目次
1.はじめに
皆さんは構築をするときはどのようなカードたちを採用していますか。
私はどちらかと言えば環境で使わないようなテーマやオリジナルコンボができるものが多いですね。
オリジナルコンボを使うのは楽しいとは思います。
私もそうです。
しかしながらオリジナルのコンボは必要な枚数が多い場合が多くなかなか難しいものがあり、また初心者が一朝一夕にできるものではないでしょう。
そんな中、初心者に優しく、コンボ枚数が少なく、思わぬところでシナジーも発揮するカード群があります。
総称してこう呼ばれています。
【出張セット】、と
2.出張セットの概要
1.出張セットとは
皆さんは出張セット(あるいは派遣とも呼ばれる)をご存じでしょうか?
出張とは所謂カードを組み合わせたときにそのデッキの展開力・回転力・爆発力といったものを高めることのできる複数枚のカード種の総称です。
デッキに入れるカードはそのテーマデッキ基づくカードだけでなく、テーマ外のカードも多くあり、カードの組み合わせによってはテーマ外でむしろ発揮するカードもあります。
またデッキによっては出張セットと手札誘発が多く採用され、本来のテーマデッキが極限化されごく少数の場合があります。
その強すぎる力ゆえに環境に度々食い込むことも多く、それ故に禁止や制限を経験することも少なくありません。
出張セットは使いやすいゆえにそれに傾倒してしまう諸刃の剣でもありますね。
2.出張セットが生まれた日、より前の出来事
ではその出張セットと言われる概念が成立されたのはいつでしょうか?
結論から言いましょう。
6期です。
つまるところスタンダードデッキの概念が薄れ始め、デザイナーズデッキやテーマデッキといったものが出てきた頃ですね。
もちろんそれ以前にも出張セットと呼ばれるのはありましたが使い勝手があまりよくないものも多く存在しました。
またこの頃は出張というよりもどのデッキにも入っているスタンダードなギミックとしての側面が強いと思われます。
そんな中で6期より前に出張として名を馳せていたのは【やりくりターボ】というギミックです。
速攻魔法
①:このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。
通常罠
自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚をデッキからドローし、手札からカードを1枚選択してデッキの一番下に戻す。
2004年を代表するドローギミックですね。
さらに言えばこの時期は《悪夢の蜃気楼》や《第六感》といった凶悪極悪カードが使用可能な時期だったということもありこれらも同時に組み合わせることによって当時は随一の汎用ドローソースになっていました。
ただやはり強すぎたために後に《非常食》や《ゴブリンのやりくり上手》は準制限カードに、《悪夢の蜃気楼》や《第六感》は禁止カードになりました。
6世代で確立されたとはいえ、この頃から悪用とも言える使われていたんですね……(笑)
3.出張セットの確立
ということでここから本題でしっかりと確立された6世代初期の出張セットを見ていきましょう。
5期の後期まではどちらかと言えばカード一つ一つのパワーが強いカードを採用したスタンダードデッキが主流でしたがこの頃に漸くそれぞれの相性の良いカード及びシナジーを考えたデッキデザインが登場しました。
※これは以前の記事でも一部言及しております。
シンクロが登場したことにより単一のパワー型から大量に並べて制圧する型に変動してきたためこれらが出張という概念が増幅され確立されたと言えるでしょう。
そんな中で生まれた出張カードがこれです。
速攻魔法
①:手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される。
はい、《緊急テレポート》ですね。
《クレボンス》《サイコ・コマンダー》とともにシンクロ黎明期を支えました。
今でも出張セットの代表格としては有名だと思われますね。
このカードは今でも間違いなくパワーカードでしょう。
9期の【超量帝】や10期の出張セットである《緊急テレポート》、《サイキック・リフレクター》、《バスター・ビースト》、《バスター・モード》は今でも使われてるほどですので……
まあ制限解除されることはないのかなぁと思ってしまいますね。
ちなみに当時の環境デッキである【レスキューシンクロ】【シンクロアンデ】【ライトロード】といった全デッキにほぼ採用されていました。
本当に強かったんですよね……
ちなみにこれと同じレベルで採用されていた出張セットがあります。
☆2 / 闇属性 / アンデット族 / チューナー / ATK 400 / DEF 200
①:このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚デッキの一番上に戻して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
