現環境においてその名を轟かせる《BAKUOOON・ミッツァイル》は、現在最も殿堂入りに近いカードであると言っても過言ではない。
今、突然に温泉(殿堂入り)にブチ込まれても何も不思議ではないその支配率。草津の観光地を目隠しで歩くような所業だ。
しかし実のところ、彼のカードは本当に殿堂するのだろうか。
あの《蒼き団長ドギラゴン剣》ですらいくつもの殿堂発表を回避してきたのだ。例え殿堂するにしても、周辺のカードを規制しながら、ここから数年は生き残ってもおかしくない。
だが私は《BAKUOOON・ミッツァイル》本体が近いうちに殿堂すると、確信を持っているのだ。
何故《BAKUOOON・ミッツァイル》は《蒼き団長ドギラゴン剣》のように生き長らえることができないのか。
目次
仕事量の問題
《蒼き団長ドギラゴン剣》の仕事量
出典:デュエル・マスターズ
《BAKUOOON・ミッツァイル》が生き長らえないと考えられる上で、最大の根拠となるのが、仕事量の多さだ。
本記事において比較対象とする《蒼き団長ドギラゴン剣》は、少なくとも《単騎連射マグナム》《音精ラフルル》の殿堂後、相手の防御札を封殺するためには、これらを採り集める必要があった。
これは《蒼き団長ドギラゴン剣》の仕事量が
- 『少ないコストで超過打点を作ること』
のみであったからだ。
彼自身にこれら封殺カードを採り集める機能や、《単騎連射マグナム》《「本日のラッキーナンバー!」》をプレイする能力は無い。
相手の防御札を封じ込めるには、
- 「《水晶の記録 ゼノシャーク》で《音精 ラフルル》を持ってくる」
- 「6マナ溜めて《“龍装”チュリス》と《単騎連射マグナム》を同時にプレイする」
などの手間が必要になっていた。
だからこそ《単騎連射マグナム》《音精ラフルル》のような封殺カードの殿堂入りは、【ドギラゴン剣デッキ】に再現性の低下や、サーチの手間をもたらしており、下方修正としてしっかり機能していたのだ。
《BAKUOOON・ミッツァイル》の仕事量①
出典:デュエル・マスターズ
しかし、《BAKUOOON・ミッツァイル》は違う。このカードはまず、出来る仕事の数が多い。
《蒼き団長ドギラゴン剣》が持つ、
- 『少ないコストで超過打点を作ること』
といった仕事に加え、
- 『1ドロー』
- 『2ドロー1ディス』
- 『3ドロー』
- 『マナからクリーチャーを出す』
- 『赤のアンタップマナを作る』
- 『手札をアンタップマナにする』
- 『攻撃フェイズにラッキーナンバー唱えられる』
- 『相手の山札を削る』
など多岐にわたる仕事を、この1枚で担うことが出来るのだ。
1プレイの中に、
- 《蒼き団長ドギラゴン剣》
- 《ハリケーン・クロウラー》
- 《サイバー・ブレイン》
- 《パーリ騎士》
- 《復活の祈祷師ザビ・ミラ》
を内包するその仕事の数の多さ。
たとえ今から《蒼き祈祷師 HURRICAAANE・ブレイン騎士》に改名しても、一切の文句は無い。
《BAKUOOON・ミッツァイル》の仕事量②
出典:デュエル・マスターズ
更に《BAKUOOON・ミッツァイル》に秘められた仕事量は、その数だけではない。
- 1コストである
- メインフェイズに仕事をこなす
- アンタップマナを作れる
という要素が、1ターンに複数回の《BAKUOOON・ミッツァイル》を肯定しているため、
一度《BAKUOOON・ミッツァイル》がプレイされると、2枚目3枚目の《BAKUOOON・ミッツァイル》が出てきやすいといった性質を持つ。
これにより、ただでさえ仕事の数が多い《BAKUOOON・ミッツァイル》が、加速度的に仕事量を増やしていくため、多方面のアドバンテージを莫大に稼ぐことができるのだ。
これも、
- 『ファイナル革命』により、1ターンの機能数が限られている
- 攻撃フェイズの機能であるため、稼いだアドバンテージをそのターンに活用できない
といった制限を受けている《蒼き団長ドギラゴン剣》と大きく異なった要素であり、この二つのカードの仕事量を決定付ける差である。
仕事量がもたらすもの
出典:デュエル・マスターズ
以上、
- できる仕事の数が多い
- 1ターンに何回も出てくる
- 全てがメインフェイズに行われる
