目次
はじめに
みなさまはじめまして、みりおんと申します。
この度はガチまとめ様からお声掛けいただき、ゲストライターとして記事を書かせていただくことになりました。
私は普段Twitterやnoteを中心に活動していて、東海周辺で開催されるCSなどにも積極的に参加しています。
今回は、最近私がCSなどでよく使用している【ヴァレット】デッキについて紹介させていただきたいと思います。
参考構築
【ヴァレット】デッキ、特に罠型のものを使い始めてからの実績としては、
・さこCSベスト8
・愛知CSベスト4
・翔CS1位
が主な戦績で、トーナメントに上がれなかった時でもほぼ勝ち越ししています。
8/4、10の2週連続でCSに出た際には2日間通算9-2、10/26、27の2日連続でCSに出た際には2日間通算9-1でした。
Twitterにブログ記事のリンクを貼ったツイートは、愛知CSベスト4の際の記事は500いいね以上、他二つも多くのいいねを頂きました。
さて、今回は翔CS1位の時に使用したレシピについて解説させていただきます。
こちらがデッキレシピとなります。
戦績についてのTwitterのリンクも掲載します。(ちなみに戦績に書かれているジャンドはゲストライターの光さんだったりします。そちらの記事もよろしく!)
デッキコンセプト
ヴァレットと聞いて、【ドラゴンリンク】デッキを思い浮かべる方も多いと思います。実際、【ドラゴンリンク】が流行していた時期、ヴァレットは展開のためのデッキパーツとして使用されていました。
しかし、今回紹介する【罠型ヴァレット】では、ヴァレットを展開のためのパーツとしてみているのではありません。
このデッキのヴァレットの役割・強みは、破壊されたターンのエンドフェイズにヴァレットをリクルートする効果によってリソースを供給し続けられる、というところにあります。
《ヴァレット・トレーサー》
チューナー・効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1600/守1000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、デッキから「ヴァレット・トレーサー」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。この効果は相手ターンでも発動できる。
《シルバーヴァレット・ドラゴン》
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1900/守100
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを破壊する。その後、相手のEXデッキを確認し、その内の1枚を選んで除外する。②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「シルバーヴァレット・ドラゴン」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。
《マグナヴァレット・ドラゴン》
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1200
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを破壊する。その後、フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「マグナヴァレット・ドラゴン」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。
この3種類のヴァレットは、破壊されたターンのエンドフェイズに同名以外リクルート、もしくは場のカードを破壊して同名以外リクルートする、という効果を持ち合わせています。
特に《ヴァレット・トレーサー》は相手ターンにも効果を発動できる、いわゆるフリーチェーンの効果のため、色々な応用が利きます。
例えば基本的なところだと、相手ターンに《マグナヴァレット・ドラゴン》や《シルバーヴァレット・ドラゴン》を破壊しデッキからヴァレットを特殊召喚、破壊されたヴァレットの効果でエンドフェイズにさらにヴァレットを特殊召喚、という動き。これで単純に1体分ヴァレットが増えたことになります。
また、表側表示の自分フィールドのカードならなんでも良いという点を活かして、自分の魔法・罠の発動、例えば《竜の霊廟》にチェーンして《ヴァレット・トレーサー》の効果で《竜の霊廟》を破壊すれば、損失なくヴァレットを特殊召喚することができます。
さらに、《大捕り物》や《精神操作》でコントロール奪取したモンスターを《ヴァレット・トレーサー》の効果で破壊すれば、モンスターのコントロールが相手に戻る心配もなく妨害・展開ができます。
