はじめに
どうも◆ドラ焼きです。
アビスと言えば闇単、たまに《百鬼の邪王門》を採用した火闇の形も見られます。そして、魔覇革命で本格参戦した自然アビスですが……
これもまた一線級の実力のあるデッキです。
特に盤面展開での勝負になると右に出るデッキがいないほどの制圧力を持つので、今後環境でも見る機会の増えるデッキになってくるでしょう。
今回はそんな【黒緑アビス】の特徴やサンプルリスト解説、採用カード、回し方について解説していきます。
目次
【黒緑アビス】の特徴
【黒緑アビス】は2ターン目からブーストを使って動いていき、3ターン目に《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》によるメクレイドの展開、状況に応じてはハンデスなどを行います。
そして5マナに届いてからが本番で《邪幽 ジャガイスト》や《ア:エヌ:マクア》のようなカードからガツガツとアドバンテージを取っていき、展開の過程で《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》や《謀遠 テレスコ=テレス》などでハンデスを繰り出すことで相手が逆転不可能な盤面を作っていきます。
特に相手が《天災 デドダム》のように盤面にクリーチャーを出すデッキの場合は《ア:エヌ:マクア》からの《アビスベル=覇=ロード》の展開がクリティカルに刺さり、更なる展開につながっていきます。
相手が盤面を広げないデッキだったとしても、《邪幽 ジャガイスト》による展開力、切り返し力は健在なので、幅広いデッキと渡り合えるデッキです。
それでは早速サンプルリストを見ていきたいと思います。
【黒緑アビス】サンプルリスト
採用カード解説
フィニッシャー
《アビスベル=覇=ロード》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 文明 闇/自然 / パワー11000 / コスト7
■革命チェンジ:コスト5以上のアビス
■自分のアビスすべてに「マッハファイター」を与える。
■W・ブレイカー
■自分のターンの終わりに、コスト6以下のアビス・クリーチャーを1体、自分の墓地またはマナゾーンから出してもよい。
■各ターン、相手のクリーチャーがはじめて攻撃する時、可能ならこのクリーチャーを攻撃する。
豊富に採用されている5コストのアビスから革命チェンジをバンバン狙っていけます。
エンド時にマナや墓地からクリーチャーを踏み倒す効果を利用し、《ア:エヌ:マクア》で相手の墓地を消す、《謀遠 テレスコ=テレス》で手札を枯らす、などなど状況に応じて相手が逆転できない状況を作り上げていきましょう。
《邪龍 ジャブラッド》を1枚だけ採用しているのは、《飛翔龍 5000VT》や《聖魔連結王 ドルファディロム》のような全体除去への耐性をつくることで返されない盤面を作ることが目的です。
従来の闇単と違って序盤にマナに置いたカードもゲームに絡めやすい点は非常に強力で、このようなピン投のカードも扱いやすいですね。
《ア:エヌ:マクア》
【 クリーチャー 】
種族 ヴェールアビス / 文明 自然 / パワー6000 / コスト5
■マッハファイター
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶自分の山札の上から2枚を、タップしてマナゾーンに置く。その後、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻す。
▶プレイヤーを1人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の墓地をシャッフルし、山札の下に置く。
▶相手は、自身のコスト5以下の、クリーチャーではないエレメントをすべてマナゾーンに置く。
マナに置いた必要なカードを回収したり、相手の墓地を消して詰めたり、【水魔導具】の《卍 新世壊 卍》を吹き飛ばしたりと、役割の多い1枚です。
マッハファイターの弱いところで、相手がバトルゾーンにクリーチャーを出さないと力を発揮しにくいという点はあるものの、1枚で行う仕事量やこのカードがあるからこそ《アビスベル=覇=ロード》をマナに置きやすいことなどを考えるとしっかり採用したい1枚です。
《邪幽 ジャガイスト》
【 クリーチャー 】
種族 アビスドラゴン / 文明 闇 / パワー9000 / コスト5
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を2枚捨ててもよい。そうしたら、アビス・メクレイド5する。
