はじめに
こんにちは。あーくんです。
ヒロインBEST発売!からの殿堂発表!!カードプールに大きな修正が加えられ、今年下半期のデュエマがもっともっと熱くなることは間違いありません。
殿堂発表の詳細は主にアドバンスのテコ入れといった部分が強かったですが、もちろんオリジナルにも大きな影響があります。
特に【ファイアー・バード】周りの殿堂は、この長く長く続いたルピア王朝の崩壊を意味することでしょう。
今回の記事は7月度の環境から、殿堂発表の影響を踏まえたものとして備忘録的に記していきます。
それではオリジナル環境解説2025年7月編、スタートです!
2025年6月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
大会環境の母数は日々によって変わるため、デッキごとの相性や強度をベースに考えを記載していきます。
Tier1
【デイガファイア・バード】Tier1


登場から1年。ついについに環境トップのまま駆け抜けた最強のデッキです。
ついぞついぞその勢いを抑えることが出来ないまま、入賞数1位を記録し続け、名誉の殿堂入りという最後を迎えました。凄すぎるぜ【ファイアー・バード】。
7月期の入賞率は30%越えと、あの【サガループ】を彷彿とさせるほどのシェア率と強さを誇ります。
殿堂入り直前で追加されたカード、そのカードこそ【ファイアー・バード】最後の鍵でした。
それが《愛銀河マーズ・シンギュラリティ》です。

【 進化クリーチャー(デッキ進化GV) 】
種族 ファイアー・バード / フェニックス / 文明 火 / パワー13000 / コスト5
■自分のマナゾーンにあるカードとエレメントが、合計5つ以上、種族にファイアー・バードまたはフェニックスを持っていれば、このクリーチャーを[火(3)]支払って召喚してよい。
■デッキ進化GV:このクリーチャーを、自分の山札の上から3枚の上に置きつつ出す。(山札のカードは裏向きのまま下に重ねて出す)
■T・ブレイカー
■自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、これの下にあるカードを1枚相手に見ないで選ばせ、墓地に置いてもよい。それが火のクリーチャーなら、墓地から出す。
このカードが埋めてくれた【ファイアー・バード】の最後の強化部分、それは至極単純にSAの3打点という部分です。
この非常にシンプルな要素が、 【ファイアー・バード】にさらなる強化をもたらしました。
特筆すべきは、その打点量。
メタに引っかからずに生まれる打点を手に入れたことにより、《異端流しオニカマス》を始め、ありとあらゆるカードを無視してリーサルまで向かうことが可能となりました。
もちろん、今まで戦線を支えていた《ハッター・ルピア》や《ハンプティ・ルピア》、《冠ラッキー》といった強力なクリーチャー達の妨害能力や《雷炎翔鎧バルピアレスク》による詰め性能。そして《アリスの突撃インタビュー》よる防御力。
このすべてを高水準で兼ね備え、さらに最強の座に一歩踊りでたのが。2025年7月度の【ファイアー・バード】になります。
殿堂入りも確定してしまい、今後は大きく弱体化することが約束されていますが、なんと超CS北海道では、このデッキを思う存分使うことができます。
最後の舞台でどう輝くのか。また、殿堂後このデッキがどのような立ち位置になるのか、これからも目が離さないことでしょう。
【ドロマーアマテラス】Tier1


二番手に位置しているのが《真気楼と誠偽感の決断》の登場以来根強い人気を誇る【ドロマーアマテラス】です。
デュエチューブリーグでの活躍から始まり、DMGP2025でしっかり結果を残したあとは掘り下げが絶えず行われ、最終的に《フォース・アゲイン》のプレミアム殿堂でその幕を下ろすこととなりました。
ここ最近メジャーだった構築は《理想と平和の決断》を採用し、《ポッピ・冠・ラッキー》の除去をしながらリソースゲームを強くする形でした。

