こんにちは、神結です。
4回に渡って連載を続けてきたドラグナー回も、一旦今回が最後です。まぁまた来年になれば増えるんですけど、それはそれ。
前々回の【ラッカドラグナー】や前回の【ハムカツドラグナー】と比べるとやや認知度は低いかもしれませんが、ある意味でドラグナー環境の総決算と言えるようなリストに仕上がっているので個人的にはかなり好きなドラグナーシリーズとなっております。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。

今回は【デイガドラグナー(最終形)】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
ドラグナー研究の総決算 「デイガドラグナー(最終形)」
というわけで今回の名作デッキはドラグナーの変化の果てである、【デイガドラグナー(最終形)】になります。
リストはこんな感じ。


こちら制作者は元チームSAGAのマイケル。登場したのはドラグナー最終期にあたり2020年の11月頃でした。
このデッキの特徴は、最後に出てきたということもあって従来のドラグナーの「いいとこ取り」を目指している部分にあります。
これまで話してきたように「ドラグナー主体の【デイガドラグナー】」「閣ループ特化の【ラッカドラグナー】」「捲り特化の【ハムカツドラグナー】」という風に、ドラグナーにはそれぞれ個性がありました。
このうち閣ループ要素はないものの、「ドラグナーで戦う」と「捲りも強くする」というハイブリットを目指したのがこの【デイガドラグナー】の最終形というわけです。
これは【ラッカドラグナー】が抱えていた「捲りゲームの展開になったときのパワー不足」と【ハムカツドラグナー】が抱えていた「安定感がない」という両方の課題に対したアプローチになっています。
リストとしては、元の【デイガドラグナー】の強みである《龍覇龍 デッドマン=ザ=オリジン》と《最終龍覇 グレンモルト》を生かしつつも多色の枚数を減らすため、《龍装05号 イヴィルヴィ / イーヴィル・フォース》や《龍覇 グレンアイラ》といったカードを抜いています。
その代わりに捲りで強い《ニコル・ボーラス》を採用し、加えて捲りを強くした恩恵で初動に《龍世界 ~龍の降臨する地~》を採用できています。

【 クリーチャー 】
種族 エルダー・ドラゴン / プレインズ・ウォーカー / 文明 水/闇/火 / パワー7000 / コスト8
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手は自身の手札から7枚選び、捨てる。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体、破壊する。

【 ドラゴニック・フィールド 】
種族 ドラゴン・ワールド / 文明 火 / コスト3
■自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが進化ではないドラゴンなら、このドラゴニック・フィールドを墓地に置いてもよい。そうしたら、そのドラゴンをバトルゾーンに出す。
また当時受けデッキとして一定の地位を築いていた【ネバーループ】などを倒すべく、《光神龍スペル・デル・フィン》のような呪文ロックドラゴンも採用されています。

【 クリーチャー 】
種族 アポロニア・ドラゴン / 文明 光 / パワー6000+ / コスト9
相手は、手札を表向きにしてプレイする。
このクリーチャーのパワーは、相手の手札にある呪文1枚につき+2000される。
相手は、呪文を唱えることができない。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
ですのでゲームプランとしては「《龍覇龍 デッドマン=ザ=オリジン》からのドラグハート展開で相手を物量で制圧」と「《爆熱天守 バトライ閣》からの捲りで倒す」という両方を用意できるようになりました。
これによって【ハムカツドラグナー】で欠けていた安定感をゲットし、更に【ラッカドラグナー】や【デイガドラグナー】で足りていなかった「捲りの火力」も手にしたわけです。
というわけでデッキとしては「上手い具合にハイブリッドしました!」といったデッキであり、動きとしてはこれまで紹介してきたものから大きく逸脱するわけでもないので、あんまり書くこともないんですよね。
ですがせっかくなので、当時の世情でも書いておこうかと思います。
このハイブリッド型の【デイガドラグナー】は、デイガとしての完成形と言えるでしょうし、しっかり結果も残しているですが、あんまり有名な構築ではないんですよね。
やっぱりドラグナーとして名前が上がるのが【ラッカドラグナー】【ハムカツドラグナー】で、あまりこの最終形のデイガの話をする人はいません。
主な理由としては2つほどでしょうか。
まず第一に当時はコロナ禍でして。
覚えている方は「あー」となると思うんですけど、2020年のコロナ禍って2段構えだったじゃないですか。3月の非常事態宣言から始まった夏くらいまでの時期は本当に締め出されていたんですけど、夏になると減少傾向にあったんですよね。
ですので8月から11月くらいまでは結構イベントとかも小規模ではあったんですけど開けていて、ここで冬に再流行してしまったことで12月くらいからはイベントが縮小気味になってしまいます。
特にこれは自分がCS運営をしていて気を揉んでいたことなのですが、この時期になると東京だけ非常事態宣言をするっていうことがまぁまぁありまして。
じゃあ神奈川のCSは開催できるけど東京のCSは中止で、東京都のプレイヤーは参加をご遠慮くださいみたいなケースも多くて、CS開催も参加も安定しなくなってしまいました。
という意味で、コロナ禍でも夏前と冬に入った時期のデッキの認知度は低いなというのが1点。まぁ11月に出てきたデッキだったので、周知される前に規制が入ってしまったというのもあるでしょう。
そしてもう1つが関東でしか使用されていなかったという点でしょうか。
まぁこれは前述の話と近い部分がありますが、時期的に使用されたのが遅かったことに加えて、当時のプレイヤーとしては「全国大会間近」の状況が長く続いており、2020年末(2020年12月27日)に全国大会の開催が予定されていたんですよね(最終的に再延期されました)。
そんなわけなのでリストの公開時期が遅れたこともあり、試される機会もなかったことから、他地域で活躍するケースもなく、最終的に認知されなかったんだろう、と思っています。
まぁ自分もCS運営やってなかったら知らなかったレベルなので、これは仕方ないかなぁといった認識です。
実際かなり完成度の高いドラグナーだと思いますので、もしゲートボールなどで遊びたい方は是非試してみてください。文末に参考文献としてマイケルの記事を載せておきます。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第160回は私の大好きな【デイガドラグナー(最終形)】でした。
実は一連のドラグナーシリーズを書くに至った経緯として、この【デイガドラグナー】の最終形の認知度があまりに低かったことも一因だったりします。
歴代名作デッキシリーズは誰もが知るデッキから、知る人ぞ知るデッキまで節操なく取り上げるシリーズなのですが、超有名なデッキでも、意外とその亜種まではあまり知られていないというデッキも結構あったりします。
ドラグナー自体も更に亜種があって、例えば緑入りとか使っている人いましたからね。
ですがまぁ、ドラグナーシリーズ自体は一旦これでお終いです。4回全て追ってくださった皆さん、ありがとうございます。来年になったら【ブレストドラグナー】でまた会いましょう。
気になった方はバックナンバーの方から追って貰えると嬉しいです。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。

それではまた来週会いましょう。
参考文献
マイケル「ドラグナーについて」(2020/12/10公開、2025/9/4最終閲覧)
バックナンバーはこちら!
デュエマの歴史を学びたい方はこちら!
