前回の記事⇒【デュエプレ】デュエマシティへの招待状【ゲストライター:北白河】
目次
はじめに
はじめまして。あるいは、お久しぶりです。北白河と申します。
いつもはトレカライターコロシアムやトレカライターガーデンでクソデッキの記事を書いております。
今回も先月に引き続き嬉しいお誘いを受けまして、ゲストライターとして記事を書かせて頂くことになりました。どうかよろしくお願いいたします。
さて、今回のテーマは2020年1月25日に一般発売を控えた「謎のブラック・ボックス・パック」(以下、謎BBP)です。
その豪華かつ何でもありな収録内容で話題を呼んだ2013年の「ブラック・ボックス・パック」(以下、BBP)、2016年の「超ブラック・ボックス・パック」(以下、超BBP)に引き続いての第三弾となる今回もその中身に期待が高まっています。北白河の先月の記事の原稿料も箱予約に消えました。
ところで、自分こと北白河が 「水、4ターン目、追加ターン。」にてトレカライターコロシアムデビューした記事のテーマは超BBP産の《レアリティ・レジスタンス》でした。言い換えれば、超BBPがなければ北白河はここにいないということになります。もっと言い換えれば、トレカライターとしての北白河はもはや超BBPそのものであると言っても過言ではありません。過言
というわけで、今回はそんな超BBP産のカードを振り返りながら、謎BBPのカードを予想したりしていこうと思います。記事をご覧の皆様も、「これが来るんじゃないか」など予想しながら楽しんでいってください。スクロールバーを見ればわかると思いますが、今回は企画の都合上記事が長いのに加えて画像も多いのでスマホの方は通信量にご注意を!
グループA:真面目な顔をしたやつら
1パック6枚入りのカードのうち、3枚はこのグループAのカードが封入されています。直接的な再録カードや、比較的真面目な新カードから全65種のカードが収録されています。ここだけ見ても初再録になるものやプロモカードの再録などなかなか豪華ではあるのですが……
《偽りの王 ハチャトゥリアン》
比較的珍しいカラーリングのドラゴンです。確定除去を持って来るのはうれしいですが、その後の踏み倒しはコストが一致している必要があるのでなかなか骨が折れます。これを投入するデッキはおおむねドラゴンをフィーチャーしたコスト重めのデッキになるはずなので、デッキのレンジが合わなければただの除去で終わる可能性があります。
とはいえハマったときの爆発力はとても高いので、あえてコストをバラしてでも活かしてあげたいですね。少なくとも5~8くらいまでは網羅しておきたい所です。
《犯罪紳士 カンゼンクライム》
久しぶりの光デーモン・コマンドです。トリガー呪文満載のデッキで使えと言わんばかりの性能ですが、肝心の本人を出せるトリガーが《クリスティ・ゲート》くらいしかありません。 これ以降まともな光デーモン・コマンドがほとんど出ていないこともあり、強力なトリガーへのカウンター効果も宝の持ち腐れ感があります。
唯一の踏み倒し手段《クリスティ・ゲート》を活かすため、《煌メク聖戦 絶十》《緑知銀 ダッカル》などのシールドを重ねる戦略に組み込んであげると相手の度肝を抜けるかもしれません。
《告白の堕天 ゼクシィ》
これまた久しぶりの闇エンジェル・コマンドです。《ウェディング・ゲート》経由で現れては自分のシールドを墓地に送り、墓地からシールドに自身を送り込むのが基本戦略の彼らですが、これはその前者の役割を果たします。
独特のプレイ感があって楽しげではあるのですが、「回り始めると強いがそれまで無防備」かつ「自分のシールドを犠牲にする」という都合上、近年標準搭載となったSA打点に非常に弱いという弱点を持っています。
シールドを犠牲に大量の除去を行う小型版の《偽りの堕天 スター・イン・ザ・ラブ》とも言える性能は確かに強力なため、使ってやるときは防御手段をしっかり用意しましょう。
ここまでの三つに共通するのは、「プッシュ終了済みの種族・テーマの新規カード」という点です。同じ傾向が謎BBPにもあるとすれば、時期的には革命編~新章あたりまでにプッシュされ、そのままフェードアウトしたテーマの新規カードが来ることが予想されます。
これらから、それぞれに濃い戦略を用意されておきながらあっという間に姿を消した、革命編の侵略者・革命ファイナルのイニシャルズの新規カードが来るんじゃないかなーとぼんやり予想しています。特にイニシャルズは戦略が多すぎて明らかにカード枚数足りてないので、このへんで相性のいい新規カードの刷り時なのではないでしょうか。
《別格の超人》
「マジック:ザ・ギャザリング」のプレイヤーにしてデュエル・マスターズ開発部の一員であった故・石田格氏をモチーフにしたカードです。石田氏は2013年のBBP発売直前に33歳の若さで急逝されており、その追悼カードとも言えるでしょう。氏の戦歴については軽く調べてもらえばすぐに出てくるのですが、あらゆる面において卓越した、全てのTCGプレイヤーの目標となる人物だったと言えるでしょう。
ちなみにイラストでは寿司が全面的にフィーチャーされていますが、氏の大好物が寿司だったからだそうです。一見不思議な組み合わせの種族についても彼の特に好んだ種族の組み合わせということです。
性能面では、相手のあらゆる行動に対して一定の睨みを利かせられるメタクリーチャーと言えるでしょう。単純計算で全てのクリーチャーが50%の確率でバトルゾーンに出た後場に残らなくなるため、相手の戦略を大いに狂わせることができます。GR召喚に対応しているのもいいですね。呪文に反応するドローも強力ですが、ジャッジ・ドローともに強制なのでライブラリアウトにはご注意を。
ガチンコ・ジャッジの総本山たるハンターを種族に持たないため、比較的高コストのクリーチャーが多く、色や種族も合う【ドルゲユキムラ】なんかに差しておくといい働きをしてくれそうです。
《オリオティス・ジャッジ》
お前超BBP出身だったの!?
