不正注意報!~無意識の加害者、被害者にならないためのシンポジウム~

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不正注意報!~無意識の加害者、被害者にならないためのシンポジウム~


文責:西川航平

皆さんは、デュエルマスターズにおいて不正をしているだろうか?

なかなかショッキングなタイトルの上にこのような質問をしてしまって申し訳ない。

また、シンポジウムと書いたが私が一人で意見を述べていくだけである。重ねてお詫び申し上げる。

相手と圧倒的なリソース差がつくと、ずるい!と思う気持ちはわからないではない。

出典:デュエルマスターズ

  《轟轟轟ブランド》4連続や、《ジョットガンジョラゴン》からの《ガヨウ神》連打、《ラッキーダーツ》からの《オールデリート》など、思わずインチキだ!と言いたくなるようなものは多々あれど、今回問いたいのはそういった類のものではない。

手札が1枚になると即登場!デュエマの歴史を塗り替えた1枚!

出典:デュエルマスターズ

2連轟轟轟は幸せの証!今日はなんだかいいことあるかも!

出典:デュエルマスターズ

3連轟轟轟!!?凄すぎる!宝くじでも買いに行こうか!!

出典:デュエルマスターズ

それはまさしく
Quadrifoglio!!幸せの四つ葉が勝利をもたらす!

出典:デュエルマスターズ

操る力は千変万化!!無限の可能性を秘めた1枚。

出典:デュエルマスターズ

オールラウンダーとしての面を強く持つジョーカーズ。その真価を発揮できるのは、ひとえにこいつの手札補充のおかげだ!

まさにジョーカーズの神ともいえる存在。

出典:デュエルマスターズ

1マナで、あらゆる呪文を唱えられる可能性を持つ1枚。
そのポテンシャルは全カードの中でも随一。

出典:デュエルマスターズ

全てを無に帰す究極奥義!《伝説の禁断ドキンダムX》と組み合わせることで、それは勝利と同義となる。

出典:デュエルマスターズ

胎動する破滅へのカウントダウン。それは意外な方法によって急激に進められる。
その覇道を遮るものはもはやなし!無抵抗な相手にとどめの一撃を与える。

出典:デュエルマスターズ

思わず不正と言いたくなるものでなく、明確なルール違反を行っているか、ということである。

こういうのは冤罪である。

出典:デュエルマスターズ

目次

1、リターン極小!不正は割に合わないぞ……

私は、大半のプレイヤーは、悪意を以て不正などしていないと考える。

それはなぜか?綺麗ごとでも性善説でもない。

「デュエルマスターズは遊びだから」

この一言に尽きる。

今も人気を博すライトノベルに、次のような一文がある。

「これはゲームであっても遊びではない」

私が言いたいのは、まさにこの逆だ。

「デュエルマスターズは、真剣勝負ではあってもあくまで遊びである」

我々は、なぜ貴重な休みを使ってこのゲームに興じているのか。

答えは単純明快だ。

デュエルマスターズというゲームが、楽しいから。

これに尽きる。

ではここで、不正をしたらどうなるか。

2枚ドロー、手札入れ替え、遅延行為、マーキング、ルール(裁定)無視……

こんなことをやれば、デュエルマスターズのゲームとしての楽しさは一瞬にして無に帰す。

楽しくないことを、わざわざ自分の時間を使ってやるだろうか。

そんな馬鹿な話はない。

もしかすると、高額プロモカードを獲得し、お金に変えるために不正をやるんだ!という人もいるかもしれない。

しかし考えてほしい。それはあまりにも、効率が悪くはないだろうか。

CS:チャンピオンシップの上位賞は、大体5000円。

一日かけて、(休日を潰して)5000円だ。割に合わないと思うのは私だけではないだろう。

しかも仮に不正を行ったとしても、上位入賞できるかは確実ではない。

ならば確実に金銭を得られるよう働くか、スキルアップ等を行った方が賢明ではないだろうか。

*人には不確実性を好む性質があるので、確実に金銭を得られることが最重要視されるとは限らないが、そういった人たちにとっては他のギャンブル等の方がより多くのお金を動かせ、魅力的なはずだ。

人を騙すのが快感なんだ、という人は人狼ゲーム等の正体隠匿系ゲームに惹かれるだろう。

上記の理由から、私は故意に不正を行うプレイヤーは極めて少ないと考える。

2、そんな馬鹿な!気づかぬうちにルール違反!?

