サマーシーズン到来!
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。若い方々はそろそろ夏休みに突入したころなんじゃないでしょうか。よいですね。せいぜい無為に過ごして、大人になってから後悔してください。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。それでは、今日のカードはこちら。
《ボルシャック・ドラゴン》
【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー6000+ / コスト6
■W・ブレイカー
■攻撃中、このクリーチャーのパワーを自分の墓地にある火のカード1枚につき+1000される。
石ころだらけの道
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
とはいかないので、説明を。
DM-01で登場した、デュエマ最初のドラゴンの片割れですね。
原作では切札勝舞の最初の切り札として活躍した、言わずと知れたデュエマを代表する一枚です。
ちなみに設定的には「ボルシャック渓谷」に住む「ボルシャック一族」のドラゴンの一体とのこと。地名と一族のどちらが先にあったかは明かされていませんが、とりあえず本名不詳であることだけはわかりました。
シリーズカードを多数持つ彼の最大の売りと言えば、「死んだ友の哀しみを力に変える」、墓地の枚数に応じたパンプアップ。当時にパワード・ブレイカーがなかったことが悔やまれますね。
理論上ほぼ青天井でパワーを強化できるロマンとヒロイックな性能で多くのプレイヤーに愛され、関連カードも多数存在する大人気カードですね。
…そして、それと同時に無数の突っ込み所を抱える困ったちゃんなカード群でもあります。お前らのボルシャックって醜くないか?
というわけで、今回は「ボルシャック」一族の闇に迫っていきましょう。
まず、最大の売りたるパンプアップですが。
それどう見ても闇文明のカラーパイだろ!!!
《 超神龍アブゾ・ドルバ 》などを見ればわかるように、墓地利用は原則として闇文明の特権。第一弾からカラーパイを大きく逸脱すんな!
まあこれについては実はある程度理解できまして。
これは完全な推測ですが、この能力は「第一弾からいきなり複雑な能力を出すわけにはいかない開発上の問題」と「主役らしいスペックにしなければならないストーリー上の問題」の狭間で、苦肉の策として生まれた能力だと思っています。結果的に商業的には大成功してますし。
第二のボルシャックとして登場したのが、《 ネオ・ボルシャック・ドラゴン 》。転生編のリメイクブームに乗っかって元祖ボルシャックが転生・強化した姿として出てきた彼ですが。
お前絶対《 ボルガッシュ・ドラゴン 》だろ!!!
スペックにボルシャックの面影はどこにもなく、パワーアタッカーも固定値。
墓地に何体仲間がいても「4」としか数えられないタイプなんでしょうか。逆ミスタか?
雑誌プロモでカードパワーを高くできないという制約もあったのでしょうが、もともと非SAの準バニラファッティに生存権のないゲームだったこともありそのまま忘れられていった悲劇の一枚です。そんなんだから下にメンデルスゾーン付けてもらえなかったんだぞ。
そこから時間が経って次に登場したボルシャック(またもや設定的には元祖と同一人物)が極神編の《 ボルシャック・大和・ドラゴン 》。
同期の主人公の《 ボルメテウス・武者・ドラゴン 》(以下、ボ武)の介護サポート役として登場した彼ですが。
どう見ても介護先より強いのはダメだろ!!!
SA付けただけで見違えるように強くなり、(当時6マナSA2打点が唯一無二だったこともあり)単体起用すらされるようになってしまいました。
長々と書かれた一番下のテキストをインクの染みとし、ボ武を置き去りにして駆け抜ける姿には友情の欠片も感じられません。いやまあ揃ったらそれはそれで強いんですけど。ボ武入れない方がもっと強いだけで。
…まあその、これも100%憶測なんですが。ボ武、かなり土壇場でイラストと名前だけ差し替えられた存在なんじゃないかと思ってます。
不死鳥編の人気低迷に対するカンフル剤として、「とにかくカッコいいドラゴン」を作るべくすでにRかVRあたりにいたドラゴンのイラストと名前だけを修正してレア度を上げた…そんな大人の事情を想像しちゃいますね。
その歪みとして多数の介護パーツが生まれたと考えれば、《 ボルシャック・大和・ドラゴン 》はどっちかと言えば被害者と言えるのかもしれませんね。でもドラゴンには人権がないので、いくらでも被害を与えていいんですよ。
瞬瞬必生のドラゴンたち
そんな彼の転機となったのが、神化編。
「さすがに主役の能力として条件付きパワーアタッカーを推すのは無理がある」という事実に公式がやっと気付いたのか、設定を一新して「ルピアとの絆で戦う」スタイルとして再び主人公カードに返り咲きます。
「ボルシャック」というよりどっちかというと「NEX」要素のほうが強いものの、「毎パックのように主人公の新たな姿がカード化される」という現代デュエマの商業展開の先駆けとして多くのカードが活躍しました。起源神もこいつに倒されたし。
そして主人公が交代し、プッシュも減るかなと思った矢先。
「ボルシャック」、名称カテゴリ化。
公式も主人公が変わったくらいではボルシャック人気を手放す気にはならなかったらしく、これ以降は今までのテーマを全てかなぐり捨てて「ボルシャック同士のサポート」という個性を獲得することになりました。
さらにカテゴリ化に伴い「ボルシャック」での統一が戦略として可能になったこともあり、内容固定パックでの常連としても活躍。ことあるごとに新規が配られる人気カテゴリと化してしまいました。
その後、現行の王来篇でもモモキングに力を貸したりして大プッシュ。
もうすぐ登場のクロニクルデッキでは新規カードが全部ボルシャックというボルシャックの大安売りが行われ、無事にきたしーからのヘイトを高める予定です。《 決闘者・チャージャー 》を3マナ3ドロー1ブーストにすなーっ!
ボルシャックの数が増えたということは、当然有象無象も増えたということ。
どう見てもボルシャックじゃなくてバルガなやつとか、融合の名のもとに相手の種族を消し去ったやつとか、絶対ボルシャックではない上計算が面倒なやつとか、枚挙に暇がありません。
あとまあCVがヒロシなやつが最近現実世界に来たりもしましたね。なんでタカラトミーはウォーブレに引き続きエンタ芸人をCVにしたがるんだ…!?
…こうしてあちこちから溢れ出てきたやつを見てから言うの何なんですけど、ボルシャックの歴史ってやっぱり醜くないですか?クロニクルデッキでもっと醜くなる前に「Q-北白河」を名乗って整備しちゃダメ?
おわりに
というわけで、《 ボルシャック・ドラゴン 》でした。
ちなみに《 超竜ザシャック 》は設定上ボルシャック一族かつ元祖ボルシャックと同一人物なのですが、名称カテゴリ成立前のカードということで完全に闇に葬られました。
もしディスペクターがボルシャックの歴史を創り直そうとしたら、たぶん牢屋に入れられてるのはこいつです。選ばれなかったものはごちゃまんといますからね。
何もなければ来週の今頃には、「全然勝ってないのに勝ったことにされたアイツ」についての記事が上がるはずです。最近アウトレイジ・ドラゴンになってるので語ることは何もありませんがお楽しみに。
この記事の感想やドラゴンについて語りたくない気持ちなどありましたら、下部のコメントから、または#北白河の今日の一枚でのツイートや拡散などなど心よりお待ちしてます。
それでは、次の記事で。北白河でした。