えーと……これ説明いります?プロモになったりつい最近も再録された優良メタカードです。踏み倒しで出てきたクリーチャーをトリガーで一掃できるほか、ランデスとかとも相性いいですね。あと「以上」なので直前のターンにフルタップで出てきた相手のクリーチャーを山札の下に送ることも可能です。
正直この企画を初めて一番の衝撃です。俺はもっと《レアリティ・レジスタンス》とか《超越男》の説明をするつもりだったのに、なぜこんなガチカードの説明を……
《デュエマ・スター タカ》
かつてのデュエマ公式イベントキャラクターのカード化です。公式Youtubeコンテンツが「デュエマTV」だったころ、後述のダイキとタッグを組んで活躍していました。全国47都道府県のデュエマヒーローを倒すという茶番筋書きの「デュエマTV」では、主役にしてラスボスというおいしいところを持って行きました。
性能面では、そつなくまとまったウィニーと言った感じです。SAで殴って殴り返しを防ぎながらブロックもできて、しかも《音速 ガトリング》などの侵略元にうってつけのヒューマノイド。《血風神官フンヌー》がかわいそうになるスペックです。
しかしここまで強くても、昔ながらのウィニーによる速攻が完全に型落ちしてしまった現代デュエマにおいてはやや物足りなさすら感じます。ジョー編に突入したことにより種族プッシュも狙えなくなったのも向かい風です。《ヘブンズ・ゲート》から出せるスピードアタッカー持ちとして(それでも《轟牙忍 ハヤブサリュウ》が出ちゃいましたが)など、基礎スペックを活かせる構築を考えたい所です。
《デュエマ・ボーイ ダイキ》
そしてこちらはタカの相方、「デュエマTV」のもう一人の主役です。タカが卒業した後はデュエプリンス・ノエルを新しい相方に活躍していました。今年春に彼らも卒業し、今では「デュエマ番長シュンスケ」と「デュエマ生徒会長チアリ」がその座についています。
スペックとしては1マナ重くなった代わりに自壊しなくなった《電脳鎧冑アナリス》といった趣ですが、あちらの魅力の軽さが失われたのが非常に痛手になっています。《デュエマ・スター タカ》と違って、この文明のヒューマノイドであることにはさほどメリットがないため、場に残ることを活かして終盤にドローに変換できる進化元や小型アタッカーとしての運用が理想になりますね。
これらのイベントキャラクター枠ですが、過去のYoutube内企画にて前述の「デュエプリンス・ノエル」のカード化が決定済みです。謎BBPを逃すとこの枠でカードになる機会はほとんどないため、さすがにここで来るでしょう。シュンスケとチアリについても同じ枠でのカード化が見込まれますが、カード1枚の企画・デザインから印刷に至るまでにかなりの時間がかかると言われているため、登場から一年足らずでカード化されるかはちょっと微妙です。
《飢えと乾き ケローラ》
《侵略者 タンサンマン》のイラストに描かれていた名称不明のカエルのキャラクターがカード化したものです。あっちが侵略者なのにこっちはアウトレイジじゃねえかというのはまあ置いといて。
スペック面では、火の1マナクリーチャー特有の「絶対に2ターン目に殴らせない」という調整がなされたウィニーです。 とはいえ条件は「マナゾーンに水文明のカードがあること」のみと比較的軽く、カラーリングが縛られることを考慮してかパワーも2000と高めです。 アウトレイジなので《無重力 ナイン》の展開元としても優秀ですね。 パワード・ブレイカー+《秘密結社アウトレイジ》のコンボのタネにするなど、色と種族が合えば速攻の心強い味方になってくれることでしょう。
このような「イラストに描かれていた、メインでないキャラ」のカード化は謎BBPでも考えられます。同じ要領で「フレーバーテキストにのみいたキャラ」とかもそうですね。記憶に新しいところだと《緑知銀 ダッカル》のフレーバーにいた「緑知銀 チズビ」なんかが該当します。こういったところを一度洗っておくと、思わぬキャラのカード化を予想できるかもしれません。
グループB:デュエマ無法地帯
そして残りの3枚はグループBから収録されています。コラボカードやアルトアート、ネタカードなどしっちゃかめっちゃかなカードが揃いも揃って全167枚!BBPの存在意義とも言える部分です。もちろん新カードも盛りだくさん。レビュー書くのもげんなりする量です!この記事の企画考えたの誰だ!俺だった!
《1月》~《12月》
長えよ!!!
というわけで、2016カレンダーです。2016年は閏年のため、次にこのカレンダーが使えるのは2044年ですね。今から集めておいてタイムカプセルにでも入れておきましょう。
カードとして見た場合、まあほとんど準バニラかそれ未満の性能です。種族シナジーは当然存在せず、文明もバラバラ。現状、「こいつらにしかできないこと」はほぼ存在しません。すまねえ……!俺はお前らを救う手段を持っていない……!
ぶっちゃけ死ぬほど枠を食う関係で2020カレンダーはやってほしくない(あとこのままやると同じ名前で種族の違うクリーチャーが生まれる)ので、謎BBPでこの枠がある場合は他の何かとしても使えるカードが収録されることが予想できます。でもカード1枚で何ができるんだ……!?ペーパークラフトとか……?
《激熱 カ・レーパン》
前主人公の勝太の大好物がついにカード化!……うん、コメントしづらいですね。仮にハンバーグが大好物の人がいたとして、ハンバーグがカード化された時にどんな表情をするかを考える必要があります。
現在種族にカレーパンを持つクリーチャーは《超越男》を筆頭に5種類。どのカードも方向性がバラバラのため、ファンデッキに甘んじることになりそうです。とはいえ《ドンスカレ・パンパン》が3ターン目にW・ブレイカーで殴ってきたり、《ビックリ・イリュージョン》が全体強化呪文になったりすると考えると……さすがにないか。
《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》
名前の長いやつです。「マジック:ザ・ギャザリング」に存在する元ネタカード《市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊》に倣って、「超無宇合武鼓魔絶百閻神銃極友暴Rチエ~カと仲~」とでも略しましょう。
スペック面では、あらゆるドロン・ゴー元から出てきて任意のエグザイル・クリーチャーに化けることが可能な、ドロン・ゴーデッキの繋ぎとして優秀なカードです。単体でも巨大クリーチャーなのでウルトラ・ドロン・ゴーできなくても安心ですね。単体ではお荷物なのと《乱舞》《神豚》がないことにだけご注意を。
ですがそれより重要なのは、その無限大のコストです。あらゆるコストを参照する効果でバグが発生し、数学論と異なる結果がはじき出されます。デュエマにおいての無限大はどうやらそういう定数(そして偶数)として扱われるらしく、数学的無限大とはだいぶ違う性質を持つようです。使う際は裁定チェックを忘れずに!
このカードをはじめとして、「マジック:ザ・ギャザリング」のジョークカードが元ネタのカードはBBP・超BBPともに大量に存在します。さらに超BBP発売後にあちらで新しいジョークセットが発売されたこともあって未使用の元ネタもまだまだ大量に眠っています。「山札がクリーチャーになる」「相手のターンに攻撃できる」「墓地もバトルゾーンとして扱う」「プレイヤーを増やす」など、しっちゃかめっちゃかな奴らが目白押しなので、興味があれば是非覗いてみてください。たぶんどれかを元ネタにしたやつが収録されます。
《「我」の極 エゴイスト》
自分の手を進化元にするオレ進化と、プレイヤーの年齢に応じたブレイクを行うエイジ・ブレイカーを持つゼニスです。「年齢に応じて性能が変わる」効果 は上と同じく 「マジック:ザ・ギャザリング」のジョークカード《僕の化身》由来で、「自分の手をクリーチャーにする」 もやや形を変えていますが後にあちらに逆輸入されています(《どっちの手にクローン機》)。
このカードを使う上で最も重要なのは、自身が50歳以上100歳未満であることです。この条件さえ満たしていれば《天運ゼニスクラッチ》なんかからめくるだけでシールド5枚ブレイク→ダイレクトアタックまで持ち込めます。 とはいえこのサイトを見ている方の多くは10代か20代でしょうから、このカードの真価が発揮できるのはまだまだ先になりそうです。前述の2016カレンダーといっしょにタイムカプセルに埋めておいて、2044年に使えばちょうどよさそうですね。
オレ進化の隠れた効能として、手をゲーム台から放すことで文字通り任意のタイミングで場から手札に戻すことができます。置換効果を回避したり《アポカリプス・デイ》なんかを空撃ちさせたりといろいろできそうですが、ルール未定義領域に足を突っ込んでいるので対戦相手ともめないようにご注意を!