大半のプレイヤーは故意に不正を行っていないと私は言った。

しかし、そのプレイヤー達がルールを遵守しているかというと、それに対しては疑問符が浮かぶ。

悪意なく、結果としてルールを破ってしまっているというケースがかなりあるのではないかと考える。

かくいう私も、その経験があるのだ。

以前出場したCSで、一部のスリーブに傷がついており、注意を受けたのだ。

幸いにして、と言っていいのかはわからないが、シールドトリガーばかり、序盤、中盤、終盤のカードばかりといった規則性が認められなかったのでスリーブを外すのみの処置だったのだが、確実なルール違反である。

それから少しして同じ店舗で行われたCS、私は何とかベスト8まで残り、再びデッキチェックを受けることとなった。

以前の失敗を踏まえ大会当日に、若干酔いそうになるのを我慢しながらも車内でスリーブを新しいものに入れ替えた。

もう同じ轍は踏まない。

「さぁ見てくれ!俺のすべてを見てくれ!!!」

そんな気持ちでジャッジにデッキを渡した。

それから数分後のことである。

「一部のカードが、識別可能な状態になっています」

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

「何を言ってる!私は常務だぞ!!!」

そう叫びたい気分だった。

いや、新品に変えたばかりなんですけど……

しかし、ジャッジに見せられた私のデッキは、確かに横から見ると一部に区別のつく状態になっていた。

ちなみにそれら区別のつく状態にあったカードがこれだ。

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

え、なんで!?

出典:デュエルマスターズ

《キング・ザ・スロットン/7777777》だけは4枚入れているうちの2枚だけが区別できる状態にあったが、それでもデッキに入っている10枚のシールドトリガーのうち、6枚がその状態にある。

その状態を再現した上の10枚と下の10枚。確かに判別できる。

「今日、変えたばかりなんですけど……」

予備として持ってきたそのスリーブを取り出す私を見て、対戦相手でもあった友人がこう言った。

「○○○(商品名)は、無地で説明には書いてないけど裏表があるよ」

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

出典:デュエルマスターズ

片面△△仕様など、裏表で作りが異なるスリーブがあることは私も知っていた。

しかし私が使っていたそのスリーブには、そのようなことは記されていなかったのだ。

「あと、同じ商品でも袋によって違いがあったりするし」

「○○○(商品名)は、トラブルが多いのでうちでも取り扱いをやめたんですよ」

区別できるとされたカードの裏表を入れ替えてシャッフルして確認を続けながらジャッジも言った。

全てのシールドトリガーが区別できるわけではないこと、トリガーでないカードにも同様のものが含まれること、しかし無視できるものでもないということで、次ラウンドでの手札マイナス1枚のペナルティがくだった。

これはその店舗で起きた別の方の話になるが、ループデッキを使っていたAさんのカードの一部が、区別できるようになっていた。(ループパーツのカードがスリーブの中で少しずれていたとのことだ)

ループデッキでは一部のカードにのみ何度も触れるということが起こるために、このようなことになったと考えられる。

ちなみにその方が使っていたスリーブも、私が使って問題になったものと同一のものとのことだ。(ループデッキにおけるカードのずれは、大きめのスリーブを使っている場合他の商品でも起きうる)

