【2023年9月環境】オリジナル最強デッキランキング【Tierランキング】

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【2023年9月環境】オリジナル最強デッキランキング【Tierランキング】

はじめに

「魔覇革命」発売!

 強い強いと事前評価の段階から騒がれていた「魔覇革命」でしたが、フタを開けてみれば……思ってたよりもさらに強い!

 「ビクトリーBEST」に続いてなかなかにインパクト抜群なパックの登場。リリースからまだ1週ちょっとですが、環境の構造から変えるほどの影響をもたらしています。

 新世代の風吹き荒れるオリジナル環境の「今」について、今月も徹底的に解説していきたいと思います!

2023年8月の環境はこちら!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

Tier1

【アナカラージャオウガ】Tier1


 一時は環境下位まで落ち込んだ【アナカラージャオウガ】でしたが、「魔覇革命」環境では巡り巡って環境トップ格に返り咲き。

 各種メタクリーチャーや《天災 デドダム》をはじめとするマナ加速などのコスト3以下の優秀なクリーチャーで序盤を支えつつ、中盤以降はそれらを一挙に2体展開できる《キユリのASMラジオ》でカードアドバンテージを確立。

 最終的に複数の軽量クリーチャーが並んだ状態で《CRYMAX ジャオウガ》を着地させ、一瞬で過剰打点を組み上げてフィニッシュを狙うのが基本戦略です。

 様々な形での構築が可能ですが、超CS大阪以降は初動ブースト枠を《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》に割いたうえで、《幻緑の双月/母なる星域》を3〜4枚採用して《CRYMAX ジャオウガ》を高速で着地できるような形が主流となっています。

 「魔覇革命」からの新戦力として定着しているのは、《同期の妖精/ド浮きの動悸》と《アーテル・ゴルギーニ》の2枚。

 《同期の妖精/ド浮きの動悸》は全てのテキストが強いですが、何を置いてもまずは相手のクリーチャー選択をすべて吸い寄せるデコイ能力がメタクリーチャー主体のデッキ特性との噛み合い良好。

 ただ身代わりになるだけでなく、山札下やシールドへの除去でなければメガ・ラスト・バーストまで発動可能。相手のクリーチャーを1体手札に戻したうえで1ドローし、状況次第では大幅なテンポロスを相手に押し付けられます。

 【サムライ】や【黒単アビス】など、単体除去でメタクリーチャーに優位を確保してくる相手には特に有効な能力です。

 攻めの場面でも、相手のシールドから飛び出るG・ストライクや単体除去を一身に集め、《CRYMAX ジャオウガ》や《アーテル・ゴルギーニ》といった除去耐性持ちパンチャーの対処しづらさをより盤石にしてくれます。

 呪文面の《ド浮きの動悸》はシンプルなキャントリップ付きバウンス呪文。リソースを消費せずに脅威を一時的に排除でき、手札からのプレイはややテンポが悪いものの、メガ・ラスト・バーストに加えてS・トリガーまで持っているため唱える機会が多く、防御性能の底上げとしても非常に優秀。

 あらゆる面でデッキ強度の底上げに貢献しており、最初期は3枚前後の採用が一般的でしたが、今ではまず4枚採用からスタートするカードになりつつあります。

 《アーテル・ゴルギーニ》は単体でのアドバンテージ量と盤面形成能力が評価されている1枚。これまで《絶望と反魂と滅殺の決断》が採用されていたカードがそのままそっくり入れ替わり、中コスト域の強力な選択肢として活躍しています。

 このカードも単純にカードが強い1枚ですが、何よりも大きいのはやはり「本体ボディが優秀であること」でしょう。

 コスト5ながらパワー6000のW・ブレイカーでブロッカーに加えて除去耐性持ち。攻守に役立つ隙のないスペックです。

 また、蘇生モードを2回使った時は単純計算でカード1枚から4打点が生えてくる計算。仮に《絶望と反魂と滅殺の決断》で2体蘇生できたとしても2点しか増えていないわけですから、この差はかなりのものです。

 特に《母なる星域》を多用して素早くゲームを畳みにいくことに重点を置いた現行主流の構築においては、1:4交換でリソースゲームを戦える《絶望と反魂と滅殺の決断》よりも強固な盤面を築き上げる《アーテル・ゴルギーニ》の方がデッキコンセプトとの親和性に優れています。