《バックベアード》
故・水木しげる先生の描いた西洋妖怪の親玉、バックベアードです。ちなみに元ネタとなるような伝承は存在せず、少年誌の特集ページに「アメリカの妖怪」として書かれたのが最初だと言われています。実はデザイン元が別の雑誌の表紙のコラージュ写真だとか、さらにそのモデルになった絵画があるとかでけっこう出典のややこしいキャラクターです。
スペックとして見ると、派手な除去性能を持ちながらフルスペックの発揮には意外と頭を使うファッティです。メインフェイズに出すと概ねこちらも巻き添えになりますし、攻撃済みの相手のクリーチャーは生き残っちゃいますからね。 となれば、何らかの手段でそれ以外のタイミングで踏み倒すのが理想的です。相手のターンのはじめに出すのが理想的ですが、現状のカードプールではかなり厳しめなため《ショーペン・ハウアー》や《大邪眼バルクライ王》で踏み倒す動きが前提となるでしょう。そこまでやらなくとももっといい選択肢がある気もしますが。
《パーロック ~交差の石板~》
前代未聞のクロスワード付きクリーチャーです。他のカードのフレーバーテキストにあるカギを拾ってパズルを解けば、その答えに応じた能力が得られます。しかも答えは2パターンあり、両方解けば好きな方の効果を得ることができるのです!すごい!
……はい。というわけで「攻撃されない」または「ブロックされない」を選べる準バニラです。どちらにせよ、現代デュエマにおいては力不足感が否めません。一番の居場所であろう《パーロック》ファンデッキにおいては《神聖祈 パーロック》の効果でアンブロッカブルは得られるため、攻撃されないほうを選ぶことが多くなるでしょう。
ちなみにテキストには「このパズルが解けたら」としか書かれておらず、カギの場所や解き方、正誤を指定していないので、カギやルールをでっちあげてしまえば理論上はあらゆる四文字を解答にすることができます。とはいえ「されない」で終わる必要があるので悪用は難しそうですが。せいぜい「ふういん」くらいですかね。もちろん大会とかでやっちゃだめですよ!
BBP、超BBPと《パーロック》の新カードが出ていることを踏まえると、謎BBPでも関連カードが出てくる可能性があります。バニラであることが存在意義の彼らが、有り余るテキストスペースをどうやって埋めてくれるか今から楽しみですね。
《寝転ぶ猫 ニャンニャン》
猫はかわいいですね。
スペック面では、独自種族とソウルを持っていることを除けば極めてシンプルな準バニラです。2マナで最大4444と高パワーを持ちますが単体運用は非現実的なので、どうしても使いたければアウトレイジを活かすことが必要になります。光単色の2マナアウトレイジは《一撃奪取 アクロアイト》とこれしかいないので、どうしてもこのへんを積みたいときに声がかかるかもしれません。
超BBPには他にもイラストが実写というカードが複数存在します。シンプルにイラスト欄でインパクトを取る方法なので、謎BBPにも収録されることが予想できます。でもこんなこと言いながらテキスト欄が実写のカードとかが出てきたらさすがに笑います。どうやるのかは思いつかないけど。
《ザ・ブラック・ボックス》
パック名にその名を冠するクリーチャー!《熱血星龍 ガイギンガ》や《燃える革命 ドギラゴン》、《ジョット・ガン・ジョラゴン》と肩を並べるこのクリーチャーのスペックやいかに!
まあバニラですね。年始に出てくるアウトレイジたちと同じくパワーが西暦のため、パワー2000相手に競り勝てます。だからどうしたってわけではないんですが……【バニラビート】に入れる際はこのパワーは魅力ですが、文明がちょっと噛み合わないのも向かい風です。
「パワーが西暦」は当時でこそネタになりましたが、今は前述の《亥年の宴上者 ベンベー》などの年始アウトレイジが毎年メインセットに収録されるようになったために謎BBPでの収録可能性は高くないと思われます。というか時期的には12月の超天篇第4弾に2020年版が収録されるはずです。逆に言えば、あちらで収録されなければ謎BBPに来るかもしれません。
《イチオシ! ハラグロフェスティバル!》/《モーコリ娘選抜総選挙!》
「推し面」ということで、裏返す機能がない代わりに両面とも使えるドラグハート・フォートレスです。どちらも指定文明のクリーチャーの攻撃時に1枚のアドバンテージを稼ぎます。イラストはアニメ版で登場したアイドルユニット「ハラグロX」と「モーコリゴリ娘。」ですね。
どちらも使えるというメリットこそありますが、龍解がないこともあり単体スペックでは他のドラグハートにやや見劣りします。一応《覚星龍界 剣聖ジゲン》で裏返すこともできますが、だから何だといった印象です。一応どちらも堅実な効果ではあるので、水・自然が中心で5コストドラグナーも採用するデッキなら採用の余地はないことはないと思います。
《ボルシャック・コロドラゴン》
コロコロコミックのシンボルマーク兼マスコットです。効果もコロコロにちなんで+5656のパンプアップが付いています。……が、本題はそこではなくおまけみたいなブレイク追加効果。墓地に火のドラゴンが4体いるだけでシールド5枚ブレイクというのは、5マナのカードとしては今でもかなり破格のパフォーマンスです。ドラゴンであることから踏み倒し手段やSAを付ける手段も豊富で、相手の意識の外側から大量ブレイクを決めることができます。
厳密にはBBP産であり新カードではないのですが、BBP(ノンフォイル)・超BBP(フォイル)と連続で収録された唯一のカードです。謎BBPにも続投するとすれば、今度はデュエキングカードやマスター枠のフォイルで収録されるかもしれません。
《メガ・メイキング・ドラゴン》
イラストレーター・丸山類氏の実際のイラストメイキングの過程に沿った連作カードです。日頃見ているカードイラストはこうやって作られているんですね。
そのスペックは企画ものカードとは思えないほど派手です。タネとなるクリーチャーをデッキ内のドラゴンに変化させるため、タネをGRクリーチャーに、デッキ内のクリーチャーをドラゴンに統一しておけばだいたい狙ったもの(大王VANナインとか)を出せます。ライブラリアウトが怖いなら《永遠の少女 ワカメチャ》あたりを1~2枚入れとけばある程度安心できますね。
非進化ドラゴンのみで成立するコンボがあれば一瞬で成立させられるので、9コストという壁さえなんとかできれば意外な勝ち筋として相手を驚かせることができるでしょう。このクリーチャーだけでなく、火文明なら今から踏み倒す予定のカードも出せる《デッドヒート・メガマックス》などの踏み倒し呪文全般とも相性が良いですね。