スリーブの劣化や不注意等によっておきるこれらのルール違反は、よくよく気を付けなければ誰の身にも降りかかる可能性がある。

寧ろ、意図的な不正を行っていない人にこそ起こる可能性が高いといえる。

どういうことか。

同名カードを5枚以上入れる、隠し持ったカードを使う、マーキング等の不正を意図的に行う人は、スリーブの状態には他のプレイヤー以上に気を配るはずだ。

なぜか。ルールを守っている場合には痛くも痒くもないデッキチェックを受けるという行為が、彼らにとっては今後このゲームを続けていけなくなるほどの致命傷になるからだ。

痛い腹を探られないために、万全の準備をする。

人狼ゲームで役職を騙る際、本当の役職を担当する時以上に発言に気を付けるのと同じ理屈だ。

自らが不正を行っていることを知っているゆえに、そのリスクを少しでも減らそうとする。

そうでない多くのプレイヤーには、探られても問題のなかった筈の腹が自分でも気づかぬうちに痛くなっていた、ということが起こりえるのだ。

こういったリスクを回避するためにはどうするべきか。

それにはやはり、競技度の高い大会に出る前には自分でデッキの状態を確認、可能であれば他のプレイヤーにも1度問題ないか確認してもらうことだ。

新品のスリーブだからといって過信してはいけない。

初期段階から状態のおかしいものが紛れていたり、そもそも全体の状態がバラバラで(おそらく製造段階での問題だが)使い物にならないものもある。

また、これはジャッジの方に教えてもらったことであるが、スリーブを付ける前に1度無作為化するというのも有効だ。

これにより、万一スリーブに異常があった場合に有意な規則性を持つ可能性を大幅に低下させることができる。

自分は不正なんかしないから関係ない、ではなく、カードの状態を正常に保つ努力を忘れないようにしたい。

3、対戦相手はリスペクト!!だけど盲信はまずいかも??

デュエルマスターズは1人ではできない。相手がいて初めて成り立つものである。

その相手には、礼をもって接したいものだ。

しかし、「遊びであっても真剣勝負」である以上、盲信するのは危険かもしれない。

・デッキチェックはしっかりと!それは何より自分のために!

少し前に、隠し持ったカードを利用した不正が問題になった。

調べてみると、シャッフル時点でデッキが40枚に満たなかったようである。

このような問題を未然に防ぐため、枚数確認も怠るべきではない。(これだけで防げるというものでもないが、確認時には40枚だったのに後で確認するとそれより多かったという場合にも有力な証言となるだろう)

また、相手のデッキの中に気になる状態のカードがあればジャッジを呼んで確認するべきである。

それは何ら失礼な行為ではない。まっとうなプレイヤーであれば嫌がることはまずないだろう。

何の問題もなければそれでよし。

気になるまま対戦を終えて、後からもやもやする方が嫌だろう。

・スタッフ~!ルール問題はジャッジにお任せ!

対戦相手とルールについての解釈が異なる、説明に納得がいかないということは往々にして起こりうる。

そんなときも迷わずジャッジを呼ぶべきである。

勝負事なので当然ではあるが、対戦相手と自分の利益は対立している。

相手の主張、説明に少しでも疑問を感じるのであれば、すぐにジャッジに聞くのが良いだろう。

問題が発生したときに呼ばなければ、巻き戻し不可能な状態になることがあるのでプレイを中断して呼ぶようにしよう。

私も相手の言を信用して(流されて)プレイを続行したが、後々確認したら正しい処理は違ったという経験がある。

相手に悪意がなくとも、単純に勘違いしている可能性もあるので、やはりジャッジコールはためらわずに行うようにしたい。

また、ジャッジの判断にどうしても納得いかないという場合は、ヘッドジャッジに上告できるということも忘れずに。

《ジョットガンジョラゴン》の攻撃時に捨てた《燃えるデットソード》の効果で場を離れた《Dの博才サイバーダイスベガス》のDスイッチが発動できる(本当はできない)、無月の門の構成元がタップしていた場合《卍デ・スザーク卍》がタップ状態で出る(正しくはアンタップ状態で出る)、など間違った判断を受けたことが何度かある。

D2フィールドも何のその!《燃えるデットソード》と組み合わせれば、攻撃と同時に取り除いてしまうぞ!

