2019年8月、超CSを初めとしたトーナメント環境はアナカラーデッドダムドが支配していた
そう、GR召喚のギミックを爆発的に強化する‘‘奴ら’’が登場するまでは・・・
9月、零誕!魔神おこせジョルネード1059‼︎発売
10月、必殺!!マキシマム・ザ・マスターパック発売
この2つのエキスパンションから、メインデッキには《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》、《DROROOON・バックラスター》、《“魔神轟怒”万軍投》が、GRゾーンには《全能ゼンノー》やマナドライブ6持ちのGRクリーチャーが登場し、【赤青ジョーカーズミッツァイル】と【シータミッツァイル】という凶悪な2つのデッキが誕生した。
その後も【赤単ブランドミッツァイル】、【赤白ミッツァイル】などのデッキが活躍し、ついには【緑単決断ループ】というループデッキのフィニッシャーとしても採用され、ミッツァイルマスターズと揶揄される程プレイヤーのヘイトを集めるカードになった。
そしてついに・・・
12月17日 《BAKUOOON・ミッツァイル》、殿堂発表
様々なデッキで採用され、《BAKUOOON・ミッツァイル》の相棒でも天敵でもあった《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》、【緑単決断ループ】で共闘した《バロン・ゴーヤマ》、《侵革目 パラスラプト》などと共に年明けからの殿堂入りが発表され、ミッツァイルマスターズの終わりを迎えようとしている。
今回は《BAKUOOON・ミッツァイル》はこれまでの極悪デッキと比べ、どのような点が優れているのか、なぜここまで嫌われるようになってしまったのか、などを中心に解説していこうと思う。
目次
【ジョバンニスコール】
《ドリル・スコール》や《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》で序盤からランデスを行い、自分は《天雷王機ジョバンニX世》の効果でリソースを回復しマナゾーンの数を固定させるロックデッキ。フィニッシュはランデスで相手のマナを1枚に固定し、《クルトの気合釣り》で自分の山札だけ減らないような動きを繰り返す。
このデッキと対面するとマナを0~3に固定され、自分のデッキの良さを全く出せずにゲームが終わってしまう。
しかしこのデッキを使っている方も事故った場合は意外とあっさり負けてしまう。またマナ数の固定ロックは相手の了承がないと山札が0になるまで繰り返さないといけない場合もあり、気持ち良い勝ち方ができないことも少なくはない。使っているプレイヤーも使われているプレイヤーも作業になってしまう点が、このデッキが嫌われている理由だろう。
【 クリーチャー 】
種族 グレートメカオー / ナイト / 文明 光 / パワー1000 / コスト2
■ブロッカー(相手クリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーをタップして、その攻撃を阻止してもよい。その後、その相手クリーチャーとバトルする)
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
■自分のターンの終わりに、自分の墓地にあるコスト1の呪文を好きな枚数、自分の手札に戻す。
【 呪文 】
文明 火 / パワー- / コスト1
■カードを1枚、自分のマナゾーンから自分の墓地に置く。その後、相手はカードを1枚、自分自身のマナゾーンから選び、持ち主の墓地に置く。
【 呪文 】
文明 光 / パワー- / コスト1
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■呪文を1枚、自分の墓地から山札の一番上に置く。
【白緑メタリカ】
《一番隊 クリスタ》《龍装者 バーナイン》を中心としたメタリカの展開力を《ベイB ジャック》の効果で絶えず盤面に供給できるようにし、《攻守の天秤》と《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》でエクストラウィンを狙うデッキである。
もしフィニッシュ札にアクセス出来なかったとしても、《赤攻銀 マルハヴァン》の耐性を利用したビートプランに移行することもできる。
このデッキや【緑単猿ループ】など《ベイB ジャック》が採用されたデッキが嫌われている理由は、ターンの長さと安定感にある。このデッキは基本的に4~5ターンで盤面を構築し始めることが可能で、1度ぐるぐるすると止めることが出来ず長い作業を見なければならない。
この時代はキルターンが遅いデッキは人権がほとんどなく、キルターンは早いのにフィニッシュまでの道筋が長いという点が《ベイB ジャック》への憎悪を膨れあがらせる原因となったのだろう。
【 呪文 】
文明 光 / コスト3
■S・トリガー
■次のうちいずれかひとつを選ぶ。
◎相手のクリーチャーを2体まで選び、タップする。
◎自分のクリーチャーをすべてアンタップする。
【 クリーチャー 】
種族 メタリカ / 文明 光 / パワー7000 / コスト6
■シンパシー:コスト3以下のクリーチャー(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のコスト3以下のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただしコストは0以下にならない)
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■自分のコスト3以下のクリーチャーが破壊された時、このクリーチャーをアンタップする。
■自分のコスト4以上のクリーチャーが破壊される時、かわりに自分のコスト3以下のクリーチャーを1体破壊してもよい。
【ドギラゴン剣】
《蒼き団長 ドギラゴン剣》と《“龍装”チュリス》を組み合わせ、所謂ドルガンバスターアパッチを3ターン目行うデッキ。