《爆熱血 ナレ太郎》
アニメのナレーションキャラ、熱血ナレ太郎がカードになりました。種族もしっかり「ナレーター」です。
テキストを見ると、「クソ長いフレーバーテキストを10秒以内に読み切る」という前代未聞の効果があります。そのリターンは全体SA化と、3マナのクリーチャーでできることとしてはかなり破格です。ネタカードと侮るなかれ、なんらかの大量展開のおまけに出しておいて全体SA化という動きは強烈です。種族もヒューマノイド爆のため、【赤単ガトリング】の3マナ域としても完璧な性能です。というかこれについては以前もうやりました。
ちなみに、何らかの手段でcip解決前に進化できると、読むべきフレーバーテキストは進化先のものになります。テキストがないと不発にはなりますが、早口言葉に自信がないなら試してみるのも一興です。まあそこまでしなくてもそんなに難しくないんですが。あ、使うときはストップウォッチの用意だけは忘れないようにしましょう。
《カモン・レジェンド》
《カモン・ビクトリー》に続く、プレイ中にパックを剥くカードです。あちらが一枚選んで加えるのに対してこちらはドラフトのごとくお互いにピックしていきます。
デッキ枚数が40枚では足りないコンボなどをするときにお世話になるカードで、このカードを何らかの手段で無限に唱えられるようにすると手札も無限に増えていきます。何らかの手段でマナも増えるようにしておいて、DMR-20を剥き続ければ額面通りのコストを払って《伝説の正体 ギュウジン丸》を召喚することすら可能です。他にも様々な意味のないコンボに使える夢のあるカードですが、パック代は自腹なので破産にご注意を。あと対象パックがどれも絶版なのでお気を付けください。
BBP・超BBPとこの手のカードが収録されているのを見るに、《カモン・マスター》みたいな名前でさらに続編が来ることが予想されます。ランダムとはいえ5枚手札に加わるのはさすがにオーバーパワーなので、どういった方法でパックを剥くことになるのか期待が高まります。
《超覚醒ゼウス》
息の長い人気ソーシャルゲーム、「パズル&ドラゴンズ」の人気キャラクターのカード化です。2012~2013年ごろにちょっとだけやってたんですが、当時はドラゴンよりもゴッドが多いバランスで「パズル&ゴッズじゃん!」とか思ってました。結局ゼウス手に入らなかったなあ。
そのスペックは、原作の割合ダメージスキルを思わせるシールドブレイクと、HP満タン時に超強化されるリーダースキルを思わせる除去耐性付与です。前者も見たまんま強力ですが、後者は自分にも有効なだけではなく常在効果のため、シールド・セイバーを使えばシールド・盤面ともに生半可なことでは崩れなくなります。あとは耐性に任せてさっさと殴りきればいいですね。《不敗英雄 ヴァルハラ・グランデ》なんかを添えて相手の心を折るのも気持ちよさそうです。
《赤龍喚士・ソニア》
ゼウスに続き「パズル&ドラゴンズ」コラボカードです。あちらからキャラを輸入してカード化するだけでなく「パズドラ」のほうにもデュエマのカードが実装されたりと親密なせいか、ちょっと優遇されてる感はありますね。
スペックは条件こそ厳しくなったものの、4積み可能で1マナ軽い《ボルバルザーク・エクス》といった趣です。《薫風妖精コートニー》あたりと組み合わせれば全マナ起きますし、かなりややこしいですが回収を絡めたループも開発されたりしています。
つい最近も「パズドラ」のほうでデュエマコラボが行われたため、そのお返しとしてコラボカードが謎BBPで印刷される可能性はあると考えられます。あちらには「起源神・オーディン=ドラゴン」とかいうカードがある(「起源神」でツイッター検索すると死ぬほど出てくる)らしいので、個人的にはぜひ収録してほしいですね。収録しろ。(《起源神レプトン》で踏み倒せるから)
《超電磁 パック E》
《カモン・レジェンド》に引き続き、パック開封を要求するクリーチャーです。名前からして駄洒落ですね。未開封の革命編パックを進化元にして登場し、シールドブレイクか場を離れると進化元のパックから《カモン・ビクトリー》に近い効果が誘発します。革命編なので侵略をはじめとしたコマンドサポートが多いのはありがたいですね。
パック進化のおかげで「5マナSA、手札補充付きの水文明のコマンド」としての運用が可能なため、《SSS級侵略 デッドダムド》《禁断機関 VV-8》との相性が最高です。というか《虹速 ザ・ヴェルデ》がいなかったら本気で採用が検討されてたまであると思います。おおむね公式大会禁止カードだけど
パックを開封してコレクションに加えるのはこのクリーチャーの効果なので、さらに進化させたりして効果を失わせてからパックをバトルゾーンから離すと「開封して5枚ともそのゾーンに送る」という処理になります。リアルマネーと手間をかけてまでやる必要があるかと言われると疑問ですが、大量マナブーストやシールド追加が見込めますね。
《爆笑必至 じーさん》
もはや恒例となった「でんぢゃらすじーさん」とのコラボカードです。「邪」「なんと!」などタイトルを定期的に変えるのは単行本で揃える人の心理的ハードルを下げるためらしいですよ。そりゃ何十巻と出てるからなあ。
スペックはというと、なんと任意タイミングでの敗北効果。どう使えとと思われるでしょうが、投了では発動しない敗北回避能力と、それに付随する効果をいつでも使うことが可能です。具体的には《奇天烈X グランドダイス》とかですね。地味に水文明としては2マナで2000越えのパワーを持つ数少ないクリーチャーでもあります。
BBP・超BBPと何らかの形で毎回「でんぢゃらすじーさん」とのコラボが成立しているため、謎BBPでも来る可能性は非常に高いと思われます。オリジナルカードの時は毎回奇天烈な能力を引っ提げてくるだけに、今から期待ができますね。
《デュエマ革命》
アニメ版の切札勝舞・勝太・ジョーと長年にわたって主役のCVを担当する小林由美子氏のサイン入りカードです。個人的には小林由美子氏と言えば「エクセル・サーガ」の小林エクセルなんですが、20年前のアニメなので伝わる人がどれくらいいるのか不安です。
効果はというと、火文明では珍しいドラゴン限定の手札補充呪文です。革命2で山札の上を見て非ドラゴンを弾けるので見た目よりはヒット率が高そうですが、いかんせん4マナ3ドローをしたいなら水文明を足した方が早いという壁がのしかかります。このカード自体がドラゴンでないことも向かい風です。
《Treasure cruise》
