目次
こんにちは、たけっしーです。
今回は新制限が発表されたマスターデュエルについて触れていきます。
それでは早速、見ていきましょう。
新制限のリスト
OCGでかつて環境を支配した禁止カードが帰ってきています。
当時のOCGの環境を体験している身からすると、とんでもない改訂になっています。
1枚ずつ見ていきましょう。
トロイメア・マーメイド 0→3
(禁止カード) 【 リンクモンスター 】
星 1 / 水 / 悪魔族 / 攻1000 /
「トロイメア・マーメイド」以外の「トロイメア」モンスター1体
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「トロイメア」モンスター1体を特殊召喚する。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。
②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの相互リンク状態ではないモンスターの攻撃力・守備力は1000ダウンする。
【LINK-1:下】
出典:遊戯王公式データベース
2018〜2019年の環境で猛威を奮っていた元祖リンク1の展開カードです。
簡単に説明するとモンスター2体で【トロイメア】モンスターを経由するだけで【オルフェゴール】の展開を作れたり、《夢幻崩界イヴリース》で盤面をロックできるカードです。
当時は【剛鬼】や【リンクグッドスタッフ】といったエラッタ前の《ファイアウォール・ドラゴン》を中心とした展開系デッキで使用されていました。
当時のリンク召喚を活用した展開系は、各種【トロイメア】モンスターの耐性が付与されたエクストラリンクを行い、相手のリンク召喚を封じる盤面を作っていました。
更に《トロイメア・マーメイド》で《夢幻崩界イヴリース》をリクルートした後に、送り付けてリンクモンスター以外の特殊召喚も封じて《ヴァレルソード・ドラゴン》で《夢幻崩界イヴリース》の自爆特攻を防ぐことで盤面をロックして制圧していました。
当時は手札誘発の種類も多くなく、《原始生命態ニビル》のような抑止力が高いカードも無かったため展開を止めるのが中々難しかったです。
2019年環境では《ファイアウォール・ドラゴン》や後述の《トロイメア・ゴブリン》が禁止になったことで 、エクストラリンクを用いた制圧を行うリンクデッキは衰退しましたが、
【オルフェゴール】の展開カードとして使用されており、リンク2の【トロイメア】モンスターを経由するだけで《オルフェゴール・トロイメア》をリクルート出来るため、「モンスター2体=オルフェゴール展開」としてデッキの自由度の再現性が非常に高い展開系として環境トップの一角に押し上げています。
【オルフェゴール】で暴れ回った結果、2019年の7月改訂で禁止カードに指定され現在もそのままです。
OCGでは今年、2024年環境に【デモンスミス】がモンスター2体からなんでもできる再現性の高いギミックとして流行し、後に《永遠の淑女ベアトリーチェ》が禁止カードになりました。
低い要求値で活用できる自由度と再現性の高いギミックは大暴れするのが遊戯王の常といえます。
OCGでは現在も禁止カードである《水晶機巧-ハリファイバー》や《トロイメア・マーメイド》はその元祖でもありました。
マスターデュエルでは《夢幻崩界イヴリース》が禁止カードであるため、パワーが許容されて解除されたのかもしれません。
OCGでも【オルフェゴール】がプッシュされているため解除されるかもしれません。
トロイメア・ゴブリン 0→3
(禁止カード) 【 リンクモンスター 】
星 2 / 風 / 悪魔族 / 攻1300 /
カード名が異なるモンスター2体
①:このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、自分はデッキから1枚ドローできる。自分は通常召喚に加えて1度だけ、このターンのメインフェイズにこのカードのリンク先となる自分フィールドに手札からモンスター1体を召喚できる。
②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは効果の対象にならない。
【LINK-2:左/右】
出典:遊戯王公式データベース
こちらも《トロイメア・マーメイド》同様、2018年環境の展開デッキで大暴れしたカードになります。
《トロイメア・マーメイド》から特殊召喚した《夢幻崩界イヴリース》をリンク素材にした後に《ファイアウォール・ドラゴン》の効果で墓地から回収し、《トロイメア・ゴブリン》の効果で召喚し、《夢幻崩界イヴリース》の召喚時効果からリンクモンスターを蘇生してリンク値を稼ぐ展開はよく目にした記憶があります。
追加召喚で展開を伸ばすのが強力だったのはもちろんのことですが、なんといっても②の対象耐性付与が凶悪だった印象です。
《トロイメア・マーメイド》の項目でも述べた通り、当時【トロイメア】の耐性付与(戦闘・効果破壊耐性と対象耐性)によって守られたリンクモンスターを処理する手段はかなり少なく、当時のカードプールでは《増殖するG》で何枚引こうが手札誘発で展開を止めようが【トロイメア】達が手を繋いだ盤面の解答が無いということもザラだったと思います。
《増殖するG》に関してはトロイメアモンスターと《ファイアウォール・ドラゴン》達の高すぎる展開力でデッキを引かせきってライブラリアウトさせられることも珍しくありませんでした。
現代では召喚権を使わないギミックが多く、効果の恩恵を受けるまでもない展開デッキが多いことや
手札誘発や捲り札の種類が増えて常に展開系に対して風当たりが強い傾向にはあるので、案外解除されても環境は変わらないのかもしれません。
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ 0→3
(制限カード) 【 融合モンスター 】
星 8 / 闇 / 魔法使い族 / 攻3000 / 守2500
「ブラック・マジシャン」+「真紅眼の黒竜」またはドラゴン族の効果モンスター
①:このカードは効果の対象にならず、効果では破壊されない。