《ヴァレット・トレーサー》に触れる手段としては、《ヴァレット・トレーサー》の素引き、《マグナヴァレット・ドラゴン》と《シルバーヴァレット・ドラゴン》の効果で特殊召喚する、《おろかな埋葬》と《竜の霊廟》で《アブソルーター・ドラゴン》を墓地に送り効果でサーチ、《クイック・リボルブ》で特殊召喚する、とたくさんの手段があります。参考構築ではこれらは合計15枚入っているので、初動となり得るカードは十分詰め込まれています。
また、採用しているヴァレットモンスターは下級モンスターにしては打点が高く、戦闘でも殴り勝てることが多いので、展開系デッキほどではありませんがライフカットも苦ではないです。
【ドラゴンリンク】との差別点はまだあります。それは罠の存在です。
ヴァレットモンスターは自前では妨害できず、エクストラデッキのモンスターに頼ることでしか妨害できません。しかし、構築を展開に寄せないとエクストラデッキのモンスターだけに妨害を任せるのは難しいです。《原始生命態ニビル》のようなカードも登場し、展開系デッキは現在肩身が狭い環境となっています。そこで、リソース維持ができるというヴァレットの強みを活かしつつ、モンスターに頼らない妨害を構えたいということで、罠カードを多めに採用するという考えに至りました。
罠カードは伏せたターンに発動できないという代わりに、パワーが高いカードが多いです。低速化した現環境では、下手にモンスターを展開するよりは質のいい妨害になり、伏せた後でも妨害が間に合う、というのが罠型にした理由でもあります。
以上から【ドラゴンリンク】と違うのは、ヴァレットを展開札としてだけではなく主軸として考えていること、最初からガンガン展開するのではなくじわじわと場を広げていくという点です。
つまりは、【ドラゴンリンク】は展開系のデッキなのに対し、【罠型ヴァレット】はリソース維持系のデッキという、真逆な方向性のデッキであるということです。
デッキコンセプトを知っていただいたところで、次に採用カードについてお話しします。
採用カード
採用カードの中でも、主要なカードについて解説したいと思います。
まずはこのデッキの要、《ストライカー・ドラゴン》と《リボルブート・セクター》。
《ストライカー・ドラゴン》
リンク・効果モンスター
リンク1/闇属性/ドラゴン族/攻1000
【リンクマーカー:左】
レベル4以下のドラゴン族モンスター1体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「リボルブート・セクター」1枚を手札に加える。②:自分フィールドの表側表示モンスター1体と自分の墓地の「ヴァレット」モンスター1体を対象として発動できる。対象のフィールドのモンスターを破壊し、対象の墓地のモンスターを手札に加える。
《リボルブート・セクター》
フィールド魔法
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドの「ヴァレット」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。②:自分メインフェイズに以下の効果から1つを選択して発動できる。
●手札から「ヴァレット」モンスターを2体まで守備表示で特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
●相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターよりも多い場合、その差の数まで自分の墓地から「ヴァレット」モンスターを選んで守備表示で特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
《ストライカー・ドラゴン》は、レベル4以下のドラゴン族モンスター、つまり紹介した構築に入っている全てのヴァレットモンスター1体から出せるリンク1で、ヴァレットを使う意味の一つでもあるカード、《リボルブート・セクター》をサーチする効果を備えています。
《リボルブート・セクター》の効果を読んでいただければわかるかと思いますが、墓地からヴァレットを特殊召喚する効果は凄まじいポテンシャルを秘めています。ノーコストに加えてプレイヤーにかかる制約も無しで墓地からの蘇生を行うので、あの禁止カード《ソウル・チャージ》に匹敵、場合によってはそれ以上の活躍をするカードです。また、手札からヴァレットを特殊召喚する効果も展開の補助になります。
《リボルブート・セクター》でヴァレットを出した後、リンクやシンクロ、エクシーズをすることによって攻め手の選択肢が広がります。特にドラゴン族の利点である《守護竜エルピィ》《守護竜ピスティ》を使った展開はよくやります。
守護竜を使った展開の一例を紹介する前に、この展開で使用するモンスター《螺旋竜バルジ》を紹介しておきます。このカードの役割については後述します。
《螺旋竜バルジ》