厳密には関係者にのみ配布されるホリデーカード初出ですが、一般人が手に入れる手段としては初めてということで紹介します。頭の上から掛け声とともに振り落とし、触れているカードを破壊するというめちゃくちゃなカードですが、なんと構成要素がほぼ全て「マジック:ザ・ギャザリング」で実際に印刷されたカードでできているという複合ネタカードでもあります。
具体的には、カード名は最高1マナ3ドローという極悪パワーカード《宝船の巡航/Treasure Cruise》と世界に一枚しかなく、最も希少なカードとしてギネス認定されている《Shichifukujin Dragon》。"shichifukujin is coming!"の掛け声は効果のコストにこのカードを見せながら「It's coming!(来るぞ!)」と発言することを要求してくる《Infernal Spawn of Evil》、頭の上にカードを乗せるのは維持するために頭の上に乗せ続けることを要求される《Charm School》、触れたカードを破壊するのは手から投げること以外ほぼ同効果の《Chaos Orb》です。気になったら調べてみてください。
デュエマの関係者向けホリデーカードは2017年を最後に作られておらず、これ以外のカードはどれも未開封パックを要求してくるのに加えてカードパワーが高すぎるため謎BBPで収録されるかはやや疑問です。しかし、近い枠として2017年に「マジック:ザ・ギャザリング」側でデュエルマスターズ開発部に贈られた関係者向けカード《Nira, Hellkite Duelist》なんかがこっちに逆輸入される可能性はゼロではないと踏んでいます。当たったらほめてください。
《デュエマーランド ~レインボー・ドリーム~》/《デュエマーランド ~ナイト・パレード~》
かつてパックに封入されていたグッズ引換券、「デュ円」を相手とやり取りすることで効果を発揮するカードです。2018年に引換中止になって久しいですが、持ってさえいればこのカードは変わらず使うことができます。
フルスペックが発揮されれば、毎ターン相手はフルタップしてさらにハンデスと、コスト3のフォートレスとしては破格の性能を発揮します。その代償としてこちらは500万デュ円を相手に渡し、相手は100万デュ円を渡さなければなりません。しかしここには一つ抜け道があり「自分が500万デュ円を大量に所持しており、相手は持っていない」という状況(というかデュ円を持ち歩いてる人なんてまずいないのでおおむねこうなると思います)であれば、相手は手元に500万デュ円こそあれ100万デュ円はないためコストを支払うことができなくなるのです。使う際は、大量に500万デュ円を用意しておきましょう。そもそもデュ円自体が絶版なのでそこが一番難しそうですが。
《ロックマンエグゼ&勝太》
今や懐かしの存在となった「ロックマンエグゼ」シリーズとのコラボカードです。デュエマの映画がロックマンエグゼの映画と二本立てだったこともあり、イラストはその映画ポスターと同じ構図です。他のコラボとしては、あちらのゲーム内に《暗黒王デス・フェニックス》《龍炎鳳エターナル・フェニックス》が「デスフェニックス」「フェニックス」という名前でチップ(武器のようなもの)として登場したりもしました。
スペックは、曜日ごとに効果の変わるQRコードを読み込むというぶっ飛んだもの。ただ、残念ながら得られる能力自体はどの曜日でも無難なものばかりでオーバーパワーなものはありません。あと、このテキストだとコードを書き換えて自分の用意したページに飛ぶようにしたり、リンク先のページをハッキングしたりして「自分はゲームに勝つ」とか書いておけば通っちゃうように見えるんですが大丈夫なんですかね?(こたえ:誰もそんな手間をかけようとしないので大丈夫)
《ガルベリアス・ドラゴン》
これはGBAソフト「デュエル・マスターズ2」「デュエルマスターズ3」に収録されたゲームオリジナルカードとそのプロモとしてのコロコロ付録が初出なんですが、付録版は裏面が赤い使用禁止カードなので使用可能カードとしてはここが初収録になります。そんなわけでこのカードについても記述します。
6マナ7000SAに、相手のクリーチャーの文明によって追加される能力付き。さすがに構築級とはいかないまでもなかなか悪くないスペックをしています。問題はその初出のタイミングで、初登場の「デュエル・マスターズ2」の収録範囲はDM-06まで。基本セット+闘魂編1弾のカードプールにおいてこの性能はあまりに無法でした。リアルカードにおいてもまだ聖拳編期なので、このスペックのカードを付録で配るのはまずいという判断から、裏面の赤い使用禁止カードとして配布されたのでしょう。
ちなみに続編の「デュエル・マスターズ3」のカードプールはまだ闘魂編+αといった趣であり、引き続きこのカードが猛威を……振るいませんでした。《再生の使徒ノルカ・ソルカ》《沈黙の使徒カザミラ》という二大ぶっ壊れオリジナルカードに《ロスト・ソウル》《ヘル・スラッシュ》をぶち込んだコントロールが存在したからです。こちらはさすがに今でも使用禁止級のカードパワーなので、気になったら調べてみてください。たぶん想像してるやつの数倍強いです。
リリース間近の「デュエルマスターズ プレイス」には多数のオリジナルカードが存在するため、あちらからの逆輸入という形でカードが収録されるのではないかと踏んでいます。また、GBA版オリジナルカードでもゲームバランス上壊れていないわりに唯一無二の性能を持つ《火焔漁師ガンゾ》などの収録が望まれます。
《大作家 シンボー》
「とどろけ!一番」「つるピカハゲ丸」「コロコロ創刊伝説」などの作品を持つベテラン漫画家のむらしんぼ先生が、まさかの本人としてカード化です。特にここまでデュエマと同時期の連載もなくコラボの素振りも見せていなかったので、最初に情報を知った時にはめちゃくちゃ驚いたのを覚えています。
そのスペックはとっても堅実な進化クリーチャー。自然絡みのビートダウンにうってつけの能力ですが、高速化が進んだ現環境ではちょっと厳しいと言わざるを得ません。ドリームメイトであることを活かせればまだ可能性がないこともないのかな……?というくらいのカードパワーです。
「漫画家本人」という強引なコラボをねじ込むことが可能だと判明したため、もしかすると謎BBPでもこの枠があるかもしれません。とはいえ、まだコラボしてなくてかつネームバリューがあり、コロコロに関係する漫画家となると……「スーパーマリオくん」の沢田ユキオ先生くらいでしょうか?
