はじめに
こんにちは。あーくんです。プレイヤーの皆さん!殿堂ですよ殿堂!
というわけで3月頭、新たなる殿堂レギュレーションが発表されました。
長らく環境を支配してきたデッキが全体的に打撃を受けることになりました。これによりオリジナル環境は激動!
特に【青黒ヴォゲンム】と【巨大フィオナ】の二大足切りデッキが環境からいなくなったことにより、低速気味だったデッキたちにも日の目が当たるようになりました。
殿堂発表がどのように影響したのか、それにより環境はどう変わったのか。多少なりとも紐解いていき、皆様の環境理解に繋がればと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、オリジナル環境解説3月編、スタートです。
2024年2月の環境はこちら!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由の欠点こそあるが、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
大会環境の母数は日々によって変わるため、デッキごとの相性や強度をベースに考えを記載していきます。
Tier1
【闇自然アビス】Tier1
前環境は【赤青マジック】のメタデッキとして立場を築いていた【黒緑アビス】ですが、【巨大フィオナ】と【青黒ヴォゲンム】【アナカラージャオウガ】【赤緑アポロ】と、苦手だった対面が軒並み殿堂入りしたことにより、その立場を大きく向上。現在ではCS会場の3割ほどを埋め尽くすほどの人気と強さを誇り、満場一致の環境トップになったと言い切ってしまっていいでしょう。
構築は《秩序の意思》、《ヨービリン=リリン/「……誰を呼びたい?」》を減らした構築が一般的です。
その枠に入ったのが《アビスベル=ジャシン帝》と《深淵なる大地》。少ない手札を補うように、リソース補強をするカードが採用されています。
特に《アビスベル=ジャシン帝》は《邪幽 ジャガイスト》に依存気味だった攻撃力を埋められる他、ポン置きの圧も凄まじく、デッキパワーが一段階上がったような印象を受けます。
母数、入賞数ともにぶっちぎりの環境トップ。まさに現環境を代表するデッキと言えるでしょう。
Tier2
【青黒コンプレックス】Tier2
《DARK MATERIAL COMPLEX》を主軸とした受けデッキである【青黒COMPLEX】。殿堂で【青黒ヴォゲンム】と【巨大アカシック】がいなくなったおかげで大きな不利対面が減り、メタゲームを支配する側に回りました。
入賞数はなんと2番手。最大母数の【黒緑アビス】からも《秩序の意志》が抜けて来ていることから先1《COMPLEX》のような事実上のExWinを発生させられることも強みです。
天敵である《∞龍 ゲンムエンペラー》を搭載しているデッキも【巨大天門】くらいなもので、長期間この立ち位置をキープすることが予想されます。
【赤青マジック】Tier2
前環境最強の名を欲しいままにした【赤青マジック】ですが、《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》のプレミアム殿堂入りにより、その勢いを落としました。
この影響は想像より大きく、まず3tキル時の火力が落ちたことが挙げられます。
また、手打ちで1つ宣言し、追撃の《カクメイジン》で完ケアを目指すことができなくなったことが見た目以上に重く、ロングゲームでの破壊力は低下しました。
環境上の立ち位置は【黒緑アビス】に頭を抑えられているのが現状。殿堂後から少しずつ《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》の採用枚数が増えており、メタゲームの進みを感じさせます。
他にも環境上位に【青黒COMPLEX】が出てきたことにより、《飛翔龍 5000VT》の価値が上がっています。しかし、採用枚数を多くすると【黒緑アビス】の《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》に利用されてしまうのがネック。
動きの再現性自体は変わっていないので、アグロの通りがいい環境になれば立ち位置は向上することも考えられます。今立ち位置が悪いとはいえ意識の外に置くと一気に化けそうなデッキです。
【巨大天門】Tier2
【巨大フィオナ】が消え、環境に残された巨大軸のデッキが【巨大天門】です。
巨大基盤と《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》によるリソース補強があまりに強い他、【黒緑アビス】【青黒COMPLEX】【赤青マジック】をまとめて粉砕できる《∞龍 ゲンムエンペラー》の搭載がやはり強力なアピールポイントになっています。
このデッキもまた殿堂の影響を大きく受けており、特に《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》と《「無月」の頂 $スザーク$》の殿堂により立ち位置が大きく向上しました。
弱点は色基盤の弱さと、リソースエンジンがデッキの機嫌によって左右されること。合わさって、《巨大設計図》を唱えられない試合は窮屈な思いをすることになります。
【アナカラーグラスパー】Tier2
環境の変わり目に現れるループデッキと名高い【グラスパーループ】。今回は殿堂で環境が低速化していることから、非常にいいポジションで春を迎えました。
知らない方のために説明をすると、7マナある状態で《グレート・グラスパー》《蒼狼の王妃 イザナミテラス》《スクリプト》を揃えると、それぞれの効果が無限に連鎖してそのまま勝ちます。
シールドを殴らないまま勝利するという特性から【青黒COMPLEX】や【巨大天門】のような遅いデッキに対して強いのが最大の特徴です。
