──かつて遊☆戯☆王5D'sの主人公である不動遊星は言った。
「どんなカードでも存在する以上、必要とされる力がある。」と──
しかし、現代遊戯王においてこの理論を信じている者はあまりにも少ない。膨大なカードプール、高速で移り変わる環境がそれを許さないのだ。
ならば歴史に埋もれていくカードたちに希望は無いのか?
そんなことはない!そのために私は立ち上がった。この企画記事はツイッターで「やたら持ってる」「みんな持ってるけど使わない」「使い道が思い付かない」カードを募集し、それぞれがメインを張ったデッキを作成・紹介しようという企画である(労力)
御覧ください。今回のキーカードが現れました。
効果モンスター
星1/光属性/昆虫族/攻 100/守 200
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを戦闘で破壊したプレイヤーは、
1000ポイントダメージを受ける。
《原子ホタル》じゃぞい。おや?来ましたねジジィ。
知ってる人は知っているカード。なんなら年齢がバレるまであるかもしれない。私の兄さんのストレージにありましたね。いらないからってもらっちゃった。
1.原子ホタルの長所
彼の最大の長所・・・それは、
・多大なバーンダメージ
である。だってそうじゃん。1000×8で終いよ。終い。
実際この時代のバーンだとかなり優秀だぜ?はなまるをあげちゃおう。
あ゛?
ごめんもう一回言って?《マシュマロン》?
そんな全くタイプの違うカード挙げられても困っちゃう。だって《灰流うらら》と《ゴブリン突撃部隊》とを比べろって言われても困るでしょ?そういうこと。
効果をもっとしっかり読んでみよう。
まず簡単に想像できる状況として、「自分の場にいるこのカードが戦闘で破壊された場合」があるね。
これはもうテキストどおりよ。
相手はその魂の8分の1を永久に失うわけだ。
果たしてこのカードを使う上で想定される状況はこれだけだろうか?
・「相手モンスターと相討ちした場合」
相手に1000ダメージ
・「自分の場のこのカードが自分モンスターに戦闘で破壊された場合」
自分に1000ダメージ
・「相手の場の元々の持ち主が自分となるこのカードを自分モンスターが戦闘で破壊した場合」
自分に1000ダメージ
だってある。一見意味の無い考察かもしれないが役に立つことだってあるんだ。
今回はそれを証明してみせよう。
2.デッキ紹介
というわけで今回の《原子ホタル》デッキは、
ご覧のありさまよ。揃いも揃った小さな昆虫ども、【B・F】入りバーン主体の☆1昆虫族デッキやで。
今更だけど、《原子ホタル》は昆虫族だから。どうみても機械だけど。
どう見ても弱そうとか見た目で判断するな!彼らだって必死に生きてるんだ!そんなだからお前は・・・!
あ・・・、ごめん・・・。
さて、解説するよ(冷静)
この手のカードでデッキを組む際ありがちなのは「利用したカテゴリのパワーで結局決まる」現象だ。これは良くない。けどプレイング次第じゃんね。
今回手伝って貰ってるカテゴリ【B・F】からは《B・F―必中のピン》さんをメインに招待した。
だったらいいか。
これが《原子ホタル》かぁ。
遊戯くん、ボクはずっとこのカードを活かす戦略を考えていたんだ。
でもなかなか見つからなくて。・・・でもようやく見つけたよ
こうすればよかったんだよ!
・☆1昆虫族の強固な結びつき
・攻撃ロックと自爆特攻隊
・昆虫リンクモンスター
ハハハッ!これでボクに敵などいない!
①☆1昆虫族の強固な結びつき
蟻や蜂なんかの体の小さな昆虫が厳しい環境にも負けず生きているのは群れをつくるからだ。一匹では大したことのない虫でも集まれば多大な結果をもたらす。
遊戯王のデッキもかくあるべきなのだ。40枚のカードからパーフェクトなハーモニーを生み出そう。
《原子ホタル》を使うにあたって共通点を持つカードを調べてみた。☆1昆虫族だ。
そしたら意外な事になんというか、結構有名(?)な、と言うかそんなに「誰だこいつ」となるようなカードは無かったの。
カテゴリカードも居ればGシリーズや《魔導雑貨商人》等が居た。
ますます原子ホタル君が霞むじゃないか
しょうがない、しかし良く見るとこのカテゴリカードたちはこれまた共通点があるな。分かる?ねぇ?分かる?
それは「各カテゴリの潤滑油」であるということ。
その効果故に使わない構築をする人も多いが、《ゼンマイハニー》のように次の自分のターンに繋げる働きをするもの、
あるいは《ナチュル・モスキート》のように他のモンスターを守護らねば・・・するもの。
優しい子たちばかりじゃないか。(レベル・スティーラー)
彼らの効果はある種似ているためか1つのデッキにまとめても良いと思ってたんだ。あの日までは・・・。
②攻撃ロックと自爆特攻隊
かわいそうなことにこのデッキではこの、力は無いが優しい彼らが一番働かされるのはバトルフェイズになる。誰だこんなことしたの!