■各ターンに一度、自分の山札からクリーチャーが出た時、そのクリーチャーのコスト以下のアビス・クリーチャーを1体、自分の墓地から出してもよい。そのターン、そのアビスは相手プレイヤーを攻撃でき、そのターン中に攻撃したら、ターンの終わりに山札の下に置く。
先攻であれば、3ターン目までにブーストを打ち、4ターン目に展開。後攻であれば2→4でカードをプレイし、4ターン目に展開と、手札をコストにする分先攻と後攻で使用感の変わってくるカードです。
自分の手札の枚数の管理はかなり重要になってくるので、常に手札が2枚、3枚とある状態を維持していくことはこのデッキを回す上で重要になります。
中盤を支えるカード
《謀遠 テレスコ=テレス》、《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》
ハンデスによって相手の手札に圧をかけていくカードたち。
《謀遠 テレスコ=テレス》、《ア:エヌ:マクア》、《邪幽 ジャガイスト》が所謂《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》の当たり枠になります。
複数並べて継続的にハンデスしていくことや、相手の手札を枯らした状態でブレイク→エンドして相手のターンはじめにハンデス、という流れで詰めていくのは【赤黒テレスコ】と同じ鉄板ムーブです。
《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》はある意味令和の《解体人形ジェニー》です。245と、古き良き黒緑のマナカーブをなぞるこのデッキに適してるカードです。
《ヨービリン=リリン/「……誰を呼びたい?」》
【 ツインパクトカード 】
種族 アビスロイヤル / アビスへの誘い / 文明 闇 / パワー4000 / コスト5
種族:アビスロイヤル
■アビス・フレンド・バースト(このクリーチャーが出た時、自分の他のアビス・クリーチャーを1体タップしてもよい。そうしたら、このクリーチャーの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱える。)
■クリーチャーが破壊された時、自分はカードを1枚引いてもよい。
────────────呪文────────────
カード名:「……誰を呼びたい?」
文明:闇
コスト:3マナ
種族:アビスへの誘い
■相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-6000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
相手のメタカードの除去、リソースの補充、それでいてコスト5のかさ増しの役割を持つカードです。状況を選びますが、強力な1枚でこのデッキの強度をあげることに一役買っています。
《フォック=ザ=ダーティ》
【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 文明 闇/自然 / パワー5000 / コスト5
■アビスラッシュ:このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる。
■革命チェンジ:アビス(自分のアビスが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中からクリーチャーを1体、手札に加えるかマナゾーンに置く。残りを墓地に置く。
アビスラッシュを持ち、墓地にあっても強く、革命チェンジを持っているので手札にあってもプレイアブルです。
《邪幽 ジャガイスト》から捲れた場合や、《邪幽 ジャガイスト》から《邪幽 ジャガイスト》が捲れて自分の手札が奇数枚の場合などでも強力なので余った枠があれば入れておくと損は絶対しないカードです。
自分はこのカードの枚数が増えるほど、デッキ全体がフラットになると言いますか、デッキ内のカードそれぞれへのアクセス率を上げてくれるカードだと思っているのでできるだけ採用したいと思っています。
初動
【 ツインパクトカード 】
種族 アビスロイヤル / アビスへの誘い / 文明 闇/自然 / パワー6000 / コスト5
種族:アビスロイヤル
■アビスラッシュ:このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。
────────────呪文────────────
カード名:「倒したいか?」
文明:自然
コスト:2マナ
種族:アビスへの誘い
■自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
《フェアリー・ギフト》込みで初動が10枚採用されています。このデッキのいいところとして245のマナカーブに失敗したとしても、35で動けてもギリギリOKなのでこの枚数に落ち着いています。