《ハムカツのイラスト百烈ペン》
バトルゾーンのクリーチャーのイラストレーターを参照する珍しいカードです。元ネタはこれまた「マジック:ザ・ギャザリング」のジョークカードの「アーティスト・マター」サイクルです。さすがに5枚も枠を取るのは憚られたのか、こちらではこの1枚のみです。
コスト論的には最低でも4枚以上ドローしたいので、盤面に同じイラストレーターのカードを2枚以上揃える必要があります。ここで役に立つのが《越境の意志 ドナート》などの何枚でも積めるGRクリーチャーで、メインデッキの構成によらず効果を発揮してくれます。このカードについては以前すでに記事にしているので、ぜひ一度お試しあれ。10ドローくらいなら楽勝です。
《神の子 イズモ》
エピソード3のラスボスにして中央G・リンクの代名詞、イズモの新カードです。イズモ・ヨミ・ゾロスターをはじめとするオラクル幹部勢はイラストレーターのかわすみ氏のお気に入りキャラだけあり、環境での活躍の乏しさとは裏腹にキャラクターとしては何かと優遇されている印象があります。デュエマでは貴重な人間の顔をした敵役だからっていうのもあるかもしれません。
そのスペックは、他のフィニッシャー級中央G・リンク持ちと準バニラの《イズモ》との中間くらいの能力です。三体リンクが成立しても盤面に影響を与える派手な効果こそ持ちませんが、アンタッチャブルのQ・ブレイカーと単独のスペックで自分から殴っていく感じですね。同じコストの《逆襲の神類 イズモR》などと比べて、デッキに合っているほうを使いましょう。アンタッチャブル付与を活かして《「黒幕」》などのフィニッシャーへのつなぎにするのもいいでしょう。もちろん、同時収録の《左神人類 ヨミ》《右神のイザナイ ゾロスター》と組んでオラクル三人衆を作るのもいいですね。
《精神を刻む者、ジェイス》
「マジック:ザ・ギャザリング」のストーリー上の主要人物、ジェイス・ベレレンがデュエマにやってきました。ジェイスは設定的にもプレインズウォーカー(あちらの舞台である様々な「次元」と呼ばれる世界を渡り歩く能力者)なので、さしずめデュエマ次元へとプレインズウォークしたといった形でしょうか。向こうのシナリオにおいてはつい最近宿敵《ニコル・ボーラス》との最終決戦に勝利したばかりか、重荷になっていた役職を代わってもらったり元カノとの関係を清算して新しい彼女を作ったりと非常に充実しております。いいなー。
あちらにおいては調整ミス(印刷直前にいろいろ効果を弄ったらぶっ壊れたらしい)により希代のパワーカードとして数千~一万円ほどの値がついていますが、こちらではそれらの能力の一部のみを再現してcipドローで手札の質を高め、殴ってはバウンスで敵を足止めというクリーチャーとして無難なスペックになっています。cipと攻撃時能力を併せ持つ都合上、革命チェンジなどとも相性が良いですね。
ちなみにあちらでは「相手か自分の山札の一番上を見てボトムに送ってもよい」「←の能力を何回か使った後に使用可能になり、使うといろいろあって勝つ」という効果がさらについてきます。なんで?
《S・マネーキ》
久しぶりの登場となるジャンケンクリーチャーです。この手のクリーチャーはジャンケンで相手に特定の手を出させることでアドバンテージを稼ぐのが基本なので、とにかく並べてジャンケンを行えるだけで及第点です。ただ、過去のジャンケンクリーチャーは闇・火・自然文明が中心だったため併用するのはなかなか骨が折れます。
どうしてもジャンケンデッキでこのカードを使いたい場合、とにかくジャンケンの数が重要になるため《「拳」の頂 デシブコ・グーチーパ》《JK新星シャバダバドゥー》などを併用することで勝っても負けてもアドが稼げるようにしておくのが無難でしょう。
確かにジャンケンは再録しにくいメカニズムではあるのですが、超BBPの他のカードと特にシナジーがないためやや異質な印象を受けるカードです。謎BBPではこの続編となる「グー」か「パー」を司るクリーチャーが来るのでしょうか。
《キング・シビレアシダケ》
ここに来て特にネタ要素のない《シビレアシダケ》の派生カードです。cipで手札を好きなだけマナゾーンに置ける……のはいいのですが、後にツインパクトの呪文面で同じことができる《口寄の化身/強欲の王国》が登場して一気に肩身が狭くなりました。
種族的にプッシュが見込めないため、あちらとの差異は「クリーチャーが残る」一点に絞られます。自然文明を進化元にする進化クリーチャーなど、なんとかしてこのカードである必要性を考えたいですね。
《鋼龍 クシャルダオラ》
「モンスターハンター」シリーズとのコラボカードです。「ロックマンエグゼ」をはじめとして超BBPにはカプコン社とのコラボが多く、このカードもそのうちの一枚です。版権は一度にたくさん借りたほうが打ち合わせの回数が少なくて得ですからね。
そのスペックはというと「風に関する注意報か警報が出ている時」にのみアンタッチャブルを得るという物理的(というか気象的)に厳しい条件です。対象になるのは注意報なら強風・風雪、警報なら暴風・暴風雪・竜巻が該当します。今年の台風直撃の際にこのカードを使っていたプレイヤーがいるという情報もありますが、そんな天気なら素直に家にいるか避難しておくのが無難かと思われます。避難先で遊びたいなら……まあ止めませんが。
《素晴らしい犬 ワンワンワン》
犬もかわいいですね。
やはり独自種族とソウルを持った準バニラです。《寝転ぶ猫 ニャンニャン》と対になるかのごとく、デッキに何枚でも積める上に並べば並ぶほど強くなります。《遊撃師団》サイクルなどと違って何枚並んでもブレイク数が増えないため、これ40枚で組むのはかなり非現実的です。カード単体として見た場合、自然単色の2コストアウトレイジとしては最もパワーが高いので理論上は差別化が可能ですが、《一撃奪取 ケラサス》に優越するかは微妙です。
《超越男》
《究極男》に引き続き、様々なものがゴリゴリに詰め込まれたU・ソウル持ちクリーチャーです。今回詰め込まれてるのはカードテキストで、なんと詰め込み過ぎてイラストがありません。こんなカードにも「マジック:ザ・ギャザリング」の元ネタがありまして、《Greater Morphling》という「テキストが長すぎてイラスト欄が圧迫され、窮屈そうにしているクリーチャー」というジョークカードです。こちらはそれを超えてイラスト欄そのものがありませんが。あ、ちなみにデュエマwikiにこの記述書いたのは自分です。誰も書かなかったので。
カードテキストが長すぎて読むのが面倒ですが、実は「トリガー、S・バック、ニンジャストライクで現れ、ロスト・プリズムでドローしながらガードマンでクリーチャーを守り、死んでもシールド・ゴーで盾に行ってエスケープで回収可能」と八面六臂の活躍をしてくれる超強力カードです。《Dの牢閣 メメント守神宮》などでブロッカーを与えれば、強化版《光牙忍ハヤブサマル》としても扱えます。これを中心に据えたデッキをこの前ここで紹介したので、ぜひご覧ください。ダイナモを活かす手段はまだ見つかってません。