 また、単純に自然と水のカードが低コスト域を占める【アナカラージャオウガ】において、蘇生先の文明指定の有る無しは誤差の範疇を超えています。

 《とこしえの超人》や《若き大長老 アプル》に代表される重要なメタクリーチャーや相手の除去を吸った《同期の妖精》を除去された返しに蘇生できるかはゲーム展開に影響を与えるでしょう。

 「魔覇革命」後に新たに成立したデッキコンセプトを除けば、新弾での強化幅がもっとも大きかったデッキだと言えそうです。


【アポロヌス】Tier1



 強さには定評がありながらも、ここしばらくはガードの高さからやや立ち位置を落としていた【アポロヌス】。

 「魔覇革命」から新たに登場したデッキが軒並み【アポロヌス】を安定して受けづらく、立ち位置を向上させてきている印象です。

 動きの基本は2〜3ターン目に手札を整えてから、3〜4ターンでの《カチコミ入道》+《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》+侵略持ち1枚の3枚コンボでワンショットを決める流れ。

 《カチコミ入道<バトライ.鬼>》の強制バトルで大抵のメタクリーチャーは容易に突破でき、《轟く侵略 レッドゾーン》をはじめとする除去能力を持った侵略クリーチャーの登場時能力の解決順を工夫することで多くのトリガーにも対処可能。

 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》自体の被選択時ランデスも合わせて非常に高い貫通力を有しています。

 【赤緑アポロヌス】はここに加えて、2ターン目の《オンソク童子<ターボ.鬼>》から《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》+3打点の侵略で一気にシールドを5枚ブレイクするサブルートまで用意。

 強力なトリガーや《流星のガイアッシュ・カイザー》を起点とした切り返しがないデッキに対しては、下手をすれば3ターン目の《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》以上に痛烈な一手です。

 よほど防御に寄せ切ったデッキでなければ本来不利な相手をうっかり貫通してしまうことも多々ある理不尽なまでの火力が魅力のデッキと言えます。

 デッキとしての大枠は長らく変わっていませんが、ここ最近は3ターン目までじっくり手札を整えてから《ネ申・マニフェスト》のシンカパワーを《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》に乗せて単体除去やトリガーブロッカーを完全に無効化する【赤青アポロヌス】が再評価される流れになっています。

 【青魔導具】系デッキの《堕呪 ボックドゥ》+無月の門や、【アビス】の《撃髄医 スパイナー》SST、ビッグマナ系デッキの《切札勝太&カツキング —熱血の物語—》+《流星のガイアッシュ・カイザー》など、「単体除去+マナに依存しない展開ギミック」でデッキ自体のパワーを落とさずに【アポロヌス】に対抗するのが現在のトレンド。

 《終末の時計 ザ・クロック》や《一王二命三眼槍》、シールド追加のような抜本的なカウンター手段で対抗してくるデッキが数を減らしていることで、《ネ申・マニフェスト》のシンカパワーの貫通力が上がっているのが最大の要因だと考えられます。

 「魔覇革命」で名を上げた【青赤マジック】や【黒緑アビス】も《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を安定して受ける手段がなく、速度の面でもこちらの方がやや上手。

 今後もしばらくは立ち位置の良い環境が続きそうです。


【アビス】Tier1



 【黒単アビス】と【黒緑アビス】、ともに一線級の活躍を見せる主人公デッキ。

 どちらも共通してボードコントロールとハンデスによる妨害戦術に長けていますが、【黒単アビス】の方が詰めのバリエーションが豊富でフィニッシュ力が高め。【黒緑アビス】は3ターン目の盤面展開によるボード制圧力が強みです。

 【黒単アビス】は受け枠のバリエーションやフィニッシュ補助カードの選択肢がいくつかあるものの、基盤となる32枠ほどは半ば固定枠。

 《ウォズレックの審問》の存在から序盤の動き出しを挫くことに長けており、受け枚数自体はそれほど多くないにも関わらずアグロデッキにもそれほど弱くありません。

 特に【アポロヌス】に対してピーピングハンデスで展開を遅らせつつ、《撃髄医 スパイナー》や《悪灯 トーチ=トートロット》といったトリガーで対抗しやすいのは強みと言えるでしょう。

 《ブルーム=プルーフ》が革命チェンジ環境に刺さるメタクリーチャーなのも見どころです。

 一方、「魔覇革命」によってデッキとして成立した【黒緑アビス】。

 2ターン目のブーストから3ターン目の《「力が欲しいか?」》によるメクレイドで《邪幽 ジャガイスト》や《ア:エヌ:マクア》などパワーカード揃いの5マナ域へと一歩早くアクセス。

