はじめに
こんにちは、ふじおです!
今回は古の環境カード《光と闇の竜》について学び、最新のカードプールでデッキを組んでみよう!という記事になってます!
このカードの全盛期は2007年頃で、「ライトアンドダークネスドラゴン」を縮めて呼んだ【ライダー】系のデッキとして猛威を振るっていました。
当時中学生の筆者は、自慢の【デミスドーザー】をショップ大会に持ち込み、大人のお兄さんが操る【デステニーライダー】によくわからないままボコボコにされた思い出があります。デッキパーツも高額なものばかりで手が出なかった記憶も…
加速するゲームスピードに着いてこられず一線を退いたそうですが、今は令和。
カードプールが桁違いの今だからこそ、あの【ライダー】デッキをパワーアップした状態で復活させたい!そんな想いで執筆させていただきました。
是非、最後までご観覧ください
目次
《光と闇の竜》活躍とその歴史
漫画『遊戯王GX』にて万丈目の切り札として登場し、単行本1巻の付録としてOCG化されました。2006年発売から2021年の現在まで再録されておらず、古いテキストしか存在しない上に特殊裁定の多い超めんどくさいカードです!
自分、相手を問わず強制的に使用される無効効果はあまりにも異質で、打点が下がっていくため戦闘破壊されやすく、破壊された時に自分の場をリセットしてしまうピーキーな性能をしています。
ゲームスピードが遅い当時の遊戯王では猛威を振るいましたが、自分も動きづらくなるので度々フィールドを硬直状態にしていました。
【 効果モンスター 】
星 8 / 光 / ドラゴン族 / 攻2800 / 守2400
このカードは特殊召喚できない。このカードの属性は「闇」としても扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。自分フィールド上のカードを全て破壊する。選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
【寒波バブライダー】(2007年3月制限)
環境で活躍していた【寒波バブ帝】に《光と闇の竜》を組み込んだデッキです。カード名をくっつけるだけのデッキ名に時代を感じますね…
次のターンまで魔法・罠の発動を封じてしまう《大寒波》を発動した後に召喚される《光と闇の竜》や《風帝ライザー》がかなり強力に見えます。
裁定変更前の《森の番人グリーン・バブーン》はダメステでも蘇生できたので、場持ちの良い下級獣族と組み合わせて粘り強く戦えそうです。
【デステニーライダー】(2007年3月制限)
《光と闇の竜》全盛期、もう一つのアーキタイプです。
【D-HERO】カードをドローソース兼生贄要員として利用し、《光と闇の竜》で相手を疲弊させつつ、自分は《D-HERO ディスクガイ》蘇生させて2ドローしていきます。
エラッタ前の《D-HERO ディスクガイ》にはデュエル中1度の制限が無く、何枚でも《強欲な壺》を使用できるようなものでした。当時は高額プロモのため手が出ず、気づいたら禁止カードになってましたね…
【スーパードローライダー】(2008年9月制限)
三種のドローソースで生贄と上級モンスターを引き込み、先行制圧してしまおうというコンセプトです。
後に【シンクロダーク】と呼ばれるデッキの基盤で、ゲームの高速化により上級モンスターと一部ドローソースが抜け、後手からワンキルするシンクロデッキにシフトしていったようです。
ドローソースや《光と闇の竜》が抜けた後でもこの名前で呼ばれていたという逸話があり、今で言う【○○抜き○○】のはしりだったのかもしれません。
他にも【ライダー】系デッキに分類される構築はいくつかありましたが、目立って活躍していたのは2007年でした。【征竜】が環境に居た時にも1度スポットが当たっているようですが、それ以降姿を見せていません。
《光と闇の竜》のややこしい仕様について
【 効果モンスター 】
星 8 / 光 / ドラゴン族 / 攻2800 / 守2400
このカードは特殊召喚できない。①このカードの属性は「闇」としても扱う。②このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。③この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。④このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。⑤自分フィールド上のカードを全て破壊する。⑥選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
前述した通り古いテキストしか存在せず、効果処理が非常にややこしいカードです。マジでめんどくさいので、この章の最後に出来るだけ短くまとめておきました。(お急ぎの方はそこだけ読んでください!)
