なんどめだスカイエキスポ
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
いやあ。来ますね、GP。
例によって今回もカバレージで参加するんですが、その関係で休みがずれ込んで来週分の締め切りがえらいことになりました。
もし私が原稿を落としたら、そういうことだと思って下さい。格安もやる必要あるしな……。
この企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマは、こちら。
《深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝》

【 クリーチャー 】
種族 アビスロイヤル / 文明 闇 / パワー130000 / コスト13
■アビスラッシュ(このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、このターンの終わり山札の下に置かれる。
■タブー・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを13ブレイクする)
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から13枚を墓地に置いてもよい。そうしたら、闇のクリーチャーを13体まで、自分の墓地から出す。
というわけで、今回のテーマは《深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝》。
13という数字がカード内に5回も出てくる、すがすがしいまでのデカブツですね。
今回はこのカードを活かして、禁忌に触れるどころかしゃぶりつくすような夢を見ていこうと思います。
さて。まずはこの長々と書いているテキストを、分かりやすい形に書き換えましょうか。
すなわち、「出して殴るとだいたい勝つ」です。
「ジャストダイバーの進化獣を作りながらシールドを全部割ると、(ターンスキップ系かスパーク系トリガーがない限り)だいたい勝つ」は、《 ARC REALITY COMPLEX 》が証明済み。おあつらえ向きにジャストダイバー持ちの《 邪闘 デンジャラシス 》が蘇生対象にいるので、このへんが複数体後詰めで出てきたらまあ勝っちゃうわけですね。
つまり、このカードを使う上での最終目的は「13コストをなんとかごまかして展開して、殴らせる」になるわけですが……まあそりゃ、そんな要求が飛んで来たら踏み倒しますよね。
そうなると、《 深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝 》と最も相性がよさげな踏み倒し手段はやっぱり《 失われた世界 》。類似の確定踏み倒し手段としては最もコストが低く、ドローのおまけまでついてきます。
……ただ、こうやって素直に出すと召喚酔いのせいで「返しのターンで除去されて終わり」になりがちなのは悲しいところ。桁違いのパワー以外に耐性も特にないので、さすがにこのままでは戦略としては片手落ちと言えるでしょう。
相手ターンの終わりに唱えればいいのでは?
そう。《 seiWond'Ramar 》(と、それをタップさせるための超化獣)を絡めることで、相手ターンに(水文明のカードである)《 失われた世界 》を唱え、実質的に召喚酔いなしで《 深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝 》を繰り出せるのです。つまり、だいたい勝ちます。
《 seiWond'Ramar 》はジャストダイバーなので、出たターンの安全は自力で確保可能。
おまけに、素で《 失われた世界 》を唱えるより1ターン早いので相手の動きが追い付かない可能性まで生まれたのは嬉しいですね。
これでデッキの形になる……かと言われると、実はまだハードルがありまして。
仮に先攻でゲームを始めて、毎ターンチャージを行いつつ3ターン目に何らかの超化獣、4ターン目に《 seiWond'Ramar 》…と動いた場合、残り手札は2枚。《 seiWond'Ramar 》の踏み倒し前のドローで2枚引いても手札は4枚……つまり、普通にやると手札が足りなくて《 失われた世界 》が唱えられないんですね。
これを解決する手段はただ一つ。「2ターン目に使える、合計2枚以上手札が増えるカード」を大量に搭載して、手札を稼ぐのです。
2ターン目に絶対に使う必要がある初動は、一般的には最低9枚ほど用意しないといけないと言われていますが……
ウオオオオ!3枠9枚!
毎ターンドローを増やせば、2ターン後の4ターン目にはカードが2枚引けてるんですよね。
ついでに手札にキーパーツを抱えやすくなったりマナ置きの自由度が上がったりといった副次作用もあり、嬉しさ抜群です。相手もキーパーツを抱えやすくなったりマナ置きの自由度が上がったりするのは忘れましょう。
おまけに《 ルピア&ガ:ナテハ 》や《 サーイ=サイクル 》まで合わせれば最大で5枠17枚まで積めるので、初動で困ることはなくなりそうな気配!
というわけで、完成したデッキがこちらです。


例によって受けゼロですが、2コス以下初動13枚&3コス超化獣11枚という凄まじい安定性が手に入りました。
戦略そのものが安定してないと言われたらそれまでですし、そうでなくてももうちょっと初動の数を削って受けを積んだ方がいいとは思います。10枚&8枚にすれば最低限6枠空きますし。
事実上の《深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝》《失われた世界》《seiWond'Ramar》3枚コンボながら、手札補充の多さから「思ったより決まる」くらいまで持っていけたのは嬉しいですね。
ちなみに、サブプランとして《 楽識の夜 フミビロム 》→《 seiWond'Ramar 》の流れで2打点刻みつつ手札を5枚まで戻し、相手ターン終了時に2枚引きつつ《 邪闘 デンジャラシス 》踏み倒し……というブチ切れパターンもあります。
ターンをまたぐのでジャストダイバーは消えますが……まあ、細かいことはいいじゃないですか。
さて。このデッキが真に「未踏」のデッキかを確認するためには、あと一工程必要です。それは。
デッキメーカーによる、先行研究チェックです。
キーパーツ数枚程度を含むデッキを検索することで、このアイデアが既出か初出があるかが見込める……ということですね。この検索結果が「1件」ならば、晴れて私は未踏の地に到達したことになります。
というわけで、《深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝》《失われた世界》《seiWond'Ramar》での検索結果は……!

『未踏』、達成……!
類似のデッキを検索すると、同じギミックで《 アビスベル=覇統=ジャシン帝 》の射出を狙うデッキが出てきました。更新日時を見ると一年くらい前だったので、実質的には既到なのは見なかったことにします。
こちらも相手ターンに踏み倒せるとすぐに終極宣言でビッグムーブができるカードですので、もっとアビスに寄せたうえで共演させるのも楽しいかもですね。
好きな13発表ジャシンが 好きな13を発表します
というわけで、夢を見ていました。
《深淵の禁忌 アビスベル=ジャシン帝》《失われた世界》のような露骨なデザイナーズコンボでも、「そのコンボをどうやって実現するか」を考えてみると意外な未踏領域が見つかったりします。
「それをどうやって決めるか」と「それが決まるとどうなるか」をしっかり考えて可能性を試しまくれれば、そのうちデッキは応えてくれるはずです。……ごめんなさい、ちょっと嘘です。どうやってもダメなやつもあります。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。