回し方
マナカーブ通りに動いて展開していくのが基本になりますが、簡単に動きを解説していきます。
先攻と後攻でややマナカーブを変える必要あり
《邪幽 ジャガイスト》から展開していくデッキになるので、自分の手札の枚数と相談しながらゲームを進めていく必要があります。
2→4→5で先攻で動いた際に、4で手札が増えないカードを使うと次のターンに《邪幽 ジャガイスト》の効果は起動できません。そのため、《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》を盤面に出すなどして、手札の枚数をキープしていく工夫が必要です。
あるいは、4マナの時にあえて動かないようなことも選択肢の1つになります。
後攻時には4マナの時に《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》などの妨害を挟んでも手札の枚数をクリアできるため、そういう意味では後攻である旨味のあるのがこのデッキの良いポイントになります。
《邪幽 ジャガイスト》からの展開を効率化しよう
《邪幽 ジャガイスト》の手札コストをうまく使えるかどうか、というのはこのデッキにおいて重要になりますが、その際に自分の手札が増減するカードをうまく使えれば展開の幅を広げることができます。
例えば《フォック=ザ=ダーティ》は自分の手札を1枚増やしつつ、墓地を作ることができるので、《邪幽 ジャガイスト》から捲れた時、墓地を肥やして2枚目の《邪幽 ジャガイスト》を探しにいきつつ、手札を増やせます。
なので手札がもともと1枚あれば、2枚目の《邪幽 ジャガイスト》からさらに展開していくこともできます。
また、《邪幽 ジャガイスト》から《邪幽 ジャガイスト》が捲れた場合なども同様に墓地の《フォック=ザ=ダーティ》や《ア:エヌ:マクア》、《ヨービリン=リリン/「……誰を呼びたい?」》などの手札が増えるカードは連鎖を生むカードになります。
これまでは手札奇数枚の時は《邪幽 ジャガイスト》の効果を活かせないことがありましたが、自然アビスは手札を増やすことのできるカードが多い点が優秀ですね。
1つ覚えておきたいテクニックはメクレイドの効果などで《邪幽 ジャガイスト》が山札から出たとき、それによってその《邪幽 ジャガイスト》の山札からクリーチャーが出た時の能力も発動するということです。
《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》から《邪幽 ジャガイスト》が捲れた場合は手札を切らずとも、《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》を出すこともできるということですね。
詰め盤面をしっかり作る
このデッキの詰め盤面の作り方は《謀遠 テレスコ=テレス》で毎ターンハンデスをして相手の手札を削り切り、その後少しずつ刻みつつ相手の手札が0の状態を維持し続けるという詰め方です。
これにプラスで、《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》、《ア:エヌ:マクア》などを絡めて詰めていきたいです。
《アビスベル=覇=ロード》のエンド時に出せる効果をしっかり利用して、マッハファイターで相手のクリーチャーを倒していき、最後の最後エンド時に《ア:エヌ:マクア》で相手の墓地を消す、などのようにして詰み盤面をつくっていきましょう。
最後は《邪龍 ジャブラッド》があると安全ですが、それなしでも十分詰めていけるだけの力のあるデッキです。
おわりに
【黒緑アビス】いかがでしたか?
【4c邪王門】、【5cコントロール】、【黒単アビス】、【赤白サムライ】など、盤面を展開せざるを得ないデッキに対してはめっぽう強く、環境次第ではかなりそのパワーを発揮するデッキです。
自分もこの間のCSでここで紹介したサンプルリストをそのまま使い、ベスト8になったんですがその際は予選で【赤緑アポロ】に負けて4−1で予選を上がり、本戦でも【赤緑アポロ】に負けてベスト8でしたね……。
この構築だと【アポロ】や【赤単我我我】、【水魔導具】のようなこっちの土俵で戦ってくれない相手には苦戦を強いられるので環境に応じてトリガーを積むなどして対策が必要でしょう。
(その時に採用候補になるカードはこちら。《フォック=ザ=ダーティ》や《邪龍 ジャブラッド》、《フェアリー・ライフ》などの枠に入れてくださいね)
新時代の「アビス」、使っていても楽しいですし、詰めの盤面を構築するまでに細かいプレイも多い本当に面白いデッキですので、ぜひ皆さんも試してみてください。
10年くらい前の環境デッキだった【黒緑超次元】や【黒緑アシッド】が好きだった人には特にオススメです!!(伝われ)