材を供給することで盤面形成へと繋げていきます。

※発動後自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。

2つ目の強みは、《宵星の機神ディンギルス》による盤面突破力です。《宵星の機神ディンギルス》は後述する《オルフェゴール・クリマクス》と共にブースターパック『DARK NEOSTORM』で登場しオルフェゴールを環境入りへと導いたカードの1枚です。

《宵星の機神ディンギルス》エクシーズ・効果モンスター ランク8/闇属性/機械族/攻2600/守2100レベル8モンスター×2自分は「宵星の機神ディンギルス」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、自分フィールドの「オルフェゴール」リンクモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。①:このカードが特殊召喚に成功した場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●相手フィールドのカード1枚を選んで墓地へ送る。●除外されている自分の機械族モンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。②:自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。

出典:遊戯王OCGデータベース

その効果はオルフェゴールリンクモンスターの上に重ねて出せるエクシーズモンスターという・・・・もしこれが私が考えたオリカであれば皆さんから「せめてルールは守った上で考えろ」と怒られてもおかしくないテキストですが、これはコナミ様が作ったので合法です。オルフェゴールリンクモンスターはリンク2の《オルフェゴール・ガラテア》が最も簡単に出せるリンクモンスターなので実質「オルフェゴールを含めモンスター2体並べられれば相手の場のカードを対象に取らずに墓地に送れる」ということになります。コナミ様がやりました。特殊召喚成功時に相手の場のカードを対象を取らずに墓地に送れるのですが、現代遊戯王は破壊耐性持ちモンスターが簡単に出せるゲームですから、強力な耐性を無視しながら除去できるこのカードがハチャメチャに強いことは皆さま容易にわかると思います。コナミ様が(ry

それだけではなく、①の効果は除去効果の代わりに除外されている機械族モンスターを素材に取り込んで破壊耐性に変換することも可能です。先攻1ターン目には墓地送り効果は必要ないのでこちらを積極的に使っていきましょう。これは強み③の『リソース力』にも通じるのですが、先ほども紹介したようにオルフェゴールモンスターはみな墓地効果を持つのでしれっと《宵星の機神ディンギルス》に取り込まれたオルフェゴールは次のターン以降の展開に使えるわけですね。

《オルフェゴール・ガラテア》リンク・効果モンスターリンク2/闇属性/機械族/攻1800 「オルフェゴール」モンスターを含む効果モンスター2体このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:リンク状態のこのカードは戦闘では破壊されない。②:除外されている自分の機械族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。その後、デッキから「オルフェゴール」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットできる。

出典:遊戯王OCGデータベース

《宵星の機神ディンギルス》に加えてオルフェゴールリンクモンスターは皆、除外されている機械族をデッキに戻しながら効果を使用するため、《オルフェゴール・スケルツォン》《星遺物-『星杖』》のような初動にならず採用枚数を抑えたいカードもリンクモンスターによって循環させることで毎ターンオルフェゴール展開を可能にする戦線継続力を持っていることが強みです。

4つ目が《オルフェゴール・クリマクス》による質の高い『妨害力』です。

《オルフェゴール・クリマクス》カウンター罠このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:自分フィールドに「オルフェゴール」リンクモンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし除外する。②:墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキのモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、機械族・闇属性モンスター1体を選んで手札に加える。この効果を発動するターン、自分は機械族・闇属性モンスターしか特殊召喚できない。

出典:遊戯王OCGデータベース

カウンター罠で『魔法・罠・モンスター効果を無効化して除外する』という最上級クラスの妨害を《オルフェゴール・ガラテア》によって簡単に用意できるのが、前環境からオルフェゴールの盤面が強いと呼ばれる理由です。

そんなこんなで数々の強みを持つオルフェゴールですが、一番の強みはこれら4つでは無いんです。前制限で環境を追いかけてたプレイヤーなら今更言うまでも無いかと思いますが前期のオルフェゴール最大の強み、それは

《トロイメア・マーメイド》によってもたらされる圧倒的安定感なのです。《トロイメア・マーメイド》はリンク召喚成功時に手札1枚を捨てることで場にトロイメアモンスターを特殊召喚できます。《オルフェゴール・トロイメア》がトロイメアネームを持っているため、《トロイメア・マーメイド》をリンク召喚できればデッキからオルフェゴールモンスターへアクセスでき、初動となることができました。そして、《トロイメア・マーメイド》《トロイメア・ケルベロス》《トロイメア・フェニックス》を素材にリンク召喚できるため、これらの召喚条件である「名前の異なるモンスター2体」が間接的にオルフェゴールの初動になることが出来るという遊戯王史上でも類を見ない初動の安定感を実現していました。