《究極男》《超越男》と続いて来たU・ソウル持ちクリーチャーは、謎BBPでも登場する可能性が高いと思われます。問題は「イラストとソウル」「テキスト」ときて次に何を詰め込むかが全く思いつかないところです。個人的には「種族欄でカードが全部埋まってる」とぼんやり予想していますが、たぶんタカラトミーとウィザーズならこの想像は超えてくるはずです。超えるかな。どうでしょう。発売を待ちましょう。
《時空の司令 コンボイ・トレーラー》/《司令官の覚醒者 コンボイ》
タカラトミーの「トランスフォーマー」シリーズから、司令官としておなじみオプティマス・プライムことコンボイの登場です。よく見るとイラストは実写にエフェクトを足したものですね。当シリーズはアメリカではウィザーズ社の親会社であるハズブロ社が展開しており、そのよしみもあってのコラボと思われます。
スペック面では、表裏合わせてグレートメカオーとキカイヒーローを踏み倒してSAつきで射出し、自らも追撃ができる生きた発射台のようなカードです。覚醒条件が純然たるメリット能力であるため、適切に組まれたデッキであればターンさえ帰ってくればすぐに効果を発揮できますね。出してすぐ殴れるので《奇天烈 シャッフ》《ガチャンコ ガチロボ》は2回効果を発揮し、《偽りの名 iFormulaX》をタップしてそのターンに勝つことすら可能です。こっそりハンターでもあるので、覚醒を諦めてただの超次元ブロッカーとしても使えるのもいいですね。
タカラトミーが玩具会社である関係で、新規再録問わず多数の玩具やゲームとのコラボが超BBPにて行われています。今回もその流れがあるとすれば、超BBP以降にぐっと知名度を伸ばした「新幹線変形ロボ シンカリオン」やすでにコラボ済みのTCG「WIXOSS」、DCGから「WAR OF BRAINS」などが来る可能性はありそうです。また、ハズブロ社・ウィザーズ社の商品として見た場合、すでに「マジック:ザ・ギャザリング」でコラボ済みの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などが来ることは十分考えられます。
逆に、最近ハズブロ社の日本法人設立に伴いタカラトミーから展開していたハズブロ商品が直接販売に移行したため、超BBPでコラボした「モノポリー」「Mr.ポテトヘッド」などとの再コラボが行われるかはやや微妙になってしまいました。とはいえ両社の事業の規模を考えるとこのラインはもはや「あらゆる商品がコラボ圏内」といっても過言ではないでしょう。
《瞬速のアタカマイトβ》
前年のマスターズ・クロニクルデッキでプッシュされたサバイバーの新規クリーチャーです。既存のサバイバー能力だとバトルゾーンにしか働かないせいか、超サバイバーなる新規能力をもってあらゆる場所のサバイバーにS・トリガーを共有します。このカードの追加によって【サバイバー】が環境に通用するようになったかといわれると何とも言えませんが。
【サバイバー】デッキはデッキ内に大量のサバイバー持ちを要求するためトリガーを入れるとサバイバー比率が下がるという問題がありましたが、このカードで根本的解決が図られました。あらゆるゾーンに与えるので《サイバー・I・チョイス》なんかとも相性がいいですね。とはいえサバイバーらしくコストに比べてパワーは低めなので、《宣凶師ラッセルズβ》あたりで守ってやりたいところです。
前年のクロニクルデッキの強化カードがこうして印刷された以上、謎BBPにもこの枠を期待するのは自然です。とはいえ【デッドダムド】はこれ以上強化してどうするんだっていう性能をしているため、【カイザー「刃鬼」】の強化パーツ、あるいは再録を待望されている《不敗のダイハード・リュウセイ》あたりが候補でしょうか。
《ニコル・ボーラス》
あらゆる意味で諸悪の根源です。主に超BBPがすぐに店頭から消えたのはこいつのせいだとされています。キャラクターとしては「マジック:ザ・ギャザリング」の背景ストーリーにおける大悪役で、《精神を刻む者、ジェイス》と同じく次元を渡り歩くプレインズウォーカーです。数千年に渡る邪悪な陰謀を描く巨悪だったのですが、最近のシナリオでは他のプレインズウォーカーを一か所に集めて一網打尽にしようとした結果、逆に団結されて逆襲されて全ての能力と名前を奪われて封印されることになりました。やったー!
《精神を刻む者、ジェイス》と同じくあちらでの能力を再現しているのですが、ジェイスと違って噛み合わせのいい所ばっかりもらってしまったため誰がどう使っても強いパワーカードになってしまいました。マナの拘束や維持コストとかのデメリット部分全部投げ捨てたもんな!あとドラゴンだしな!説明終わり!
同じウィザーズ社が作っている「マジック:ザ・ギャザリング」とのコラボは今回も考えられます。あちらに役者はたくさんいるので、主要人物の《チャンドラ・ナラー》《黄金のたてがみのアジャニ》や最新セットの敵役で初登場即禁止になった《王冠泥棒、オーコ》、そのカードパワーから非プレイヤーにも有名な《引き裂かれし永劫、エムラクール》など何が来てもおかしくないと言えるでしょう。下手するとクリーチャーやプレインズウォーカーではない呪文や土地から来ることもありそうなので、ここに関してはマジで予想できません。
《レアリティ・レジスタンス》
元ネタはまたもや「マジック:ザ・ギャザリング」のジョークカード、《Rare-B-Gone》 です。あちらはレアリティの数が少ないため「レア以上」が対象で、対象カードを破壊するだけでなく手札からも捨てさせます。こっちもこの性能でやろうぜ! 相手を選びますが爆発的なテンポアドバンテージを稼げるカードで、北白河は本来勝つはずであるちゃんとガチでやってる対戦相手がこれ一枚で憤死する様を見たくてデュエマをやっている節があります。まあそんな性格悪い採用理由でなくても昨今の高レア商法蔓延る今こそ強いカードですよ。
《ハムカツのイラスト百烈ペン》もそうですが、「本来ゲームに関係ない場所を参照するカード」枠が来るとすれば未使用の領域は「右下のコレクターナンバー」「右下の印刷年」「右下のコピーライト」「枠の色」くらいしか残っていません。この中で一番可能性がありそうなのがコレクターナンバーなので、「コレクターナンバー奇数のカードを○○する」などは考えられますね。また同じレアリティを参照するならば「レアリティのないカード」「フォイルカード全て」などを指定する類似カードが出るかもしれません。あ、でもそうなったらマナゾーンを触る効果消えるかな……困るなあ。
《灼熱憤怒 テスタ・ロッサ》
エピソード3の背景ストーリー漫画を描いた伊原しげかつ先生による、E3主人公テスタ・ロッサの新カードです。スペック・ストーリーともに何かと不遇だった彼ですが、最終的にドラゴンになったりしないまま戦い抜いた人型クリーチャーとしては唯一無二の存在となります。聞いてるか鬼丸!モルト!テスタ・ロッサを見習え!