 3〜4ターンという早期から革命チェンジやメクレイドを駆使して強固な盤面を形成し、バトルゾーンを制圧していくのが基本となる戦術です。

 単純に2マナブースト→《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》と動いて相手を妨害しつつ5マナ域に繋ぐだけでも十分に強力で、自然文明=マナ加速の恩恵を随所で受けられるデッキに仕上がっています。

 トリガーを直接的にケアする手段はないものの、とにかく盤面がガチガチに固まるうえに相手のリソースを削ぐことにも長けているので「踏んでもOK」の局面を作りやすいのが特徴です。

 メクレイドによるデッキ圧縮力のおかげで《謀遠 テレスコ=テレス》の複数体展開もそれほど難しくなく、相手次第では「1〜2点刻んでターン終了」を繰り返すだけで安全に詰みを狙えます。

 基盤となるカードはほとんど【黒単アビス】と別物であるにも関わらず、早期のハンデスや豊富な除去手段といった【アビス】の勘所は抑えており、これまでの【アビス】の延長線上にあることを感じられるのが面白いところ。

 よく似た性質を持ってはいるものの得意とする範囲はややズレており、どちらも十分以上に強力なデッキです。

 ベースのデッキパワーでは【黒緑アビス】に軍配が上がる印象ですが、革命チェンジへのガードが上がっていたり、《ウォズレックの審問》の通りが良かったりする環境では【黒単アビス】も選択肢に入ってくるでしょう。


Tier2

【青魔導具】Tier2



 登場からまもなく5年、未だ現役の古株スペルコンボデッキ。

 どの型でも共通しているのは、序盤に手札の減らない水文明の魔導具呪文を連打してデッキを掘り進めつつコンボの準備を進めていく点。

 4〜5ターン目での《卍 新世壊 卍》起動、あるいは魔導具を墓地に6枚貯めて《「無月」の頂 $スザーク$》を「無月の門・絶」で召喚するのが最初の目標となります。

 とにかく墓地に魔導具があればなんでもよいため《卍 新世壊 卍》以外の各パーツの代替性が非常に高いのが特徴。基本的な動きは墓地に集約されていることもあって、ピーピングハンデスをはじめとする特定のカードを狙い撃ちにする対策が効きづらいのがコンボデッキとしてはかなり特異な点でしょう。

 《卍 新世壊 卍》があれば呪文ロックすら無効化でき、魔導具呪文を唱えるたびに1ドローできるとあってリソース面も盤石。カード除去・エレメント除去には弱いものの、他のコンボとは一線を画す強度を有しています。

 この《卍 新世壊 卍》《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を起用した【青魔導具】も未だ現役ですが、エレメント除去の増加が痛手となってか、直近の環境では《堕∞魔 ヴォゲンム》による墓地肥やしにフォーカスした【青黒魔導具】が登場。

 【青黒魔導具】は、《堕∞魔 ヴォゲンム》による大量墓地肥やしで《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》に依存せず《「無月」の頂 $スザーク$》の早期複数体着地を狙う、実質1枚コンボを戦術の柱に据えた構築。

 《卍 新世壊 卍》をそもそも採用していないためエレメント除去やカード除去に苦しめられることなく、のびのびとした立ち回りができます。

 こちらはコンボデッキとしての性質も持ってはいますが、コンボを決めれば勝てるわけではありません。どちらかと言えば「フィニッシャーの出し方が特殊なコントロールデッキ」という趣です。

 《卍 新世壊 卍》《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》に加えて《堕呪 ゾメンザン》も抜いて浮いた合計11枠。ここにガッツリ受けに寄せたカードをチョイスすることでビートダウンデッキへの耐性が大きく上がっています。

 《神の試練》による追加ターンや《堕呪 ブラッドゥ》を絡めた無限EXターンループこそあるものの、他にフィニッシュらしいフィニッシュパーツはなし。

 《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》がなくともデッキとして成立するのは、ひとえに《「無月」の頂 $スザーク$》の制圧力あってこそだと言えるでしょう。

 一方で、《卍 新世壊 卍》の有無は良くも悪くも大きな差。動きの安定性や無駄牌の少なさといった点は武器ですが、速度やフィニッシュ力の面で【青魔導具】に数歩劣るのは否めません。