・・・・・まぁ、禁止カードなんですけども♨

トロイメアマーメイドを失ったオルフェゴールの道

2019年7月~リミットレギュレーションにより、オルフェゴールはデッキの核となる《トロイメア・マーメイド》を失い、それと共にデッキの安定感と妨害貫通力を著しく落としてしまいました。『トロイメア・マーメイド禁止』と一言で言いますがその影響力は計り知れません。何故なら、このカードの禁止はオルフェゴールデッキを支えていた『初動として場にモンスターを2体並べるギミックの禁止』と同義だからです。

そのため、これまで《終末の騎士》《スクラップ・リサイクラー》のオルフェゴールにアクセスする効果を無効にされたとしても別のカードで場にモンスターを追加して《トロイメア・マーメイド》から展開できる強みはなくなりデッキパワーを大きく落としてしまうこととなったのです。結果、オルフェゴールユーザーは激減し展開系ユーザーはドラゴンリンクへと移っていくこととなります。

「もうオルフェゴールは終わりだぁぁぁ!!」

お、落ち着いて。それならこの記事書かないよ。考えてみましょう。オルフェゴールの核となる《封印されしエクゾディア》の顔面こと《トロイメア・マーメイド》は禁止となってしまいましたが、右腕、左腕、右足、左足ことオルフェゴールの強みは健在じゃないですか!もともとオルフェゴールはサブギミックを取り込むことが得意な「塊魂」デッキあり、これまでも閃刀姫ギミック、ベイゴマタケトンギミック、スクラップギミック、クリッターパラディオンギミック等環境変化に順応しながらどんどん形を変えていきました。

ここで私が好きな偉人の言葉を紹介したいと思います。

「最も強いものが生き残るのではなく、
最も賢いものが生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、
変化出来るものである。」

引用:「種の起源」 Charles Robert Darwin

まさにオルフェゴールを表した言葉ではないでしょうか。そして適用力に富んだオルフェゴールは既に、失われた《封印されしエクゾディア》の顔面を取り戻しているのです。

ん?

何かちっさくね?

新制限のオルフェゴール構築

オルフェゴールは、《ジェット・シンクロン》というこれまでも共に戦ってきた仲間を主戦力とし、生まれ変わったのです。

確かにこれまで主軸となっていた《トロイメア・マーメイド》のパワーがすこぶる高かったため、それに比べると頼りないかもしれませんが、新たな姿のオルフェゴールは根本的にこれまでの性質とは異なるデッキなのです。

前期のオルフェゴールと言えば、《トロイメア・マーメイド》を初動として《オルフェゴール・トロイメア》にアクセスし、オルフェゴールモンスターの展開力によって幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ+幻影霧剣2枚+オルフェゴール・ガラテア+オルフェゴール・クリマクスであったり、チューナーが展開に絡むと《ヴァレルロード・S・ドラゴン》、前期終盤では先に《召命の神弓-アポロウーサ》を出すことで盤面形成をしつつ自分の展開に対する誘発をケアするという、前期では

「それオルフェゴールでよくね?」

と他を寄せ付けない強力な展開デッキでした。しかし《トロイメア・マーメイド》が居なくなったことで場にモンスターを複数並べる意味が薄れ、それらを目的としたカードを採用する必要がなくなったのです。結果、生まれ変わった新しいオルフェゴールの構築がこちらになります。

これまで採用していたオルフェゴールとは全く性質の異なる構築となっています。その特徴を簡単に紹介すると、・《星杯の神子イヴ》を出すギミックの廃止・トリックスターギミックの廃止・《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》を始めとする幻影ギミックの廃止始めに上の2つの理由としては、これらのギミックは《トロイメア・マーメイド》があってこそ輝くギミックだったため、禁止となった今は余剰展開札となります。次に幻影ギミックに関してですが、幻影ギミックが強かったのは「オルフェゴールの展開後に自然と出すことが可能で簡単に《幻影霧剣》2枚の妨害を用意できる点」と「幻影モンスターを素引きしても《転生炎獣アルミラージ》をリンク召喚し墓地に送ることで《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》をサーチし、《トロイメア・マーメイド》に繋げられるため初動としても機能する点」が強かったのです。前者は今でも可能で、先攻盤面を強く出来るので選択肢の1つとなりますが、ここで一つの問題が上がります。