【 呪文 】
文明 光/水 / コスト4
■革命2:自分のシールドが2つ以下なら、自分のシールドゾーンから手札に加えるこの呪文に「S・トリガー」を与える。
■次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
→自分の山札の上から2枚を表向きにする。その中の光と水のカードをすべて手札に加え、残りを好きな順序で山札の下に置く。
→自分の山札の上から1枚目をシールド化する。
→コスト3以下のエレメントを1つ選び、シールド化する。
そこにヒロインBESTからのバックアップ、《裏斬隠 テンサイ・ハート》が加わり、より柔軟に受け、《真気楼と誠偽感の決断》による切り返しを行うデッキにレベルアップしました。
【ファイアー・バード】とまともにゲームができるデッキの一つでもあり、対戦相手のミスを咎めて勝つ側面が強いことからも、非常に強い性質を持つデッキでした。
こちらも8/10の超CS北海道が、最後に与えられる大舞台となります。
振り返れば今年の前半は《真気楼と誠偽感の決断》vs.《雷炎翔鎧バルピアレスク》の半年間と言っても差し支えないでしょう。
その結末がどうなるか、頂点に立つデッキに大注目ですね。
Tier2
【ゴルギーオージャー】Tier2


着々と母数を増やしているのは王道Wからの刺客、【ゴルギーオージャー】。
中心となるのは、デッキ名にもなっている《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》。

【 G-NEOクリーチャー 】
種族 メカ・デル・ディネロ / スーパーカー・ドラゴン / 文明 光/水/自然 / パワー14500 / コスト9
■このクリーチャーの召喚コストを、進化元に含まれるカード1枚につき2少なくする。ただし、そのコストは2以下にはならない。
■G-NEO進化:光、水、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■ブロッカー
■マッハファイター
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、このクリーチャーに含まれるカードの枚数まで、自分の山札の上からマナゾーンに置く。その後、カードを3枚まで自分のマナゾーンから手札に戻す。
■このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーに含まれるカードが10枚以上あれば、自分はゲームに勝つ。
無視できない精度の4キルや、《ソウルサンライト コハク》×《一音の妖精》のような実質EXターンのような動きを駆使し、速やかに特殊勝利を狙うデッキタイプとなっております。


《華謡の精霊カンツォーネ》や《~西方より来る激流の竜騎公~》といった優秀なNEOクリーチャー群を駆使してアドバンテージゲームを進めていく様は純正コントロールのそれを強く感じさせます。
今ですら環境デッキとして食い込むほどの実力がありますが、本領発揮はむしろここから。
というのもこのデッキ、性質上《ハッター・ルピア》が非常に苦しく突き刺さるものとなっております。つまり、殿堂施工によりファイアーバードの減少が約束されていることはこのデッキにとって非常に明るい未来が待っているということです。
また、NEOクリーチャーやフュージョナーと言った通年で強化されるテーマですので、少なく見積もって後半年はカードプールの補強が決定しています。
今年出身のデッキであるため、来年の2ブロックでも活躍が約束されており、独特のプレイ感に慣れておくことに越したことはないでしょう。まさに、今触るべきデッキの一つだと言えます。
【火自然アポロ】Tier2


最強のデッキが存在するとき、その陰には常にこいつがいると思って大丈夫です。
デュエル・マスターズにおける最強デッキ=高速でソリティアか妨害を行えるデッキであることがほとんどであるため、必然的に受けの薄くなった環境において共生関係が成り立つことが多々あります。
2025年夏もその例に漏れず、最強デッキ【ファイアー・バード】が整備した道を意気揚々と歩んでいます。
今後もこのデッキの存在が抑止力となってくれるであろう世界は多く、このままデュエル・マスターズ最強の王道アグロとして居座り続けて欲しいものですね。
【水単サイバー】Tier2


ヒロインBESTが環境に与えた最も大きな影響は、やはりこのデッキでしょう。
チームSAGA所属のむったの手により、新時代のソリティアビートダウンが現れました。
先3《マクスハト》という上振れムーブを持ちながらデッキを掘り続けていく、【ファイアー・バード】を彷彿とさせるメクレイド連鎖の先に、LOループを成立させることができる凶悪なデッキです。

【 クリーチャー 】
種族 サイバーロード / 文明 水 / パワー4000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、自分の他のエレメントを1つ手札に戻してもよい。そうしたら、サイバー・メクレイド5する。(サイバー・メクレイド5:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト5以下のサイバー・カードを1枚、コストを支払わずに実行してもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く)
このデッキの最大の魅力はループデッキなのに殴れること。ビートダウンなのにループできるが売りの一つであった【ファイアーバード】と同じく、相手の受けの硬さに合わせてゲームプランを選びながら攻め込んでいくことが可能です。
また、攻め込む際にも《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》と《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 -挑戦のヒロイン-》のバウンス効果により相手の盤面を蹴散らせるのが高ポイント。
単体では効果の薄いバウンスですが、早期に、それも多数絡むと圧倒的なテンポアドバンテージを産むのは、みなさん《5000VT》で経験済みだと思います。
現在は《ハッター・ルピア》率いる【ファイアー・バード】に押されてしまっていますが、それでも連日入賞報告が絶えず、その確かなポテンシャルを感じることができます。
来たる8/12からは今以上に暴れることが確約されているデッキであるため、今のうちにチェックをしておきましょう。
Tier3
【自然単キャベッジ】Tier3