相手のバトルフェイズには《ナチュル・モスキート》と《ブロック・スパイダー》に頑張ってもらおう。いわゆる「切り込みロック」というやつだ。この記事を読むような人は好きでしょこれ。
効果モンスター
星1/地属性/昆虫族/攻 200/守 300
自分フィールド上にこのカード以外の
「ナチュル」と名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、
相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。
このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する
「ナチュル」と名のついたモンスターの戦闘によって発生する
自分への戦闘ダメージは、代わりに相手が受ける。
効果モンスター
星1/地属性/昆虫族/攻 0/守 100
「ブロック・スパイダー」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手は他の昆虫族モンスターを攻撃対象にできない。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「ブロック・スパイダー」1体を特殊召喚する。
防御面はこれでバッチリ!・・・って事にしておいて。
次は自分のバトルフェイズだが、正直彼らには戦闘に勝てというのは荷が重いだろう。適材適所。でも戦闘してもらう。
ここで頑張ってもらうのが我らの《原子ホタル》だ。ついでに《ナチュル・モスキート》も場合によっては参加してもらおう。
こちらが攻撃して自爆する場合でも《原子ホタル》の効果は相手が受けてもらうことになる。
要はこれを8回(《ナチュル・モスキート》の反射が機能すればそれ以下)発動すればこちらの勝ちだ。
もちろん相手の攻撃力の高い《ゴブリン突撃部隊》のようなモンスターに仕掛ければこっちが死んでしまうこと必死。
《悪魔の調理師》を送りつけて戦闘ダメージもアドバンテージに変えちゃおうね。
自爆特攻なんて戦術はディスアドバンテージが強すぎてわりに合わないよ‼なんて言うまだ正気な人もいるかも知れない・・・。
そんなしょうもない反論も大丈夫さ!
③昆虫リンクモンスター
彼らがその損を補ってくれる。
リンク・効果モンスター
リンク2/風属性/昆虫族/攻1000
【リンクマーカー:左上/下】
カード名が異なるモンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先にモンスターが存在する限り、
相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
(2):このカードのリンク先のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
自分の手札・墓地からレベル4以下の昆虫族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
リンク・効果モンスター
リンク3/風属性/昆虫族/攻2100
【リンクマーカー:上/左下/右下】
カード名が異なるモンスター2体以上
このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動する。
このカードのリンク素材とした昆虫族モンスターの数だけこのカードにカウンターを置く。
(2):このカードの攻撃力は、このカードのカウンターの数×200アップする。
(3):このカードのカウンターを1つ取り除いて発動できる。
自分の墓地からレベル4以下の昆虫族モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
どちらのリンクモンスターも昆虫族の蘇生を行えるのだ。それもデッキとマッチしている緩い条件で!
さらに、今回注目した利点として、「どちらもバトルフェイズ中に蘇生ができる」という本気で強い特徴がある!
《中忍ハガクレミノ》は更なる自爆特攻の追加、《熾天蝶》はフリーチェーンの効果なので相手のバトルフェイズの壁にも使える。
さらにさらにィ!有用なコンボを紹介しよう!
「永続魔法《大樹海》を発動している状態で、《虫忍ハガクレミノ》のリンク先にいる《原子ホタル》が戦闘で破壊された場合」の効果処理がわかるかな?
永続魔法
フィールド上に表側表示で存在する昆虫族モンスターが
戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、
そのモンスターのコントローラーは破壊されたモンスターと
同じレベルの昆虫族モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。
私はコナミに問い合わせた。わかんなくなっちゃって。てへへ。てっきり《大樹海》の効果はタイミングを逃すものだと思っていたが、なんとびっくり!
《原子ホタル》の強制効果の後、2枚の効果を好きなチェーンで組めるのだ!つまり、
《大樹海》でサーチしたカードをそのまま特殊召喚できるのである!
これぞ、過労死《原子ホタル》!【☆1軸昆虫採集キット】の神髄!!
3.終わりに
今回紹介した《原子ホタル》活用デッキ、【☆1軸昆虫採集キット】
弱者が無様に散るさまを見るのが好きな鬱屈した人やカワイイカードを使いたい初心者におススメだヨ!
今日もどこかで原子ホタルが一瞬の輝きをみせた・・・。
──かつて遊☆戯☆王5D'sの主人公である不動遊星は言った。
「どんなカードでも存在する以上、必要とされる力がある。」と──
それはカードたちを救う希望の言葉である。