《ゾンビキャリア》と《終末の騎士》のセットですね。
《ゾンビキャリア》は単体でも活躍するというもあり《終末の騎士》を採用しないパターンもありましたが当時はレベル6のシンクロモンスターがとてつもなく強かったので採用率は異常に高かったです。
さらにこの時期は《生還の宝札》がまだ無制限~制限カードで使える環境だったということもあり、《ゾンビキャリア》のコストはないものと同等だったのです。
これらの出張セットが遊戯王史において周知されて確立された出張セットと言えるのでないでしょうか。
4.現在の主張セット代表例
ここからは現在でも使われている出張セットを一部ですがご紹介したいと思います。
過去とは違い出張セットと呼ばれるものは多く、現在も増えていきますので全部が全部紹介は無理ですのでw
《緊急テレポート》or《ワン・フォー・ワン》+《サイキック・リフレクター》+《バスター・ビースト》+《バスター・モード》
☆1 / 闇属性 / サイキック族 / チューナー / ATK 400 / DEF 300
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。「サイキック・リフレクター」以外の「バスター・モード」のカード名が記されたカードまたは「バスター・モード」1枚をデッキから手札に加える。②:手札の「バスター・モード」1枚を相手に見せ、「サイキック・リフレクター」以外の「バスター・モード」のカード名が記された自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、そのレベルを4つまで上げる。
現在の《緊急テレポート》出張セットですね。
召喚権を使用せずに《水晶機巧-ハリファイバー》を出せます。
さらにレベル6~9のシンクロモンスターも出せるのが強みですね。
また《緊急テレポート》or《ワン・フォー・ワン》を最悪引けない場合でも《サイキック・リフレクター》に召喚権を使いますが展開は容易ですね。
シンクロデッキならば一考の余地のある出張セットだと思います。
《スクラップ・リサイクラー》+《水晶機巧-ローズニクス》or《幻獣機オライオン》+《スクラップ・ワイバーン》+《スクラップ・ゴーレム》
☆3 / 地属性 / 機械族 / ATK 900 / DEF 1200
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから機械族モンスター1体を墓地へ送る。②:1ターンに1度、自分の墓地の機械族・地属性・レベル4モンスター2体をデッキに戻して発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
これは《スクラップ・ワイバーン》を起点に展開するパターンですね
《スクラップ・リサイクラー》を出すだけで展開できるので便利な出張セットですね。
召喚権は使ってしまいますがこちらも非常に強いです。
何より強いのはさらに追加で任意の機械族を落とせる点ですね。
《ジェット・シンクロン》など落とすと《水晶機巧-ハリファイバー》を絡ませることができるので強いですね。
機械族のデッキや破壊ギミックを絡ませるデッキなどに出張させるといいと思います。
《捕食植物オフリス・スコーピオ》+《捕食植物ダーリング・コブラ》+《ブリリアント・フュージョン》or《簡易融合》
☆3 / 闇属性 / 植物族 / ATK 1200 / DEF 800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキから「捕食植物オフリス・スコーピオ」以外の「捕食植物」モンスター1体を特殊召喚する。
召喚権と手札コストを犠牲に《ブリリアント・フュージョン》or《簡易融合》をサーチして展開するコンボですね。
《捕食植物オフリス・スコーピオ》は《ローンファイア・ブロッサム》でも特殊召喚可能ですね。
《捕食植物オフリス・スコーピオ》と《捕食植物ダーリング・コブラ》のコンビはそこから《アロマセラフィ-ジャスミン》といったリンク2モンスターやランク3のエクシーズモンスターを特殊召喚できますね。
《ブリリアント・フュージョン》か《簡易融合》かはそれぞれデッキの墓地肥やしや枠との相談ですね。
5.おわりに
ここまでご拝読していただきありがとうございます。
今回紹介させていただきましたのは所謂【出張セット】と呼ばれるものをご紹介させていただきました。
この【出張セット】は遊戯王の初心者から上級者までさまざまな人に使われると思います。
私自身改めて知るいい機会になったと思います。
皆様もここから応用して自分なりのデッキまたはガチデッキを作られてみてはいかがでしょうか?
思わぬところからシナジーがでるかもしれせんよ!
それではここまでご愛読ありがとうございました。