テキストを一文づつに分けて、それぞれの特徴を見ていきましょう。
①このカードの属性は「闇」としても扱う。
「どこで」とは記載されていませんが、これはフィールドでのみ適用される永続効果です。
②このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。
③この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。
②と③は文章が区切られていますが、二つで一つの効果です。
- 強制発動で、自分か相手が魔法・罠カード及びモンスターの効果を発動した時に、それにチェーンする形で発動します。
- すでに発動している永続魔法や永続罠の効果の発動は無効にできません。(カードの発動ではないため)
- 同一チェーン上では一回しか発動できません。
- ③の攻守を下げる処理を行えない場合にも必ず発動します。その場合効果を無効にはできません。(チェーンブロックを作るだけ)
- ③で攻守のどちらかを下げられない場合は攻守を下げる処理が行われません。(攻/800 守/400よりは下がらない)
- 《光と闇の竜》が裏側表示になったり、効果が無効になった場合は、下がったステータスが元に戻ります。
とてもざっくりと、最低限の説明をしてもこんな感じです。まだ続きます。
④このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。
⑤自分フィールド上のカードを全て破壊する。
⑥選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
三つ合わせて一つの効果です。
- どこからでも破壊された場合に強制発動します。(手札や装備カード扱いで破壊されても発動する)
- ④で墓地のモンスターを対象を取り発動、⑤の破壊、⑥の蘇生と順に処理していきます。(⑤と⑥は別々に処理します)
- ④で対象を取れない場合でも、⑤を処理します。
- ⑤でカードを破壊できなくても、④で対象を取っていれば⑥を処理します。
とりあえずここだけ押さえよう!
- 闇としても扱うのはフィールドだけ!
- 無効は強制効果で必ず発動する!
- 無効は同一チェーン上に1度だけ!
- 攻守を下げられない時は無効にできない!
- 裏になったり、無効になると攻守はリセット!
- どこで破壊されても必ず発動する!
- 破壊と蘇生はどちらかだけでも必ず処理する!
これからの《光と闇の竜》のついて
ゲームスピードについていけずに廃れてしまった《光と闇の竜》。
どうすれば現代で活躍できるか考えていきましょう!
やっぱり脆いよ《光と闇の竜》
シンクロ全盛期でヒィヒィ言ってた《光と闇の竜》ですが、もちろん向かい風です。現代のカードパワーは桁外れ。右も左もスペルスピードは2です。モンスターのパワーラインも上がっています。
一緒に活躍していたサイバードラゴンもかなりマッシヴになりました!
手札から4回見せて無力化してくる畜生も居ます!(【未界域】は手札から見せて発動する、ターン制限の無い効果を持つカード群です)
先行1ターン目にアドバンス召喚して、うまく噛み合えば制圧力を発揮するかもしれない。単体で見込める仕事はこんなところでしょう。
この令和に《光と闇の竜》を活躍させるには、「突破されにくくする工夫」と「素早く確実なアドバンス召喚」が課題だと考えます。
どこまでも孤独なモンスター
盤面の補強を試みますが、こいつは味方の支援すらも拒みます。
強力な置物を添えても破壊された《光と闇の竜》に巻き込まれて消えてしまいます。相手のカードに強制チェーンする仕様で他の発動無効が機能しません。カウンター罠以外を伏せても打ちづらく、戦闘で負ければ巻き込まれて消えます。
素早く確実にアドバンス召喚できるかはどうでしょう?
誕生から15年、サーチサポートも充実してるだろうし、なんならリソースを増やしながら召喚できるのでは?
いいえ、《光と闇の竜》には癖のないサーチカードが未だに存在しておりません。《竜の交感》、《スモール・ワールド》は手札1枚の重みと癖があります。《輪廻竜サンサーラ》はドラゴンギミックにデッキの枠を大幅に取ってしまいます。
同時に2体の生贄も確保しなければならないので、上記のカードと合わせる要求値はどんどん高くなります。「特殊召喚できない」の足枷はこれほどまでに重い。
デステニーライダーここにあり
素早く出したい、サーチが難しい。思い至ったのは「原点回帰」、先人が試した【スーパードローライダー】基盤に現代の【D-HERO】をがっつり投入してデッキパワーを底上げする試みでした。
ただ出張パーツで介護しただけじゃん…
となるのは癪なので、《光と闇の竜》でしか表現できないシナジーをしっかりと見つけていきたい所です。
完成したデッキレシピがこちら!
