こんにちは。モンブランの栗は最後に食べるタイプの神結です。
まぁモンブランの何が一番美味しいのかはさておき、どちらかといえばラストエリクサー使えない病に近いかもしれません。
そんな訳でこのシリーズもラストエリクサーは最後の最後まで使わないかもしれませんが、それでも思い出の名デッキたちが順次登場していくので、よろしくお願いします。
さて、今回はまたちょっと主役とは外れたデッキの紹介をしましょう。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【赤黒デッドゾーン】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
名脇役、赤黒デッドゾーン
というわけで今回の名作デッキは【赤黒デッドゾーン】になります。
一応デュエマの文明表記順に則ると闇火(黒赤)になるんですが、みんな語感重視で「赤黒」ですね。
リストはだいたいこんな感じ。
このデッキの登場は、革命ファイナル編に突入した2016年5月。全盛期を《蒼き団長 ドギラゴン剣》と共に過ごし、そしてドギラゴン剣の活躍をある意味で影で一番支えた“名脇役”といったデッキになります。
元々赤黒で《轟く侵略 レッドゾーン》を使うデッキも、《S級不死 デッドゾーン》を使うデッキもありましたが、革命ファイナルで完全に別なデッキとして誕生することとなります。
そのキッカケとなったのは《Dの禁断 ドキンダムエリア》です。
【 D2フィールド 】
文明 闇 / コスト5
■自分のクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりにそのクリーチャーに封印を付ける。
(カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドがバトルゾーンに出た時、その持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ自身のカードから封印をひとつ、墓地に置く。クリーチャーが封印されている間、両プレイヤーはそのクリーチャーを無視する)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く。)
■D(デンジャラ)スイッチ:自分のターンのはじめに、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。
そうしたら、自分の封印を6枚まで墓地に置いてもよい。
仮にこのカードが無かったとしても「赤と黒の2色を使ったコマンドデッキ」は生まれていたかと思いますが、デッキを環境上位に押し上げた要因は、間違いなくこのカードです。
ドキンダムエリアの効果は大きく2つで、1つは「クリーチャーが離れる時、かわりにそのクリーチャーに封印を付ける」というもの。
封印は離れた時の効果などは発動しないものの、剥がしてしまえば戦線復帰が可能です。また禁断解放した《伝説の禁断 ドキンダムX》を守る意味合いもあります。
そしてこのカードはD2フィールド特有のDスイッチも持っており、それは「自分のターンの始めに、自分の封印を6枚まで墓地に置いてよい」というものになります。
細かな使い方はありますが、ざっくり言えば一発で禁断解放が可能です。ターンが返ってくれば、全体除去が使えるようなものです。
しかも解放したドキンダム自体は、自身で守ることが出来ます。当時は《オリオティス・ジャッジ》のような除去も使われていましたからね。
もちろん「ドキンダムエリアデッキ」という訳では無いくらいには、他のカードも優秀です。
同じく革命ファイナルで新たに登場した《轟音 ザ・ブラックV》と《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》が、攻めのプランに大きく関与しています。
【 クリーチャー 】
種族 ソニック・コマンド / イニシャルズ / 文明 闇/火 / パワー3000 / コスト4
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■スピードアタッカー
■このクリーチャーが攻撃する時、相手は自身の手札を1枚選び、捨てる。
【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド・ドラゴン / 文明 闇/火 / パワー4000 / コスト5
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■スピードアタッカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。
その後、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
《轟音 ザ・ブラックV》はスタートデッキのカードですが、4コスのバイクでセルフと言えど1ハンデスは充分強力。
その上で、このカードは《復讐 ブラックサイコ》の侵略元になります。
4ターン目に3ハンデス、場合によっては5ハンデスなんて事も起こります。更にそれをイーヴィルでバックアップする感じですね。
勿論【黒単ヘルボロフ】のような《解体人形ジェニー》→《復讐 ブラックサイコ》の素出し、なんてプランもありました。
ブラックサイコで手札を刈り取ったら、最後の仕上げは3打点ある《S級不死 デッドゾーン》の出番です。
要するにハンデス+ビートダウンのデッキに、《Dの禁断 ドキンダムエリア》という状況をひっくり返せる、押し込みに使える、なんなら相手によっては貼れてしまえば勝てるようなカードで補強したのが、この【赤黒デッドゾーン】という訳ですね。
Tier2の鑑?