今回はメインエンジンを《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》に据えている他、マナゾーンを揃えるという仕組みであるため《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》や《 謀遠 テレスコ=テレス 》のハンデスを躱せるため環境上位に相性が良いことで再度注目が集まっています。
また、ループという性質も環境初期では強く、このデッキの立ち位置を脅かす速度のデッキが出るまではしばらく今のポジションにいることは想像に難くないです。
【ガイアッシュDOOM】Tier2
前環境から引き続き残るコントロールデッキです。
《天災 デドダム》と《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》を使った基盤に、《ガイアッシュ》+《キーナリー》パッケージは依然強力ですが、流石に初見殺しは成立しなくなってきました。
環境では《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》が【黒緑アビス】に対して支配的に強く、一定の立ち位置を見せています。
どんな対面でも相手できるのは強みですが、明確な仮想敵が定まりきっていないのも事実。かなりメタデッキとしての側面が強いデッキですので、この後の環境の推移によって採用カードや立ち位置にも影響が出てくると考えられます。
Tier3
【アナカラージャオウガ】Tier3
2023年下半期、最強とまで言われた【アナカラージャオウガ】。やはりというかなんというか、今春の殿堂で《幻緑の双月/母なる星域》が持っていかれ、ついぞ環境トップに戻ることはないまま冬の時代を迎えました。
しかしメタクリーチャーの質の高さと、それを支える《キユリのASMラジオ》の強さは健在。本家《母なる星域》も採用し、全盛期の輝きを目指しています。
実際、ガードが下がった状態での高速《CRYMAX ジャオウガ》は強力無比であるため、油断すると一気に環境に入ってくる危険性もあると考えられます。
【ラッカゴスペル】Tier3
ルーターで手札と墓地を整え続け、最速4tで始動する今環境のアンフェアデッキ枠が【ラッカゴスペル】です。
簡単な目標になる墓地の数は4tまでに5枚。 2ターン目3ターン目はルーターを連打し、4ターン目に《キリモミ・ヤマアラシ》で《水晶の王 ゴスペル》を射出。そのまま各種大型呪文を唱えてフィニッシュする呪文主軸の墓地コンボデッキです。
唱える呪文は《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》か《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の下面が候補。 《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》は上面がルーターとして使えるため無駄のない一枚となっていますが、フィニッシュ力という観点では《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》の方が評価されており、現在多く使われるのもこちらが主流になっています。
ハンデスが効きにくいため【黒緑アビス】に一見有利に見えますが、《ア:エヌ:マクア》の墓地リセットが重く対面相性はそこまで良くありません。 また、《キリモミ・ヤマアラシ》、《水晶の王 ゴスペル》というコンボに頼っている都合、《ボン・キゴマイム》や《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》、《∞龍 ゲンムエンペラー》といったメタカードの影響を直接受けやすいのもマイナスポイントです。
【青黒マトリクスループ】Tier3
かつて環境を一色に染め上げた【サガループ】。その遺伝子を継ぐデッキが【青黒マトリクス】です。
ループルートは至って簡単。マナを5枚以上溜めて、《アーテル・ゴルギーニ》×2、《終斗の閃き マトリクス》《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》《緊急再誕》を揃えるだけです。
これにより《スクアーロ》のストックが無限に溜まり、そのまま《アーテル》と《マトリクス》も無限へ。後は《水晶の祈り》でフィニッシュというデッキです。
一見すると5枚コンボであるため決まりにくいように見えますが、《緊急再誕》をはじめほとんどのコンボパーツは墓地に置いておくだけでいいため、ハンドキープはあまりシビアではありません。 そのため《アーテル》の墓地肥やし効果で公開領域を広げながらそのままシュートすることも容易なものとなっています。
現在は墓地リセットが重いことと、デッキがコンボパーツで埋まっているため、ロングゲームのような対応を迫られる試合で取りこぼすことが多く、勝ち切ることができていない印象です。
今後《絶望神サガ》のような桁違いの速度か、コントロールゲームになっても勝ち切れる地力をつけた時がこのデッキが真に羽ばたく時だと期待しています。
環境のまとめと今後の展望
殿堂直後は、やはりというべきか無規制かつ立ち位置が向上した【黒緑アビス】の支配から始まりました。
しかしまだ環境自体は手探り。3月にはトッププレイヤーたちによる日本一決定戦が行われ、そこで環境が再定義されることは明白でしょう。
このまま【黒緑アビス】がデュエマを闇に染め上げるのか、はたまた、それ以外のデッキが反撃の狼煙を上げるのか、楽しみにしながら最高峰の戦いを見届けましょう!
おわりに
というわけで、3月のオリジナル環境について解説いたしました。
使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?
この記事が皆さんのオリジナル環境に対する理解への一助となれば幸いです。
それでは次回、4月のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!