こんにちは、神結です。
新年あけましておめでとうございます。本年も引き続き、皆様に記事を楽しんでいただけるよう頑張りますので、ご愛顧のほどよろしくお願いします。
というわけで新年一発目の名作デッキ紹介ですが、皆さんは正月と言えばどんなデッキを思い浮かべますか?
……。
…………。
…………………。
……はい、特に思い付きませんでした。
まぁデュエマの正月明けと言えば、その昔「おやつ5人チーム戦」というのがあって、全国のプレイヤーたちが愛知県刈谷市に集結したことがあったんです。ちょうど正月休みが明けた土日とかに設定されていることが多かったですね。
例えば私がZweiさんに「初めまして」を言ったのは、北海道でも宮城でも東京でもなく愛知県刈谷市だったという。
ですので年末年始の休みといえば、おやつチームに向けた調整に時間を割くことが多かったですね。ですので、そのおやつチーム戦で初お披露目された一連のデッキたちが個人的には正月と印象深いデッキになります。
例えば【アナカラーデッドゾーン】なんかはまさにそれで、後は【赤黒ドルマゲドン】は初お披露目って訳では無かったんですが、これも正月頃が一番強かったですね。
ただアナデッドなんかは既に紹介させていただいたデッキなので、今回はそういうのを気にせず行ってみましょう。
というわけで改めまして、今回の「歴代名作デッキ紹介」。
今回は【落城退化】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
可愛いコンボデッキ、落城退化
というわけで今回の名作デッキは、【落城退化】になります。といっても、そのリストは2017年の春から夏にかけてのデッキになります。当時の略称は主に“落城”。
リストはおおよそこんな感じです。
さて、【落城退化】と言えば2022年を代表するデッキの一つでした。
裁定変更によって《竜魔神王バルカディア・NEX》退化を決められるようになったのはもう2021年のことではあるのですが、本格的な活躍を見せたのは2022年でしょう。
実際のところ2021年にそこそこ活躍していた【青黒落城退化】はそこまででもなかったのですが、【アナカラー落城退化】という革命によって、そのデッキは大きく生まれ変わりました。
ガチまとめでもお馴染みアーチーくんが、名手として名高いですね。アナ退化については、彼に訊けば全てがわかりました。
また《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》の登場により、【ドロマー墓地退化】も登場します。こちらはアナ退化よりもロングゲームが苦手でコンボ重視のデッキでしたが、その分受けが固いこともあって、アグロデッキに対しては抜群の相性を誇っていました。
またアナ退化に比べて使いやすいということもあって、夏頃の超CSではかなりの数を見掛けましたね。
で、そうした二種の退化を知った上で改めて今回紹介する【青黒落城退化】のリストをもう一度見て下さい。
……か、可愛い。
なんと可愛いデッキなんでしょうか。
一応牙は生えているんですが、それはハムスターが牙剥いて威嚇しているような、そんな感じのデッキです。
頭よしよしって撫でてあげたくなるような、そんな小動物的な可愛さを感じないでしょうか? これで目一杯「ぼくはつよいんだぞ!」感を出しているのもまた可愛いんですよね……。
なんといっても当時のこのデッキは退化ギミックが《龍脈術 落城の計》しかなく、《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》を入れようが《奈落の葬儀人デス・シュテロン》を増やそうが、絶対に《龍脈術 落城の計》だけは引かなくていけなかったんですよ。
【 呪文 】
文明 水 / コスト3
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■バトルゾーンにあるコスト6以下のカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。
で、ギミックを呪文に頼るということは、お分かりでしょう。
【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・ドラゴン / 革命軍 / ドレミ団 / 文明 光/水 / パワー4000 / コスト3
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■革命チェンジ―光または水のクリーチャー(自分の光または水のクリーチャーが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
■相手の呪文を唱えるコストは2多くなる。
【 クリーチャー 】
種族 マジック・コマンド / グレートメカオー / 侵略者 / 文明 水 / パワー4000 / コスト4
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または攻撃する時、数字をひとつ言う。
次の自分のターンのはじめまで、相手はその数字と同じコストを持つ呪文を唱えられず、同じコストを持つ相手のクリーチャーは攻撃もブロックも出来ない。
こういうのに滅茶苦茶弱かったんですよね。可愛い。
特にシャッフなんて激痛ってレベルじゃ済まなかったですね。
現代の落城退化を知っているプレイヤーだと「いくらシャッフ出したからってここで刻むと返しにキッドやドリアンで退化されて負けるから、一旦溜めて」というプレイをしていたと思いますが、当時はもうシャッフだしたら顔突っ込むだけで良かったんです。
クロック踏んでもあんなに穏やかな気持ちでターン返せるデッキも中々なかったですよ。
というより対落城といえば、まず最初に来るのは呪文メタであって、墓地メタって正直あまり意識している人いなかったと思います(当時は《お清めシャラップ》のような汎用的な墓地メタは少なかったというのもありますが)。
だから去年シャッフとかを乗り越えてくる落城退化を見て、「令和ってすげぇなぁ」と思っていましたね。
コンボが決まればゲームスタート! ……まじで言ってる?