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドに光・闇属性のドラゴン族モンスターが2体以上存在する場合に発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。②:自分メインフェイズに発動できる。自分フィールドの全てのモンスターのレベルはターン終了時まで8になる。
展開一例:右下左下にリンクマーカーが向いているリンク2モンスター+ヴァレット2体(場もしくは墓地に《ヴァレット・リチャージャー》が存在している)
1.ヴァレット1体で《ストライカー・ドラゴン》を右側にリンク召喚。
(この時《リボルブート・セクター》をサーチする効果があるので、《リボルブート・セクター》の効果をこのターン使っておらず、手札にヴァレットがいる、またはこちらのモンスターの数が相手より少ないなら、展開の条件に必要であるヴァレットもう1体を《リボルブート・セクター》の効果でまかなっても良い)
2.ヴァレット1体で《守護竜エルピィ》を《ストライカー・ドラゴン》の左隣にリンク召喚。
3.《守護竜エルピィ》の効果で《螺旋竜バルジ》を特殊召喚。
4.リンク2モンスターと《守護竜エルピィ》と《螺旋竜バルジ》でドラゴン族リンク4モンスター(《ヴァレルソード・ドラゴン》や《ヴァレルロード・ドラゴン》)をリンク召喚。
5.《螺旋竜バルジ》の効果で自身を特殊召喚。
6.《ストライカー・ドラゴン》の効果で《ストライカー・ドラゴン》を破壊し《ヴァレット・リチャージャー》を回収、そのまま《ヴァレット・リチャージャー》の効果でレベルを持つ闇属性モンスターを蘇生。
7.《螺旋竜バルジ》の効果で自分フィールドのモンスターのレベルを全て8に変更。
8.《螺旋竜バルジ》と《ヴァレット・リチャージャー》で蘇生したモンスターで《宵星の機神ディンギルス》をエクシーズ召喚、《宵星の機神ディンギルス》の効果で相手フィールドのカードを1枚墓地に送る。
最終的な盤面は、
ドラゴン族リンク4モンスター +《宵星の機神ディンギルス》+ 相手フィールドのカード1枚を対象を取らない墓地送り
となります。
一見やっていることはあまり派手には見えませんが、相手の場をどかしつつ高打点モンスターが出るので、ワンキルや盤面を捲るのには十分です。特に《ヴァレルソード・ドラゴン》と《宵星の機神ディンギルス》の組み合わせは、それぞれの効果によって8000LPを削ることは容易なのでワンキルに向いています。
以上が展開の一例です。
先ほど使った《螺旋竜バルジ》について改めて解説します。
このカードは守護竜を絡めた展開に使えるのはもちろんのこと、他の場面でも使えるカードです。
例えば《ヴァレット・トレーサー》+《おろかな埋葬》もしくは《竜の霊廟》があれば、《おろかな埋葬》《竜の霊廟》の効果にチェーンして《ヴァレット・トレーサー》の効果で《おろかな埋葬》《竜の霊廟》を破壊することで、ヴァレットをリクルートしつつ《螺旋竜バルジ》を墓地に落とし、さらに召喚条件を満たすことができます。
《螺旋竜バルジ》はリンク素材として使えるだけでなく、自身のレベル変更効果からランク8エクシーズモンスター、このデッキだと《宵星の機神ディンギルス》を出せるのも魅力の一つです。
《宵星の機神ディンギルス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/闇属性/機械族/攻2600/守2100
レベル8モンスター×2
自分は「宵星の機神ディンギルス」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、自分フィールドの「オルフェゴール」リンクモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。①:このカードが特殊召喚に成功した場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●相手フィールドのカード1枚を選んで墓地へ送る。●除外されている自分の機械族モンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。②:自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。
《宵星の機神ディンギルス》は《ヴァレット・トレーサー》の効果発動後の制約に引っかからないだけでなく、相手フィールドのカードを対象を取らずに墓地へ送る効果も優秀であり、さらにエクシーズ素材を取り除いて破壊を免れる効果によって、このデッキの妨害を担っている罠カードを《ハーピィの羽根帚》などのバック除去カードから守ってくれる役割もあります。加えて、エクシーズ素材になっている《螺旋竜バルジ》は墓地に送られることになるので、次のターン以降に条件が整っていればもう一度効果を使用し蘇生することもできます。《虚無空間》との相性も良く、破壊耐性によって《虚無空間》の自壊する効果を防ぐことができます。面白いところだと、対オルフェゴールのときに《精神操作》や《大捕り物》でコントロール奪取した《オルフェゴール・ガラテア》などのオルフェゴールリンクモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚もできます。
先ほどの展開一例で使用していた《ヴァレット・リチャージャー》についても解説します。
《ヴァレット・リチャージャー》
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻0/守2100
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:EXデッキから特殊召喚された自分フィールドの闇属性モンスターが戦闘・効果で破壊された場合、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、破壊されたそのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターとは元々のカード名が異なる闇属性モンスター1体を自分の墓地から選んで特殊召喚する。②:EXデッキから特殊召喚された闇属性モンスターが自分フィールドに存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
このカードの使い方は主に《ストライカー・ドラゴン》の効果で自壊して《ヴァレット・リチャージャー》を回収、そのまま効果発動といった動きで墓地の闇属性モンスターを蘇生できるといったことができます。
例えば墓地に行ってしまったレベル8シンクロモンスターやリンク4モンスターなどの大型モンスターを蘇生すると強力です。《宵星の機神ディンギルス》との相性も良く、特殊召喚された時に相手フィールドのカードを墓地に送る効果が使えるので《ヴァレット・リチャージャー》の蘇生効果で釣り上げてもその効果が使えます。《クロノダイバー・リダン》を蘇生してもスタンバイフェイズに相手のデッキトップをエクシーズ素材にする効果が使えるので強力です。
基本的な立ち回り
上でも解説した通り、このデッキはあくまでも展開系ではなくリソース維持系デッキなので、1ターン目からの展開は全くしません。相手のデッキがわからないときは罠を敷きたいので先攻を取ります。
先攻ならば《アブソルーター・ドラゴン》とヴァレットモンスターが手札にあれば《天球の聖刻印》をリンク召喚、手札に《ヴァレット・トレーサー》のみの場合は召喚、《シルバーヴァレットドラゴン》、《マグナヴァレット・ドラゴン》が手札にある場合は裏側守備表示でセットしてターンを返します。
《ヴァレルロード・S・ドラゴン》を初手で出せば妨害も敷けるのでは? と思う方もいるかもしれませんが、リソースが残らず、誘発を召喚過程でもらった時点で試合がかなり厳しいものとなるので、初手ではほぼほぼ出しません。私の記憶ではCSで初手で出した回数は0回です。
そんな呑気なことをしてて大丈夫か? と思う方もいるかと思われますが、現環境で後攻1ターン目からワンキルしてくるようなテーマは少ないので、罠と誘発で割となんとかできます。
そしてこのデッキは2ターン目からが真骨頂とも言えます。《天球の聖刻印》、《シルバーヴァレット・ドラゴン》、《マグナヴァレット・ドラゴン》の効果でリクルートしてきた《ヴァレット・トレーサー》の効果は相手ターンにも使えるので、自分フィールド上の表側表示のカードを破壊し、場にヴァレットを増やすことができます。
ヴァレットは元々の打点も高いので、自分場にモンスターが4体ほど広がっていて、そのまま打点で殴り倒して勝ち、ということもしばしばあります。
ヴァレットの打点で勝てない大型モンスターが相手場にいるときは、リンク、シンクロ、エクシーズで対抗しましょう。《ヴァレット・トレーサー》はチューナーでもあるので、効果でヴァレットをリクルートすれば簡単にレベル8シンクロなどを出すことができます。
場にモンスターを広げたら、そのまま打点で殴るか、守護竜を使ってリンク召喚で大型モンスターを並べ殴ってライフを取りましょう。ただし、守護竜を使って展開すると《原始生命態ニビル》などの誘発をもらうリスクもあるので、考えてから展開しましょう。
罠の使い方にも注意が必要です。当たり前のことなのですが、自分からの妨害は罠と誘発が主なので、「ここだ!」というタイミングで妨害を当てないと相手の展開を許してしまうこともあります。では具体的にはどのようなタイミングが良いのか? というお話ですが、ケースバイケースということも多いです。ただ、私が主にプレイで意識しているのは、
- ヴァレットが場に残ってターンが回ってくる
- ヴァレットの打点を超える、またはエクストラデッキのモンスターで対処できないモンスターを出させないようにする