《月光電人オボロカゲロウ》や《熱湯グレンニャー》で3ターン目に走る準備を整え、3枚のバーツが揃わなかったり踏み倒しメタを出されたとしても《プラチナ・ワルスラS》や殿堂入りが決まった《Dの牢閣 メメント守神宮》でのビートで攻めるなどのサブプランも多数存在し、様々な手段で相手を追い詰めるデッキである。
《蒼き団長 ドギラゴン剣》はファンも多かったが、3ターンキルが可能になってからはその理不尽さに批判の声が増えてきたイメージがある。ファンの多いデッキであったが、数々の殿堂入りを回避してきたエースを殿堂入りさせてしまう程の理不尽な強化が、プレイヤーの反感を買う理由になってしまったのだ。
【ヒラメキウォズレック】
《ヒラメキ・プログラム》を使用し《ミラクル1 ドレミ24》→《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》→《龍素記号Og アマテ・ラジアル》→《クイーン・アマテラス》と連鎖させることで、《Dの地獄 ハリデルベルグ》を使って圧倒的ランデス効果を持つ《超竜バジュラズテラ》と圧倒的制圧力を持つ《古代楽園モアイランド》を早期着地させることができるデッキである。
このデッキもサーチカードにより安定して3ターン目に制圧盤面を作ることが可能である。また、制圧盤面+αでシールドを殴りきる分のクリーチャーも必要なので、必然的に1ターンが長くなってしまう。早期に長い作業を経てマナゾーンが0になる制圧盤面を作られるというのは、プレイヤーが屈辱的な感情を抱くには十分だろう。
【 呪文 】
文明 水 / パワー- / コスト3
■自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、自分の山札の上から、その破壊されたクリーチャーよりコストが1多いクリーチャーが出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。そのクリーチャーをバトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
【 クリーチャー 】
種族 クリスタル・コマンド・ドラゴン / 文明 水 / パワー6000 / コスト7
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見て、その中からコスト4以下の水の呪文を1枚選び、山札をシャッフルしてからその呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
【 D2フィールド 】
文明 闇 / コスト5
■自分のクリーチャーが破壊された時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。
そのターン、そのクリーチャーのパワーを-4000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
■D(デンジャラ)スイッチ:自分のターンの終わりに、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。
そうしたら、そのターン中に破壊された自分のクリーチャーをすべて、墓地からバトルゾーンに戻してもよい。
【 クリーチャー 】
種族 ナイト / サムライ / オリジン / 文明 水 / パワー7000 / コスト8
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札を見る。
その中からコスト6以下の、クリーチャーではないカードを1枚選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。
山札をシャッフルし、その後、そのカードを手札からコストを支払わずに使う。
【 進化クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー12000 / コスト9
■進化-自分の種族にドラゴンとあるクリーチャー1体の上に置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーはドラゴン以外のカードをすべて、自分自身のマナゾーンから墓地に置く。
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
《BAKUOOON・ミッツァイル》とこれから
【赤青ジョー星ミッツァイル】
説明不要の環境最強デッキ。相手の動きを制限しながらをしながら3キルできるというバグ。
キルターンを遅くした代わりに封殺力、展開力を安定させた【シータミッツァイル】、今では採用カードが殿堂だらけの【赤白轟轟轟ミッツァイル】などと並ぶ超天編最強のデッキであることは間違いない。
しかし、なんとこのデッキ
- 平均キルターンが3~4ターン
- 《夢のジョー星》などが連鎖し、1ターンが長い
- 《無限合体 ダンダルダBB》→《本日のラッキーナンバー》や《ジェイ-SHOCKER》の封殺能力でまともにカードをプレイさせてもらえない
と、既存の極悪デッキの悪い点をほぼ全て持っている。追い討ちをかけるように環境には《BAKUOOON・ミッツァイル》を使用したデッキばかり。嫌われるべくして嫌われた、過去のデッキを振り返るとこう言わざるを得ない。
超天編第4章が発売されて以降、通常環境では圧倒的3ターンキル率を誇る【零龍ギャスカ】が大流行している。
しかし、「赤青と違ってトリガー使えるし返しのターンの動きも制限されないしまだマシ」という意見も多数見受けられる。プレイヤーが勝ちを求め、優秀なデッキビルダーが存在しさえすればこのような理不尽と言われるデッキはいくらでも出現するだろう。
この記事では新DM編以降のデッキを紹介したが、それ以前にも極悪デッキは大量に存在する。これから第二第三の《BAKUOOON・ミッツァイル》が登場した時に、みなさんも1度デュエル・マスターズの歴史を調べてみてはどうだろうか。