出典:デュエルマスターズ

場、マナ、手札を刈り取っていく!ループは勿論、雑にジョラゴンから使っても極めて強力。

出典:デュエルマスターズ

シールドトリガー、ドローソース、呪文踏み倒し。腐る場面のない1枚。

出典:デュエルマスターズ

なお、《ジョットガンジョラゴン》の攻撃時に発動した《アイアンマンハッタン》のブレイクにより《Dの博才サイバーダイスベガス》がトリガーした場合、この《Dの博才サイバーダイスベガス》は《ジョットガンジョラゴン》の攻撃を見ていないが、

その攻撃に対してDスイッチを発動することができる。(ただし、《アイアンマンハッタン》の効果処理等で《Dの博才サイバーダイスベガス》がバトルゾーンを離れた場合は同様に使えない。)

場に出せるクリーチャーの上限を強く制限!反撃の芽を事前に摘み取る!

ループでも大活躍で、このカードの枚数次第でループ証明の難易度が大幅に変わる。

出典:デュエルマスターズ

相手クリーチャーを無防備な状態で登場させる!その強力な制圧能力は、まさに四神に相応しい。

出典:デュエルマスターズ

無月の門の効果で出るクリーチャーとそれを構成する魔道具は別のクリーチャーなので、進化クリーチャーのように状態を引き継いだりすることは無い。

また、ヘッドジャッジの判断にもどうしても納得できないということであれば、事務局に確認してもらえないか頼むのもよいだろう。(ただしこれは進行上の都合、事務局になかなかつながらないなどの理由で却下されることが多々ある。が、言うだけならタダである)

ジャッジが判断を誤ることは勿論あるが、利害関係者でないため故意に裁定を間違えるという可能性は極めて低い。

困った時にはとりあえずジャッジ!それで大体うまくいく。

・視線で伝えるメッセージ!
   いつでもあなたを見ています!

皆さんは対戦中、相手の様子を見ているだろうか。

対戦相手が不正を行おうとする場合、なんらかの不自然な動作があるはずなのだ。

それを見落とさないためにも、相手からは極力目を離すべきではない。

そんなの見ててもわからない、という人もいるかもしれない。

しかし、自分に対して何ら注意を払っていない相手とよくよく自分の様子を見てくる相手。どちらを相手にした方が不正をしやすいかは言うまでもないだろう。

ただ見ているだけで、相手からすればプレッシャーなのだ。

また、相手が奇術師でもない限り手を使わずに行える不正というものは存在しない。

手元を中心に相手を観察すれば効果的だろう。

相手を注視することの副産物として、相手の反応からドローしたカード等を推察することができることがある。(これは裏目もたまにあるが)

特に、山札を見た瞬間の相手の反応は考察材料の宝庫である。

私はこれをもとにして戦況判断をすることが多々ある。

目、口元あたりが観察するには適していると思うが、目を見ると相手に反応を読もうとしていることが悟られる可能性があるため、口元をよく見ることを薦める。

表情に出さないようにと思っていても、とっさの反応というのは訓練でもしない限りはなかなかごまかしが効かない。大半の人にとっては、本番でだけ「気を付けよう」と意識する程度で隠せるものではないのだ。

一瞬喜びの反応が出て即座にそれを直し引き締めた場合は、相手にとって有利な変化がある可能性が高い。(体感8割くらい)

逆に相手の観察から逃れるのに私が採っているのは、山札を見る時に歯と歯の間に軽く舌をはさむというものだ。これで口元の動きはある程度ごまかせる。

興奮したときに思わず鼻息が出ないよう意識すれば、そこそこ防御効果がある。

デュエルマスターズは、盤上真理を求めるゲームであると同時に相手との駆け引きを楽しむゲームでもある。

相手を観察することで後者の楽しみが増し、勝負を有利に進められることは間違いない。

ゆえに、よりゲームを楽しむという意味でも相手の観察というものは是非行ってみてほしい。

4、終わりに

愉快で楽しくハッピーなこのイベントになんとも言えない話題を持ち込んでしまい申し訳ない。

しかしながら、皆が快くデュエルマスターズというゲームをプレイし楽しむためにこれは避けては通れない問題であると私は考える。

故に多くのプレイヤーが注目するこのトレカライターコロシアムで考えを述べさせてもらった。

この記事が何か考えるきっかけになればこれに勝る幸福はない。


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