 「魔覇革命」でも多数のエレメント除去が環境入りしたため、今後もしばらくの間は【青黒魔導具】の方がやや優れた選択肢となりそうです。


【サムライ】Tier2


 実戦級のメクレイド戦術を引っ提げ真っ先に環境上位へ殴り込みをかけた、メクレイド界の切り込み隊長。

 2ターン目のコスト軽減カードから《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》に繋ぎ、侍流ジェネレートで《竜牙 リュウジン・ドスファング》へとアクセス。

 メクレイドからスピードアタッカーを付与するカードを踏み倒せば即座に《竜牙 リュウジン・ドスファング》をサムライ・クリーチャーへとクロスして更なるメクレイドでこれでもかと盤面を展開し、相手を圧倒するのが理想的な動きです。

 最速パターンは手札の要求値が非常に高いうえにメクレイド運にも左右されるものの、爆発力は抜群。3ターン目に《天装 タイショウ・アームズ》でリソースを回収するプランもあるので4〜5ターン目には十分な再現性を持って展開できます。

 速度が重要でない相手に対しては《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》の大量ドローで十分なリソースを確保したうえで、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》や《時の法皇 ミラダンテⅫ》で安全にフィニッシュを狙うことも可能。

 軽減カードを引いたうえでバトルゾーンに残さないとまともに動けないのが従来の構築では大きな弱点となっていましたが、《戦術の天才 マロク》と《奇石 ミクセル》の加入で序盤が大幅に安定。

 《戦術の天才 マロク》は単体でメクレイドできる追加のカードで、クロスギアとのシナジーが強力。エスケープ持ちのシステムクリーチャー、というのも優秀です。

 《奇石 ミクセル》は苦手なアグロデッキの展開に対して有効で、コスト軽減と革命チェンジの飛び交う現環境では非常に有効性の高いメタクリーチャーです。下の呪文面も詰めの場面で有効。

 上ブレのパワーとタメる動きを両立しやすくなって、序盤が安定したことで弱点らしい弱点も大幅に減り、現段階では【サムライ】の到達点とも言える構築に仕上がっています。

 構築自体はほとんど練り上がった【サムライ】ですが、環境上の懸念点としては、新たに登場した【黒緑アビス】と【青赤マジック】に決して有利とは言えない点でしょうか。

 どちらも3ターン目の動きの再現性でやや【サムライ】が劣り、4〜5ターンでのリーサルを平然と狙ってくるためタメる猶予もほとんどなし。【黒緑アビス】については《ア:エヌ:マクア》のクロスギア全除去もかなり厄介です。

 もちろん明確な不利というほどではなく十分に渡り合えますが、人気の高い新デッキに対して明確な強みを主張できないのはやや苦しいところ。

 従来であれば圧倒的に有利だった【アナカラージャオウガ】についても《同期の妖精》という厄介な新戦力の追加で「やや有利」程度になった印象。

 デッキとしてのパワーは非常に高水準ですが、環境傾向に若干そぐわないのがやや気になるところでしょうか。


【青赤マジック】Tier2


 山札を掘り進める優秀な軽量マジッククリーチャーを手札を減らさず展開しつつ、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》へ革命チェンジして《瞬閃と疾駆と双撃の決断》でアンタップ。

 アンタップした《芸魔隠狐 カラクリバーシ》が即座に攻撃してさらに《芸魔王将 カクメイジン》へとチェンジする、いわゆる「成長ギミック」をメインコンセプトに据えた新機軸のマジックデッキです。

 このデッキの最大の魅力は一度動き始めた後の圧倒的な打点形成能力と、火/水というカラーリングに裏打ちされたドローソースの柔軟性と立ち回りの自由度。

 軽量マジック・クリーチャー→《芸魔隠狐 カラクリバーシ》→《芸魔王将 カクメイジン》へと入れ替わっていく中で、当然ながらチェンジしたクリーチャーは次々と手札に戻ります。

 《芸魔王将 カクメイジン》の能力で《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱えて手札に戻した軽量マジックを踏み倒して、そのクリーチャーが即攻撃して《芸魔隠狐 カラクリバーシ》にチェンジして……と全く同じ動きを繰り返すこともさほど難しくありません。

 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱えるたびに頭数が増えて、攻撃クリーチャーがアンタップし……いつの間にか10を超える打点が形成されていることはザラにあります。

 速度も申し分なく、3ターン目のリーサルも十分現実的ですし、4マナあればほぼ確実にフィニッシュまで辿り着けます。

 また、デッキの基盤部分を手札の減らないドローカードが構成しているため、タメる動きにもさほど抵抗がありません。

 我慢した先には《「本日のラッキーナンバー!」》や《単騎連射 マグナム》を絡めたフィニッシュが待っています。その分リーサルターンは5ターン前後まで伸びてしまうでしょうが、リターンとしては十分。