先にも書いたように、このデッキの全盛期は《蒼き団長 ドギラゴン剣》の(第一次)全盛期と丸被りしています。
そしてこのデッキは、ドギラゴン剣系統のデッキに対して明確に不利でした。
要因は色々あるのですが、まず前提として受けの展開になったときに勝てません。トリガーの枚数は一定枚数あるにせよ、【赤黒デッドゾーン】が1枚からリーサルを組めない以上、先に走られてしまうとトリガー関係なく敗れます。
そして溜める展開は、単純に《勝利のガイアール・カイザー》から盤面に走られて展開されることとなり苦しい。
加えて仮に先に《轟音 ザ・ブラックV》からの《復讐 ブラックサイコ》で走る展開となったとしても、ドギラゴン剣側は《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》や《超次元リバイヴ・ホール》といった1枚から走れてしまうのです。
更に追い討ちのように、受ける都合上《閃光の守護者ホーリー》のようなカードが必要になるんですが、これがまた《メガ・マナロック・ドラゴン》が激痛になるという絶対に解決しない問題も有していました。というか普通に2色でも無理なんだよな。
と、Tier1だったドギラゴン剣に対して構造から不利を免れなかった【赤黒デッドゾーン】が環境にいること自体おかしくないか? という話にもなりそうですが、結果としてこのデッキは環境で活躍を続けることになります。
それは何故か。
答えは「ドギラゴン剣にそこそこいけそうなデッキに対してめちゃめちゃ強かった」からです。
バイクで走るというのは既に前時代的になってしまったのですが、新たに手にした《Dの禁断 ドキンダムエリア》の威力は絶大でした。
特に盤面の展開を優先したい【青白サザン】や【緑単サソリス】などは、このカードとはあまりに戦いたくない。そして当たり前ですが、《復讐 ブラックサイコ》もちゃんと面倒だったんですよね。
というか、ハンデス食らっても1枚から復帰してくるドギラゴン剣がおかしいんですよ。
この記事を書いていて改めて思ったのですが、【赤黒デッドゾーン】は確かに強かった。
でもその強さが、マジレス寄りの強さだった。
そしてマジレスデッキというのは、いわば格下には滅法強い反面、格上のデッキには掠りも出来ないんですよね。パワーやギミックで抑え込むデッキなので。言うならば少しに前にあった「自分たちのサッカー」が欧州強豪国にまるで歯が立たずにボコボコにされた、みたいなあんな感じです。
それならば、殻にこもって1を引きにいくようなデッキの方が、格上には勝てるんですよ。
逆を言えば、ドギラゴン剣が気持ち良くデュエマを出来ていたのは、赤黒デッドゾーンのお陰かもしれません。
CSに出れば有象無象を蹴散らして予選を抜け、ベスト8辺りでちゃんとドギラゴン剣に星を献上して大会を去る。オペラオーとドトウみたいな関係?
そんなTier2の鑑みたいなデッキだったのが、この【赤黒デッドゾーン】だったわけですね。
このデッキはドギラゴン剣と共に歩みながら秋まで過ごし、その後はジョバンニの台頭によって環境からはやや後退。
最終的には上位種となる《終焉の禁断 ドルマゲドンX》の登場によって、その役割を終えます。
GP3rdTOP8デッキという輝かしい実績を看板に、思い出の中に消えていくこととなるのです。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第82回は【赤黒デッドゾーン】でした。
本文中では「ドギラゴン剣に勝てない」ことをかなり強調しましたが、それはそれとしてこのデッキを使ってる側もかなり試行錯誤していました。
例えば、《オリオティス・ジャッジ》の採用とか。また或いはこのデッキ自身が《蒼き団長 ドギラゴン剣》を採用するケースもありました。これは《復讐 ブラックサイコ》で先に2点入れて、そのカウンターのカウンターとして《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》から3点+1点を生成する、というようなイメージですね。
とはいえ、何処までやっても不利は免れなかったかな……。しょうがないんだよな。どうしても構造がキツいから、改善することは出来ても抜本的は解決はしないという。
ただ《蒼き団長 ドギラゴン剣》の活躍を語る上では決して外すことの出来ないデッキではあると思うので、こうした主役になりきれなかったデッキのことも覚えておいてもらえればなと思います。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。