ライダーでも砕けない不死鳥の男
最強モンスター《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は《光と闇の竜》と並べてもしっかりと機能する稀有なモンスターで、意外にも相性の補完ができています。
これを1枚で召喚できてしまう《フュージョン・デステニー》は《光と闇の竜》の生贄も同時に用意する強烈なパワーカードになり、【スーパードローライダー】基盤の豊富なドローソースでしっかり手札に引き入れます。
【 融合モンスター 】
星 8 / 闇 / 戦士族 / 攻2500 / 守2100
レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:相手フィールドのモンスターの攻撃力は、自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。
②:自分・相手ターンに発動できる。
自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。
③:このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
永続効果のデバフは《光と闇の竜》の戦闘破壊を困難にし、ドローをしっかりと回す都合墓地にHEROが溜まりやすく、がっつり攻撃力を下げる事ができます。
フリーチェーンの破壊効果は《光と闇の竜》にチェーンする事で機能し、能動的に《光と闇の竜》を破壊する事で蘇生効果を引き出す事もできます。
破壊された場合の蘇生効果は《光と闇の竜》の破壊に巻き込まれても問題なく機能し、《光と闇の竜》で即座に蘇生する選択肢もあってトリッキーな動きをします。
現代兵器を手に取って
《フュージョン・デステニー》で融合する際に墓地に送る《D-HEROディナイアルガイ》、《D-HERO ディアボリックガイ》は即座に《光と闇の竜》の生贄に利用できます。闇のHEROしか特殊召喚できない縛りが気にならず、よくある出張には無い強味です。
間に《X・HERO クロスガイ》を挟めば好きな【D-HERO】をサーチできるので、余ったドローソースのコストや、次のターンにリンク2を作るディナイアルガイを確保しましょう。
この2枚を融合素材にするギミックはガチまとめでも過去に紹介しているので、こちらの記事も是非ご観覧ください!
【デストロイフェニックス 出張セット】ドラグーンの再来!?お手軽展開でフィールドを制圧!
ドローソースを使うためにしっかりと【D-HERO】を採用する都合、2枚目の《フュージョン・デステニー》発動も現実的なのが嬉しいポイントです。
エラッタされているとはいえ、往年のライダー破壊→ディスクガイ蘇生も再現可能です。エモい気持ちになりましょう。
覚醒のダーク・グレファー
《ダーク・グレファー》の存在がディアボ&ディナイアルを出張ギミックに留めず、2枚を墓地に揃える事で一気にリンク展開できます。
《ダーク・グレファー》はレベル5以上の闇属性をコストに特殊召喚もでき、《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》を経由した上で《光と闇の竜》のアドバンス召喚に繋げる事も可能になります。
ドローソースの増量及び《ダーク・グレファー》とのシナジーを加味して【未界域】モンスターを採用しました。前述した見せるだけでライダーがしぼんでいくムーブは、相手が硬直状態を望んだ時にカードを消耗せず動き出せる小技にもなります。
ネッシーをグレファーの特殊召喚コストにあてられるのが強力で、サーチした未界域をそのままグレファーのコストに使用して盤面を伸ばせます。
さらに、グレファーで落とす闇属性として《BF-精鋭のゼピュロス》を採用する事で《ユニオン・キャリアー》に装備した《光と闇の竜》を回収するムーブが爆誕!生贄も揃うのでそのまま召喚できちゃいます。
頑張ってドローするしか無いと思われていた所に、確定サーチからアドバンス召喚までできるギミックが組み込まれました。このデッキのMVPは間違いなく《ダーク・グレファー》でしょう。
《ユニオン・キャリアー》は装備したライダーを破壊する事で擬似的な《死者蘇生》として運用できるのも面白いですね!バトルフェイズ中にデスフェニで破壊すれば追加攻撃もできちゃいます。
課題はクリアできたかな?
「素早く確実にアドバンス召喚する」は大量のドローソースと《フュージョン・デステニー》による生贄確保、《ダーク・グレファー》絡みのギミックで補強されましたが、それでも100%にはできていない印象。
「突破されにくくする工夫」は《D-HERO デストロイフェニックスガイ》がスマートに解決してくれたので、デッキの枠がかなり自由でした。
前回のデッキメイキング記事のように、1枚のカードにスポットを当てたデッキ構築でしたが、「良い所を伸ばす」よりは「悪い所を補う」に寄った内容になりました。《光と闇の竜》、とんだじゃじゃ馬です。
前回の記事もよかったら読んでみて下さい!
『使いたい』からはじめよう【ふじおのデッキメイキング】
おわりに
《光と闇の竜》についてのお話は以上です。
ここまで色々考えてみましたが、やっぱり現役を退いたカードなんだと思わせられました。間接的な強化になるケースがあまり無く、手軽に処理できるカードは増える一方です。
ですが、オンリーワンなカードであるのは間違いなく、今見ても斬新な、考えがいのあるカードでした。
願わくば、《光と闇の竜》に新テキストを用意してあげてください。ついでに同一チェーン上に一度の制限もナシで。
ここまでのご観覧、ありがとうございました!