の3点より、《BAKUOOON・ミッツァイル》の仕事量が《蒼き団長ドギラゴン剣》に比べ、大きく優れていることがわかる。
《BAKUOOON・ミッツァイル》はこの大きな仕事量を駆使する事で、《単騎連射マグナム》《音精ラフルル》の殿堂入り後に《蒼き団長ドギラゴン剣》が行なっていた、
- 「《水晶の記録 ゼノシャーク》で《音精 ラフルル》を持ってくる」
- 「6マナ溜めて《“龍装”チュリス》と《単騎連射マグナム》を同時にプレイする」
といった手間をある程度スキップすることができるのだ。
つまり《BAKUOOON・ミッツァイル》は《蒼き団長ドギラゴン剣》に比べ、『周辺パーツの殿堂が大きく作用しにくい』側面を持つカードなのである。
このため《蒼き団長ドギラゴン剣》の時のような、周辺パーツでデッキ強度を調整して生き長らえさせるといった手法が作用しづらく、この点が《BAKUOOON・ミッツァイル》本体に規制がかかる可能性を高めていると私は考えている。
汎用性の問題
出典:デュエル・マスターズ
と言った話を経たが、そうは言っても《BAKUOOON・ミッツァイル》が周辺パーツの殿堂入りを全くモノともしないという訳ではない。下方修正の影響が0と言うことはないはずだ。
しかし、ここで次に問題となるのが、《BAKUOOON・ミッツァイル》が持つ高い汎用性である。
そう、《BAKUOOON・ミッツァイル》の汎用性が高いあまり、
- コントロール基盤
- ループ基盤
- ジョーカーズ基盤
- ビートダウン基盤
の全てに採用されていることから、『周辺パーツ』の枠組みがデカすぎて、これら全てのデッキに下方修正を入れようとした際、その代償が大き過ぎるのだ。
例えば、
- 【シータミッツァイル】
- 【赤青ミッツァイル】
- 【赤白ミッツァイル】
に手を掛けようとした時、それぞれのデッキに共通したパーツが少なく、
- 【シータミッツァイル】のために《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》と《マリゴルドⅢ》を殿堂入り
- 【赤青ミッツァイル】のために《夢のジョー星》と《ゴッド・ガヨンダム》を殿堂入り
- 【赤白ミッツァイル】のために《MANGANO-CASTLE!》と《“魔神轟怒”ブランド》を殿堂入り
なんてことを今後規制の度に行っていたら、とてもではないが他の商品への影響が大きくなりすぎる。
このように、採用されたデッキが環境に1~2個しか無い上に、必ずと言っていいほど共通パーツがあったことで、時期をズラしながら少量の規制を重ねていくことが可能であった《蒼き団長ドギラゴン剣》と違い、
あまりにも様々なデッキに入っているために、出張先に自身以外の共通パーツが少なすぎる《BAKUOOON・ミッツァイル》は、
『周辺パーツを殿堂する行為に大きな代償が付く』ことから、これが嫌煙されると予想されるのだ。
まとめ
出典:デュエル・マスターズ
以上より《BAKUOOON・ミッツァイル》は
- その仕事量から『周辺パーツの殿堂が大きく作用しにくい』
- その汎用性から『周辺パーツを殿堂する行為に大きな代償が付く』
ため、《蒼き団長ドギラゴン剣》のように周辺パーツを殿堂させて生き長らえることにハードルがあり、
直接本人が殿堂入りすることが予想されるのだ。
時期
出典:デュエル・マスターズ
現状の使用率・支配率を考慮すると、殿堂入りのタイミングは可能な限り早めであると考えられるため、今冬か来夏が予想される。
『GR召喚関連の購買欲を下げないためにも今冬は見送る』という観点もあり、私も最初はそう思っていたが、
【赤青ミッツァイル】の登場もあってか、当初考えていた以上にユーザーヘイトの温度感が高まっており、
また、直後に本年度の全国大会が控えていることから、《BAKUOOON・ミッツァイル》の殿堂によって、一新したデュエル・マスターズを印象付けるのには最高のタイミングであることも踏まえ、
今冬、年明けの規制で、《BAKUOOON・ミッツァイル》が殿堂入りすると私は予想している。
年の瀬も迫った今期のデュエル・マスターズ。これが《BAKUOOON・ミッツァイル》と過ごせる最後の冬になるのかもしれない。