②:自分メインフェイズに発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果は1ターン中に、このカードの融合素材とした通常モンスターの数まで使用できる。
③:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。
出典:遊戯王公式データベース
数ある遊戯王のカードの中でも単体性能がダントツでトップといっても過言では無い最強カードです。
このカードが暴れ回ったのは2020年。
登場した2019年12月21日から約3ヶ月で制限カードに指定され、2020年10月改訂で禁止カードになりました。
対象にならず効果でも破壊できず、発動無効の妨害に1000アップとただでさえ手がつけられないステータスに加え、
放置するとモンスターを2体破壊しながらバーンダメージを与えて殴りかかってくるため、文字通りこのカードだけでゲームが終わることは少なくなかったです。
モンスターを2体並べるだけで《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》から登場するのでモンスターを並べれるデッキならとりあえず採用圏内になるどころか、このカードを出すだけの【ドラグーンビート】というデッキも環境トップの一角でした。
《ブラック・マジシャン》《真紅眼の黒竜》という引きたくないカードを投入するデメリットよりも《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》だけでゲームエンドになるメリットが大きく上回っていました。
当時は【オルフェゴール】【ドラゴンリンク】【SPYRAL】といった展開系から【閃刀姫】【転生炎獣】といったミッドレンジ系のデッキまで採用されていました。
展開系のデッキでは展開の最低値として《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を用意できるため手札誘発を受けた際の妥協点としても優秀で、展開が通った場合の余ったリンク値でも出せる最強の妨害カードでもありました。
【閃刀姫】では他のデッキとのパワーの差を埋め、弱点を補う役割や《閃刀機関-マルチロール》によって安全に《真紅眼融合》を通せるという他のデッキには無い強みを持っていました。
《トロイメア・マーメイド》といい、やはりモンスターが2体並ぶだけでゲームエンドになるギミックは凶悪です。
OCGでは2024年10月改訂で制限復帰を果たしていますが、根本の強みであった《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が禁止であることから環境で見ることはほとんど無いままです。
しかしマスターデュエルにおいては《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が現役であることから、環境での活躍がかなり期待できるでしょう。
つまりは寿命が短いかもしれない。。
真竜剣皇マスターP 0→3
(制限カード) 【 効果モンスター 】
星 8 / 光 / 幻竜族 / 攻2950 / 守2950
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
①:このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を受けない。
②:アドバンス召喚したこのカードが存在する場合、1ターンに1度、自分の墓地から永続魔法・永続罠カード1枚を除外し、このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
出典:遊戯王公式データベース
こちらも《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》に並ぶ単体性能がぶっ飛んでいる最強カードです。
活躍していたのは2017年。
【恐竜真竜皇】【真竜】の環境です。
【真竜】のエースモンスターであり、モンスターと罠をリリースしてこのカードを着地させれば《ドラゴニックD》による戦闘耐性も付与され、要塞と化します。
強力な耐性で居座りながら盤面を破壊し続ける凶悪なカードであったため、2017年7月改訂で【真竜】カード共々制限カードに指定され2017年10月改訂では禁止カードになりました。
現在OCGでは2024年10月改訂で制限復帰しているため、マスターデュエルでも緩和されたのかと思います。
後述の《ドラゴニックD》共々【真竜】が環境で活躍できる余地はあるでしょう。
星杯の神子イヴ 0→3
【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 5 / 水 / 魔法使い族 / 攻1800 / 守2100
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードをS召喚する場合、自分フィールドの「星杯」通常モンスター1体をチューナーとして扱う事ができる。このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「星遺物」カード1枚を手札に加える。
②:S召喚したこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「星杯の神子イヴ」以外の「星杯」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
出典:遊戯王公式データベース
2019年に大暴れした展開系のエンジンカードです。
効果は《源竜星-ボウテンコウ》を想起させるサーチとリクルートです。
当時は《ドラコネット》等の5シンクロを作るカードからシンクロ召喚し、《水晶機巧-ハリファイバー》の素材にして②の効果で《星杯の守護竜》を特殊召喚してリンク値を伸ばす動きが強力でした。
サーチ先となる【星遺物】には展開札となる《星遺物を継ぐもの》《星遺物の守護竜》があるため《水晶機巧-ハリファイバー》と合わせてリンク値がどんどん増えていきます。