- 自前で妨害を構えてくるカード、またはそれにつながるカードを止める
この3点です。
《ストライカー・ドラゴン》から《リボルブート・セクター》をサーチして逆転、という試合も多々あったので1点目はかなり重要です。
2点目も、罠を使わずに相手の行動の対処をスルーすると必然的にモンスターか魔法で対処しなくてはいけなくなるということで、大体はモンスターで対処することになるので、それすらできないと負けにつながるということ。それは避けたいです。
3点目は当たり前のことだと思う方も多いと思われますが、これがしっかりできないとやはり負けにつながるので、きちんと止めていきましょう。意識するとしないとでだいぶ違います。
また、罠の使い方以外でプレイで気をつけているのは、細かい点はいっぱいあるのですが主なものは2点です。
- 相手の誘発をケアする
《増殖するG》や《幻創龍ファンタズメイ》は特に気をつけています。
《増殖するG》で手札の枚数を稼がれると、それだけ相手にアドバンテージを与えてしまうということです。相手が明らかに《増殖するG》を持っていないとき以外は、最小限かつ場を維持する動きをすることを心がけましょう。
また、《リボルブート・セクター》がなんとなく手札にほしいから《ストライカー・ドラゴン》をリンク召喚すると《幻創龍ファンタズメイ》を使われる、という場面はできるだけ避けたいです。なぜなら相手の手札交換を許し、こちらはさらにエクストラデッキを使わないと《幻創龍ファンタズメイ》の打点を超えることが難しいからです。ヴァレットの打点は《リボルブート・セクター》の打点上昇効果込みでも最大2200で、《幻創龍ファンタズメイ》の2400を超えることはできません。
自分の動きをするためにとりあえずプレイするのではなく、妨害される可能性を考慮してプレイしましょう。当たり前のことですが大事です。
- 場の打点とライフの取り方を考える
このような中速デッキを使う際に考えておきたいのが、ライフの取り方。次の自分のターンで何をするのか、往復何ターンでライフを取りきれるかまで考えてゲームメイクすることが大切です。これは妨害の当て方にも通じることです。妨害を当ててどれだけ楽にライフを取れるか、ということです。
構築にあたっての考え方
ここでは【罠型ヴァレット】を構築する際の考え方や、他の採用候補カードの紹介をしたいと思います。
展開控えめなデッキなので、《墓穴の指名者》や《抹殺の指名者》はいらないと考えています。もちろんあったらいいなという場面は存在しましたが、それ以上に罠の存在が大きく、妨害できる罠がほしい場面が多かったので、罠優先で入れましょう。誘発を当てられても自分の展開が最低限のところで止めやすい、というのがこのデッキの利点です。それを最大限に生かしていくのがベストだと思っています。
神系の発動無効罠は現環境では《神の警告》が優先です。《雷龍融合》や《幻創龍ファンタズメイ》などの特殊召喚を含むカードの発動全般を止められるのは《神の通告》、《神の宣告》にない利点です。環境には《オルターガイスト・メリュシーク》や《雷劫龍-サンダー・ドラゴン》などの1体ずつが重いカードが多く、それらを止められるのも採用理由の一つです。
《リボルブート・セクター》は2枚がベストだと考えています。素引きはあまりしたくないものの素引きしても最低限の仕事はこなします。《ヴァレット・トレーサー》で破壊したいときがあり、2枚目がほしいことが多々ある。しかし3枚目を採用するには素引きしたときの裏目があり、1ターンに1回しか使えない性質上被ると弱いから、という理由からです。
採用を考えたカードを少し紹介します。
まずは《同胞の絆》。
《同胞の絆》
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。①:2000LPを払い、自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ種族・属性・レベルでカード名が異なるモンスター2体をデッキから特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。
簡単に要約すると、ヴァレットが何か1体でも場にいれば、他の2種類のヴァレットを展開できるというカードです。ただ、制約とライフコストがそこそこ重く、先攻用カードになりがちなのが拭えなかったため不採用になりました。ただ、通れば強いので採用も考えてもいいかと思います。
他に考えたカードは《メタルヴァレット・ドラゴン》。
《メタルヴァレット・ドラゴン》