 一方で弱点もわかりやすく、まずは革命チェンジメタを乗り越える手段があまりない点。

 《Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》での全体除去ぐらいしかまともな対抗手段がなく、コスト3以上ともなるとほとんどまともに除去できません。

 次に、相手のシールドをブレイクする前に展開やモード選択を全て解決しきらなければならない点。

 どれだけ打点を並べてもその後に除去トリガーを踏んでしまえばほとんど意味はありませんし、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》のアンタップ付与先を見てからG・ストライクでどこを止めるか考えられます。

 総合して、十分実用に足るだけのデッキパワーは持ち合わせているものの、もうあと一味あれば……! と思ってしまうデッキ、という印象です。

Tier3

【赤単我我我ブランド】Tier3


 《我我我ガイアール・ブランド》のフィニッシュ性能が光る、ビートダウンデッキの代名詞。

 構築自体もほとんど変化はなく、旧来の構築が旧来のまま勝ち残っています。

 金太郎飴デッキ特有の再現性とアグロらしからぬリソース力、《烈火大聖 ソンクン》や《我我我ガイアール・ブランド》のカードパワーが【赤単我我我ブランド】の主な武器。

 G・ストライクの普及やS・トリガー・プラスの台頭、さらにそれらを乗り越える手段が「過剰打点」しか用意されていないなど、カードプールや環境傾向には逆風しかないものの、それらをブチ抜くだけの火力の高さは圧巻の一言です。

 主流は《一番隊 チュチュリス》を採用した構築ですが、革命チェンジに環境が寄るのであれば《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》の採用もありやなしや。


【4c邪王門】Tier3


 直近の環境で密かに評価アップ中の【4c邪王門】。

 【アポロヌス】に対する最高の回答・《一王二命三眼槍》を最も強く使えるデッキでありながら、ベースのデッキパワーも問題ナシ。

 呪文ロックを絡めて早期に殴りかかってくるデッキやそもそも受けの通らない勝ち方を狙ってくるデッキも現環境にはそれほど多くなく、強みが比較的活きやすい環境になってきています。

 《Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》や《五番龍 レイクポーチャー ParZero》など、「魔覇革命」からの新規カードのパワーを存分に味わえることができるのも◎。

 「3→5の動きしか取れない盤面主体のデッキ」というテンポの悪さが抱えるハンデは決して小さくないですが、環境次第では十分有力な選択肢となり得るデッキだと言えます。


【5cザーディクリカ】Tier3


 新殿堂施行直後は絶好のポジションのいたものの、今やかなり厳しい立ち位置に置かれている【5cザーディクリカ】。

 やはり3→5主体のミッドレンジ〜コントロールデッキは現環境のスピード感からすればかなり悠長。

 墓地リセットや墓地からの蘇生を禁止するメタが環境に多かったり、序盤の盤面処理に長けたデッキが環境の大部分を占めているため《天災 デドダム》が生き残りづらかったりと、デッキパワーをボトムアップしてくれている《ブレイン・スラッシュ》もなかなか上手く機能してくれません。

 受け手段自体は充実していると言えなくもありませんが他のカードとの組み合わせが前提で、シールドへの依存度が高め。《秩序の意志》や《一王二命三眼槍》のように手札に抱えておける受けギミックがないため不安定です。

 全体として受けにも寄せきれず、パワーにも寄せきれずと、前環境ではいい意味でバランスよくどんなデッキとも戦えていた強みが現環境では中途半端さにつながっています。

 今しばらくは雌伏の時か。


【キリコグラスパー】Tier3


 現環境では数少ない純粋なループコンボ。

 4ターンでのリーサルはほとんど見込めないものの、5ターンフィニッシュの再現性の高さに定評があるデッキです。

 しかし、【4c邪王門】や【5cザーディクリカ】の項目でも触れたように、現環境において4ターン目にゲームを決めきれるほどのインパクトあるアクションを起こせないデッキはゲームの速度感に間に合っていません。