当時は【オルフェゴール】において、増やしたリンク値を《召命の神弓-アポロウーサ》に変換した後に《トロイメア・マーメイド》からの【オルフェゴール】の展開を行う構築も見られました。
《トロイメア・マーメイド》が禁止カードに指定された後の2019年7月環境は【守護竜】の展開を用いて展開する【ドラゴンリンク】が環境トップでした。
手札誘発の貫通力を担う展開の繋ぎとして非常に強力な展開札でした。
汎用性が高い展開札であることから2020年4月改訂では禁止カードになっています。
現在は相性の良かった《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止であることからか2024年4月改訂で制限復帰、2024年7月改訂で制限解除されています。
解除されてからは特に目立った活躍が無いこともありマスターデュエルでもOCGと同様に解除しても問題無いと判断されたのかと思います。
ドラゴニックD 1→3
【 フィールド魔法 】
①:フィールドの「真竜」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
②:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、アドバンス召喚した「真竜」モンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
②:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の自分の手札・フィールドのカード1枚を選んで破壊し、デッキから「真竜」カード1枚を手札に加える。
出典:遊戯王公式データベース
【真竜】のエンジンとなるカードです。
マスターデュエルでも制限カードでしか完全に緩和されました。
2017年に【恐竜真竜皇】【真竜】で猛威を奮っていたカードになります。
思えば年々フィールド魔法が強くなってきたのはこの辺りからな気がしますね。
《真竜剣皇マスターP》の解除と共に3枚使える状態になるので、【真竜】のこれからの活躍に期待したいところです。
環境への影響
当時猛威を奮っていた禁止カード達が復帰しましたが、実際現在の環境にどれくらいの影響があるでしょうか。
まず環境に1番影響がありそうなのは《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》でしょう。
なんといっても《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》がマスターデュエルでは現役であること。
マスターデュエルでは《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》で《烙印融合》から《氷剣竜ミラジェイド》を出力する出張が流行っていた時期があり、ギミックの妨害が足りないと判断されたデッキにはとりあえずこの手の手軽なギミックを投入される傾向にあります。
《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》もまた出張として流行することは想像が着くでしょう。
また【烙印】でもギミックで《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・ドラグーン》を直接出力可能であることから【融合グッドスタッフ】として組み込まれる可能性があります。
変わったところでは《スプライト・エルフ》のリンク先に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を出せば無効系から守って安全に《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を着地させることも考えられます。
相手の場にモンスターがいる状態なら《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》がリンク2という特性を活かし、《S︰Pリトルナイト》を添えることで無効系を先打ちさせた後に《スプライト・エルフ》でおかわりできる点もポイントです。
OCGと違って《スプライト・エルフ》が現役のマスターデュエル独自の開拓が期待できます。
《トロイメア・マーメイド》《トロイメア・ゴブリン》は恐らくそこまで環境に影響は無いと予想しています。
《トロイメア・マーメイド》は《夢幻崩界イヴリース》が禁止カードであることから【オルフェゴール】で使用される程度でしょうか。
《トロイメア・ゴブリン》は一見展開系デッキ強化ではあるものの現在マッチしたデッキが無さそうであること、展開できるなら《トロイメア・ゴブリン》を使用するまでも無いといったところでしょうか。
【未界域】【ライトロード】のようなひたすらモンスターを供給するデッキの展開補助とリンクモンスターに対象体制を付与するために採用が検討されるくらいかと思います。
《星杯の神子イヴ》はOCGで解除されても特に目立った活躍が無いことから、こちらもそこまで環境に影響は無さそうです。
将来的に【星杯】【星遺物】の強化が来た際に活躍を期待できるといったところでしょうか。
《真竜剣皇マスターP》《ドラゴニックD》は【真竜】が本来のデッキパワーを取り戻したことから使用者は一定数いるかもしれません。
マスターデュエルでは【神碑】【メタビート】といった罠を軸にしたデッキが一定数存在する環境が続いているので、それらに変わる罠デッキとして使われるかもしれません。
今回のまとめ
今回はマスターデュエルでの新リミットレギュレーションについて考察しました。
歴戦の禁止カードが一気にたくさん解放されたので、時代を感じると共に、今後の環境にどんな変化が起こるのかに注目していきたいですね。
皆さんも是非新制限が適用されたマスターデュエルで遊んでみてください。
それでは👋
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