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1700/守1400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを破壊する。その後、このカードが存在していたゾーンと同じ縦列の相手のカードを全て破壊する。②:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「メタルヴァレット・ドラゴン」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。
このカードの役割は単純にヴァレットのカサ増しで、打点のあるレベル4ヴァレットという点で採用候補でした。しかし、他のヴァレットだけでも事足りることが多く、打点が《マグナヴァレット・ドラゴン》、《シルバーヴァレット・ドラゴン》に劣るので不採用になりました。ヴァレットの枚数がまだ足りないと思うのなら採用してもいいと思います。
《ダーク・アームド・ドラゴン》や《雙極の破械神》なども、打点を確保できて破壊効果が強力なため採用しても良いと思います。
《ダーク・アームド・ドラゴン》
効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。①:自分の墓地から闇属性モンスター1体を除外し、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
《雙極の破械神》
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守1500
自分は「雙極の破械神」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。①:自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。②:このカードが特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。フィールドのカード1枚を選んで破壊する。③:フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る。
どちらもそれぞれ利点があります。《ダーク・アームド・ドラゴン》は昔猛威を振るっていたカードですが、現在は無制限です。このデッキだと墓地調整がしやすく、序盤で引くとプレイをかなり強めに出られます。3枚まで場のカードに触れて、被っても召喚連打することでライフが取りやすくなります。デメリットは墓地にたくさん闇属性が貯まっている状態だと完全に腐ってしまうことです。
《雙極の破械神》は最近出たカードですね。このデッキだと《ヴァレット・トレーサー》で能動的に発動条件を満たせます。相手ターンに能動的に出すことで妨害にもなりますし、自分ターンに出して攻め手にするのも良いです。破壊効果は対象を取らないのも強力です。種族もドラゴン族でないので《センサー万別》をかわしながら破壊を行うことができます。デメリットはターン1の召喚制限があるということ、破壊するのに手札コストがいることです。
私がどちらも採用しなかったのは、《ダーク・アームド・ドラゴン》は素引きの裏目が大きく、《雙極の破械神》は手札コストが重いためです。ただ、《ダーク・アームド・ドラゴン》は愛知CSでベスト4だった際にはお世話になり、《雙極の破械神》も採用を考えた時期もあったので、選択肢の一つに入れていいと思います。
最後に【罠型ヴァレット】の魅力を要約してお伝えして、この記事の締めくくりにしたいと思います。
【罠型ヴァレット】の魅力
複雑な展開をあまりしない
モンスターの数がほぼリンク数に直結するので、展開系デッキとか扱うの難しい……と考えている人にはオススメです。
リソースが尽きにくい
他の項目でも散々述べましたが、リソースが尽きにくく継戦能力が高いので、粘って勝ちという場面も多々あります。リソースゲーをしたい方にもオススメです。
罠を使った駆け引きが楽しめる
罠が妨害の主軸のデッキなので、どこに妨害を当てるかなどを考える必要があり、昔から遊戯王をやっている方などは罠が強かった昔の環境を思い出せるようなデッキになっていると思います。また最近始めたという方にも、遊戯王における罠の大切さを知ることができるデッキになっているかと思います。
逆転が狙いやすい
《リボルブート・セクター》の存在によって、ヴァレット1枚からの逆転も容易にできるデッキになっています。展開控えめのデッキとは言いましたが、派手に逆転もできるようなデッキにもなっています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。このテーマに出会って、本当に強いテーマだと思いました。この記事を読んで、【ヴァレット】を組みたい! 展開系のヴァレットを使っていたけど【罠型ヴァレット】も組みたい! と思えてもらえれば幸いです。
質問等はTwitterでも受け付けております!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!