ヒロインBESTが放ったもう一つの刺客がこのデッキです。
元より環境にいた【キャベッジ】のデッキが、さらなるチェイン力を手に入れて再び暴れ始めようとしています。
特に強化となったのは《超時空罠 デンジャデオン/「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》と《うららかもも&ミノマル -献身のヒロイン-》の2枚。これによりチェイン力の向上、受け札の圧縮、呪文ロックに即座打点と、従来の【キャベッジ】に足りなかったものを全て手に入れました。

【 NEOクリーチャー 】
種族 グランセクト / 文明 自然 / パワー15000 / コスト10
■G・ストライク
■G・ゼロ:自分のパワー12000以上のクリーチャーが4体以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■NEO進化:自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■マッハファイター
■T・ブレイカー
■各ターンに一度、相手がクリーチャーではないカードを実行する時、かわりにそのカードを持ち主のマナゾーンに置いてもよい。(こうしてマナゾーンに置かれたカードは実行したことにならない)
が、依然として《ハッター・ルピア》と《ポッピ・冠・ラッキー》が重くのしかかるデッキであることに違いはありません。
そしてそれはつまり、今後訪れる殿堂によって立ち位置が約束されると言う意味でもあります
あとは天敵さえいなければ……!というくらい強いデッキに仕上がっているため、こちらも投資価値のあるデッキといえるでしょう。
【ペテンシーフシギバース】Tier3


最後に紹介するのは【ペテンシーフシギバース】。一時期は環境を斡旋したデッキですが、現在は【ファイアー・バード】の練度向上や【アマテラスループ】の台頭により影を隠していますが、こちらも《裏斬隠 テンサイ・ハート》によって《真気楼と誠偽感の決断》の出力を底上げしたデッキとなっています。

【 クリーチャー 】
種族 サイバー・ウイルス / グレートメカオー / シノビ / 文明 水 / パワー3000 / コスト3
■ウラ・ニンジャ・ストライク3(水)
■このクリーチャーが出た時、カードを2枚引き、自分の手札を1枚捨てる。次の自分のターンのはじめまで、その捨てたカードと同じコストの相手のクリーチャーはすべて、攻撃もブロックもできない
また、《~邪眼帝 PARTⅡ~》を採用した構築も見られるなど、受けるという一点において過去最強クラスのデッキであることは間違いないでしょう。
こちらは《逆転の影ガレック》の殿堂入りにより、構築に大きなダメージを負ってしまいます。代替のS・トリガーやゲームプランが見つかるまではひっそりと息を潜めていくことでしょう。
個人的に評価の高いデッキであったため、今回は記載いたしました。根強いファンの開拓により、リペアが生まれるのを待っています。
環境のまとめと今後の展望
本当に長い長い一年でした。半年に一度殿堂発表が行われるデュエル・マスターズにおいて一年間ずっと同じデッキが環境トップを走り続けるのは端的に言って超異常事態です。
直近で言うのであれば【サガ】も【マーシャル】も半年でしたし、【マジック】や【ジャガイスト】なんかは強力なライバルと肩を並べて走っている状態でした。
そんな中、この激動の環境を一年間走りきった【ファイアー・バード】はまさに現代最強のデッキだったと思われます。
そしてついに、この【ファイアー・バード】のメタゲームが終焉を迎え、これまで抑えられていたデッキが肩を回しているのが目に浮かびますね。
【サイバー】が天下を取るのか。全く新しいデッキが勝つのか。はたまた、【ファイアー・バード】のリペアが成立してしまうのか。これらの答えは、ひとまず超CS大阪にてお披露目になるでしょう。
次のチャンピオンを探すプレイヤーの努力が今から楽しみになってきますね。
おわりに
というわけで、7月のオリジナル環境について解説いたしました。
使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?
この記事が皆さんのオリジナル環境に対する理解への一助となれば幸いです。
それでは次回、8月のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!