こんにちは。北白河と申します。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを不定期更新で1枚取り上げて語っていきます。
というわけで、今日もやっていきましょう。……上の前置き、見ました?それでは、今日のカードはこちら。
《破界秘伝ナッシング・ゼロ》
【呪文】
【文明】 ゼロ
【コスト】7
■アタック・チャンス-無色クリーチャー(自分の無色クリーチャーが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
■自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せた無色カード1枚につき、このターン、バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体はシールドをさらに1枚ブレイクする。見せたカードはすべて、好きな順序で山札の上か下のどちらかに戻す。
俺の右手はゴッドハンド
DMX-13 「ホワイト・ゼニス・パック」にて登場した、現在は殿堂入りしている呪文です。今でも使われる《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》と同期ですね。このパックは収録カードの殆どがゼロ文明であることがウリで、このカードもその流れに沿ってゼロ文明です。
このパックの特記事項として、カード枠が白黒の集中線になっており独特のプレミアム感を生んでいます。そのせいでこのカードのPhotoshopでの切り抜きが全くうまく行かず、よく見るとこの記事のアイキャッチ画像の端っこがなんだか雑な感じになっていることもわかります。
エピソード2完結直前に発売されたパックという都合上、エピソード3の主要種族のアウトレイジの顔見せもここで行われており、史上初のアウトレイジとして登場した《破界の右手 スミス》の必殺技という側面もあります。
……とはいえ、初出時は「とてもじゃないが使用に堪えない呪文」として扱われていました。当時ゼロ文明といえばゼニスかアンノウン。その重さから彼らを使うには他の文明によるお膳立てが必要で、このカードがフルスペックを発揮する「ゼロ文明単色に近い構築」はほぼ不可能と言っても過言ではありませんでした。さらにゼニスはもともと巨大クリーチャーを擁する種族。ブレイク数を上げなくても打撃力は十分あり、「これを積むよりサポートかゼニス本人追加したほうがマシ」という結論が出ちゃうわけですね。
ちなみに当初の使い手である《破界の右手 スミス》ですが、そもそも単体だとでかいバニラに過ぎないので選択肢にすら上がりませんでした。(複合種族とは言え)《神豚 ブータンPOP》系列等の無色クリーチャー擁するオラクル系列のほうが使いこなしていた印象があります。
初めから右手ではなく銃を使うべきだった
このカードに転機が訪れたのは新章期。史上初の「上から下までゼロ文明によって構成されるデザイナーズデッキ」ジョーカーズの登場により、ついにフルスペックを十全に活かせるデッキが生まれました。同じくゼロ文明をフィーチャーする《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》とともに、「2ターン目0マナ3ドロー」「調子が良ければ3ターン目4ブレイク」をドクトリンとする黎明期のジョーカーズの必須パーツとして需要が高止まり。特殊パック収録で流通量が少ないこともあり各地から在庫が消滅し、「緊急措置としてコロコロコミックが付録として収録する」という異常事態を招きました。
環境研究が進むにつれ【ジョーカーズ】がコントロール寄りにシフトしたこともあり採用枚数が減ったりもしましたが、ブームの落ち着いた2018年3月1日になぜか殿堂入り。数カ月後に相棒の《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》も殿堂入りし、ゼロ文明のみでジョーカーズを組む意義は大きく減ることになりました。
……実はこれが殿堂入りした経緯についてちょっと思うところがありまして。根拠のない邪推ではあるんですが、「ゼロ単ジョーカーズがお手軽に強すぎてメイン顧客である小学生が新デッキである赤ジョーカーズに目もくれなかったため、殿堂で強制的に取り上げた」みたいな意図があったんじゃないかと思うんですよ。いやまあ赤ジョーカーズ自体があんまり強くなかったってのもあるんですが。
まあそりゃスタートデッキにコロコロ付録のこれとコモンの 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》を4枚ずつ投入するだけで、漫画の主人公が使うそれっぽいクソビートが組めるなら他に手を出さなくなるよな……(そういうデッキを使うキッズにボコボコにされた記憶が蘇る)
もうちょっと真面目な理由を考えると、これを殿堂せずに残していると殿堂直後に発売されたスタートデッキの《ガンバトラーG7》が一瞬で5枚ブレイクしてくるのでヤバかったというのもあるかもしれません。どう考えても始めたてキッズに与えていい破壊力ではない!
ちなみにこのカードの規制直後に後継の主人公デッキとして登場したのが、当時の札束デッキとして名高い【ジョット・ガン・ジョラゴン】です。加減しろ!
重大発表→エイプリルフール→重大発表
さて。いつも同じことしか書いてない前置きを読んで貰えた方はもうお気づきかと思いますが。当企画「今日の一枚」は今回からしばらく不定期更新という形になります。
理由は超シンプルで、「北白河が4月からクソでかいタスクの担当(他業務は据え置き)になり、今日の一枚の執筆時間が完全に消滅した」からです。休日にプロット書いて公開予定時間直前に爆速で清書して公開するパターンはもう二度とやりたくない(3月下旬に何回かやった)(今この記事もそうやってる)ので、差し当たりこのタスクが終わるまでは仕事が落ち着いている時限定の不定期更新になりますね。落ち着く時あるのか?
そんなわけで、不定期更新になってもゆるゆるとカードを紹介していくので、引き続き「今日の一枚」および北白河をよろしくお願いいたします。
覚えてろ……地べたを這いドロ水すすってでも定期連載にもどってきてやる……
というわけで、《破界秘伝ナッシング・ゼロ》でした。……いやめちゃくちゃタスク多いんですけど!これ全部俺がやるの!?それでは、次の記事で。
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