退化というデッキの歴史について話すと、《龍脈術 落城の計》が登場したDS期まで遡りますが、デッキの本質は殆ど変わっていません。
ルーターが強くなったりメタカードが強くなったりはしましたが、ギミックは中々アップデートされませんでした。(ちなみに“退化”という言葉は当時からあって、なんならコロコロとかでも使われたりしたので半公式的な用語だと認識してもらって大丈夫です。)
このデッキの基本的な動きですが、お馴染みの通りです。
ルーターを撃って、墓地に進化元を落として、《死神術士デスマーチ》+《龍脈術 落城の計》で退化をする……というものになります。
まぁ強いて違いを挙げるとすれば、令和の退化は退化が決まって《竜魔神王バルカディア・NEX》が出てしまえばほぼ勝ち確だったんですが、平成の退化は退化してからゲームスタートという感じでしたね。
というのも当時は進化クリーチャーに関する裁定変更前(過去の裁定なので詳細は割愛しますが、すごい大雑把に言えば「進化クリーチャーに退化しても、進化クリーチャーの進化元が存在しないと場に残れない」といった具合に理解してもらえればOKです)だったので、退化先としては《竜魔神王バルカディア・NEX》のようなバカカードではなく、主にこの2枚が採用されていました。
【 クリーチャー 】
種族 クリエイター / ハンター / 文明 闇/火 / パワー39000 / コスト13
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、召喚せずに出していれば、自分の山札に加えてシャッフルする。
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 文明 闇 / パワー13000 / コスト9
■各ターンの終わりに、プレイヤーは手札をすべて捨てる。
■T・ブレイカ―
■このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、クリーチャーをすべて破壊する。
《世紀末ヘヴィ・デス・メタル》は純粋なワールド・ブレイカーとしての運用で、落城といえばこのカードでした。
特に《異端流し オニカマス》の登場以降は2ターン目にカマスを立てて、3ターン目にルーターを撃ってコンボパーツを拾いながら世紀末を墓地に落とし、4ターン目の退化を決めて世紀末+カマスという打点を作る……という夢のルートがありました。あ、ちなみに実戦ではよっぽど決まらなかったので安心してください。
《奈落の葬儀人デス・シュテロン》は、ターンエンド時に互いの手札を全部捨てるというもの。
落城はデッキに入ってるカードがカスみたいなパーツが多いためハンドレスになることはそこまで痛手ではなく、一方で相手には常にトップからのゲームを要求することが出来ました。
殴ったシールドも、エンド時には墓地にたたき込めるのは実際強かったですね。
……と、ここまで訊くと強そうですが(実際にそこそこ強かったのですが)、シュテロンには「このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、クリーチャーをすべて破壊する」というやんちゃで可愛い効果がついており、「シュテロンを建てながらトップから引いた小型クリーチャーを横に広げて安全なフィニッシュを狙う」なんてことは絶対に出来ませんでした。
トップから引かれた《ドンドン吸い込むナウ》で、盤面壊滅です。
というように退化してからのゲームということもあり、3枚のカードを要求しながら退化=勝ちに繋がるとも限らないという、現代のコンボデッキ感覚でいうとおよそ信じられないスペックだったのが当時の落城だったわけです。
しかし環境にいたことには、それなりに理由があります。
このデッキは当時の環境トップだった【赤緑モルトNEXT】に対して数少ない有利を取れるデッキだったんですよ。
そう、当時は「ジャック+NEXT」の環境。
このデッキのちゃんと強い点として、受けの固さというものがあります。それもギミックでどうとうというより、シンプルにトリガーの受けが強いというものですね。
特にNEXTは《終末の時計 ザ・クロック》だけは本当にどうにも出来なくて、殴られても返しに退化+オニカマスをすれば勝てるんですね。
また当時は受けてどうこうするデッキも少なかったので、世紀末+カマスというのは比較的通りやすくもありました。
上に書いた呪文メタに弱いという話も、NEXTを中心とした環境というのでわかるように、そんなのが入ってるデッキは当時から絶滅危惧種だった【サザンルネッサンス】くらい。環境にはいません。
というわけでこの時期の落城退化はちゃんと勝つ理由はあったんですよ。
で、メタが少し動くと一瞬で勝てなくなるのが落城退化というデッキの宿命でした。
ですから2021年末に落城退化絡みに殿堂が一切なかったときなんかも、「まぁどうせ落城退化なんて、退化先が強くなったところでギミック自体は弱いままなんだから、意識されたらもう勝てないよね」なんて思ってましたし、そんなことを書いた記憶があります。
いや、まさかね……アナ退化ね……。
あれはマジで革命だったんですよね……。
令和の退化を改めて振り返る
というわけでここまで散々平成の可愛い可愛い落城退化を見てきましたが、改めて令和に活躍した落城退化たちを振り返っておきましょう。
いや、強くなったねホントに……。
なんか退化ルートが複数あるのも呪文メタで止まらないのも、何故ロングゲームからハンデスを飛ばして逆にコントロールしてくるのも、当時から考えると信じられないんですよね。
なんか大学デビューとかそういうのを超えて、ハムスターからケルベロスになってますからね。別種族ですよ完全に。
《竜魔神王バルカディア・NEX》による退化から大暴ればかりが意識されがちですが、令和の時代の退化のもっとも大きかった部分は、この退化ギミックの多様化にあったな、と思っています。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第30回は可愛い可愛い【落城退化】でした。
このデッキは家で1人回しをしているときや友人との調整中は最強、CS会場に持っていくと最弱というデッキで、「退化つえーじゃん」→「二度と使うかこんなデッキ」を経験した人も少なくないと思います。
ただそれでも、極端にメタゲームの影響を受けるこのデッキで、それを読み切って使って優勝している奴はマジでカッコよかったんだよな。
可愛い可愛い書いてきましたけど、それくらいの強さも持ったデッキではあったんですよね。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。