その効果は地味ながら悪くなく、手札入れ替えを行いながらSAで殴れるビート向けクリーチャーです。アウトレイジを中心としたビートダウンのマナカーブの頂点に置いておくと息切れを防ぎながら殴り続けることが可能ですね。難点はやはりその中途半端な重さとサイズで、残念ながら現代デュエマのカードパワーにはついていけていません。時系列順の最後の姿である《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》とクライマックス・ドロン・ゴー持ちと組み合わせて、かつて彼が決められなかった鮮やかな勝利を手にしたい所です。
《バニラ・ゾーン》
新たなるバニラサポート呪文です。《メンデルスゾーン》と同じ要領でバニラ限定のマナ加速を行います。あちらと違って増えたマナはアンタップなので、2ターン目に使っても2マナバニラを展開できるのはうれしいですね。
最大の難点は、バニラはドラゴンと違って「このカード以外バニラで統一する」ということが現実的に不可能だということです。【バニラビート】の主流が【バニラオーラ】に移行したことも向かい風です。
《偉大なる感謝》
お世話になった人に渡すといいでしょう。多分このシリーズは次も出ます。終わり。
《ガールズ・ジャーニー》
デュエマとは思えない日常的なシーンを描いたイラストが特徴的なカードです。私服に身を包んだレナ・るる・ヘレンと勝太編の女性キャラが揃い踏みで、こっそり勝太の影も見えますね。描かれている駅はイラストレーターのやぶもとようすけ氏の出身地のJR山陽本線・上郡駅です。
スペックは超シンプルなトリガー付き3ドロー。どちらかといえば性能そのものよりもマナ基盤として優秀で、5色デッキがとりあえずのドローとして投入する傾向にあります。後発の《ボーイズ・トゥ・メン》や《ドンドン水撒くナウ》《レインボー・スパーク》などの色違いの防御・ドロートリガーとの差別化も考えたい所ですね。
《開発部の守護者 ミッチー》
アメリカ・シアトルのウィザーズ本社(以前はフレーバー通り玄関ロビーにあったみたいなのですが、今は開発部フロアのエレベータ前にいます)にあるドラゴンの巨大オブジェ、ミッチーがまさかのカード化です。ウィザーズ本社内には関連製品のイラストやオブジェがたくさん設置されていることで知られており、その中でも一番有名なものがこれですね。モデルは「マジック:ザ・ギャザリング」のカード《シヴ山のドラゴン》です。いずれデュエマのカードのオブジェも飾られるといいですね。
スペック面ではウィザーズの営業時間外の夜間のみ本気を出し、侵入してきた相手のクリーチャーから守ってくれます。事実上、パワー8500以下のクリーチャーをシャットアウトできるため、GR召喚やシステムクリーチャーの後出しを許さないかなり頼れるスペックです。平日夜に行われる大会にこっそり仕込むといい動きをするかもしれません。
《左神人類 ヨミ》
《神の子 イズモ》に引き続き、オラクルの長が新カードになって登場です。左ゴッド・リンクにより《イズモ》たちともリンクできるようになりました。
8コストと重いですが、光臨により自力で相方を探してこれるのは魅力です。中でも同時収録の《神の子 イズモ》《右神のマントラ ゾロスター》とは緩やかなシナジーを形成しており、前者は相手ターン中の除去を弾いて生存性を高め、後者は一回のタップで両方の光臨を使うことが可能です。最大の難関はやはりそのコストで、多くの踏み倒しの対象外になっています。運用の際は《プロジェクト・ゴッド》などで克服したいですね。
《究極生命体 Z》
勝舞編の宿敵、ザキラが究極生命体になって帰ってきました。なんとデュエルに負けても死なない身体になっています!ますますなんでデュエルにこだわるんだお前 出典としては、コロコロアニキの番外編にてクリーチャーとして復活した姿ですね。そちらではフレーバーテキスト通りに宇宙へと飛び立っていきました。もう帰ってくんなよ!
スペック面ではシンプルながらまとまった能力と優秀な種族を持ち、破壊されても除去とともに蘇るわかりやすいシナジーを描いています。ですがそのまとまった能力故に「このデッキ!」という相手に恵まれていません。逆に言えば闇文明が絡むならどんなデッキにも入るので、漫画でザキラが使用した【ヘヴィ・デス・メタル】などにアクセントとして差してやるといいでしょう。
《右神のイザナイ ゾロスター》
イズモ・ヨミに続いて、参謀格のゾロスターもゴッド・ノヴァOMGとなって登場です。ネタキャラとして扱われていたゾロスターですが、ここにきてやっと他の二人と肩を並べることができました。
スペックはオラクリオン限定の光臨とゾロスターらしくシンプルにまとまっており、前述の同時収録シナジーが狙えます。ただ、踏み倒して嬉しいオラクリオンを詰めると今度は《左神人類 ヨミ》で踏み倒す対象が減るというジレンマに陥るのが悩みどころです。《神聖麒 シューゲイザー》などを少数採用するにとどめるか、別の左神を採用するなど考えましょう。
ここまでのカードを見ると「ストーリー上で不遇だったキャラクター等の救済」とも言える枠がエピソード3を中心に存在したことがわかります。超BBP~謎BBP収録範囲だと、ムートピアやテック団などがこの不遇枠に該当すると思われます。これに起源神あたりを加えて、謎BBPで大規模な救済を行ってくれればいいですね。起源神だけでもいいのでぜひお願いします。
おわりに
というわけで、全カードレビューでした。だらだら羅列するのは自分のスタイルに合ってて好きなんですが、まさか20000字超えになるとは思いませんでした。なぜ俺はこんな企画を……
もちろん、あれから4年も経つわけですから完全新規のコラボやジョークカードも大量に入っていると思われます。存在そのものがBBPなスペシャルズがいるのに加え、漫画家コラボなんて考えても無駄なレベルで候補がありますし。予想記事をやっといてなんですが、「予想できないものを楽しむ」っていうお祭りだと思っておくのが精神衛生的にもよいと思われます。自信満々に予想してから外すと恥ずかしいしね!
ブーメランが刺さったところでお開きにしたいと思います。これからもトレカライターガーデンでゆるゆると記事を書いていこうと思いますので、ぜひこれからもよろしくお願いします。あと、北白河は参加してないんですが(ゲストライターは参加できないので)第四回トレカライターコロシアムもよろしくお願いします。第二回の優勝者も専属ライター権を欲しがっているそうですよ。それでは、またどこかで。北白河でした。