 このデッキは構造上速度を強引に上げて改善を見込むことも難しいので、今後しばらくはイマイチなポジションに甘んじてしまうでしょう。

 現環境では貴重な「完全に相手の防御札を無視してフィニッシュできるデッキ」であることは今後の変遷次第でプラスになるやも。

環境のまとめと今後の展望

今まで

 「魔覇革命」リリース直後にまず鮮烈なデビューを飾ったのは【青赤マジック】。

 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》と《芸魔隠狐 カラクリバーシ》・《芸魔王将 カクメイジン》のシナジーで無限に近い打点を形成するこのデッキは非常に刺激に溢れるゲーム体験を生み出し、新環境の到来を感じさせる魅力的なデッキとして環境入りを果たしました。

 時同じくして、《同期の妖精/ド浮きの動悸》と《アーテル・ゴルギーニ》を採用して【アナカラージャオウガ】が環境にカムバック。

 元々【青魔導具】系のデッキが増加した環境ということで徐々に評価を高めていたデッキタイプでしたが、新カードの加入によりデッキの強さが底上げ。メタクリーチャーの環境上の強さに左右されない「太い」デッキとしてTierトップへと躍り出ました。

 これら両者の評価がある程度固まってきた頃から、爆発的に評価を伸ばしはじめたのが【黒緑アビス】。

 2マナブースト→4《「力が欲しいか?」》のインパクトはリストを見ただけではわかりづらいですが、《ア:エヌ:マクア》+《アビスベル=覇=ロード》に《邪幽 ジャガイスト》などの「大当たり」と言えるカードが合計8枚搭載できるようになったため動きの再現性が一気に向上。

 《謀遠 テレスコ=テレス》や《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》でも「中当たり」として十分強く、《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》がめくれれば再抽選も可能と、メクって嬉しいカードが実に20枚もデッキに採用されています。

 ゲームを直接的に終わらせる速度は決して速くないものの、展開がハマれば3ターン目に中量級アビスが4体・5体と並ぶことはさほど珍しくありません。ここにハンデスが絡んで相手の動きが鈍れば言うことなしです。

 圧倒的な盤面制圧力と押し付けの強さで、地上戦においては無類の強さを発揮するデッキとして【黒緑アビス】は瞬く間に環境最上位へと駆け抜けました。

これから

 「魔覇革命」で登場した新テーマ2種はどちらもゲーム展開のギアが1段階早まっている印象。

 【青赤マジック】はメタや受け札にやや弱く安定性に課題を抱えているものの、革命チェンジの強みを存分に活かしてメインフェイズで手札調整を挟む余地のある最速3killビートダウンです。

 【黒緑アビス】は3ターン目にゲームを終わらせるわけではありませんが、安定したマナブースト基盤から3ターン目にメクレイド5で大規模に展開。もしくはピーピングハンデスから動き出して遅くとも4ターン目には5マナ域にアクセスできます。

 継続的なハンデスやリソース補充を《謀遠 テレスコ=テレス》が補い、盤面はマッハファイター付与で突破を許さず、過剰打点を形成してのビートダウンからハンデスコントロールまでこなせる地上戦最強のミッドレンジです。

 共通して3ターン目にゲームの趨勢に影響を与えるほどのビッグアクションが用意されており、この速度感についていけないデッキは相対的にポジションを落としている印象。少なくとも「魔覇革命」環境ではこの傾向が続くのではないかと考えられます。

 環境全体の傾向としては、

 地上戦主体でリソースゲームに長け、メタカードやハンデスを絡めて受けを乗り越えられるミッドレンジ<早期展開の再現性が高く、ミッドレンジが本領を発揮する前に圧倒するアグロ<速度は出せないもののアグロの一直線な攻めに刺さるカウンターデッキ

 というような関係性がベースになると予想しています。

 カウンターデッキとしては、わかりやすいところでは《一王二命三眼槍》や《百鬼の邪王門》を駆使する【4c邪王門】や【黒赤邪王門】、《流星のガイアッシュ・カイザー》を採用した【ガイアッシュ覇道】や【刃鬼】などが挙げられるでしょうか。

 今生き残っている純粋なコンボデッキはいずれもフィニッシュがやや遅く、ハンデスやエレメント除去、墓地リセットなど妨害手段が強い現環境ではかなり厳しい立ち位置にある印象です。

 現環境はミッドレンジがまず飛び抜けているので、それらに十分以上に戦える【アポロヌス】はどこまでいっても注目株。

 その後、【アポロヌス】に対抗するデッキが出はじめてからメタが回転するのではないかと予想しています。

おわりに

 というわけで、9月のオリジナル環境について解説いたしました。

 使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?

 この記事が皆さんのオリジナル環境に対する理解への一助となれば幸いです。

 それでは次回、9月のアドバンス環境解説記事でまたお会いしましょう!



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