「ドラゴンリンクが強すぎる。」

デッキとして強いのはもちろん、先攻でできる盤面が全盛期のオルフェゴールを越えており、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》を出しつつ《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》で全ハンデスをしてきます。この《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》が本当に悪いカードであり、カードゲームにおいて先攻全ハンデスは実質先攻ワンキルとも言えます。(墓地効果デッキだとその限りではないですが)そんな《破滅竜ガンドラX》を禁止されてもなお強力な先攻展開のできるデッキが存在する以上、オルフェゴールが先行盤面形成を行う方向でデッキ構築をしても悲しいことにドラゴンリンクには太刀打ちできません。となると、ドラゴンリンクとは別ベクトルで進化する必要があります。そこで生まれたのがこの「ジェットシンクロン軸オルフェゴール」です。前期から採用されていた《ジェット・シンクロン》ですが、このカードは《トロイメア・マーメイド》がいない今でも1枚初動として活躍します。そして、《ジェット・シンクロン》《調律》によってサーチが可能なため、これらを最大6枚採用することで初動の安定感を高めることが可能なのです。そしてジェットシンクロン軸の場合、従来のオルフェゴールのような出張パーツが少ないためデッキの枠に余裕があり、ドラゴンリンクだと難しい「手札誘発枠の捻出」が可能となりました。

これこそが今期のオルフェゴールの生き残り戦略である
「中速展開デッキへの進化」なのです。

先攻展開こそ最小限に抑えるものの、安定感が高く
盤面の妨害不足を手札誘発で補い、後攻もドラゴンリンクに対して誘発で対抗できる・・・・
それが今期のオルフェゴールの強みだと言えます。
本当にジェット・シンクロンが初動になるの?

ジェット君「任せてください!」

展開例 ジェット・シンクロン+手札1枚

手札に《ジェット・シンクロン》もしくは《調律》しか展開札が無い場合の展開をしていきます。《トロイメア・マーメイド》が居なくなったことでオルフェゴールにアクセスする手段が減っているため、オルフェゴール展開のキーとなる《オルフェゴール・ディヴェル》《オルフェゴール・トロイメア》は素引きしやすいよう3枚ずつ採用しています。欲を言うならこれらのカードを引きたいところですが、無くても妨害を用意できるのです。それではジェット君、お願いします。

①《ジェット・シンクロン》を召喚。
②《ジェット・シンクロン》を素材に《リンクリボー》をリンク召喚。
③手札1枚を捨て《ジェット・シンクロン》を特殊召喚。
④《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚。リンク召喚時効果で《オルフェゴール・カノーネ》をデッキから特殊召喚。
⑤《水晶機巧-ハリファイバー》+《オルフェゴール・カノーネ》で《オルフェゴール・ガラテア》をリンク召喚。

《水晶機巧-ハリファイバー》からオルフェゴールにアクセスできるので水晶機巧-ハリファイバー=オルフェゴール・ガラテアorオルフェゴール・ロンギルスになれますね。

⑥《オルフェゴール・ガラテア》効果で除外されている《ジェット・シンクロン》をデッキに戻し、《オルフェゴール・クリマクス》をセット。

ここが一番のミソなのですが、前期は《オルフェゴール・ガラテア》の効果で除外されたオルフェゴールをデッキに戻すのが基本だったため勘違いされがちですが、戻すのはオルフェゴールではなく機械族なら何でもいいので《ジェット・シンクロン》《水晶機巧-ハリファイバー》を戻して効果が使えます。最初に墓地から《ジェット・シンクロン》を蘇生したことで「フィールドを離れた時除外される」というデメリットが適用されるため《オルフェゴール・ガラテア》の効果用の機械が容易できるというカラクリです。

このようにジェット・シンクロンor調律+手札1枚でオルフェゴール・ガラテア+オルフェゴール・クリマクスによる1妨害ができました。この展開の場合、一見妨害が用意できただけで守った後どうすんの??と思いますが《オルフェゴール・クリマクス》の墓地効果である「墓地のこのカードを除外して発動できる。 デッキのモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、 機械族・闇属性モンスター1体を選んで手札に加える。」によってオルフェゴールモンスターをサーチできるため次のターンからはより強い展開が可能となり、妨害+後続確保が成立しているのです。

やるじゃん、ジェット・シンクロン。

続きます

今回は新制限オルフェゴールの超基本の動きのみ紹介しましたが、「これだけ?」と思った方もいるかもしれません。確かに前期の展開に比べると妨害の数が少ないので拍子抜けするのもおかしくありません。しかし、《ジェット・シンクロン》に加えてオルフェゴールカードを使うことで展開はどんどん進化します。次回の記事ではジェット君がどんどん強力なモンスターに進化していく様子を解説していきますのでお楽しみに!

ジェットシンクロン「相変わらず僕の使い方雑じゃね?」

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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